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「家族が4人になったよ!」とある朝、おっとが仕事先からはずむような声で電話をしてきた。わたし「え?」嫌な予感がした。おっとはRyuが生まれてすぐから「Ryuに妹がいないと可哀相だよ!」と主張していて、わたしはあんなに苦しんだ10ヶ月10日が終わったばかりでとてもそんな気になれなかったし、年齢的なことを考えても、そんなリスキーなことをもうしたくない。そういえば、妊娠がなかなか出来なかったころ、かなり真剣に2つのことを考えていた。そのひとつは孤児を養子にとること。まさかおっと、勝手に申請していて養子縁組が整ったとか?!いやいや。。。その考えはすぐに打ち消した。養子をとるには夫婦両方の試験が必要なのだ。おっとの独断では無理。あ、じゃあ2つ目に違いない!!わたし「絶対ダメだよ!」おっと「え?」わたし「言ったでしょ、Ryuの世話だけで手一杯で他になんにも出来ないのに、子犬なんていらないよ!」ずいぶん前の日記にも書いたのだが、おっとは子犬をすごく欲しがっていた。きっと、誰かにもらう算段を勝手につけたんだろう。それとも、仕事の途中で拾ったか?前回は結局、おっとの心の準備がまったく出来ていないことが発覚、お流れになったのだ。しかし先日、またその話を蒸し返してきたので、「世話するつもりもないくせに欲望のみで動くな!」と言ったところ、おっと「きみは1日中、家にいるんだから世話が出来るだろう!」な、なにを~っ!!好き好んで家にいるわけじゃない。Ryuがいるからしかたがないんだ!それにおっとは、最近ちくちくとわたしに「そろそろ仕事はじめてもらわないと、ぼくひとりで家族3人支えられないよ。」とこぼす。なのに10年以上も生きるであろう犬を、共働きの子持ち、近所に親や親戚がいるわけでもなく、誰がどうやって世話をするんだ?矛盾したことばかり言ってるんじゃない!おっと「違うよ、今朝家の中で見つけたんだ。」わたし「え?」おっと「キッチンで、ね。ず。み。」にやりとするのがわかった。わたし「えええええええ~!!」おっと「ここ2~3日、きみとRyuが寝室に入ったあと(最近、おっとはわたしたちより遅く寝て、まだわたしたちが寝ているうちに出て行くのだ。)、キッチンでなんだかガサゴソ音がしてたんだよ。で、今朝起きたときに、そっと流しの下の扉をを開けてみたら、生ごみのバケツの中にいたんだ。でもぼくを見てすぐ逃げちゃったけどね。」電話を切った後、わたしはRyuをソファの上に降ろし、家ではDVDを見るときにしかかけないめがねをかけて流しの下を開けた。そういえば、昔飼っていたハムスターのもののような小さな黒い米粒のようなフンがあちこちに落ちている~!!!毎日開けているのに、ど乱視、ちょっと近視のわたし、まったく気がつかなかった。このぼろ納屋に引っ越してきてすでに4年が経とうとしているが、これまで生ごみの中にねずみはおろか、ごきぶりもみたことはなかった。家の中でのうのうとしているのは、放置していればあちこちに巣を張るクモぐらいだ。そういえば3年ほど前、一度だけねずみが入ってきた。そのときは屋根に上り下りしてバタバタしていたときだったので、いかにも屋根裏にひっそり住んでいたねずみがびっくりして家の中に入ってきた感じだったし、あっというまに逃げていった。しかし、今回は違う。生ごみの中、ということが明らかに確信犯である!どうしよう。。。流しの下を掃除しながら考えた。3年前に見たあのねずみは茶色くて小さくて、ピーターラビットの絵本の中から抜け出してきたような可愛いねずみだった。あれを殺すなんてわたしには出来ない。しかしゲージの中で飼っているハムスターとは違って、この場合、放し飼いのようなものだから、決まったえさを食べるわけではない。そういえば今まであまりにも無防備に夜ご飯をフライパンにきっちりふたをしないまま次の日まで置いていたり、Ryuが残したおやつをテーブルの上に放置して出かけたりしていた。やっぱりわたしたちの食べ物を、特にRyuの食べ物をおすそ分けするわけにはいかない。可哀相だけど、退治しなきゃ!次の日。さっそくホームセンターで、とても極悪そうなねずみの絵のついたパッケージの殺鼠剤を買ってきた。箱を開けると、3年前カルラのお父さんにもらったものと同じ、水色の小さな毒薬がいっぱい入っていた。Ryuが絶対に届かないよう、いくつかをキッチンの下のパーツを開けて放り込み、しっかりそこが開かないように閉め、ひとつをすでに空になっている生ごみバケツの底にRyuが朝、食べ残したバナナと一緒に置いた。うげー、猛毒な臭いがする。。。こんなに毒々しい水色で、こんなに化学的な臭いがするのに、ねずみがひっかかるの?疑問を抱きながら、流しの下を閉め、昼食をとるためにRyuを椅子に座らせて、わたしもテーブルについてフォークを取った。。。かさかさ。ビニール袋がすれあうような音が流しの下からはっきり聞こえた。まさか。。。?もう。。。。引っかかっちゃったの!?どきどきしながら流しの下を開けると、3年前のねずみよりひとまわり大きいねずみが生ごみバケツの底から這い上がろうとぴょんぴょんジャンプをしているではないかっ!うわっ、本当に引っかかっちゃったーっ!!すごっ!!!み。。見なかったことにしよう。。。。と急いで扉を閉め、慌てて思い直して扉を開けると、まだばんざいしながらぴょんぴょんしていて、その姿はいかにも助けを求めているようなのだ。わたしは決意を固め、ビニール袋の口をぎゅっと結び、駆け足で玄関を開けて、ねずみをベランダに放り出した。逃げる。。?それとも毒を食べちゃったから、このままビニール袋の中で死ぬ?この先を知りたくなかった。思考をシャットダウンして黙々とRyuと昼食を済ませ、Ryuが昼寝に入ってからそっとベランダに出てビニール袋をほうきの柄でつついた。音はもうしなかった。おそるおそるビニール袋をつまみあげると、袋が小さくかじりとられていて、そこからねずみは逃げたようだった。はあ、よかった。。。生きていたんだ。もう、家の中にねずみはいないよね?念のために生ごみは外に出し、テーブルやキッチンの上の食べ物は、ポテトチップスすらも全て冷蔵庫に放り込んだ。次の日の朝。週末。一番早く起きたわたしは、普段はかけないめがねをかけて、Ryuがハイハイを始めてから毎朝恒例となった床掃除にかかった。同じねずみが帰ってきたのか?DVD「レミーの素敵なレストラン」のように家族が一緒に住んでいたのか?夜中のうちに食べ物を探した痕跡、それもとてもわかりやすい痕跡。。。昨日まではなかったところにフンが落ちている!!もちろん空になった生ごみバケツの周りにも新たに、である!!!ショックだった。せっかく「レミーの素敵なレストラン」のおかげで「ねずみだって素敵だ!」と思っていたのに、彼らはわたしの敵に廻ってしまった。哺乳類にこんなことはしたくなかったけど、月曜になったらネズミ捕りの罠を買いに行くしかないのかな。。。しかしこの心配も無用だった。新たにフンを発見したのはこの日だけだった。あちこちに置いた毒薬が効いたらしい。こんなに毒々しいのに、生ごみバケツのそばの一個は何箇所もかじられた跡があった。ここ数日、ほっとしていると同時に、動物を殺してしまったという、悪い後味に悩んでいる。おととい、去年のSさん宅のクリスマス会で知り合った、隣町に住むY子ちゃんに電話で「ねずみが出たんだよ!」と語ったところ、Y子ちゃん「家にねずみが出るって、アパートの公共スペースの管理がなっていないんじゃないの?」←とても真面目そうな性格そういえばY子ちゃん、まだ我が家に来たことないんだよね、こんなぼろ納屋、管理人なんていませ~ん。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。はぁ。
2009.03.07
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お久しぶりです。最近ご無沙汰しましてすみません。イタリアならでは8月の何も動かない間に焦って、秋からのいろいろなマタニティ関係のクラスだとか、セミナーだとか申し込んだおかげで最近毎日出ずっぱり。ある日は午前にMonzaの病院のマタニティセミナーを受けたら午後からは近所の病院のマタニティビクス、夜からはおっと同行の夫婦セミナーと、いい加減疲れてきた。義務教育の学校じゃないのだから、さぼればいいものを真面目日本人はそんなことが出来ないのであった。****さて先日もちょっとふれた家の裁判。あの大雨のときにはっぱをかけたのも関係してか?ようやく弁護士事務所からひさびさのお呼びがあった。用件はこれ以上、裁判を続けるか否か、ということである。なぜならはじめてすぐ、わたしは足を骨折して入院、それからはおっとが主体になっていたものだからわたしは具体的に関与が出来ていなかった。今回わかったのはこの裁判、とっくに勝訴しているのだ!!←早く言えよ、おっと!当たり前だ、被害状況からしていくら裁判所のペリートが不動産屋に裏金を掴まされて裁判を延ばしたり、報告書に細工したところで、あからさまにこちらの勝ちであることはわかっていたことなのだ。しかし。勝訴の段階で不動産屋がすぐに不服を訴えたらしい。なぜなら、我々の建築士が屋根を修理するとして提出した費用が高額すぎる、というのである。そこでおっとは念のため、他の業者に屋根の修理代の見積もりを出したらしいが、だいたい我々の建築士がはじきだしたものと同額であった。つまり常識的な額。だが不動産屋が「仕方がねえな、払ってやるからとっとと閉廷しやがれ。」な勢いで提示してきた額は我々が提出した額のたったの1/3であった。裁判所までが奴らの悪行を公式に認めているというのに、あきれて開いた口がふさがらない。我々の弁護士と、あちらの弁護士がまるで八百屋の店先のように「もっと払えよ。」「いや、もっと負けろ。」と問答しているうちに、再判決定期限1ヶ月前を切ったわけだ。この2年、闘ってきて雨が降るたびにヒヤヒヤするのも、床に滴った雨水を掃除しながら「こうなったのも誰のおかげだ?この野郎!!」と歯軋りするのも精神的に疲れてきた。おまけに弁護士からお呼びがあったりメールがあるたびに、素人には想像も付かなかった奴らの更なる悪行が暴露され、そのたびに電気ショックを受けたような心臓衝撃が走るのだ。おっと「もうすぐ子供も産まれるし、出来ることなら産まれる前までに屋根の修理を終えたいからもう終わりにしよう。」わたし「うん。。それは賛成だけど、でも奴らの提示してきたたったあれだけの額じゃ今までかかった弁護士もろもろの費用は別として、閉廷の際にかかる費用の捻出だけでも赤字だから少なすぎるよ。」おっと「ぼくらの弁護士が言うには、半分ぐらいまでなら奴らに出させられるみたいなんだ。だから過去の赤字はもう仕方がないとして、材料はうちらで揃えてマルコ(我が家の向かいに住む工事業者)に工事代だけ払って修理してもらおうよ。」確かに。裁判所の決定を不服としてまで絶対に払わない姿勢をみせるこの極悪不動産屋。これ以上続けたところで、さらに膨大な費用がかかるし、ヘタしたらこちらが言われもない揚げ足を挙げられて敗訴に追い込まれるリスクもある。わたしとおっとの意見は決まった。わたしたちは弁護士がいう提示額の半分の額を条件に閉廷することに決めたのであった。弁護士「そうですか。。。現在の屋根の状態を考慮すると、裁判を続けるには時間がかかりますし、その決定が懸命かもしれません。」ああ、やっとこの戦いも幕を閉じようとしている。。。長かった。裁判なんてそうそうするもんじゃない。しかし、我々の場合は仕方がなかった選択だった。あのまま不動産屋と裁判もはさまず示談していれば、「修理費用半分ずつ折半にしましょう。」(←なんでやねん!?)と彼らの出してきた現在の我々の提示額1/10以下のさらに半分の額で丸め込まれるところだったのだ。そんな小額でどこをどう修理できるというのだろう?今までの応急処置でかかった費用だけでもその額をゆうに超えている。結果だけ見れば我々は精神的にも金銭的にもボロボロになって得はおろか、損しかしていないのだが、こんな奴らに正義の鉄拳を下し、奴らの財布の口を無理やりこじ開けさせれるだけでも収穫はあった。しかしその後の弁護士の言葉でわたしたちは感慨から現実に引き戻された。「先日、アルベルト ルイジ(懐かしの我が家のずさん工事犯野郎!である。)が供述の中で『オプションとしてかかった料金がまだ支払われていない。』と言っていたそうです。心当たりはありますか?」それまで黙っていたわたしは「ルイジ」という言葉で簡単に爆発した。「オプションで屋根の工事を奴にさせてしまったのが、裁判になるきっかけのようなものだったんですよ!?これはすでに家の契約時に不動産屋にローンの中に組み込んで払っています!!」弁護士「ということは領収書は契約時の小切手の明細でわかりますね。確認しておきます。」。。。ということはまだ不動産屋からルイジの野郎に支払いが完全に済まされていないということか?もしそうならいい気味だ。こうしてわたしたちはミラノの中心にある弁護士事務所を後にし、久しぶりに我が田舎町には存在しない日本食レストランで寿司を味わったのだった。そのときに出た話題。おっと「屋根ももうすぐ修理できるし今年こそ薪ストーブを買わなくちゃ!」わたし「え。。。屋根の修理も、閉廷にかかる費用もいったいどれぐらいになるかわからないし、出産っていろいろ物入りみたいだし、乳幼児がいる家に薪ストーブって危険じゃない?もうちょっと先に延ばそうよ。」おっと「何言ってるんだよ?買うなら今だ。取り付けの工事だって大変だろうし、乳児がいるのに今年の冬も例年みたいにボイラーが壊れて数日間暖房が入れられなくなるのが、何よりも心配なんだよ。」わたし「それはわかるけど、暖炉用の配管工事もルイジがやったって事実をお忘れなく。わたしは奴の工事なんて絶対信用してないからね。」おっと「大丈夫だよ、さすがに家全体がずさんってことはないだろう?」甘いな。。。入居当時のことを忘れたのかおっとよ。電気はコンセントを差し込んでもつながらず、そのため冷蔵庫はあるのに数日使えず、洗濯機を廻せば、壁の水道の蛇口の根元から水が噴水のように吹き出しただろうが!そんな目に見えるところでそうなのだから、壁の内側に隠された配管なんて、ちゃんと通ってるかどうかなんてわかりやしない。おっと「とにかく配管はしてあるんだ。今度薪ストーブを見に行こう。」と、ある週末に我々は2年前にも訪れたおっとの仕事の顧客先の薪ストーブ屋のドアを押したのだった。「今年こそ薪ストーブを買う決心がついた?」と店主はにこやかにわたしたちを迎えた。おっと「うん、もうわかってると思うけど、2年前に決めていたリスのマークのストーブが欲しいんだ。」店主「ああ、Morsoのストーブね。(下の写真みたいなの。)暖炉・薪ストーブを楽しむ(vol.2)で、家に煙突とかは付いてる?それによって工事費用とか期間がずいぶん変わってくるからね。」おっと「煙突の配管工事は入居前に済ませてあるよ。」わたし「ただ、ちゃんと機能するかどうかが問題なんだけど。」と苦笑いをする。するどい店主、それで顔色が少し変わった。「そういえば裁判どうなったの?ぼくもね、今あるお客さんの裁判のアドバイザーとして証言しにいったりしているところなんだけど。」と、ポケットアルバムを持ってきた。アルバムは火事で焼けただれた家の一部をあらゆる角度から撮った写真で一杯だった。わたしたちは息を呑む。「これはね、ベルガモの新築の家が薪ストーブによって火事になったときの写真なんだ。煙突の配管には耐熱性の管が必要なんだけど、工事業者が安い管を使い、しかも建築法で「管のまわりの直径10cm以上は木材から遠ざけなければいけない。」と決められているのに家の柱に使った木と、天井に使った木に密着させて取り付けていたものだから、使っているうちにじわじわ木が木炭状に燃えて火事となってひろがったんだよ。」思わずこの工事業者はルイジではないか?という不安が頭を横切った。店主は焼け残った管の拡大写真を見せる。「これがその問題の管なんだけど、お宅のはこれかい?」わたしとおっと「ああ、まさにこれ!!」店主は続ける。「これだけじゃないんだよ。前冬ベルガモだけで30件以上の薪ストーブによる火事があったんだ。その全てが使用者の不注意なんかではなく、工事業者のずさん工事のためだったんだ。」30件。。。といえばルイジが一冬に働けるだけの数だろうか?とまた考えるわたし。店主は「本当はこういう丈夫な管を使わなければならないんだ。」とピカピカでいかにも分厚そうな金属製の管のカタログを見せた。「しかしあの写真のと同様の管を使っていたとなると、壁にはたぶん問題ないとは思うけど周りに木があるかどうか確かめなくちゃ、うちもそんな危険な家にストーブは売れないよ。どうする?うちから専門業者を派遣する方法もあるけど、知り合いでそういうひとがいるならそのひとにまず見てもらったほうがいいよ。」つまりは、またさらにお金がかかるということか。おっと「心あたりがあるんで、まず見てもらってから返事するよ。」わたしたちはがっかりして店を出た。家の問題はこんなにも後を引くものなのか?薪ストーブひとつも安心して買えやしない。ルイジみたいな奴が建築業界でのさばっているイタリア、許していいのか??はぁ。。。。。。
