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メディアはいつもそうだ。自か黒の二者択一。そんなあなたたちが世の中をクレイマーだらけにしているのに、まだ気がつかないのか。
映画化もされた「 チーム・バチスタの栄光
」「 ジェネラル・ルージュの凱旋
」などでお馴染みの海堂尊による医療小説だ。
今回は、夕張市のように財政に苦しむ北の街が舞台。いままでの作品に登場する大学病院に比べると、あまりにも貧弱な地方病院の実情を浮き彫りにする。加えて、 福島県立大野病院の医師起訴のような事件が発生する。
今回の作品はミステリーではなく、こうしたギリギリの状況の中で生活する医師、看護師、役人、マスコミ、遺族といった様々な人物の心の動きにスポットを当てた人間ドラマである。
それにしても、単なる小説に過ぎないのに、物語が進行するにしたがって、いままでの作品に登場する人物との関係が織り込まれていく点は凄いと感じる。ジェネラル・ルージュこと速水医師も、最後にちょっとだけ顔を出す。おそらく海堂ワールドは、現実のすぐ隣に存在するのだろう。
■メーカーサイト⇒ 海堂尊=著/朝日新聞出版/2009年04月発行 極北クレイマー
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