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2008.08.29
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テーマ: 少年野球(739)
カテゴリ: 少年野球
今年度 最後の連盟公式戦が行われました。
そう、6年生にとって最後の大会です。

実は おんさん、1回戦はベンチにいませんでした。
どうしても外せない仕事のために。

「おんさんは2回戦からしか行かないから、何対何で勝ったか、結果だけ電話して来なさい」
主将には そう言って、ちょっとしたプレッシャーを。
相手はつい先日の練習試合で、うちが勝利しているチーム。
かといって油断できるような力関係ではなく、百戦錬磨のベテラン監督率いるチームです。

公式戦前、子どもたちには「練習試合では自分たちが勝った」という優越したムードが見て取れました。
本来なら ここで「油断するな!」と気持ちを引き締めていくところでしょうが。
これで、良いかなと思いました。
この1年、ずっと「どうせ勝てない」という劣等感の中で試合をやってきた子どもたちです。
試合では、土壇場での何くそという気持ちも大切ですが、それ以前に「俺達が負けるわけない」という優越感は大きいと思います。
公式戦で、いや練習試合も含め、初めて「自分たちが上だ」、「絶対に勝つんだ」という気持ちの中で臨んだ試合だったのでは。


いつもなら、試合に行けないときは、家内から逐一メールで状況の報告を受けます。
しかし今回は、皆を信じていましたし、主将の電話だけを待っていました。

"トゥルルル♪"

「ごめん。子ども、話せる状態じゃないんだ......」
電話して来たのは主将のお父さんでした。

「・・・・・・・」
言葉が出ませんでした。


試合の様子は、あとで皆から聞きました。
どの人も、「今までで一番の試合だった」と。
家内が撮った写真を見ても、子どもたちの表情は、おんさんも見たことのないほど、気持ちの入った顔をしていました。

先制、逃げ切りを狙って1点リードで迎えた最終回の守りは、1死、ランナー1・2塁から内野ゴロ。
ゲッツー成立で試合終了、やったー!と歓声があがったものの、1塁セーフ。
ここから連打を浴びて逆転を喫したもの。

裏の攻撃、最後のバッターは主将でした。
三塁への飛球に倒れ、ゲームセット。
最後の整列、そして観客席への挨拶をした後は、泣き崩れてしまった。


主将は唯一の6年生。たった一人でチームを引っ張ってきました。
4年生よりも ちっちゃな体で。
このチームで4人のキャプテンを見て来ましたが、一番主将らしい主将でした。
ほんと、よくやったな、と思います。


夕方すぎになり、主将から電話がかかってきました。
消え入りそうな小さな声でしたが。
「むっちゃ、くやしいですッ」
そう言った時だけは、強いトーンに。

おんさんも、むっちゃ悔しいです。
というか、今年1年、公式戦は一度も勝たせてあげられなかったこと、本当に子どもに申し訳なく、自分に悔しいです。

でも、彼にとっての このラストイニングは、彼の将来にきっと大きな物を残したと思います。
彼が野球部で長い年月やってきた頑張りが、この一瞬に集約され、その結果がどうあれ、彼の今後のステップに必ず活かされると信じます。


さて、6年生の試合は また来週もあるのですが。
連盟主催の公式戦がすべて終わり、これからは新チームの時代に移って行きます。
今の5年生は、彼らが2年生で「ちびっ子チーム」を初めて編成した時からの付き合い。
泣き虫、強情っぱり、のんき屋、そして やんちゃ坊主の あいつらが、いよいよ最上級生に。

おんさんが来年度のチームでも指導者でいるか、現時点では分かりませんが。
彼らのラストイニングも、彼らの今後の糧となってくれるよう、見守ってあげたいと。
できればその一瞬を、笑顔と歓声で終えたいものですが。
何れにしても、彼らが「野球やってて良かった」と思えるように。

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最終更新日  2008.09.01 12:51:08
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