2007.10.15
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10日ほど前、北イタリアには大嵐が吹き荒れた。そのおかげで、涼しかったミラノはますます涼しくなった。この日、特にベルガモでは街路樹が倒れて、クルマがぺちゃんこになったり、建設中や古い家の屋根が吹っ飛んで、市民が避難する騒ぎになった。ちなみに我が家はベルガモ寄り、ぎりぎりミラノ県だ。この日、わたしはいつものように家に居て、おっとは大雨の中、会社に行ったのはいいがあまりの風雨で外に配達には行けなかったらしい。夜半からの雷と風と雨の音、急激に下がった気温で朝、なかなか布団の中から出れずにぐずぐずしてようやく起き出した。(絶対、2階は雨漏り確実だな。)朝食を終えてため息をつきながらモップを持って階段を上がる。今までにおっとの友人の業者にちょっと瓦を修理してもらったので、どんなにひどくてもあちこちに垂れるしずくの下にプラスティックのアイスクリームの容器などを置いていたらなんとか防げたのであるが、今回そこで見た光景は、なんと「屋内プール状態」!!フローリングの床からはまるで泉が湧き出るかのごとく全体がびしょびしょ、ベッドの上にも無数のしみが広がっている。OOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!わたしは慌てて滑らないように用心しいしい、階段を引き返し、モップの他に大きなバケツとタオル数枚、ドライヤーを持って上がり、床をモップで何度も拭い、ベッドのマットレスを完全に乾くまでドライヤーを当て続けた。しかし、嵐が収まらなければ拭いた先からしずくがどんどん落ちてくる。わたしが不毛な拭き作業を夢中で繰り返していると、なんとか嵐は午前中で収まったのでやっと我に返る。見れば、必死で拭いた床もすでに水分がフローリングの中まで浸透していて、あちこちの板が浮いてきているのを発見して怒りを覚えた。空を見ると、また雨が降り出しそうだったので生乾きの床とベッドの上にビニールシートをかぶせて下に降りた。おっとに電話をかける。「今回は今まで以上の被害だよ!裁判結果はいったいどうなってるの!?弁護士も弁護士代だけ取っておいて1年近く音沙汰がないじゃない!!電話して確認してよ!!」おっと「わかった、わかった。すぐに電話するから。」午後からもまた嵐が吹き荒れた。今度は屋根のといが大量の雨を受け入れきれずにこともあろうかきっちり閉めているはずの窓の隙間から1階に雨が流れ込んできたのだ!慌てて雨戸を閉めるために窓を開けると、バシャーッと全身シャワー状態で一瞬にして頭からびしょびしょになる。雨戸を閉めるとやっと雨が入ってこなくなったが、昼間から真っ暗な家の中、電気の明かりで床掃除をすることに寂寥感を覚えずにはいられなかった。新しいお友達はご存知じゃない方も多いとは思うが、我が家は建築当初から欠陥工事をされたおかげで2年前から裁判となり、半年前、全ての調査と供述が済んで、あとは裁判所の返事待ち状態なのである。調査の段階でもかなり相手の悪徳ぶりは露見されたというのに、未だ結果が出ていないのがはがゆくてたまらない。(ご興味がおアリの方はHOME右横のカテゴリーの「家探し、購入から入居まで」を読んでね。)夕方、おっとが帰宅。「階下の家のベランダに張り出してる日よけテント見た?骨が折れて倒れてたよ。」わたし「見た見た。で、弁護士は?」おっと「うん。。。前回と同じ。まだ結果は出ないって。でね、君ニュース見た?ベルガモじゃあちこちの家の屋根が吹き飛んでるんだよ?だから今回はまったくの天災。。」わたし「何いうんだよ!?うちはミラノ(一応)だよ!?ベルガモの屋根が吹き飛んだ家はみんな建設中や古い家じゃない?うちは古い家と言っても改築の際に、全部新しくなってるはずなんだよっ!!」おっと「でもね、弁護士は『お気持ちはわかりますが、家を触らないように。』だって。」←というのもおっとがあまりのひどさに応急処置をしていいかどうか、訊ねたからである。わたし「そういうから待って半年じゃない!?どんどん家が傷んできているのにこのまま放置しておけないよ!!」おっと「じゃ、やっぱり部分修理する?」わたし「当たり前じゃない。このままじゃ、大雨のたびに家もわたしたちの精神も参っちゃうよ。」というわけで、おっとの友人の業者親子がおととい修理にやってきたのだった。以前も、あからさまに穴が開いて空が見えていた屋根の一部を友達のよしみで部分修理してくれたエクアドル人たちである。あの部分が一番ひどかったので、そこが修理されてからというもの、安眠度が上がったのは言うまでもない。土曜日におっとはエルトンに手伝ってもらって新しい瓦を150枚買った。枚数が多いので、1枚の値段は安いとはいえ、これだけ買うと半端じゃないし、後悔と、勝手に部分修理をして、後でどうなるかわからないことに恐れを覚える。彼らはおっとと共に屋根に上がり、作業を始めた。話はそれるが、我が長屋の一番奥のずっと空き家になっていた家は反対端に住むご近所さんのカルラのお姉さんの所有物なのだが、やっとこの間から住むために改築工事にかかっている。(だから一日家にいるわたしは騒音がたまらないのだ!)あちらは本格的に足場を組んでその足場の周りにもネットを張って事故を防ぐ備えが万全だというのに、こちらはサルのように隣の家の天窓から上がらせてもらって命綱もなにもつけない作業。業者の2人はともかく、煙突にしがみつきながら手伝っているおっとを下から見るとハラハラするのだ。コンコンガンガンと続いていた音が収まると、やっと彼らが埃だらけになって、五体満足で昼食に降りてきたのでホッとする。わたし「どう、進行具合は?」おっと「被害が一番ひどかった部分、古いねずみの巣があってね。断熱材に瓦と天井の間に詰め込んでいたウレタンをかじって寄せ集めてたものだから、余計に水が入りやすくなってたんだ。」わたし「ゲ~!そういえば去年ぐらいまで夜中にカリカリうるさかったもんね。で?」業者1「瓦が終わったよ。」わたし「え、もう終わったの?ご苦労さま。」おっと「そうじゃなくて、瓦が足りないんだ。」わたし「ええ~、何枚?!」業者2「120枚ほどかなあ?」OOOOOOOOOHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOO......全然足りないやん!!この日は日曜日でイタリア中、どこの店も閉まっている。しかたなしに中庭を隔てて斜め向かいに住む、カルラのお姉さんの家を工事している業者のマルコに瓦を売ってもらえないか頼みに行った。マルコ「いいよ、現場から好きなだけ持って行ってよ。」しかし見比べると瓦の種類が違う。これでは使えない。おっと「じゃあ、こうしよう。この瓦をとりあえず、被害がひどかったところにちょっとだけ使って、足りない分は次回ってことで。」と、サルたちは再び屋根に上がっていったのであった。途中、かぽーんという音がして、おっとがバタバタ降りてくるのが見える。わたし「どうしたの?」おっと「バケツを道路に落としちゃって。。。」あんたらこわいよ!幸いそのとき誰も通ってなかったので、被害者はいなかった。夕方になって3人が降りてきた。そして、急いで2階へとあがっていく。今度はなんなんだ!?おっと「やっぱりダメだ。来週もう一度見直さないと。。」業者1「作業が終わって試しに上からバケツで水を流したんだ。でもまだ屋内に水が入るよ。」あああああああ。。。。。。。。。屋根の修理って大変なのね。どうりでルイジが嫌がったはずだよ。まだまだ先の見えない闘いだった。
2007.09.04
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さて、先週木曜のロンドン出張前日からいろいろな行事が目白押しだった我が家。まずは先週水曜の夜、出張前日。わたしたちは超ひさしぶりに弁護士事務所を訪ねた。ちなみにわたしたちは2つ裁判を抱えている。1.家の裁判。2006年1月より。←自腹2.もんで男くん(クルマ)裁判。2005年7月より。←保険でカバー今回は1.家の裁判担当の弁護士事務所である。この件に関してはわたしが骨折直前に同僚のお姉さんが経営する弁護士事務所の扉を叩き、骨折中はおっとが全てしていたので、わたしはあまりついていけなかったのだが、先日の日記の保険屋に勝った勢いもあって、わからないままにも、なんだか張り切っていた。重厚な家具で囲まれた会議室で待っていると、担当の弁護士が入室した。わたしはヒソヒソと「あの。。単刀直入で申し訳ないのですが、あのあと、結局どういうことになったのでしょう?ペリートは正確に我々の被害状況を提出したのでしょうか?」担当の弁護士「うん、そうだね。想像していた最悪の事態よりも悪くない報告書を出したようだ。」想像していた最悪の事態って?ホッとするよりも不安に泣きそうになった。やがて同僚のお姉さんの旦那(弁護士)、ジオメトラが入室する。同僚のお姉さんの旦那「先日送ったメールは見ていただけましたか?」わたし「は?」同僚のお姉さんの旦那「今日話し合う内容についての資料を送ったんですが。」わたし「え!?あああ、もしかしたら迷惑メールと間違えて捨ててしまったかもしれません~。」同僚のお姉さんの旦那「ああ、だから『アドレス違い』で返ってきたのか。」←とてもまじめわたし「。。。。。。(それって、送ってないってことやんけ!)」わたしたちの会合は、こんなピントのずれた話から始まったのであった。やがて秘書のお姉さんが来て、各々の前にどっさりと書類のコピーの山を積み上げた。担当の弁護士は「ではDの項のP.47をごらんください。」と読み始める。わたしたちははじめは一生懸命ついて読んでいたのだが、だんだんわたしはわからなくなってきたところでページが被害状況を撮影した写真に変わり、ジオメトラが替わって説明を始めたのでホッとした。要はこういうことだった。というか、彼らはわたしたちを相談、という形で呼び出したが、すでに対処の方法は決めていたようである。今我々側が要求している、我々の家を正当に(?)修理すること: 屋根を全部はがし、天井もはがして梁を全部新しい物に替えなければいけない、つまり大工事と日数と大きな諸経費が、あの悪徳不動産屋に科せられる。しかし奴らは裁判所のペリートに金を掴ませまでして小細工をし、それをこばんでいる状態であるので、このまま裁判を続ける、となるといつ終るかもわからないし、そうやって家が壊れたまま、何年も放置していると、傷みが増すばかりである。そこで、折衷案を相手側に提出することにした。その折衷案とは: 天井も梁もそのままで屋根の表側だけ替える。現在の状態では古い150年前の瓦の上に単に安物の現代の瓦を積み重ねて、固定もしていない状態なので簡単に崩れるのだ。なので、屋根にまず防水性のある金属の板を全面に敷き、その上に軽くて丈夫な瓦をひとつひとつ留めていく。屋根の下からは被害状況が見えなかったが、暖炉の煙突も取り付けが悪く、そこからも雨が家の中に滴っているので、それも全面的にやりなおし。かかる日数は4~5日ほど。相手がこれが飲めないなら、長期裁判、ということになるでしょう。ということだった。担当の弁護士「よほどの奴じゃなければ、これは飲むと思いますよ。なので、君の仕事はもう終わりだね。請求書を書いてくれよ。」とジオメトラに振る。ジオメトラ「。。。いや、これのカタがついてからでいいよ。」←やっぱりまだ続く、と思っているのだろうか?わたしたちは同意するしかない状態で会議が終わり、わたしは入り口でしっぽを振って待ち構えていたわたしよりも大きなガタイで子犬のように人懐っこいここの番犬(?)のドーベルマンに顔中舐めまわされてツバでびしょびしょになっていると他の部屋でTVを観ながら待っていた同僚のお姉さんが出てきた。知っているとは思ったが、会議の内容をさらっと話すと、お姉さんはとても同情的な目になって「あなたたちは今回、本当に運が悪かったわよ。」わたし「。。。。」お姉さん「1つは、買った家がこんな状態、だけでも悲劇なのに、ペリートが悪玉だったなんてね。こんなこと、わたしが弁護士を始めてから初めての事件よ。ありえないわよ!」ああ、わかってます。。。今更言われたくなかった。_| ̄|○なんだかしょんぼりとクルマに乗り込む。わたし「。。。。。もうすぐジオメトラの支払いが来るね。」おっと「うん。」わたし「どうやって払う?」おっと「。。。。。。。。。」とにかく家に関して一歩進んだ安心感と、これに悪徳不動産屋がどう出てくるか、の不安と、諸費用の支払いの不安で複雑な心境で家に着くと、一通の封筒が届いていた。2.もんで男くん(クルマ)裁判 の弁護士事務所からだった。わたしとおっと「もう、裁判なんて考えたくないよ~!!」と封を切って手紙を読む。報告書:裁判所からの最終決定が出ましたのでお知らせします。相手のクルマのルイジ(!!こいつもルイジだったのかっ!)と保険会社は追突した責任を認め、こちらから請求した600ユーロの修理費用に加え今日までの超過料金150ユーロ、裁判開始料120ユーロ、査定領822ユーロ、弁護士料800ユーロ(修理費用よりも高い!)、諸々の費用202ユーロを支払う義務が科せられましたので、以上を持ってお知らせします。わたし「これって、これって。。。。勝ったってこと?」おっと「うん、そうみたいだね。」OOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,SIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!!!っつ~か、すぐに支払われて当たり前な事故だったのに長かったよ~。1年半。わたし「しかし、バカだね。こんな負け裁判をしてルイジのやつ、すぐに払ってたら600ユーロだけで済んだんだ。」おっと「うちに返ってくるのは750ユーロかあ。ね、何に使う?」わたし「え、修理しないの?」おっと「もうあと数年で廃車なのに、放置しておくよ。ね、どっか旅行にでも行こうか?」わたし「あほっ!!そういうことなら、これはすぐにジオメトラの支払いに廻すの!!!」おっと「え~。。。つまんない奴だな。」つまんない奴で悪かったね!現実主義者と言ってもらいたい。1つ裁判に勝ったのはうれしいけど、そのお金がすぐに別の裁判に消えていくのも哀しい。。。とにかく勝った!これは事実だ。この勢い、家の裁判の終わりまで続けっ!!!!
