ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 30, 2007
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 エルガーには妙に惹かれます。交響曲から小編成の曲まで優れた楽曲を書き揃えてますし。
 そして彼の譜面を読んでると、 Nobilmente という指示が何度も出てくることに気づくのです。ときに Nobilmente e semplice ともなったりして、おぉー、さすがはエルガー!と勝手に萌えてしまう。「高貴かつシンプルに」なんてシブすぎ。

 ちょうど先日、ロンドンの某アマオケで彼の「コケイン(ロンドンタウンにて)」という曲を弾きました。演奏される機会は少ないはずの曲ですが、地元のロンドン市民はあたかも暗譜してるかのように嬉々として弾いてて、彼への無垢なる尊敬がそこに読み取れたのでありました。

 今年はエルガーの生誕150年記念年。もう終わっちゃうけど。

 僕の棲息するアメリカ東海岸一帯でも、エルガーにちなんだお祭りがいくつか催されました。結局はどれにも行けず悔しい思いをしましたが、実際に参加した友人たちが「エルガーTシャツ」を土産に買ってきてくれたのでありました。(って、いつどこで着よう……。)

 あと、今年は個人的にちょっとだけエルガーの楽曲について調べてみました。 ピアノ五重奏曲 バイオリンソナタ を中心に。
 先日ホームパーティーに招かれた際には、「Chanson de Matin 朝の歌」作品15という小品(バイオリン又はビオラとピアノ)を弾いてみました。「愛の挨拶」だけじゃなくこんな粋な曲も書いてたのであります。演奏そのものは準備不足でボロボロでしたが、やっぱりエルガーワールド、たまには背伸びして「ノビルメンテごっこ」するのはいい経験になります。

*****

 さて、今回のイギリス訪問で最も衝撃的、悲劇的だった発見。それは、20ポンド札の肖像画がエルガーから別の人(アダム・スミス)に代わってたこと!

 確かに紙幣デザインの変更に関する記事を以前にどっかで読んだ気もするけど、よりによってエルガー記念の年に彼にご引退願うとは皮肉! いわゆるブリティッシュユーモアのつもりなんでしょうか(笑)。

elgar 20 note.jpg 旧20ポンド紙幣(エルガー)

 実際にはエルガー紙幣もまだ市場に流通してたのでひと安心(?)。せっかくだし記念に何枚か保管しておかなきゃとも思ったものの、今の率だと20ポンドって5000円近い大金だし、そんな余裕は自分にはない……。(それにしても物価高すぎ。ロンドンの地下鉄の初乗りは1000円近い!)

 ま、紙幣からは消えても、エルガーは今後も英国民の心の中に特別な存在として生き続けることでしょう。第二の国歌「威風堂々、希望と栄光の地」が歌い継がれてるわけだし。
 毎年プロムスの千秋楽の映像を見るたびにいろいろと考えてしまうのであります。

proms2007.JPG
 ↑観客の屈伸運動が笑えます。(ナゼ屈伸……?)





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最終更新日  Dec 2, 2007 09:33:43 PM
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