おしゃれ手紙

2011.01.26
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カテゴリ: 父の麦わら帽子
ウサギの島
子どもの頃、村の子どもたちは、ウサギを飼っていた時期があった。
父に家の軒下に小さなウサギの小屋を作ってもらって、私もウサギを数匹飼っていた。

子ウサギは、1年もすると大きくなり、子どもを産むこともあった。
数匹のネズミのような小さな産まれたてのウサギを親と一緒に育てた。


餌は、大根の葉などを食べさせたが、足らないので私が草をとりに行った。

学校から帰ると、真っ先に、籠を持ってウサギの餌となる草をとりに行く。
ウサギが喜ぶと聞いていたのは、レンゲ、クローバなど。
その他にも、マメ科のカズラの葉を採ってかえった。

学校から帰ると遊びたいという誘惑に負けて、ウサギの餌を採りに行かない時もよくあった。

そんな時は、父が大声で怒った。
「ウサギの餌を採りに行け!」
父は、ウサギを飢え死にさせるつもりか怒っているのだった。

私は慌てて、籠をもち、草をとりに走った。

雨が降りそうな時に遊んでいる時も怒られた。

ウサギに雨に濡れた草を食べさせてはいけないというので、雨の降る前に草を刈り取っておかないといけないからだ。

そんな思いをして1年間育てたウサギを、子ウサギを残して、村に来た商人に売った。
彼は、私以外の子どもからもウサギを買っていた。

売れたわずかなお金は、私のこづかいとなった。
この日から、また子ウサギを育てる日が続く。

こうして、数年、私はなんの疑いも抱かずに、ウサギを育てていた。

あのウサギたちは、毛皮として売られていたのだろう、と今頃になって思う。
ちゃんちゃんこ昭和30年代の前半、村には、ウサギの毛皮を身にまとった、人間などいなかった。
みんな、着ものを縫い直して、ちゃんちゃんこや、綿入れにしたもの、何回も編みなおしたセーターで寒さをしのいでいた。

父の麦わら帽子

ウサギネタ

毛皮は必要ですか?

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昔 ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2011年1月26日 *左義長/父の麦わら帽子:目次*
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Last updated  2011.01.28 19:50:23
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