2007.02.05
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この会社に勤めて8年。。。明日、初めての出張が決まった!わたしのような職業は出張どころか、外に出かけることもめったになく、毎日悶々とPCの前でキーボードを叩くのみ。よくぞこんな仕事を8年も続けているものだ。そういえば一度だけ入社して1ヶ月もたたない、右も左もイタリア語もあまりわからないときに、社長とふたりきりでわたしたちの広告を載せる新型の機械をボローニャの会社に見に行かなければならない、という出張があった。しかしその話を聞いたとたんに胃が痛くなって、その夜熱が出て、行けなくなってしまった。そう、わたしは究極の「へたれ」なのである!だってあなたならこの状況で行けますか?ところが今回の出張は違う。わたしがこっそり「遠足」と呼んでいる、とある見本市見学だ。参加者は我々グラフィックチーム全員とWEBデザイナー、技師ひとりずつ、そしてマルチな秘書のおばさんアンナマリア。みんな同年代(アンナマリアを除く)で仲がいい。先に出発する社長とは見本市会場で待ち合わせなので気が楽だ。しかも行く先がなんと、ガイコクのロンドン!!気分は↑↑↑しかし強行日帰り↓↓↓(往きは3時半起床 / 4時半ミラノ中央駅集合 / 7時マルペンサ空港発。帰りは23時半マルペンサ空港着、家に着くのは翌日2時前ぐらいかな~♪♪)。。。って、社長、一泊のホテル代ぐらい払ってよ!!(ちなみに社長はビジネスクラスにて今朝出発、あさって夕方帰り)とにかくそういうわけで、先週からみんな浮き足立っている。お土産なににしようとか、ロンドンは何がおいしいだろう?とか、ユーロで買い物できるだろうか?とか、イタリア語、通じるだろうか?とか、毎朝「今から英語で会話しよう!」と始まって、2~3言でみんな無口になってしまったりとか、がむしゃらにはしゃいでいる。わたしもついおとといまではそうやって、無邪気にはしゃいでいたのだが、あるおっとの電話をきっかけに気分がブルーになってしまった。今日同僚たちのほとんどは、半ドンで帰宅してしまった。明日の早すぎる出発に向けて、休息を取るらしい。(わたしよりもx2へたれなやつら)おっと「水曜日、仕事の後に弁護士事務所で話し合いだから。」わたし「。。。ってことは裁判所の査定の結果が出たの?どうだったっ!?」ちなみに前回のストーリーおっと「まだ聞いてない。とにかく水曜日に話してくれるんじゃない?」あんた。。。せめて結果オーライだったか、ダメだったかぐらい、聞けよっ!!っつ~か、なにも強行初出張の前日になんでこんな暗いイベントが。。。しかも、夜遅く。今日は一刻も早く家に帰って寝たいのに!!キ~ッ!!!!わたしは悪い意味でも良い意味でも想像しすぎる。たぶん、裁判所から査定の決定が出て、これで本格裁判にするか示談で済ませるかの相談に違いない。 こわい。本格裁判にすると、終るまで何年もかかるし、かかる費用もバカにならないけど、負けたくないし。。。 示談だと、きっと工事も早くなるだろうけど、またもや騙されて奴らの思う壺になりたくないし。。。。。 ある本を読んでわかったのだが、わたしだけでなく、日本人というものは他の国籍の人々に比べて、想像力が豊からしい。それもそうだ。日本の鎖国300年の間に書物だけでガイコクに対するイメージを膨らまし続けていたような状況だったしなあ。このあとわたしは水曜日の結果をあれこれ想像しすぎて胃が痛くなって昨日は会社を休んだ。(へたれ)そうやって昨日はベッドでゴロゴロし、インターネットで日本語版の「ケロロ軍曹」を見てたら、楽しくて笑い転げてやっと楽になってきた。余談だが最近イタリアでも放映が始まった「ケロロ軍曹」の主題歌はリズミカルすぎて、おちゃらけではなく、ケロロ軍曹の声も怪しいおっさん声で(これもこれで怪しさ度が増していいのだけど)、日本語版はとても愛らしくて和めた。10話ほどまとめて見たのだが、毎話、主題歌を最後まで聞かないことにはスキップしてストーリーにも入れないので、唄えるまでになった。これで日本に帰国したときにはこれだけはカラオケでばっちりだ。そうやって「ケロッケロケロ~♪」と口ずさみながら、夕方、ベッドから起き上がって夕食の支度にかかっているとまたもやおっとから電話が!おっと「具合はどう?マシになった?」以前は甘い言葉の安売り王だったおっと、最近はこんな優しい言葉が最初に出るときには、かならず続きがある。おっと「あのね、今日20時に保険会社のひとが来るから。」わたし「。。。。何しに?」おっとは「知らない。たぶん、支払いを中断した生命保険のことで来るんじゃない?じゃあ、忙しいから。」と電話を切った。そんなわけがない。2年前にこの生命保険、あまりの掛け金の高さに「続けて払えるお金がありませんから。」と本当は解約したかったところ、中途半端で解約してもほとんど支払った金額が手元に帰ってこないことがわかり、保険員の勧めで数年後に数十パーセントが還元されるという「凍結」という形をとり、それに必要な金額だけなんとかかんとか支払って、閉じたはずだ。だから今頃、そのことに関して保険員が来るのは不自然である。ただひとつの理由は「新たな別の契約への勧誘」しか考えられない。冗談じゃない。食うにも困っているこの状況で別の保険なんて悠長なもの、掛けていられるか!!猛然とムカムカした。最近はクリスマス、正月を挟んだせいか、波風も立たず穏やかだったのに、また「アホで無知なガイジンからどうにかして金を巻き上げてやろう」鬼が来るような気になった。わたしは戦闘体制を整え、相変わらず「アホで無知なガイジン」な顔で帰宅したおっとに「絶対、新規契約にOKするな!」と言い聞かせて20時を待ったのである。おっと「大丈夫。ぼくは凍結した保険金がいつごろ受け取れるかだけ聞くからさ。」保険員は「15分ほど遅れます。」とまずは連絡してきて30分遅れで到着した。毎回保険員がコロコロ変わていたおかげで混乱していたのだが、こいつもまた新顔で、タバコ臭く、いかにも新人、といった感じで家に入ると始終笑顔でベラベラとまずは家のことを褒め、わたしたちの国籍当てクイズを一人問答して空はしゃぎする。おっとも愛想笑いを浮かべながら、相槌を打っていたが、わたしはムッとした顔で黙って男の目を見ていた。やっと保険の話になっておっとが例の保険の書類を見せ凍結した保険金がいつごろ受け取れるか聞いた。保険員はちょっと真面目な顔をして書類に目を通し「旦那さんは、こんな高い掛け金はこれ以上払えない、ということですね?ああ、これは解凍して払い続けるよりも数年後に受け取ったほうがいいです。」わかってんだよ、そんなこと。答えになってない。保険員「それよりも今の状態はいけません。ご夫婦各自でめいめいの保険を掛けなければあとあとが大変ですよ。」出た。おっと「そう言われても今の我が家には余裕がないんで。。。」保険員「皆さん、そうおっしゃるんです。でもね、まずは月々低い掛け金からスタートしましょう。これも最初はきついですが、慣れてくるものなのですよ。こんな金額は、毎月タバコを買ったり、嗜好品で簡単に飛んでいく額なんですよ。で、慣れた所で、ちょっと我々に一声かけていただいて、掛け金の月額をUPすると言う手もあります。」おっと「でもねえ。。。」こんな押し問答が1時間以上続いた。そしてわたしが切れた。わたし「保険員さん、あなたはそれっぽっちの額、月々の嗜好品で飛んでいく、と言いましたけど、うち、嗜好品はおろか、食費も切り詰めて生活しているんです。あなたはお話から伺いますと、ご両親と同居で家のローンを払う必要もなく、困ったときはご両親にすぐに泣きつける、という結構なご身分のようですけど、我々ガイジンはここイタリアでは誰もそんな手を差し伸べてくれませんから。ですから今の我々に、新しい契約をする余裕なんてありません!」保険員「そんな。。大げさな。。。(そんなに貧乏なんですか?←テレパシーで届いた彼の心の声)」わたしは大きくうなずいた。でもちょっとかわいそうになって「半年後ぐらいなら家具のローンがひとつ終るので、試しにもう一度いらしてください。もしかしたら契約できるかもしれませんよ。」保険員「半年後なんて!今じゃないと!!」おっと「わかりました、2~3日考えてお返事しますよ。」保険員「ダメです!そうやってはぐらかして契約しないつもりでしょ!!」←子供か君は。わたし「ええ、その通りです。さきほど言いましたように、今の状態では契約できません。」ときっぱり言い放って目を見据えた。可哀相な若い保険員はやっと、はあ~っとため息をつき、顔を無理やり笑顔に戻してあるカタログを取り出した。保険員「じゃあ、話題を変えて、コンコルソに着いて話しましょう。」保険員が広げたカタログには、新しくはなっているが、おっとが昔これで友達を売った、あらゆる魅力的な賞品の写真が並んでいた。おっと「あ、ぼくこのカーナビが欲しいなあ。」←簡単に引っかかるな!保険員「カーナビはご紹介していただいたお友達から2人契約が成立したらもらえますよっ!ささ、お友達の電話番号を教えてください。」喜び勇んで携帯のアドレス帳からどんどん友達の電話番号をたれ流しするおっと。ああ、2年前と同じ状況。。。。あんた、これでホセにはさんざん後から「迷惑なことするな!」と怒られたんじゃなかったっけ?保険員「ささ、奥さんも。日本人のお友達の電話番号を教えてくださいな。」わたし「。。。。日本人同士ではこういうことはしないマナーなんです。」とそっぽを向いた。保険員は一瞬ムッとした顔になったが、すぐに氷の笑顔に戻り、おっとからもらった電話番号を書きとめ、ようやく立ち上がった。そして「こんな立派な家持ちなのに、それっぽっちの保険金も払う余裕がないなんてねえ。」と捨て台詞を残して去っていったのであった。そうなのだ、我々は身分不相応の立派すぎる家を買った上、その家が問題だらけだから貧乏なのだよっ!!おととい来やがれ~~~~っ!!!!!塩でも撒いてやろうか、とも思ったのだがおっといわく「塩をまくって?エクアドルではテーブルに塩をこぼしただけで「お金が出て行く」って言って縁起が悪いのにやめて!!」と止められた。国が違えば、ずいぶん違うものだ。ともかく。こんな状況でイタ公に勝ったって、これが初めてじゃないだろうか?わたしは心の中で勝利の雄たけびをあげた。この調子、今夜の弁護士事務所にも、っつ~か、裁判にも持ち越して欲しいものだ。
2007.01.31
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何度も書くけど、古い日記じゃなくて。あれから、わたしはあの電器屋チェーンのミラノ近郊店全てに電話をかけ、在庫を聞き出し、やっとベルガモで一台あることを確認、それから売り切れないことをハラハラしながら祈って(お取り置きなんてしてくれないのだ。)、2週間前の土曜日に買いに行った。昼間はおっとのバイトでいけず夕方に出かけたわたしたち。そこは店に入るとすぐにPCコーナーになっていたので、ひとつひとつ展示されたノートを見るが、どこにもない!!店員がやってきた。わたしたちは半ば絶望しながら「これ、欲しいんですが。数日前は在庫があるって言われたので。。。」とすでにボロボロになったちらしをコートのポケットから引っ張り出した。店員はそれをみて「ああ、ありますよ倉庫に。展示はしてないんですよ。取ってきますね。」と奥に引っ込み、我々はやれやれと肩の力を抜いた。やがて店員が軽々と小さい薄い箱を小脇に抱えてやってきたときには、「ああ、ノートって本当に小さいんだなあ。」と妙な感動を覚える。店員はあっさりPCを箱からだして、開けて、「これでよろしいですか?」と聞く。わたしたち2人はテレパシーで「ああ!そんなに触ったら指紋がつく!」と叫ぶ。おっと「あとプリンターも欲しいんですが。。。」店員はきびきびと特売コーナーに積まれたプリンターと接続ケーブルを取ってきて「このセットでいいですね。」と聞いた。あまりのきびきびとした動作につられわたしは思わず「はい。」と答える。おっと「ローンを組みたいんですが、どこに行けばいいでしょう?」店員はあいかわらずきびきびと「ローンはキャッシャーの右側にコーナーがあります。では商品のほうは倉庫で預かりますので手続きのあとに取りに行ってください。」とたったいまわたしたちの手元に渡りそうになったノートたちを抱えて奥に消えてしまったのであった。時計を見れば閉店1時間前。まだ時間はあるな。しかしローンコーナーに行くと、窓口は1つしか開いておらず、黒髪のお姉さんが黒人夫婦のローンの手続きをしていた。まわりをみれば、他の店員はひまそうに話し込んでいる。イライラしながら待つこと10分ほど、やっと番が来た。各種ローンの達人おっとの持って行った書類は完璧で、手続きはすんなり済んだ。黒髪のお姉さん「10分ほどでお呼びしますからお待ちください。」え?10分で審査が出来て、品物がもらえるの?さすが大型チェーン店、早いな。わたしたちはこの10分でわたしの壊れてしまった携帯電話の代わりを探してみたり、遠くない未来、絶対買い換えなければならないであろう洗濯機を見たりしていたのだが、20分経っても、30分経っても呼ばれない。閉店10分前。とうとうしびれを切らしたわたしたちはローンコーナーに行くと、すでに誰もいなくて、隣のキャッシャーではお姉さんたちが相変わらずひまそうに喋っていた。お姉さんたち「ああ、ローンコーナーの人はもう帰っちゃったわよ。え、審査?今日はもう誰もいないから月曜日の午後に電話してちょうだい。」あ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。そう?「10分ほどでお呼びしますからお待ちください。」はいったいなんだったのだろう??ちょっと失望を覚えてその日はそのまま帰宅、月曜の午後を狙ってさっそく電話する。「まだ審査結果がでません。火曜日におかけなおしください。」火曜日。おっとから会社に電話があった。「ローンの審査にね、保証人の書類もいるんだって。至急送って!」←ローンコーナーではなんにも言われなかったぞ、そんなこと!わたし「そんなこといわれても、今手元になにもないよ。明日だ、明日。」おっと「えええ、じゃ、ぼく家に帰ってFAXで送るよ!きみの書類、どこ!?」そんなに急がなくても。。。と思いつつ、書類のありかを教えて2時間後ぐらいにおっとからまた電話があった。「やっほ~、OKが出たよ!でも受け取りには保証人のサインもいるから一緒に来て!!」わたし「。。。。って、仕事の後にベルガモ!?無理だよ、無理。閉店時間に間に合わないよ。」おっと「早引きしろよ。」病気でも事故でもないのに早引き?審査もOKで、いつでも受け取れるのに、なんでそんなに急がなくちゃならないんだ!?。。。。とぼやきつつも、その日は結局30分早引きしたのだが、電車が40分遅れたので、結局いつもと同じ時間どころか遅れて田舎駅に着いた。わたし「もう絶対間に合わないって!」しかし無言でアクセルをふかすおっと。奇跡的にもわたしたちは閉店10分前に駆け込むことが出来たのだった。またもやローンコーナーは誰もいなくて、キャッシャーで急いで書類にサイン、裏手にある倉庫の受け取り窓口に駆けて行くともうお兄さんがシャッターを閉めかけている。遠くから大声で「待ってくださ~い!」と叫ぶわたしたち。こうして我々はぎりぎり念願のノートブックを受け取ることが出来たのである!あああ~、なんでこんなに急がなきゃいけないんだ。。。。お腹がペコペコだった。おっとが家に直行したがるのをわたしは無理やり方角をねじまげて、近所の日本中華レストランに行く。実はわたしたちにとって、外食なんて超ひさしぶりだった。この日、わたしは気ばかりがすっかり大きくなっていて、外食をしたくてしかたがなかったのだ。おっとは中華の皿を数品頼み、わたしはちらし寿司を頼んだ。しかし出てきたのはサラダボールに入った生魚のきれはしの乗ったライスサラダで、思わず「これ、間違いじゃないんですか?」とウエートレスのお姉ちゃんに聞いたのだが、イタリア語があまりよくわからない中国人のウエートレスのお姉ちゃんは「きれいでしょう!」と訳わかんないこと言ってあっちに行ってしまった。涙まあいい。わたしたちは水で乾杯した。帰宅するとすでに遅くて、わたしはPCなんて触りたくない気分だった。しかしおっとは箱から全部出して「どうやってするの!?」と聞く。わたし「一晩バッテリーに充電しないと使えないよ。」←たぶんおっとはあっさり納得し、不服そうにバッテリーの充電を始めた。翌日。帰宅後、わたしが夕食の準備にかかるとさっそくおっとはPCをつけて、説明書を見ながらコードを接続していく。そして、インターネットに接続したとたん、MSNのメッセンジャーでスペインのいとこジョバンニからメッセージが来た。こうしておっとはジョバンニとチャットをはじめ、静かになり、わたしは野菜を炒めていると「をを!」とおっとの歓声があがる。振り向くとウェブカムにジョバンニが写っていて「HOLA、いくきーと!」と手を振っていた。それからおっとはもたもたしながらもウェブカム越しのジョバンニの指示に従って、ビデオ電話が出来るようになった。わたしは会社で他の社員がこうやって喋っているのを見慣れていたが、自宅で、PC音痴のおっとがこうやって喋っているのを見るとなんだか「文明開化」という文字が浮かんできて感動を覚えてしまった。おっとはそれから食べる暇も惜しんで長電話をし、その翌日も、その翌々日も、PCにかじりついたまんまだった。そして先週土曜日。おっと「一緒に買ったプリンター、気に入らないよ。今なら交換可能だから、もうちょっといいやつに替えよう。」←とどまるところを知らない。こうして替えたプリンターでいつまでも遊ぶおっと。何枚もわけのわからないものをプリントアウトしていた。怒わたしのクリスマスプレゼントだったはずなのに。。。?日曜日。やっとわたしが日本の実家にPCで電話をかけることが出来た。実家はSkypeしかわからない、というので急いでダウンロードしてしてかける。わたしたちは並んでPCの前にかしこまり、ウェブカムで話しかけたのだが、わが老いた両親は、自分たちをどうやってウエブカムで写せるかわからないらしい。一生懸命説明するのだが、イタリア語版と日本語版はボタンの位置が違うようだ。長電話した割にはほとんど説明で過ぎてしまい最後に父が飽きてしまって「またの機会に研究してウェブカムが使えるようにしておくよ。」で終ってしまった。しかし、わたしたちが写ったことで父はひどく感激したらしい。「そのまま家の中を廻って見せてくれたまえ。」わたし「お父さん、残念ながらこのPCには無線LANをつけてないので、家全体は廻れませんよ。」とPCをとにかく360度回転させて見せれるだけ見せる。ああ、「文明開化」だなあ。月曜日。今朝ははじめてこのノートを持って出勤した。おっとは今朝、心配そうに「気をつけて運べよ。落とすな、傷つけるな、指紋つけるな。」しかしお、重い。。。とても「ポータブル」とは思えない。←たったの2kgなのだが。家にあった古いPCに収納できなくて会社のPCに置いてあった私物やソフトをどんどん移動させる。メモリがたくさんあって、スピーディにすいすいコピーできるのがうれしかった。さあ、これでわたしも家で遊ぶことができるな。じゃ、な く て。遊びならずいぶん高いおもちゃ過ぎる。仕事に有効利用しないと!
