おたる家ママの楽しんでくれたらいいな日記

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2011年05月30日
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カテゴリ: 小樽

DSCF7001.jpg

 新生姜の季節となり、ガリを漬けました。自分で漬けると甘みがしつこくなくて美味い。

 新生姜は酢にあわさると、キレイなピンク色に。これからまだまだ色が濃くなります。


DSCF7005.jpg

 鯖の味噌煮のお弁当。


 田辺聖子の昔の小説を読んでいて、今は携帯があるから便利になったと思う。

 田辺聖子の小説の中ではハイミスのOLのスミレの部屋には電話がなく、電話が掛かってく

ると呼び出しのベルが鳴るのであるが、わたしの若い頃もそうであった。

 「ブー」と鳴る。それは電話だよ~の知らせだ。

 わたしは息せき切って外の電話へと走るのである。

 ある時から、わたしは部屋に電話を引いた。冬の寒い時期、外で電話するのがかわいそうだ

からと、その当時付き合っていた人が電話を引いてくれたのだ。

 昔は部屋に電話を引くのに、たいそうお金がかかり、部屋に電話があるのは夢であった。

 電話が部屋にあることはとてもうれしかったが、今度は電話に縛られてしまった。

 いつ電話が掛かってくるかと思うと、おちおち出かけられない。

 今のように着信履歴機能があるわけもなく、それはベージュの「ジーコジーコ」と指でダイ

アルを回す電話である。

 電話のコードを5メートルくらいの長さにしてもらい、お風呂に入るときもお風呂場のドア

の近くに置いた。

 鳴らない電話をジーッと見ていたこともある。

 相手に連絡するときも会社などに電話しなくてはならず、それはそれで難儀であった。

 今の恋人たちは携帯にメールや電話をすればよく、どこへでも出かけられる。

 電話を待っている間も好き勝手に時間をつぶし、気を紛らわすこともできる。

 言いづらいこともメールなら自分の気持ちを吐露することもでき、手紙を書くことも皆無と

なった。

 とても便利である。

 でも昔の若いころのあの電話を待つ苦しい時間を懐かしく思う。

 今も待つ気持ちは一緒なのかもしれないが、一人部屋で電話をしてこない相手を待つという

時間の無駄がない。

 どこで何をしていたって、待つことができる。

 田辺聖子の小説を読んで、じれじれと待つというあの若いころを思い出し、わたしは少し笑

った。

 そんな時代もあったなという、懐古であるが。



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最終更新日  2011年05月31日 02時27分02秒
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