ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

May 19, 2006
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「三十路」

 ピアノのセス氏とこの曲を合わせるのは今回で五回め。最初に合わせたのは昨年の夏だったから、もう一年近くも取り組んでいる。

前回の練習 時に、氏は「あともう一回練習すれば、完璧に仕上がると思う。終わりが見えてきた!」などと豪語なさっていた。が、それはあくまで彼自身のピアノパートのお話。
 確かに終わりは見えてきているが、自分の場合、それは 諦めモード突入 という意味だったりする。

 何はともあれ、今日の練習で半ば強引に仕上げてしまうこととなった。今までの総決算となるわけだから、一音一音を丁寧に弾き込むことを意識して演奏した。

 肝心の1楽章はまだまだ課題が山積み。ピアノとの拍の「ずれ」を楽しみながら弾く余裕があればいいのだが、頭の中では六拍子をカウントするのに必死で、音楽的、技術的なレベルを上げる段階まで行かなかった。悔いはないと言えば嘘になるけれど、とりあえずこの曲は終了。

 このソナタのように、ピアノとバイオリンのラインが絶妙に織られては編まれている曲を、セスのような一流のピアノ弾きと合わせることができて、自分はほんとに貴重な体験をしたと思う。

 思い起こせば、この曲を初めて聴いたのは僕がまだ十代の頃。生まれて初めて買ったソナタのCDもこれ。
 あまりに渋すぎて、「オトナのために音楽」という気がした。若造の僕にとっては親しみを感じ得なかったけど、 三十路を過ぎて人間的に熟してきたら 、自分もこの曲を弾きこなせるようになるに違いないと勝手に思い込んでいた。

 そして今、自分は30歳代。いまだに人間的にも熟してないし、この曲も弾きこなせていない。
 うーむ。





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最終更新日  May 24, 2006 06:00:47 AM
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