2007.01.22
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タイトルは別に古い日記を更新したんじゃないですよ。そういえば、おととい日曜日の7日といえば、日本は「七草粥」でごちそうで疲れた胃に粥を流し込む日ではなかったでしょうか?その日はこともあろうに、イタリアのお正月に食べる豚足煮込み「ザンポーネ」のレンズ豆添えを4人分作り、昼と夜に分けて食べたので、すっかり胃がやられております。***************************きっかけはこうだった。ある日、おっとが国際電話でエクアドルの次男ベットちゃん(仮名)と「え~!?イタリアのほうが絶対安いって!1000ユーロもしないよ。こっちで買って、エクアドルに送ってやる。」と話している。出たっ。おっとのお腹は確かにビール腹だが、貧乏でろくなものを食べていないのに、この太っ腹発言はいったいなんなんだろう?おっとが電話を切った後、わたしは有無も言わさずこう言った。「何を買うのか知らないけれど、うちは自分たちの食べ物を買うにも困っていることをお忘れなく。」おっと「ベットはちゃんと送金してくるよ。PCのノートブックが欲しいらしいんだけど、エクアドルじゃすごい高いらしいんだ。1800ドルもするんだって。今度友達のガットが帰国するから、その前に買って、一緒に持って帰ってもらおうと思って。」日本人は友達が帰国するから、といってなんでもかんでも持って帰ってもらったり、持ってきてもらうのって、友達だってたくさん荷物があるのに、迷惑だし、せいぜい軽いもの1~2個ぐらいであまり頼まないんじゃないだろうか?しかし、エクアドル人は、というか うちのヤギは、誰か友達がエクアドルに帰国する、となるとこの間などは、5~6kgはありそうな服やら小物やら平気でしかも実家までの無料配達を頼んでしまうのである!そして友達も、内心はどうなのか不明だが、気安く受けてくれるのだ。というわけで、わたしはまったくコンピューター音痴のおっとの命を受けて1000ドル以下(←ちなみにおっとは1000ドル=1000ユーロのつもりだったが、実際は760ユーロ以下、ちなみに日本円で12万円以下)のノートブックを探す羽目となったのだった。しかし。赤のどうでもいい他人ならともかく、おっとの弟である。しかもこの弟、容姿はおっととそっくりなのに、おっとと一緒に大半の人生を過ごしたはずなのに、ヤギの中の競馬馬、ともいうべき家族の期待の星で、去年某有名大学を卒業し、3DCG関係の仕事を始めたばかりである。そんな彼が、1000ドル以下のPCで我慢できるだろうか?毎日PCは使ってはいるが、ハード面ではすっかり音痴なわたしは、何人もの友人や同僚に聞いて、おっとと一緒に何軒もの電気屋を廻り、さんざん悩んでそんななかでもぎりぎり普通のCGに耐えられるようなものを2つほど選んで情報を送った。数日して土曜日、ベットちゃんから返事が来た。「いくきーと、どうもありがとう。でもぼくは仕事に使いたいので、欲しいのはこういった家庭用のタイプでなく、このノートブックです。」ベットちゃんが送ってきた商品コードで検索する。それは、最新型のノートブックで、まだイタリアは未発売。ちなみにそのひとつ前のタイプを見たところ、2000ユーロは軽く超えた。_| ̄|○ そりゃあ、そうだわなぁ。だからイヤなんだ。おっとのいい加減な口約束で振り回されるの。おっとが最初にベットちゃんから商品コードを聞いていればすぐに探し出して、高いか安いか答えられたんだ。それと同時にショックだった。未開発国だとばかり思い込んでいたエクアドルのほうが、イタリアより電気製品普及のスピードが早いよ。そういえば、エクアドルでみた日本のアニメは最新のものばかりだった。こっちはまだTVで「宇宙船艦ヤマト」やってるし、このあいだ「アタックNo.1 」のDVD1巻が発売されたばかりだし。。(もしかしてこういう希少品は買っとくべきか?)_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ともかくおっとにベットちゃんのメール内容を伝えた。「あいつ何言ってるんだ?仕事始めなんて、安いやつでいいんだよ!今夜説教してやる。」←そんな問題だろうか?老兵のような発言だ。こうしてベットちゃんのノートブックの話はわたしの予想では、ここまで苦労したにもかかわらず闇に葬られそうなのだが、この数日の「ベットちゃんのノートブック探し」でわたしたちの中では気がついたらそれが「わたしたちのノートブック探し」にすり替わっていた。我が家のデスクトップ型のPCは恥ずかしながら、発売したてに買ったWIN98バージョンで、しかもHDDがたったの7GBだ。なので骨折で自宅療養中にそのPCで作業したときは、しょっちゅうフリーズして大変だった。そのとき、一緒に仕事した友人には「よくもそんな環境で。。」と感心された。インターネットを見るぐらいだったら、問題はないのだけど、やっぱりもっと容量の大きいPCで、スペースをとらないノートブックが欲しい。で、最終的に「ベットちゃんのために選んだノートブック」を買うことにした。もちろんみじん切りローンで。それも半年後の6月はじまり。おっとはクリスマス前に「ぼくへのクリスマスプレゼント!」と靴やら服をばんばんと買いあさり、わたしには何もなかった。あれだけ欲しかった犬もなかった、ブーツもなかった。全然欲しくない赤と金で彩られたスケスケどセクシーな下着を「買ってやるよ!」とおっとが店に入ろうとするのを、身体を張って止めた。怒あげくその考えのない買い物のおかげで、わたしたちは先週まで数日間赤字に陥り、カードもクレジットカードもブロックされてしまったのである!だから給料日後に、しかも長かった家具のローンがやっと終る6月から始まるローンで買ったっていいだろう?こっちはちゃ~んとそこまで考えてそんな店まで選んでるんだ。おっと「しょうがないなあ。じゃあ、ぼくには隣の店で見たブーツ買ってね。」←なんでやねん?店に行く前夜は興奮して眠れなかった。長期にわたる貧乏生活に慣れすぎて、いつもよりゼロが2つも多いものを買うなんて、心臓に悪い。買ってから後悔したら、どうしよう。。。。この間「60ユーロの毛布なんて買ったら、おそろしくて眠れないよ。」と言ってた貧乏男エルトンの気持ちが痛いほどわかった。日曜日。朝になり、ドキドキしながらその電気屋に行く。目標のコンピューターコーナーに進むまでの過程をどうやっても思い出せない。頭の中はそれしかなかった。会社でプリントアウトした商品の写真をさっそく店員に見せた。店員はPCで在庫情報を調べる。ドキドキ。店員「これ、ないです。売り切れました。」O.......OOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!?????????????店員は続けてPCの画面を眺めながら「あ、でもネットショッピングされるならまだ在庫があるみたいですよ。でも今日のお買い得品のプリンターは今ここでお買い上げになったほうがよろしいかと思いますが。」プリンターは確かにお安くなっていたが、それぐらいで細切れローンも出来ず、手持ちの現金もない。涙おっと「ぼくもう疲れたよ。ほらっ、ここにも今日のお買い得品ノートブックがあるじゃない。これで手を打とうよ。」わたし「あれじゃないとイヤなの!家に帰ってネット注文しよう!」とおっとにブーツを見ることも忘れさせる勢いでクルマに直行し、家に帰ったのだった。しかし、道々気がついた。家でネットは見れてもプリンターがないから、注文時の書類がプリントできない。おっと「あのプリンター買うべきだったよ!」←バージョンが違いすぎるって。しかたなく目目さんに電話して彼女のお宅で注文させてもらうことにしたのだった。仕事の打ち合わせで忙しい目目さんを横目に申し訳なく思いながら、ネットで注文していく。しかし、その手間と言ったら!初めてだからかもしれないが自分たちのデータを全て打ち込み終わるまで、2時間近くかかった。注文がやっと終了し、やれやれ、とコーヒーをすすっていると、釣りに行っていた目目夫様が帰宅した。目目夫様はCGのプロでPCにも詳しい。わたしたちは注文したノートブックの書類と、今まで廻った店店のちらしを見せて今までの苦労を語る。目目夫様はふむふむと丁寧にちらしに目を通してふと顔を上げた。「ねえ、あのノートブック、キャンセルすれば?こっちのほうが断然いいよ。」えええ!?わたしたちは目目夫様の指差す別の店のちらしの一品を見る。気がつかなかったがそれは値段はさして変わりない上、RAMは倍、CPUはバージョンが上、HDDも大容量である。しかし。わたし「でもこれ、モニターがちょっと小さいよ。」目目夫様「モニターなんて、家で作業するならデスクトップ型の安い大きなのを付け足せばいいんだよ!これ以上のお買い得品はないと思うぞ。もう夕方だし、店が閉まらないうちに早く買いに走るんだ!」この命令口調にわたしたちは「SIGNOR SI!」と慌ててコートを掴んで家を飛び出し、店に向かったのだった。途中渋滞に巻き込まれてハラハラしたものの、閉店20分前に店に着いた。肩で息をしながら、一直線にコンピューターコーナーに進んで「これが欲しいんですが。」と店員にちらしを見せる。ここの店員は即答だった。「これ、ないです。売り切れました。」O.......OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO............................わたしたちは山積みのプリンターの箱にもたれてヘナヘナと崩れ落ちたのだった。(たぶん。。。つづく?)
2007.01.09
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昨日の日記をUPしたあと、サトちゃんにメッセージをもらって、すっかり頭から抜けていたあることに気がついた。きっとこれって、健忘症ってやつだろうか?アルツハイマーというものだろうか?先週金曜日は、何もしてなかったんじゃなくて、マルペンサ空港の近くに行ってきた。実は、先日あんな日記を書いた後も不完全燃焼の火がくすぶりつづけ、捨て犬のサイトを見るのが日課となっていた。飼えないのはわかっているのに。。しかし。わたし「猫はともかく犬は一匹で留守番させるのは可哀相だよ。」おっと「ぼくが毎日仕事に連れて行くよ。」わたし「え、本当?」おっといわく、ジャックラッセル(ザ マスクの映画に出てきた犬)のような犬をワゴン車の助手席にのせて、運転しながら話し相手になってもらったり、配達を手伝ってもらったり、ナビゲーターをしてもらうのが夢らしい。う、う~~~~ん。犬がそのように仕事が手伝えるかは謎だが、おっとがそうして1日中ついていてくれるなら、犬も飼える可能性が高くなってきた。この会話を交わした日を境に、わたしは大乗り気で探し始めたのだ。ミラノやミラノ周辺はもちろんのこと、先日はおっとがローマ行きの仕事がある、というので、ローマのカニ-レも調べてコンタクトまで取ったのに、直前でこの仕事が没になり、行けなくなって凹む。犬をクルマに乗せるときの交通規則も調べた。普通乗用車では、小型犬はかごに入れて、後部座席。中大型犬は後部と運転席の間にネットを張って運転の邪魔をしないようにしなければならないらしい。ワゴン車の場合は犬専用のシートベルトが売っていて、運転中はそれをつけて、落ちたり邪魔したり、させなければいいという。たいがいのひとは、夜サイトに掲示を載せる。毎朝会社についてPCをつけると、すばやくサイトをチェックして、めぼしい犬をクリックしては詳細を読むようになった。しかしそのほとんどは、年老いた成犬か、若くても病気だったり、大型犬の成犬だ。たまに子犬も出るので、一度連絡を取ってみたが、そのまんま立ち消えてしまい、きっとこれは縁がなかったのだろう。やっとこの間の連休前の水曜日、生後2ヶ月の子犬たちがサイトに載った。総計5匹。全部雑種で模様も大きさもさまざま。その中でビーグルに似た子犬を発見。可愛い過ぎる。ジャックラッセルではないけれど、なんとなくワゴン車にビーグルって似合いそうな気がする。さっそく記載されていた電話番号に電話した。人のよさそうなおじさんが応対して「あ~、どの子犬が欲しいのかね?」わたし「このビーグル犬似のやつです。あさっての祭日にでも見に行きたいのですが。。」おじさんは動物愛護のボランティアをしていて、家にこの子犬たちを保護しているという。おじさんは「いいよ、いつでもおいで。」とマルペンサ空港近くの住所を教えてくれた。わたしは期待に胸が高鳴り、その子犬の写真を拡大でプリントアウトして、家に持ち帰りおっとに見せた。おっとは「え~、本気で飼うつもり?」ととまどいながらも、夕食の間中、ずっとその写真をみつめていて、「鼻のそばにそばかすがいっぱいあるから、名前は「ペーカス(スペ語でそばかすの意)がいいな。」とつぶやいた。ペーカス?? ああ、これってそのうち「ぺーちゃん」とか「ぺー」って呼んでしまうんだろうな。そしたら、林家ぺーみたいだ。。。そして待ちに待った金曜日。雨も降っていたし、汚れてもいいような服に着替えて、古いバスタオルや古新聞を用意していると、それを見ていたおっとが急に焦りだした。おっと「そんなもの、用意して。。。今日は見に行くだけでしょ?」わたしはびっくりして「見に行く、っていったら、そのまんまお持ち帰りの可能性もあるってことでしょ?」おっと「えええ、本気でお持ち帰りするの?」わたしがクルマの後部座席に古新聞を引いて、バスタオルをおいているのをおっとは不安げに見つめていた。豪雨の中、おじさんの家に向かってクルマを走らせる。おっと「でもでも、こんな子犬、ワゴン車デビューはすぐには無理だし、トイレのしつけとかどうするの?」わたし「うん、いろいろ思案したけど12月は祭日が多いし、夏は1週間しかバカンス休みを取ってなかったから、まとめてこの際、有給休暇を取るよ。2~3週間ぐらい一緒に家にいればしつけも出来るし、慣れるでしょ。」おっと「そ、そこまで考えてたの?!」わたしは不安になった。「。。。おっと、もしかして、まだ犬を飼う心の準備が出来てないんじゃない?」おっと「うん。だって、飼うとなったらワゴン車に乗せて、世話をするのはぼくになるんだし。。もし、エクアドルや日本に帰省するときはどうするの?」わたし「日本は調べたよ。小型犬ならかごに入れて客席同伴で連れて帰れるし、ちゃんと獣医の予防注射の証明書があれば2日間空港留め置きの後、引き取れるんだよ。エクアドルのときは、シルビアにでも頼もうと思って。」おっと「。。。。。。」わたしの不安はさらに増大した。「わかった、犬の犬生は10年以上だし、大半はあんたが世話を見るんだから、とりあえず見るだけ見て、決断はまかすよ。」わたしたちはこうしておじさんの家に着いたのだった。マルペンサ空港周辺と言えば、ウイリアムの家の近所。我が町ほどではないけれどそこそこ田舎なので、どこか農場か、工場の開いたスペースにでもまるでカニ-レのように多数の犬を囲っているのかな?と思いきや、立派な中心街の中心の中心のそれはそれは立派な大理石で出来た素晴らしいアパートだった。家に入ると、家の壁は所狭しと、ごっつい金縁の額縁に入れられた力量のある画家に描かれた印象派の肖像画や風景画が飾られている。磨きぬかれた黒光りする木の床をおずおずと踏み出すと、大きなシープドッグが飛び出してきた。おじさん「ああ、いらっしゃい。あげる犬はこれじゃないよ。子犬はこっち。」といかにも慣れた様子でわたしたちをキラキラとまぶしいバスルームに案内してくれると、いっせいに子犬たちが飛び出してきた。わたしとおっと「うわ~!!」と歓声をあげる。おじさん「さて、欲しいと言っていた犬はどれかね?」わたしは「え~と。」と子犬たちを改めて見た。白黒牛模様のふわふわのガタイの大きい子犬、猟犬がいろいろ混ざっているっぽいスマートな子犬。黒くてむくむくした子犬。白い短毛犬のチワワのような子犬。あれ。。。写真の耳が垂れたビーグル似の子犬がいない。唯一耳が垂れているのはこの猟犬タイプだけだ。写真が良すぎた??わたし「えええと、これかな?」と大きな疑問を抱きながらもそれを指差す。おじさん「抱いて抱いて!あっちでちょっと話そうか。」わたしがこわごわその子犬を抱くと、子犬はひしっとしがみついてきた。緊張しているのがわかる。そうか、このコにもわかっているんだ。わたしたちが何しに来たか、ということ。他の子犬はバスルームのドアを開けるといっせいに飛び出してきた。居間の猫足の立派なソファに全員で腰を下ろす。他の子犬たちはじゃれて転げまわっているので、わたしもその子犬を床に降ろしてやった。おじさん「何匹でも気に入ったのを持って帰ってね。あ、でもこのコは今具合が悪いからお勧めしない。」とチワワのような子犬を抱く。おっと「これがいいなあ。」と目をキラキラさせて牛柄の子犬を抱くが、どう見たってこれは大型犬の子犬だ。そういえば、ずっと昔もペットショップでムクムクの大型犬の子犬に惹かれていた。この子犬は遊びを中断されて怒っておっとに「アルルルル」とうなりにもならないうなり声をあげる。おじさん「南イタリアではほとんどのひとが飼い犬を避妊、虚勢手術しないものだから、こんな捨て犬が後を絶たないんだよ。このコたちもポンペイのゴミ捨て場にゴミ袋に詰めて捨てられていたんだ。」そうなのか。うう~ん、わたしとしてはやっぱり腕に抱ける小型犬が理想で、ダメならせめて擦り寄ってきたら抱きしめられる小さめの中型犬がいい。ワゴン車にも、大型犬なんて入りきらないし。だから、あの写真の犬が理想的だったのに、やっぱり一番可愛いかったから誰かに先を越されたか?おじさん、家を出発する前に確認の電話を入れたんだから、そのときにもういないって、言って欲しかった。おじさんとしてはどれでもいいから早いもの順でさっさと出て行って欲しいのはわかるけど。。。しかたがないので、ポメラニアンの雑種のような黒いむくむくした子犬を抱いてみる。シャンプーのいい匂いがした。これは小型に育ちそうだけど、おっとのワゴン車の助手席にポメラニアン?おっとがポメラニアンと共に仕事をする姿を想像し、思い悩んでいると、足を引っかくものがある。みれば、最初に抱いた子犬が、哀しそうな目でウルウルわたしを見つめていた。気のせいか「お願い、連れて帰って。」という声が頭に響く。胸がキュンと鳴った。でもなぁ、このコも大きくなりそうだ。。。わたし「おっと、どうする?」おじさん「どれがいいか相談するならぼくは席をはずすよ。」と言っている間にもう、別の人から子犬の見学申し込みの電話が入っておじさんは別の部屋に行った。おっとはとたんに頭を抱えて「ううううんんんん、やっぱり、やっぱり。。。もうちょっと考えたい。」わたしも同感だった。目指していた子犬はいなかった。10年以上も一緒に暮らすのだから、じゃあ別の犬、というわけにはいかないものがある。やっぱりこれ!とピンと来る犬じゃないとイヤだ。それにおっとがちっとも心の準備が整ってないことがわかって、がっかりしたし、やっぱり新しい家族を迎えるには、ちゃんと体制を整えたい。わたしたちは、正直におじさんに事情を話して家を出た。本当に犬が飼えるには時間がかかりそうだ。_| ̄|○
2006.12.13
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さて、ミラノの現在のお天気は。。。。。朝から土砂降りの雨。昨日日曜日は1日曇り、土曜日はずっと小雨が降っていた。いよいようっとおしい、うつ病間者が増幅する北イタリアの冬が到来したって感じだ。昨日から我が家もとうとう暖房をつけた。。。。というのに我がお嬢母は昨日奈良から電話をかけてきて「いつまでも暑いわね、やっぱり地球が温暖化されてるのよ!」という。ちゃうちゃう。ヨーロッパは今年、6月ごろの猛暑の後、8月は涼しかった。9月にようやく真夏日が訪れたけど、ほんの数日。地球が温暖化されてるんじゃなくて、地球が地球規模で壊れかけてるんじゃないかと思う。しかしそんな地球の危機を憂えて行動を起こすほどわたしは大人物ではないので、月曜の朝からおだやかな気持ちで普通に会社に出勤した。なぜなら、今朝2階の屋根つき外部分に出ても、床は濡れてなかった。今まで雨の日はちっともおだやかじゃなかった。家の裁判はもうずっと前から停まったままだ。気を揉んでいる9月、大雨が降った日があった。その日は確か土曜日だったが、もう我々は恒例となったバケツリレーをする気力もなく流れ込む雨を見ないフリをして1階でぼ~っとしていたら、隣に住む運送会社社長のガテン親父がすごい形相でドアを叩いたのだ。親父「おい、あんたらベランダを見たか!?」慌てておっとと2階ではない、1階部分のベランダに出て行くと、隣と隣接した我が家の1階の天井部分から壁を伝って水が流れ出して、隣家のベランダまでびちょびちょになってる。わたしたちは慌てて2階のその部分に駆けつけると、そこの部分の屋根瓦が完全にはがれていて、雨が直接降り込み、レンガの床が池のようになっていた。ここからさらに水が下に沁み出して、1階部分に達したのだ!わたしたちはモップとほうきで慌てて水を掻い出した。親父「あの不動産屋野朗、こんな工事、よくもやりやがって!裁判はいったいどうなってるんだ?隣の家まで被害がこうむるって、いったいどういうことだよ!?」わたしたち「。。。。。。すみません、でも裁判中なんで壊れた部分に手がつけられないんです。」親父「うき~っ!そんな悠長なことを言っている間にあんたらの家は傷んでいくばかりだし、オレらも迷惑をこうむるんだぞ?オレが不動産屋に一言言ってやる!電話番号を教えろっ!!」わたしたち「は、はあ。。。。。」わたしは親父に悪徳不動産屋の電話番号を教えた。でも、わたしは知っている。そういう苦情の電話は手馴れた優秀な受付嬢が「ただ今出張中でいつお帰りになるかわかりません。」と絶対に奴には通さない。案の定、親父がわたしたちのそばで電話をかけると受付嬢はおろか、不動産屋クローズのアナウンスが流れた。親父「くっそう!月曜日にかけ直す!」しかしこのあとどうなったかは知らない。汗わたしたちはしょげきって、家の中に入った。わたし「手がつけられないんだったらせめてあの部分の雨を防ぐ方法を考えないと。これからずっとここに住むのに近所に敵を作りたくないよ。」わたしたちはすぐさまホームセンターに行って、ペンキ塗りなどのときに使う大きなビニールの覆いを買って外部分の床全体を覆った。おっと「これでしばらく階下に雨が流れるのは防げるけど、屋根の痛みは増すばかりだ。なんとかしないと。。。」わたしたちは、次の週、裁判所指定のペリートに「いったいどうなってるんですか?こうしている間にうちの雨漏りはどんどんひどくなるんですよ!?」と訴えた。ペリート「あ~、今から書類を作成して廻すから。」数日後。我々の弁護士から一通の手紙が届いた。「ペリートから書類が通過(?何が)するまで待機するように、との手紙が届きました。雨が降っていない状態でいくら訴えても意味がありません。次の知らせを待つように。」そ、そんな。。。そういえば、裁判に突入したとき、同僚マッシモが言ってた。「裁判は時間がかかるぞ~。うちの嫁さんの実家なんてあるおばさんに持ち家を貸していたんだけど、家賃の滞納で裁判に持ち込んで、十何年も揉めている間にそのおばさんがこの間、歳を取って亡くなって、今その処置に着いて新たに揉めているところなんだ。」そういえばマッシモは入社当時(約5年前)彼の書いたマンガの著作権で裁判を起こしたのだ。それがやっと最近になって勝訴し、8000ユーロほどの罰金が負けた出版社から支払われたそうだが、今まで裁判に消費した金額を考えるとマイナスだったそうである。マッシモ「金額的なこともあるけどこの5年の精神的苦痛を考えると、本当に被害者負けもいいところだよ、イタリアって国は。」わたしたちもすでに精神的苦痛に参りかけている。それよりもそんなに時間がかかっていたら、家がますます傷んでいく。わたしたちはまったくどうしていいか困り果てていたのだった。そして。覚えておいでだろうか、先週のエクアドル大統領選挙の日。わたしはおっと独りを残して、美術館に行ってしまったので、後は何が起こったのか知らなかったのだが、ずるい、いや、寂しがりやのおっとは、誰か一緒にあの500mの列に並んでくれる友達が、しかも前のほうにいないかどうか、探して歩いたそうである。一生懸命目を凝らして列のそばを歩いていると、おっとがイタリアに来た当時に知り合って、その後ちっとも会えなかった友達を列半ばで見つけたそうだ。おっとは再会の喜びに満ち溢れて列に割り込み(恥)、近況などを語り合っているうちに、その友達が土木工事現場で働いていることがわかった。それに内心小躍りしたおっと、我が家の状態をウルウルと涙ながらに語ったところ「査定は終ったんだろ?じゃあ手をつけても大丈夫だよ。弁護士に了解を取りな、許可範囲内の修理をしてあげるよ。」と言ってくれたのである!!さっそくおっとは弁護士の了解を得て、雨が入り込む部分の修理の許可をもらった。そして土曜日、近所の建材屋に友達が言っただけ1/2mq分の屋根瓦、16個分を買いに行った。屋根瓦なんて今まで直接自分たちで買ったことがない。いったいどれぐらいするのだろう?とハラハラ、銀行の口座の残額を考えながら行ったら、合計たったの21ユーロ(約3000円)だった。ル、ルイジの野朗。。。。どこまでもどこまでもぼったくりやがってっ!!!!!!とレシートを見て怒りを新たにする。そして日曜日の朝。どんより曇っていたが幸いにも雨が止んだ。友達は汚いつなぎ姿で現れ、おっとと一緒に屋根にあがり3時間ほど修理をしていた。修理の間中、あちこちの近所の人たちが外に出てきて「やっと修理にかかったか。で、どうなってるんだ裁判は?」と聞いてくる。そのたびに屋根の上から大声で説明するおっと。恥ずかしいなあ。しかし、いかにうちの屋根に近所の人が関心を寄せているかがわかった。(また瓦が落ちてきたらこわいし)わたしが昼食の支度をしているとやっと彼らがドロドロになって降りてきた。わたし「どうなった?」友達「うん、とりあえず雨はもう入ってこないと思うよ。今週様子を見て、とりあえずダメでも大丈夫でも来週来る。しかし、あの2重になってる下の古い屋根瓦、全部替えなきゃダメだ。」_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○_| ̄|○ここで昔の話に戻すと、このことはわたしたちも気になっていて、工事中に何度も「瓦が2重ってどういうことですか?」と悪徳建築士マルコに説明を求めたのだ。マルコ「ぼくもよくわからないんだけど、ルイジがこうするって言ってるから大丈夫。」いったい何が大丈夫なのかよくわからないまま、素人は黙ってしまったのだった。ああ。痛いところをつかれた。彼はこの後、わたしのまずいイタリア料理も文句も言わずに平らげ、「この後約束があるから。」とそそくさ去っていった。おっと「あの、お金は。。。」友達「来週でいいや。」わたしが南米人でスキなところは、友達の間でも何か専門的なことを手伝てもらうと、割り切ってお金を払うのが当たり前、なところだ。ヘタに「いいよ、いらないよ。」と断られて「じゃあ。。。」と数日後にお礼するお菓子の値段に悩んだりするより遥かに気が楽である。なので、おっとと日本人の間では、それもいつも限ってあんまり交流のない人とは、時々すれ違いが生じる。通常の仕事の後、3夜にも渡る荷物の解体と、50kmも離れたところへの荷物の移動、それに数ヵ月後に来た通行違反の罰金に、たった1回安い中華レストランでおごってもらってもうれしくないのだ、そこのそれっきり海外に逃亡した君!!(おっとの替わりに発言)話は戻して、この友達はきっと吹っかけてはこない。最低限の修理代だけだろう。以前、壁塗りを手伝ってくれた男前のアドレアーノもそうだった。親切はお金に替えれないけどこういった値段の設定の仕方で我々も気持ちが楽になる。今度彼が引越しか運搬か、なにかおっとの分野で頼ってくるときには喜んで最低限のガソリン代ぐらいで手を貸すだろう。なんかこういう関係は好きだ。まあまだ払ってないからなんとも言えないけど。汗とにかく彼のおかげで昨日の夜は雨音を聞きながらも安心して眠ることが出来たのであった。ありがとう。
2006.10.23
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日曜朝5時。またもやおっとがへべれけで帰ってきた。眠かったものの、閉じ込められて慌てふためくねずみがカサカサとずっと出していた騒音のおかげで結局寝つけなかったわたしは、物入れの向こうにあるトイレに行こうとするおっとを押しとどめて「まずはねずみ退治をして。」とほうきを渡す。なぜほうきか、というと「トムとジェリー」でお手伝いさんがねずみ退治に使うのはほうきだったので、なんとなく、だ。おっとはおそるおそる物入れの電気をつけ、そうっと扉を開けた。そこにはねずみの姿は発見できなかったが、床や洗濯機の裏、上にはころころとした米粒のような黒い糞が撒き散らされていて、このねずみがいかにおびえて糞尿を漏らしながら逃げ惑っていたかは容易に想像できた。おっと「うえ~、汚い!」そ、そう?わたしは小学生の時に飼っていたハムスターのかご掃除をなんとなく思い出す。おっとは洗濯機の裏を見て、わたしと同じように靴べらで下をかきまわし、靴箱を1段ずつ開けてのぞく。おっと「いないよ、もう。どこかの隙間から逃げたんだ。」それは絶対ない。物入れに隙間なんてない。完全な密閉空間だし、ついさっきまで音がしていたのだ。わたし「きっとまだ洗濯機の中にいるんだと思う。そうだ!洗濯機を廻すよ。たぶん驚いて出てくるよ!」わたしは洗濯機のドラムの中にはねずみがいないことを確かめて洗濯物を放りこんでスイッチを入れた。洗濯機は廻り始めたが、ねずみは出てこない。きっとわたしたちの気配に怯えて出て来れないのだ。わたしたちはトイレの窓を開け放ち、物入れの部屋に通じるドアは閉めて、トイレに通じるドアは開けたままで一方通行の環境を作って外に出かけることにした。こうしておけば、トイレの窓から逃げ出すだろう。1時間ほどして帰宅し、そっと物入れのドアを開ける。洗濯機は止まっていた。もうきっとねずみは逃げただろう。わたしは安心してトイレに入った。と。便器の裏側の隅にこちらに背を向けて、小さく丸まって震えているねずみを発見したのだ。トイレの窓は高いし、つるつるタイルの壁だから登れなかったか。。。わたしはよくよく観察した。薄茶色のそれは長いしっぽすらなけりゃ、まさに昔飼ってたハムスターだ。丸まった姿がいかにも愛らしい。か、可愛い。。。胸がきゅんと鳴った。イヤイヤダメだ。追い出さないと!!わたしはこっそりおっとの元に行き、「まだいるよ!追い出して。」とささやく。おっとはまず、ねずみが玄関に直行できるよう、部屋に通じる道に靴を隙間なく並べ立ててバリケードをつくった。玄関のドアを全開にする。そしてトイレに行き「追い出すぞ~!」という掛け声と共にねずみがこっちに向かって走り出すのが見えた!やっぱり可愛い!!しかしドアの裏に隠れて見ていたにもかかわらず、ねずみはわたしの気配に気がついて、まっすぐ走るのをやめ、小走りに左折してまたもや洗濯機の下に逃げ込んでしまった。失敗である。3日酔い朝帰りのおっと「。。。もうぼくはイヤだ。寝る。」とほうきを放棄してさっさと寝室に引きこもってしまった。怒わたしはいつねずみが逃げ出してもいいように玄関を開けたままにしておき、洗濯機の上のふたをこじ開け、懐中電灯で照らした。(ちなみにイタリアの一般的な洗濯機は上からではなく、側面から洗濯物を入れるようになっている。この場合は機械部を見るためのふた)いたいた。ねずみはドラムの側面で黒い小さな目をくりくりさせながらじっとしている。うう~、なでたいな。なんて思ってる場合じゃない。わたしは靴べらで上からそっと突付いた。そのときのねずみの驚き様といったら!パニックに陥り、電気配線のコードを伝ってわたしのほうに向かってよじ登ってきたのだ。かもーんっ!!両手を広げて抱きしめる態勢まで取ったというのに、またもや途中で我に返ったねずみはドラムの下に逃げ込んでしまった。いよいよわたしは興奮してきて、靴べらで洗濯機をガンガン叩いていると同じ並びのカルラが玄関の向こうから「何やってるの、洗濯機の故障?」と聞いてきた。恥ずかしくなって、「いやあ、その。。実はねずみが出ちゃって。。。」ともじもじと言うとカルラ「ゲ~!汚い!!今日お父さん(農家)がお昼を食べに家に戻ってきたらねずみ退治の毒薬を分けてもらうよ。」わたし「え、あ。。ありがとう。」殺すの?あんなに可愛いのに。。。わたしは時計を見た。朝10時。昼まで2時間ある。わたしはそんなにしょっちゅう洗わないソファーカバーなどをはずして洗物をつくり、もう一度、洗濯機を廻すことにした。もちろん毒薬を使う前に再度ねずみに逃亡のチャンスを与える為だ。今度はトイレ側のドアを閉め、玄関から部屋に通じるバリケードをさらに高くして、また玄関を開けた。これで外までの道へ、一方通行である。スイッチを入れてわたしはおっとがいびきをかいて寝ている寝室に引きこもった。そして静かに静かに洗濯機が止まるのを待った。洗濯機が止まった。わたしはどきどきしながら洗濯物を取り出すのではなく、上のふたを開けて中を懐中電灯で照らす。もうねずみはいなかった。用心の為、靴箱も一段一段丁寧に見て、部屋の中も特に薄暗い死角などを気をつけて見てみる。もうどこを見てもねずみはいなかった。きっと作戦が成功して玄関か、もしくは侵入してきた穴から外に出ていったんだろう。ホッとしたような、ちょっと寂しいような思いを抱きながら、洗濯物を取り出して外に干していると、カルラが小さなビニール袋をぶらさげてやってきた。カルラ「はい、毒薬。猛毒だから素手では絶対触っちゃダメよ。洗濯機の裏とか、またねずみが出そうなところに置いておくといいわ。すぐには食べないとは思うけど、食べたらすぐ死ぬから。」とビニール越しに小さな青い袋を指す。カルラは優しい女性なのだが、こういうことを飄々と出来てしまうところがやっぱりたくましい農家の娘なのだな、と思う。取り合えずいただいておくことにした。試しに玄関の扉の裏に置いて見たが、いかにも毒薬らしい吐き気を催す化学的な臭いには参ってしまった。こんなもの、ねずみが自ら進んで食べるのだろうか?2袋いただいたので、1袋はその臭いに耐えかねて2階の外に出した。ねずみくんたちが、これを食べないことを祈ろう。←だったら置くなよって?
2006.07.24
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またもや、たいした内容じゃないのに長くなってしまったので2回にわけて日記を書こう。***2度目の検証のあった金曜は、全員がぞろぞろと帰っていくと、わたしたちは気が抜けたようにへなへなとソファに座りこんだ。おっと「もうこんなイタリア、イヤだ。エクアドルに帰りたい。」わたし「問題が解決しない事にはこの家だって処分できないし、帰れないよ。」とおっとの気持ちはわかるのだが、ついついありのままの現実を言ってしまう。最近おっとは「エクアドルに永久帰国したい。」とよく口に出すようになった。2003年に結婚して新婚旅行で、我が両親という大きなおまけつきで慌しくたったの3週間で里帰りしてから3年。(このストーリーを写真付きで読みたい方はここ。)そろそろ里心がついたのも手伝っているのだろうが、これが本当の永久帰国の方向に話が進んでしまったら大いに困る。わたしは短期間行っただけで決めつけるのもどうかとは思うが、エクアドルの、おっとの実家のある標高2800mの高山都市キトには暮らせない。年中通して肌寒い、天気がいいのか悪いのかわからないようなうやむやな気候。イタリアでさえ遅れているのに、それ以上に遅れたテクノロジー文明。滞在中は何を食べても下痢ばかりして合わなかったわたしの身体。そして同じガイコクでも、わたしにとってイタリアとエクアドルで大きく違う点は、イタリアはこんな辛い目にも会いながらしかし、自分で選んで来た国だからそれなりに耐えれる点もあるが、エクアドルにはそれがない!ということだ。おっとと出会うまで南米に興味を持ったことも、行きたいと思ったこともなかった。そして、「ヤギ的」エクアドル人格を知ってからというもの、ますますそんなるつぼで生涯を過ごそう、なんて気は起こらない。おっとはエクアドル人だから結婚したんじゃない。たまたまある時期 熱に浮かされて「ヤギに乗ったお兄さん」が「白馬に乗った王子様」と錯覚してしまっただけだ。話を戻しておっとはそんなうさを晴らす為に、さっそくウイリアムに電話をかけて金曜の夜はさっさとひとりで出かけてしまった。そして土曜の朝にへべれけに酔って帰って来て、ベッドに転がり込んだかと思うと、昼過ぎまでぐ~ぐ~寝て、ぱかっと目が覚めたかと思ったら「ああ、今からウイリアムのところに行かないと。。」とまた出て行き、日曜の朝まで戻らなかった。わたしだって同じ状況に耐えて辛いのに、こんなことを2日間も立て続けにされるといい加減頭に来る。土曜の夜中、「そんなにうちにいるのがイヤなら、ウイリアムの家に引っ越しなよ。わたしは全然問題がないから。」と思わず携帯にメールを送ってやった。でもこれって、すごく日本人的な行動だなあ、とすぐに自己嫌悪に陥った。すべてのエクアドル人がそうなのかは知らないが、おっとには「文章や言葉に含まれる嫌味」が理解できない。なんでも素直にそのまま受け取るので、時には嫌味に喜ばれることもある。もしかしたらこの流れで本当にウイリアムのところに引っ越してしまうかもしれない。一人っ子のわたしはひとりでいるのが好きだし、長い下宿生活で一人暮しには慣れているけど、こんな田舎の納屋で、もしなにかあったら。。。と思うと、やっぱりこわい。以前、東京のど真ん中のワンルームマンションで一人暮ししていた時、ある夜中に具合が悪くなって立つことも出来なくなった事がある。そのとき、電話まで這いずって呼吸も困難な中から119番に助けを求め、救急車が来た時も、またもや這いずってやっとの思いで鍵を開けた。即刻入院が決まって、何も用意していなかったわたしは、鎮痛剤を打ってもらって熱で朦朧とする頭を抱えながら家に戻り、パジャマをかばんに詰め込み、近所のコンビニでいろいろ揃え、支度して病院に戻った。あの時の不安と情けない気持ちを思い出すと、都会ならともかく、こんな田舎の一軒屋で一人で住みたくない。そんなことを悶々と思いながら寝つかれずにいると、玄関のほうでかさこそと音が鳴る。泥棒?これだから、独りはイヤだ~!!わたしは電気をつけて、抜き足差し足、玄関に近づいた。音はぴたりと止んだが、かさっと気配がした。外じゃない、扉のウラだ!!わたしは手元にあった殺虫剤を掴み、ブシュ-ッと噴射した。茶色のものが飛び出してきた。ごきぶりか?と思いきや、なんと小さな薄茶色のねずみだった!!「きゃ~☆ね、ね、ねずみっ!!」と聞く人は誰もいないのに悲鳴をあげるわたし。ねずみなんて、外でぺちゃんこ死体か、近所の猫の口にくわえられたもの以外、見るのは初めてだ。うちの屋根裏に1匹住みついているようだが、家の中では長い人生で一度も見た事がない。そういえば、前日から家の中で黒い結構大きなゾウムシのような虫が、潰しても潰してもいくらでも出てくる。精神的に参っていたわたしは「もしかして実はわたしは死んでいて、腐った身体から湧いて来てるんだろうか?」と思っていた。しかしねずみが出てきたすぐそばの暖房装置の下にコンクリートの破片を発見し、裏側をのぞくと排気口のフタがはずれていて、ここから侵入したのだと理解した。そういえば、夕方ベランダに行くとスズメバチがいて、こわくて鉢植えの水遣りが出来なかったし、きっと金曜日に屋根の上を弁護士たちがどたばた歩き回ったおかげで、びっくりした屋根裏の住人たちが下の階に逃げてきたのだろう。ねずみは猛スピードで走り、物入れにある洗濯機の下に潜り込んでしまった。ごきぶりなら、ひたすら殺虫剤をまけばいいけど、ねずみはどうすりゃいいんだ?洗濯機を叩いたり、下を靴べらでさぐるが、一向に出てこない。っつーか、出てこられてもどうしていいかわからない。ああ、眠い。わたしは物入れの扉を閉めた。面倒くさい。朝、おっとが帰ってきたら処理させよう。とベッドに戻った。
2006.07.24
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木曜日、先日の我が弁護士団のMONZAの裁判所への訴えが効いたらしい。ルイジがさっそくしらじらしい声でおっとに「金曜日、足場を組みに行くからよろしく。」と言って来た。その時点ではまだ何もわからないおっとが、弁護士にこのことを言うと「金曜日の午後3時にもう一度、検証に参ります。今度はペリートも不動産屋軍団も揃うはずです。」と答えたので、慌てふためく私たち。1階の夫婦にその日、足場のためにベランダを開放してもらうように言い、おっとは前回それで無断で半日欠勤するというヒンシュクな結果になってしまったので、かなりこわかったが、わたしが一人1日会社を休んで引きうけることにした。金曜日の朝。おっとが起き出して雨戸を開けて「あ、もうルイジが来た!!」ええ?慌てて跳ね起きて窓から外を見ると、もう足場の建材を積んだトラックが家の前に停まっていて、ルイジがあの荒くれ系ガイジン弟子共に指示を出している。わたしは歯を磨きながらパジャマを脱いでGパンに足を突っ込み、ベランダに出た。するとベランダには新しい瓦が積んであるではないか?OOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!慌てて家の中に戻りデジカメを取ってきて瓦の写真を撮る。そして「ルイジ、これはどういうこと?裁判所からは検証が終わって結果が出るまで屋根に触るな、って言われているでしょ?」と問い詰めた。この間、おっとは心配そうな顔をしながらクルマに乗りこみ出勤していった。ルイジ「お嬢さん、朝っぱらからカッカするな。これは検証中、誰かが瓦を壊した時の処置として取り合えず持ってきたんだよ。」そんなのウソだ!奴はきっと午前中は誰もいないと見込んで、こんな朝早くから来て、検証がある3時までに修理を企んでいるに決まっている。わたしは「あ、そう。。それならいいんだけどね。」と言って足場を組み出した弟子たちをフェンスにもたれて監視することにした。しかし、足場は1階の夫婦のベランダではなく往来側に組んでいる。ルイジ「マルちゃんにそう言われたんでね。」←ホントかよおっとが帰ってきた。わたし「どうしたの、忘れ物?」おっと「やっぱりルイジ、信用ならないから職場には『妻が急病で休みます。』って断りの電話してきた。」←おっとよ、お前もか。しかし、いつも最後の詰めが甘いわたしたち。足場が9割方完成したところで家に入って朝食を食べ、再び出てくると奴はちょうどトイが欠けて瓦が剥き出しになっている一番問題なところの上を隠すように歩行用の木の板を渡したのだ。下からでは見えなかったので後から弁護士に言われて気がついた。とにかくこうして足場が完成した。しかしなんだか割り箸細工みたいで危なっかしい。ルイジ「実は今から別の仕事に行こうと思ったんだが、ヘタに倒れてケガ人が出ると責任取らされるからな。検証が終わるまで残るわ。」←最初からその腹つもりだったんだろうし、自分の仕事の不出来を認めるような発言だ。こうしたおかげで、わたしたちは奴らを絶対に屋根に上げないつもりでずっと見張る事となった。長かった。緊張しすぎて頭がキンキンした。ようやく3時になって大の男たちがぞろぞろと我が家に集合したのである!ペリートはそのままだった。なんでこんなに迅速に検証に来たのか、きっと他の人に替えられるとヤバイ、と思ったのだろう。納得が出来た。男たちはこの日は全員屋根に登る心積もりで来たのだが、ルイジが組んだ割り箸細工のような足場を見て、みんな引く。ある者は「今日は皮靴で来たから登れない。」といい、ある者ははっきりと「他に登れるところはないのかね?」というので、隣の家に頼んで天窓からあがろうとしたのだが、不幸にもスズメバチの巣があって、上がれない。で、小心者2人ほど(うちの弁護士と敵の建築士)除き、全員がこわごわ足場から上がったのだった。30分ほどこうしてドスンバタンと屋根の上を闊歩して降りてくる。全員でテーブルを囲む。話し合いが始まった。仕事の悪さは悪者軍団も含め、全員一致で認めざる追えなかったらしい。しかし問題は修理にかかる金額面なのだ。わたしとおっとはただひたすら黙って聞いていたのだが、双方譲らないままずっと平行線でもにょもにょと言い争っている。3時間も経つとわたしは我が事ながらいい加減イライラしてきた。もういいやん?ちょっとぐらい歩みよりしようよ!!こっちも負けてもいいから、あっちももうちょっと金額UPして。。。という言葉を頭の中で繰り返す。わたしの向こう隣で貧乏ゆすりをしていた不動産屋のアンドレアが立ち上がった。「オレ、もう帰る!こんな話し合い、何時間したって無駄さ。裁判に突入しようじゃないか!!それであんたらが勝ったら黄金の屋根でもなんでも好きなものをつけるがいい!!」アンドレアの弁護士「そうだ裁判だ!俺たちは弁護士なんだぜ?何を怖がる事がある?」と我々の弁護士団を睨み付けた。こうして2人は挨拶もそこそこに鼻息荒く出て行ってしまった。一同はぽか~んとして、不動産屋側のゼオメトラは「ぼくはやっぱり残った方がいいですよね?」とおどおどペリートに聞く始末。わたしは敵ながらそんなわたしの気持ちを代弁したような態度に心の中で拍手を送り、それと同時にやっぱり本当の裁判になってしまうのか。。と胃がきゅんとなってしまったのだった。その後、更に1時間ほど、敵といってもなんとなく頼りなそうな不動産屋側のゼオメトラと我が弁護士軍団、ペリートとの話し合いは、世話ばなしも交えながらそれはそれは、腹が立つほどおだやかに進み、結局はうやむやなまま幕を閉じたのであった。どうなるんだろう?やっぱり本格裁判??この日は我が弁護士軍団がとても頼りなく、思えて仕方がなかった。アンドレアの弁護士、ああいうひとのほうが良かったな。←ちなみになんとなく元彼似。
2006.07.23
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突然だが、なんかもう日記をやめたくなってきた。こんな日記が続くなら、もう書きたくない。昨日の朝。わたし「本当にわたしも仕事を休んで同席しなくて大丈夫?」おっと「大丈夫だよ、きっと30分ほどで済むだろうから、ぼくが仕事の合間に立ち寄るだけで充分だ。」こうしてわたしが会社でのほほんとW杯観戦のお誘い日記を書いていた間、先日予告した日 よりも早めに我が家に裁判所指定の建築士(ペリート)が家の状態をコントロールに来たのだった。もちろん彼だけではなかった。我々の弁護士が雇ったジオメトラ(建築鑑定士)、あの憎っくき不動産屋のアンドレアと彼の雇ったジオメトラも同席したそうだ。コントロールと話し合いは30分どころか、延々3時間半にもおよんだそうだ。その間、おっとが何度もわたしに「あの証拠写真、どこにある!?」と聞いてきたりしていたのだが、その電話の向こうでいつも誰かが怒鳴り、言い争いになっているのが聞こえて訳のわからない不安にハラハラした。夕方。わたしは仕事が終わり、いつものようにセバスティアンおっとにお迎えの電話をかけるとおっとは蚊の泣くような声で「今、ペリートたちが帰って行ったよ。これで午後の仕事が全部パーだ。とにかく会社に戻らないと。。」わたしは胸が潰れそうになり「わかった、今日は歩いて帰るわ。でもその前にひとつだけ教えて。今日はうまくいったの、いかなかったの?」おっと「。。。。今夜、帰宅したら話すよ。」あああああああああ!!!!ど~してそういう曖昧なじらすような応え方をするかなっ!?わたしは田舎駅からの道を歩きながらあらゆる悪い状況を想像してみるが、こんな初体験のことに、さっぱり検討がつかない。やっと汗だくになって家に帰り着き、玄関のドアを開けるなり、かばんを投げ出してシャワーの下に飛び込んだ。こんな時間から仕事に戻ったおっと、きっと帰りは遅いだろう。夕ご飯、何にしようかな。。シャワーが終わり、キュッと蛇口を止める。すると浴室の向こうからTVの音が聞こえた。え?おっと、もう帰って来たんだ??わたし「おっと~、もう帰って来たの?」とバスタオルで身体を拭きながら叫んだ。耳を澄ますが返事がない。なのにTVの音は確かに聞こえる。誰か、家の中にいるのか!?着替えて浴室を出ると、やはりおっとが帰っていて、ソファの隅で黒い闇を作っていた。わたしはかなり引いておずおずと「どうなったの?」と聞く。おっとはしばらく黙ってTVを観ていたが自嘲的に「会社もお客もひどい怒りようだったよ。当たり前だよな、なんの連絡もなく仕事をすっぽかしちゃったんだから。こんなこと、はじめてだ。。」うんうん。でもわたしが聞きたいのはそのことじゃなくて。わたし「え~っと、シャワー浴びてきたら?その間に夕ご飯の支度するし。」きっとおっとはまず頭の中で話すことを整理したほうがいいだろう。おっとはわたしの言葉を無視し、TVを観続けた。というか、TV画面は観ているけれど、思考はどこかに行っている感じだった。わたしは諦めて2階にあがり、片付け物をして降りてくるとおっとの視線がようやくわたしのほうを向いたので、横に座る。おっと「ぼくら、いったい何か悪いことをした?」は?おっと「うちのジオメトラが最初にコントロールに来て出した屋根の修理の見積もりは12,000ユーロだ。つまり屋根を全部替えなければ問題は解決しないって事さ。でも」をを、やっと話す気になったか。おっとは続けて言う。「やつらの雇ったジオメトラは3500ユーロだと抜かしたんだ。それに加えてアンドレアが『こんなの瓦を少し動かすだけで済むだろ、ボリ過ぎるなよ。』だと。」わたし「今までそうやって瓦だけ動かしに来て、何も解決しないから裁判になったんじゃない!?屋根の状態、ペリートは見たんでしょ?」おっと「全員で屋根に上がって見たさ。ところが一番最後に見たときより、きれいになっているんだよ!?」わたし「そ、それって。。。」おっと「うん、ルイジの奴が、ぼくたちが昼間仕事で居ないときを見計らって、また修理に来やがったんだ。」わたし「でも。。でも、そういうことがありうるから証拠写真を撮っておいたんでしょ?!」とついついトーンが高めになる。おっと「普通なら、証拠写真が効いたさ。でもね。。。」わたしはごくりとツバを飲む。おっと「アンドレアが雇ったジオメトラと裁判所のペリートはやたら親しくってね、どうも、友達らしい。」え?えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ?????????????????????????????????????????OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!き、汚い。汚すぎる。やり方が汚すぎるっ!!!!!!!!!!!!!!このイタ公マフィアたちめっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!おっと「残念だけどうちのジオメトラはミラノ人、ここには詳しくないんだよ。でもアンドレアの奴はこの狭い地域人だから、『蛇の道は蛇』ってやつで、どのペリートがいつ来るなんてとっくに知っていたわけさ。だからきっと、ルイジにコントロールが来るまでに修理させ、友人をジオメトラに雇った。きっとこのペリートにも金を握らせているだろうってのが、うちのジオメトラの観測ってわけ。」そういえば、この間の裁判のときもアンドレアの弁護士は親しげにペリートに挨拶を交わしていた。このとき、イヤな予感はしたんだけれども。。。おっと「うちのジオメトラは『奴らのジオメトラと裁判所のペリートはきっと彼らの間で裏打ち合わせをするに違いないから、事態は難しくなった。裁判が予想をはずして長引くかも。』だって。」OOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO................................おっと「でもうちら、今までにかなりお金を費やしてきたでしょ?今日のペリートだって500ユーロ。なんで奴らの友達に500ユーロも払わなきゃいけないんだよっ!?ぼくらはこんな馬鹿げたことに支払いを続けるためにあくせく働いているんだよ?」わたし「。。。。。。。。。」おっと「アンドレアの奴、それを見抜いていて『ぼくらはいつまででも闘う覚悟はあるよ。金はあるからね。』と抜かした。」わたし「でも奴らの言う3500ユーロぽっちじゃ、それこそ何の問題解決にもならないよ!」おっと「ちなみにこの3500ユーロは、今までにかかった弁護士代、裁判代込みだってさ。バカにしている!!それにあの騙し取った間取りの変更を市役所に届出なかったお金も、立派な見積書の証拠があるのにうやむやにしていた。」い、いいいいいいいいったい奴らはどこまで悪者なんだ!!!!!!?????????おっと「。。。。。。。。。。。もうぼく疲れた。どうする、まだ裁判続ける?」わたし「う。。。。。。。。。。。。」と言葉に詰まった。おっとの弱気が感染しただけじゃない。悔しいけれどちょっと前、わたしたちはおっとのいつものヤギ的軽はずみ行動で経済破綻し、確かにこれ以上、裁判を続ける経済力がない。わたし「今日のことがどういう結果として、弁護士から連絡があるか待つしかないよ。。。」と声を振り絞って言うのがやっとだった。この後おっとは元気なく立ち上がり、シャワーを浴びに行った。おっと、今日はすまない。独りでそんな辛い状況に立たせてしまった。しかも仕事を無断放棄までさせてしまって。。。。わたしは取り合えず冷蔵庫に残った生ハムを取り出し、パンを切ったが、あまりのショックで立ちくらみがして座り込んでしまう。しかしおっとが浴室から出てきたので、何もない振りを装い、食べ始めた。いつもはかじりついて観るW杯も上の空、生ハムも2~3切れ食べて気分が悪くなったのでやめた。おっとも同様だった。こんなおかげで昨夜は悪夢を見ては醒め、怒りを思い出しては必死で目をつぶり、の繰り返しでほとんど眠ることができなかった。なんであの平和日本を捨てて、わたしはイタリアにいるんだ!?と、痛切に思った昨夜。
2006.06.20
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今日からワールドカップが始まる。ドイツ VS コスタリカエクアドル VS ポーランド。本来ならこのエクアドル戦、チケットも買って数人のおっとのエクアドル人友人たちとドイツまで観戦しに行く予定だったのが、おっとの「無計画ヤギ的浪費」により行けるどころか、前回も襲った「食うのも困る」状況 まで落ちてしまった。おっとは今夜はミラノの中心に特設された巨大スクリーン前まで応援に行く。ドイツまで応援に行くのと違って安上がりだが、この試合に勝とうが負けようが、この後全員で呑んだくれにどこかのクラブかパブに出かけるのは簡単に予想がつく。きっと40~50ユーロぐらいの出費だろうが、今の我が家には、それっぽっちのお金も貴重なんだぞ!!!???くっそ~~~~~、考えて見りゃ、ここまでわたしが地に落ちたのは、ぜ~~~~~んぶ「無計画ヤギ的浪費」のおかげだ。マジで別れたろかっ!!??*****さて昨日はturbo717さんもコメントしてくれたことなのだが、こういうずるい奴、しっかりイタリアにも存在するのだ。(って、イタリアの方が自然か?)ちなみに同僚アンナとマッシモとわたしはほぼ同時期に家を購入したのだが、マッシモの家: 中古物件購入。ひとつの部屋の上が上の階の住人のテラスにあたり、雨が降るたびに天井から水漏れする。上の階の住人と揉めている最中である。アンナの家: 昔の工場跡を改築したモダンな高級マンションを購入。しかし廃材を使ったずさん工事により、家の壁には絵を飾る穴すら開けられない。 壁が崩れるからである。汗 その他、壁の半永久生乾き状態によるカビの被害、ガス漏れ、エアコンの排気口の不作動、Etcで住人全体で裁判を起こした。しかし建築業者はすでに倒産した後で、責任者問題の追求から始まった。と、。。。。。。。。。。。イタリアにまともな家はないんかいっ!!!!?????アンナの家の例をとれば、我が家と似ている。彼らの場合も裁判所指定の建築士が来るまでに、訴えられている建築業者がこっそりと来て、外壁のカビの上にペンキを塗って立ち去って行ったそうである。我が家も弁護士を雇ったとたんにこっそりルイジがやってきて、落ちた瓦を元に戻して行ったのだが、それ以前に瓦が落ちたその日に撮った証拠写真があったので、この行為はルイジにとってなおさら不利になったのである。しかしルイジは大しぇーもだから、またこっそり修繕に来る可能性は大である。屋根の今の状態の写真はたくさん撮った。こっそり来たところで家の中には入れないから、階段と壁のしみはどうしようもないだろう。とにかく気が抜けない。なぜなら不動産屋の弁護士と裁判所指定の建築士、きのうの顔合わせで「ああ、どうもどうも。」と知り合いのようだったし。昨日は「裁判が我々の勝利になるまで」と書いたけど「裁判が我々の勝利になり、完全に家の修復作業が終わるまで」ストレスの日々は続きそうである。改めて言うが、安い物件を買ったつもりはない。この町に1年落ち着いて、改めて周りの物件と見比べれば、我が家は結構な値段だ。これはこの田舎町に決めるまで、見比べていた他の物件が全て都市のもので、比較対照にあまり役立たなかった反省点もある。「安かろう、悪かろう」ならある程度の、例えば階段の質とかの、妥協はする。「高かろう、悪かろう」だから怒りが収まらないのだ。しかし哀しいかな、今までの経緯を見るとおっとは「金の亀」を買ってばかりなのだ。今回もまた。。。。。。はあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。_| ̄|○
2006.06.09
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お久しぶりです。ここ数日、いろいろな事件は発生しまくっていたものの、諸処の事情で日記に書けず(書くことも恐ろしいぐらい、あ~んなことやこ~んな事が起こっていたと、皆さまご想像で楽しんでくださいっ!)、もどかしい思いをしておりました。さて、これはわたしたちの家の裁判の話です。苦笑タイトルどおり、今朝9時半がいよいよ裁判初日だった。わたしたちは前日から落ち着かず、とうとうといまで落ちてしまった屋根の写真を何枚も撮ったり、お隣のカルラたちと不安を紛らわせ、勇気を出すべく長いこと外で立ち話をしたりして過ごし、今朝は目覚まし時計が鳴る1時間以上も前に起き出して、まだまだ早いのに早々に家を出発したのだった。裁判所の場所はGPでお馴染みのモンツァ市の中心街。早く着き過ぎたわたしたちはとにかく裁判所の前に行く。ここの裁判所は商店街のど真ん中にあって、警察の囚人護送車が扉の前に停まっていなければ、なんの建物だかわからないような地味なところだ。はじめて中に入った。中は広いホールになっていて、正面には最近描かれたであろうへたくそなフレスコ画がある。女神が天秤と剣を持ち、悪を罰している画だ。それを取り囲むように小さな裁判室が並んでいる。わたしたちはホールの隅の小さな赤い待合室のような安っぽいイスに腰掛けて周りを見回した。ホールにはたくさんのひとがいた。わたしたちははじめてなので、おっとは冠婚葬祭にしか着ない唯一のスーツを着、わたしものりの当たった白いシャツでかしこまって登場したのだが、そこにいるひとたちは、ジーンズ、Tシャツ、などと普通。というか着崩れた感じを受けた。ちらほらスーツ姿が見えるのは各々の弁護士だけのようだ。やっと我々の弁護士との待ち合わせの時間の9時15分になるがまだ彼は現れない。緊張は高まる。わたし「わ、わたし、うちの弁護士が来る前に不動産屋のほうが先に来たら、殴っちゃうかもしれない!ウッキ~!!」おっと「ヘタなこと、するなよ。」汗おっとの携帯が鳴った。弁護士「どこにいるんですか?」おっと「裁判所の中ですけど?」弁護士「ああ、それじゃああなたたち、刑事専門の裁判所の方に間違えて行かれたんですな。外に出てくださいな。」ああ、どうりでこっちの裁判所は強面なおっちゃん、おばちゃんが多かったわけだ。外に出ると、角から弁護士が手を振っているのが見えた。弁護士は角を曲がり、突き当たりにある宮殿を改造した立派な裁判所に我々を導いたのだった。さっきのエセフレスコ画とは違って、本物のフレスコ画が天井に描かれてある大理石の階段をあがりガラス張りの回廊を突き当りまで進んだところで弁護士はある立派な扉の前で止まった。扉に貼られた紙を確認する。紙には時間割が書かれていて「9:30 まるちゃん&いくきーと」という文字が目に留まったので安堵した。そして下を読むと「9:40 権兵衛」「9:50 花子」と10分おきの時間割ではないか!?なんじゃこりゃ?まるでホームドクターの患者の時間割みたいだ。扉が開いて、秘書らしい女性が顔を出した。「9:30 まるちゃん&いくきーとの関係者の皆さま~、お揃いでしたらご入室してくださ~い。」呼び方までが看護婦のようだ。おっとはそそくさと真っ先に部屋に入った。その後について慌てて入ろうとするとでっぷりとしたおっさんが「先に入らせてもらうよ。」と押しのけて入っていく。そして、我々の弁護士が入り。。わたしは辺りを見渡したが、憎っくき不動産屋の姿はどこにもない。やがてどこから現れたのか、2人組の男が「不動産屋の弁護士です。」と入ってきた。中はまるで診察室のような小さな部屋だった。TVなんかでよく見る裁判台があって、傍聴席がたくさん並んだ部屋を想像していただけにちょっと気が抜けた。医者、いや裁判官がデスクの向こうにちょこんと座っていて、「まあまあお座りなさいな。」とまるで老医師のように歯の抜けたもごもごとした口調で薦めてくる。デスクを囲んで全員で座った。が、イスがひとつ足りなかったのでわたしはおっとの後ろに立つ。裁判官はもごもごと「あんた、ご婦人を座らせないと。。」とおっとを叱咤する。わたし「わたしが立ちたいんです。」裁判官「いや、ご婦人をだねえ。。。」なんだかぼけた爺ちゃんを相手にしているようだ。ちょっと心配になった。爺ちゃんは本日の出席者の名簿を確認する。不動産屋は委任状を弁護士に託して欠席。爺ちゃん「あんた誰?」と鼻眼鏡越しにわたしを見上げる。わたし「いくきーとです。」爺ちゃんは書類を目を細めて見つめながら「いくきーと、いくきーと。。。ああ?」不動産屋の弁護士がたまりかねて、裁判官の書類に書かれたわたしの名前を指でついた。爺ちゃん「ああ、いくきーとさんね。」本当にぼけた爺ちゃんを相手にしているようだ。かなり心配になった。爺ちゃんは書類を開き、弱々しい声で3行ほど読んだ。その横で秘書がPCに向って別の書類をカタカタと作成していく。わたしは言ってる内容も、書類に書かれている内容もちんぷんかんぷんだったのだが、とにかく難しい顔をして立っていることにした。そうしているうちに、不動産屋の弁護士が、爺ちゃんをさえぎってどんどん発言していくではないか?うちの弁護士を見れば、うんうんとうなずいているだけである。わたしは緊張のしすぎで頭がぼ~っとしてしまって、訳がわからないままうちの弁護士が無言なことに無性に腹を立てていただけである。←情けなや。あっという間に10分が過ぎた。やっと一番最初にわたしを押しのけて入っていったおっさんが口を開いて「6月22日の15時でよろしいかな?」とわたしたちに聞いてきた。おっとは「ハイ、結構です。」と答え、わたしも「????」となりながらもウンウンと同意した。←ああ、情けなや。それを聞いて秘書があっという間にPCの中の書類にその日付を書き込んでプリントアウトし、各弁護士に配る。おっとの背中越しにプリントを見て、我が家に裁判所指定の建築士が被害状況を確かめに来る日時だということが、やっとわかったのであった。我々は立ち上がり、部屋から出ると、さっそく秘書が「次のかた~。」と呼び、別の集団が入室した。わたしはこっそり弁護士に「最後に日付を決めたのは誰ですか?」と聞く。弁護士「裁判所指定の建築士だよ。」ああ、そういうことだったのか。回廊で裁判所指定の建築士は挨拶をして出て行き、不動産屋の弁護士のひとりも「急ぎますので。。」と去っていった。残るはわたしとおっと、我々の弁護士と残りの不動産屋の弁護士。わたしは我々の弁護士と残りの不動産屋の弁護士をしげしげ見つめた。我々の弁護士は弁護士事務所を開いているわたしの友人のお姉さんの同僚なのだ。本当はお姉さんに担当してもらいたかったのだが、彼女は別件で忙しく、それがかなわなかった。この同僚はネクタイをきちんと締め、見た目からもいかにも「いいところで真面目に育ったお坊ちゃん」タイプである。それに比べて不動産屋の弁護士はノーネクタイで襟のボタンをだらしなくはずし、日焼けしたいかつい顔のいかにも「悪者側の弁護士」タイプである。口がやたらに立つところはあの悪者不動産屋とイメージをだぶらせる。なんか、言い負かされそうやん!!??彼らふたりはしばらく話し込んだ後、別れた。当然のことなのだが、事前にいろいろと話はついているらしい。この後、我々の弁護士はおっととも2~3言、会話を交わして別れる。わたしはこの間の弁護士事務所での裁判所の署名まで、この件に関しては事故のおかげでついていっていなかったので益々どうなっているのかわからなくなった。わたしはわからない不安に胸をハラハラさせておっとに「どうなってるの?」と聞いた。おっと「6月22日に裁判所指定の建築士が、我が家に被害状況を確かめに来るんだよ。その後、不動産屋はその建築士の指示に従って工事を始めるらしい。」わたし「え。。 そんなに簡単なの??もっと泥沼のように揉めると思ってた。」おっと「今までの話でぼくがわかったのは、やつらも負けがわかっている裁判を伸ばして余計な浪費をしたくないってことさ。とにかくこちらの申し立て通りの修理がなされるかどうかは、6月22日の建築士の判定しだい。後はうまく行くように祈るしかないよ。」わたし「。。。で、慰謝料なんかは踏んだくれそうかな?」←悪者日本人おっと「弁護士もね、いろいろ動いてくれたみたいなんだけど、せいぜい700ユーロ払ったのにやらなかった市役所への間取りの変更届けの分が戻ってくるだけみたいだよ。」700ユーロといえば、弁護士代とトントンだ。な~んだ。おっと「でもさ、脅しに負けて示談にしなくてよかったよ。あいつら、示談、ってときに修理代も更に巻き上げる魂胆だったけど、裁判所を挟めば無料でやらなくちゃいけないしね。」当たり前じゃないか?っつーか、最初からちゃんとやってたら、こんな強制労働をする必要はなかったんだ、バカたれ。おっと「ああ、ちょっと安心した。やっとまともな家に住めるようになるのかあ。」わたし「油断は禁物だよ、これまでいつもどんでん返しばっかりだったじゃないっ!!」まったく。裁判が完全に我々の勝利となって終わるまで、もとい、完全に家が修繕されるまで絶対に油断はしないつもりである!!が。。。。。こんなに大事なことなのに、話についていけてない自分がもどかしい。トホホホホ。。。。。。。
2006.06.08
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最近脳みそが腐っていく気がします。会社にいるときのほうが時間がないのにマメに楽天やメールをチェックしていて、家にいるとさっぱり。。Naocci、心配させてごめん。生きてるよ。やっぱりわたしは専業主婦向きじゃないのだろうか?*****近況を書けば先週金曜日、とうとう裁判所の書類にサインした。これから本格的な裁判が始まる。弁護士を雇った当初は、どれだけ不動産屋を催促しても放置されたままの、家の屋根の工事を促するためだけのつもりだった。しかしわたしたち側の弁護士の調べによると、違法建築、料金のだましどり、など多々目をつぶっていられない問題がどんどん噴き出したため、全ての責任を不動産屋に追求した。すると今までダラダラとした態度であった不動産屋が逆切れしたのである。わたしたちは不動産屋とは、もう弁護士を通じてでしか、話し合いに応じなかった。すると奴らはブローカーであるレダおばさんを使って、最初はこの間の日記でも書いたように彼女からわたしたちに示談にするよう、説得を試みたのだが、それがダメだとわかると、なんとレダおばさんにまずわたしたちに電話をかけさせて、電話を替わり、脅迫してきた。(脅迫内容はほぼShionさんの4月6日の予想通り。さすが(▼▼メ な死怨さん!違)やっと本性を現したのだ!!レダおばさんは電話を聞いて怯えてしまって最後に電話を替わり「わたし、もうこれ以上関わり合いになりたくないから放っておいて。」とわたしたちに言った。わたしたちもこれまでの人生、脅迫など受けた事がなかったので、必要以上に怯えてしまったのだが、その後、弁護士ときちんと話し合い、容赦なく闘う事を決意した。ちなみに我々の弁護士はわたしの結婚媒酌人であり、友人であるアルマンドのお姉さんアントネッラである。アントネッラ「。。。今更言ってもしょうがないんだけどね、あんたたち他人を信用しすぎ。いい人過ぎたらイタリアでは生きていけないのよ。特にこんな大きな買い物をする時はもっと疑ってかからないと。。。ああ、なんでもっと早くに相談してくれなかったの!?誰か他に相談するひとはいなかったの?」まったくである。本契約に至るまで、いろいろと「???」と思うところがあったのは、これまでの日記にも多少書いている。しかしいつも最後には悪徳軍団にせかされて、よく考えもせずOKを出したりうかつに署名してしまっている。こんな我々のうかつさも積もりに積もって本来ならば必要のない痛い大きな出費と、悩みと精神的苦痛を抱えなければならないはめになったのだ。2人して「ガイジン」という立場も弱い。こんなプライベートなことを相談できる経験のある年長者の親戚も知り合いも周りにいないのが哀しい。アントネッラの説によるとレダおばさんも、家のローンを融資している銀行も、家の契約の時に立ち会った公証人も、不動産屋悪に目をつぶっている疑いがあるらしい。つまり、家を探し始めた時点、レダおばさんに頼んだ時点からわたしたちはまんまと奴らの罠にはまっていたわけである。まるで今の気分は「飛んで火に入る夏の虫」のちっぽけな虫そのものだ。(そ~だよな。。。事のはじまりはおっとが「友達の親戚のレダおばさんに頼もう!友達の親戚なら信用できるでしょ?」ということだったけど、ふたを開けたらめちゃめちゃ遠い親戚だったし。。)「ピュアガイジン」という立場で、イタリアに親族も誰もいない者は、家を持ってはいけない、ということなのか?今までの思い当たるいろいろなうかつさを反芻して後悔してみたり、「わたしたちが大金を出しているのに、どうしてこんなに苦しまなければならないんだろう?」と思うと、悔しくて夜も眠れない。去年、家の本契約をしたのは4月21日。あの時ははじめて自分たちの家を持ったことに実感が湧かないまま署名した。あの時考えていたのは、ようやく大家の目も気にせず家の中を好きに出来るし、家賃を搾取され続けたまま終わるだけの借家生活からの脱出を喜んでいただけだった。まさかちょうど1年後、裁判がはじまるなんて露とも思わずに。。。。はあ。
2006.04.18
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今日は雨上がりで肌寒い。今朝、目目さんから電話があった。そのちょっと前にぼんやりと窓の外を見ていると下の階のバルコニーでシェパードがせっかく飼い主が犬小屋に入れてくれた毛布の食いちぎり作業に夢中になっていた。その行為に「所詮は犬なのか。。」と虚しくなって詠んだ歌にいや、彼女宛てに書いたメールにさっそく反応してくれたのだった。目目さん「何もすることないわけ?」わたし「そういや、1日掃除ばかりしてる。」目目さん「あこがれの専業主婦になった気分でいいじゃない?」?!これがあれほど夢に見ていた主婦生活なのか!?毎日ぼ~っとTVを見て、ちょっと掃除をして、昼にはパンをかじったり、ラーメンをすすったりして、でもラーメンの汁を服にこぼしても面倒だから拭きもせず、次の日シミになっていて「何やってるんだ、わたし。。。こんなに何もすることないのに。」と後悔する生活。主婦生活というより、定年退職になったばかりの、妻とは離縁されてしまった独り暮しのサラリーマンではないだろうか?ところで昨日はキッチンの流しが詰まってしまった。流しの下には配管から漏れた水があふれだしてまわりの床まで水溜りを作っている。と~っても面倒くさかったのだが、しぶしぶ流しの下に収納していた洗剤類やじゃがいもなどをどけて雑巾で拭いて水が滴る下にバケツを置いた。ああ、修理屋を探して電話しないと。。。面倒くさい。うだうだとTVを観ているうちに夜になりおっとが帰宅して、ハッと流しのことを思い出した。おっとにさっそく状況を見せる。おっと「え!これってうちだけの被害だよね?下の階は大丈夫なの?」わたし「そう思うよ。」←お互いルイジのやった仕事には過敏になっているのである。おっとは「ああもう、いったいどうしたんだろうねえ?」と瞬く間に流しの下の配管を解体して調べ始めた。一家にひとり、便利な男である。やがてU字管の中を覗いて「なんだと思う、これ?」とわたしに見せた。管の中には白いスポンジみたいなものがぎっしり詰まっていた。どうりで水が下に行かないはずだ。おっがグリグリとプラスティックのスプーンでかき出すと、それは油で固められ、水を含んで膨張したご飯粒の層だった!「げ!?ゲハハハハ!!」思わずわたしは笑ってしまった。流しの排水溝には目の粗いアミがついていて、残飯が流れていかないようになっているのだが、小さくて細いご飯粒はその隙間から流れていってU字管でおにぎりのように詰まっていたわけだ。さすが日本人がいる家庭。これがイタリア人の家庭ならさしずめスパゲティか?*****そうだった、今日はそんなことを書こうと思ったんじゃない。実は片付け魔のおっとが分類もせずにまとめて箱に放りこんでいた書類を昨日、整理していたら「ああ、そうそう。この間ルイジが送ってきた屋根の修理の概要。」とあるプリントをわたしに見せた。読んでいくと、ここにこのブランドのこの素材を使って、どのように屋根を再修理して。。。と事細かに書いてある。書いてある内容だけ見ると、今回に関してはきちんとしているように見える。おそらく我々の建築士がうるさく言ったのであろう。わたし「。。。。これのいったい何がだめなの?」そう、実は10日ほど前、あのレダおばさんからおっとに電話があったらしい。レダおばさんを知らない方に少し説明をすると、彼女はおっとの友達のとお~~~~~~い親戚でローンスタジオを一人で切り盛りしている。ローンスタジオとは不動産屋とお客の間に立って、ローンの仲介をするスタジオである。家を探していた頃、わたしたちはふたり揃って外国人、しかもわたしは学生あがりだし、おっとは労働年数がまだ少なかった為、なかなか融資をしてくれる銀行が見つからなくて、彼女に代行を頼んだというわけだ。彼女はすぐさま外国人でも融資をしてくれる銀行を見つけ出した。そして彼女の仕事の一環として、提携している何軒かの不動産屋の物件を見せてくれた中から、不運にもわたしたちは、この悪徳不動産屋の物件を選んでしまったというわけである。だから彼女はこのいっけんには直接的には噛んでいないのだが、両方の事を知っている人物なのだ。わたしは電話内容を直接聞いていないのでおっとのそのままの口調で言わせると、レダおばさんは我々を心配してか?悪徳不動産屋に頼まれたのか??弁護士を辞めさせて、直接悪徳不動産屋と話をつけるように言ってきたのだった。なぜなら、どうも我々の弁護士の攻撃が限度を超えて屋根以外のことでも攻めた為、悪徳不動産屋もついに彼らの弁護士を雇ったというのである!そうなれば、戦争は長引き必ず裁判になる。裁判になると最低でも2~3年の年月と莫大な費用がかかるから、今のうちに手を引いて穏やかに話し合え、と言うことだった。おっと「ぼくだけじゃ、判断がつきかねるからいくきーとと話し合って返答する、って返事したんだ。」うう~ん。わたしは「長い年月と莫大な費用」というところで迷った。我々の屋根は急を要するもので、そんなに時間をかけていたら次にどんなことが起こりうるかわかりゃしない。それにこっちが一方的な被害者なのに、どうしてそんなにお金をかけなきゃいけないんだ!?わたし「あんたはどう思ってるの?」おっと「ぼくはこの時点で弁護士を辞めさせたら、彼らすごい怒ると思うんだよね。せっかく紹介してくれた君の同僚にも悪いし。。」そんなうやむやな発言にわたしの気は弱くなった。「えっとさ、そういうことじゃなくて考えてみてよ?今まで何度催促してもちっとも奴らは修理に来てくれなかったし、やっと来た、と思っても瓦をちょっと動かすぐらいで何の解決にもなってなかったじゃない?だからここで裁判になる事を恐れて示談にしたら、また元の木阿弥だと思うんだよ。まだ裁判になるって確定したわけじゃないし、もう少しこのまま弁護士に任せてみようよ。」その言葉を聞いて、おっとは決心がついたようだ。「そうだよね、ようしっ!もうレダおばさんには返事しない。これがぼくの答えだ!!」しかしこの夜、わたしは更に気が弱くなって、長引きそうな戦争に「なんでこ~なるの!?」と泣きそうになって頭をクラクラさせたのだった。それから、他の事を考えるようにして気を紛らわせていたところにこのプリントが出てきたのである。わたし「これ、いつ受け取ったの?」おっと「割と最初の方だよ。」わたし「これで本当にやってくれるなら、それでよかったじゃない?これのいったい何がわたしたちはダメで、奴らに弁護士を雇わせるぐらいの戦争になったの?」おっと「覚えてる?家の設計図の変更の市役所への手続きに700ユーロ払ったのに、奴ら変更しなかったでしょ?あれの変更と弁護士代を奴らに負担させるように仕向けたからさ。」わたし「。。。はあ。」おっと「奴ら、家の設計図の変更の市役所への手続きはしたって言い張るんだ。ぼくは素人だからわからないけど、契約書の中の設計図は変わってないでしょ!?奴らはそれを不服としていたんだけど、工事をただでやらせる上(←わたしたちとしては当たり前だと思っているのだが。)、今回の弁護士代を上乗せされて、とうとう切れて弁護士を雇ったみたいなんだよ。」OOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!この事情は知らなかったよ!わたしはもうこうなっては屋根さえ普通に住めるようになればいい、と思っているだけで。。。こんな普通の望みがどうしてこんなにこじれてくるんだ!?あのルイジさえ、ルイジさえ、最初にちゃんと工事していればこんな地獄をお互い見なかったのに!!! もうわからない、わからなくなってきた。わからないけどこの場合、どうすることが一番近道でお得なんだ?
2006.04.06
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今日の夕方、おっとは弁護士事務所に行った。今度は我が軍だけでの話し合いである。おっとはいつもわたしがどれだけ突っ込んでも、肝心なことを話してくれないのでこれはおっとの口伝えのあやふやなものではあるが、こういうことだった。どこまでも悪どい不動産屋軍団が、というよりルイジが今のいままでどれだけ修理を催促しても「今は季節が悪いから。。季節がよくなったら工事にかかるわ。」などと言って伸ばしに伸ばしていたのは、我々が家を購入した日から1年過ぎるのを待っていたようなのだ。なぜ1年かというと、1年が過ぎたところで家の売主との仲介をしていた不動産屋のこの家への保障責任がなくなるからである。その後、全責任はこんな状態の家を売った元の持ち主にかかってくるのだ。最近、状況を知るために元の持ち主が何度も我が家に電話をかけてくるのだが、当然彼女はこのことはおろか、何が起こりうるかも知らされていないし、我々も口をつぐんでいなければならない。わたしたちが家を買ったのは去年の4月末。不動産屋をとっちめるタイムリミットはあと1ヶ月しかない。弁護士「この1ヶ月の間に絶対ケリをつけますから!」弁護士いわく、屋根にかかる壮大な工事を無料でさせるに至っては不動産屋をOKさせたらしい。というのも、バカな何も知らない素人のわたしたちがオプションとしての片側の屋根の修理代を平常価格よりも倍近く払いすぎていたせいもあって(弁護士が問い詰めると、ルイジは「両方の屋根の代金だと思っていた。」とうそぶいたらしい。)それで相殺させる方向に持っていったようだ。まったくわたしたちはバカである。ここはイタリアだってのに、不動産屋にせかされていたせいもあるが、ルイジなんかを信用してひとつひとつのオプションの値段を他の業者と比較しなかったため、何万ユーロ大損しているのである。そうやって今までのルイジの言動を反芻すればするほど、腹が立って昨日はなかなか寝つけなかったのであった。今度家を買うなら絶対こんな失敗は2度と繰り返さない!残りの階段の修理、そして新たに発覚した700ユーロも払ったのに、何も法律上、変更されていない間取りの変更。弁護士はこれらを全てしたためて新たにレターを送り、1ヶ月以内に不動産屋に署名をさせる。署名をした後ならば、1ヶ月が過ぎた後でもこの約束は有効となるのだ。しかし、こんなひどい状況でもポジティブにちょっと考えてみた。あの大雪の日に瓦が落ちたのは、もちろんずさん工事が原因だけど、もしかしてこの家にもイタリア版「座敷童」が居て、わざと道路に瓦を落としていつまでも決断がつきかねてた弁護士を雇う決断をさせてくれたんじゃないだろうか?あのまま弁護士を雇わずに「お馬鹿でお人よしな建築ド素人ガイジン」の我々だけで不動産屋と交渉し続けていたならば、とっくに1年が過ぎ、不動産屋の態度はコロリと変わって、知らぬ振りを決めこまれたに違いない。弁護士料がいくらになるか、まだわからないので怖いのだが、このまま放置しておいて不動産屋に見捨てられた後、我々でまたもや多額のお金を積んで別の業者にやり直させるバカバカしさとやりきれない怒りを想像すればするほど、あの時点で弁護士を雇って本当によかったとつくづく思っている。果たして勝てるか!?勝負はこの1ヶ月にかかっているのだ。
2006.03.30
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やっぱり今日もインターネットは繋がらない。昨日の今日じゃ、まず無理か。。。涙今日は昼の12時半から我が家にて、弁護士 VS 悪徳不動産屋軍団対決だった。朝、おっとが仕事に出かけていき、わたしはまだベッドの中でウダウダしていると、近所の犬たちがやたらうるさく吠え始めた。以前も夜中に犬たちが騒いだ時は、近所が泥棒に入られたので、わたしは慌てて起きあがり、窓際に出て外の様子を伺った。どうも犬たちは我が家の上を見ながら吠えたてている。わたしはそっと階段のそばに行って、聞き耳を立てて見た。ガタゴトと2階から音はするのだが、家の中ではないようだ。まるで誰かが屋根に上がっているみたいな。。。。ルイジ?彼の名前がすぐに浮かんだ。なぜなら前回も無断で我が屋根に上がり、何事もなかったかのように瓦の落ちた部分を修理して去っていったのである。今回はいったい何をしているのだろう?しばらくすると、物音は消え静かになった。わたしは気味が悪いな、と思いながらも今日の決戦に備え、家の中を片付ける。12時ごろに時計を見上げて「そろそろ皆が来るな。。」と外を見やったところ、やっぱりルイジが屋根を見上げてうろうろしているのが目に入った。やっぱり奴が朝からいたんだ!?今度は何の工作をしていたんだろう??12時半5分前にわたしは玄関の鍵を開ける。が、12時半が過ぎても誰も来ない。おかしいな、と思いまた窓から外をのぞくと、すでにおっとを含む弁護士、建築エンジニアチーム、そして不動産屋、家の契約書の売主の名義人である不動産屋の妻、建築士、ルイジの悪徳軍団全員が集まって、道端で屋根を見上げながら話し合っていた。悔しいかな、わたしは一人では階下に下りれない。窓を開けて話に耳を傾けるが、2階からではなかなか聞こえづらい。これがTVなら、もっとボリュームを上げたいところだ。ここからマルちゃチームはM、悪徳軍団はAを頭につけるとしよう。最初は我々の建築エンジニアが問題点と解決策を説明していたようである。そして場所を移して反対の屋根側に出て、話し合いになった。A不動産屋「そりゃあ、あんたたちが最初のレターで付きつけて来たここまではやるよ?!後から、そんなことを言われても困る!」M建築エンジニア「最初のレターは依頼人の請求通りのもので、前回マルコ氏が検分した時に出した見積もりを送った。それはあなたたちもすでに持っていたはずです。しかし後からのわたしの検分で素人にはわかりづらいこれだけの建築ミスが発覚したのだから、やり直すのが当たり前だろう!?」A不動産屋「最初の見積もりと違いすぎるじゃないか!?第一、今更屋根を全部はがしてなんて、いったいどれぐらいの費用と日数がかかると思ってるんだ!?」A建築士「・・・・・・」←何か言っているが声が小さすぎて聞き取れない。A不動産屋「マルちゃんとは、今まで我々の間では穏やかに話は進んできたんだ。そうだろう、マルちゃん?それに、こっち側の屋根の修理は話し合いに応じるが、オプションでルイジが仕事した反対側の屋根まではぼくは責任が持てないよ!」M弁護士「オプションと言われましても、依頼者は契約時にオプションも含め、一括でお宅に払ってますから別仕事、と言うわけにはいきませんよ。」と釘を刺す。Aルイジは味方であるはずの不動産屋の冷たい態度を見て慌て出した。「去年の大雨、今年の豪雪、あれをあんたたちも見ただろう?例年にない異常気象だったんだ。これでたくさんの家が雨漏りしたり、瓦が落ちたりしておれたちは修理にかけずりまわってたんだよ?だから、こんな異常な事例で苦情を言われても。。。」Mマルちゃんは興奮して何か言い返しているがわからない。M建築エンジニア「見てみなさい、この家の並びで、その異常気象で、家が雨漏りしたり、瓦が落ちたりしたのはここのお宅だけだったんですよ?しかも一番新しいのに、おかしいと思いませんか?」A建築士「・・・・・・」←何か言っているが声が小さすぎて聞き取れない。もう全員が興奮して、わめくまでは行かなくても、語気を強め、口論である。特にM建築エンジニアとAルイジは顔が真っ赤になっている。ただひとりM弁護士だけは口論に参加せず、興味深く彼らの言い分一言一言を聞いている。さすがプロだ。まったくあの頼りないマルコじゃなく、M建築エンジニアに来てもらって正解だった、とこの時点でつくづく思った。しかしわたしはこれまで弁護士稼業とは、オフィスでイスに座って法律上のミスのみチェックし、裁判となると映画のようにきりっと法廷で理屈を並べ立ててクールに言葉のやりとりをするだけ、と思っていた。このようにケンカをしかけるのが稼業とは。。。。!そういえば、まだわたしがうら若き乙女の頃。我が母は「あなたは、医者か弁護士か、一流企業のサラリーマンとしか結婚してはダメですよ。」というのが口癖であった。残念ながら、母の意思に大いにそむく結果となってしまったのだが、今日のこのケンカを見て、つくづく弁護士と結婚しなくてよかった、と思ったのだ。っつーか、そんな知り合い一人もいなかったが。涙話を戻して、MとA両軍団がどやどやと家に入ってきた。A軍団の不動産屋と建築士はとりあえずフレンドリーにわたしを見て「わあ、いったいその足どうしたんだい?お大事にね。」と言ったがルイジはそっぽを向いてわたしの顔を見ようともしない。そして全員で2階に上がっていった。つくづく悔しい事に階下に置き去りにされたわたしは、2階の外に全員が出てしまった後はもう、何を話し合っているのかほとんどまったく聞き取れなくなってしまったのだが、一度だけルイジが何か怒鳴ったのだけはわかった。やっと、どやどやと両軍団が降りてきたので「皆さん、飲み物でも?」と聞くが全員「いや、もう時間がないんで。。。」と言い、A悪者軍団はまたもや不動産屋と建築士のみが挨拶をして「また来週。」と出ていったのである。まだ来週があるのか。。。。しかしM弁護士と建築エンジニアは残って「ちょっとだけ話をしますね。」とわたしたちに座るように勧めたのである。わたしは素直に座り、おっとは彼らがクルマに乗り込むのを窓から見届けてから「ちょっと、ルイジがいったい2階でぼくに何を怒鳴ったと思う?」と聞いた。わたし「なに?」****ここからはわたしが実際その場にいたわけではないので、想像力がちょっと入っている。ルイジ「やい、おれにいったいどういう怨みがあるんだ!?雨のたんびに毎度呼びつけやがって。いつもちゃんと修理をしてるだろうがよ!?」おっと「雨漏りのたびに呼んでも、ちっとも来てくれないし、来てくれたところでいっこうに直らないじゃないですか?!あんたのおかげでこちらも弁護士を呼ぶ羽目になったんだ。」ルイジ「小さいことにいちいち因縁つけやがって。。。わかったぞ、今回の瓦の件は、おまえたちが嫌がらせに屋根に登って下に落としたんだろう!?」おっと「はああああああっ!?」ルイジは勝ち誇ったように「見ろ、だから瓦の何枚かは下に落ちても割れてないんだ。ますますわかった!いくきーとのあの怪我は、屋根の上で滑ったんだろうっ!?」おっと「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」M,A両軍団「。。。。。。」大汗M建築エンジニア「。。。。割れてない瓦があるのは、積もった雪の上に落ちたからに決まってるじゃないですか。」。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。バルゼレッタ(イタリアの皮肉な笑い話)ではない。実話である。滝汗*******話を戻して;M建築エンジニア「あなたたちが購入する前のこの家の履歴を調べました。」興味深い話である。M建築エンジニア「不動産屋の妻がこの家を購入前、家の欠陥について数枚の苦情書を提出しています。ところが。」と苦情書のコピーを広げた。え。。。?欠陥品なの?この家??M建築エンジニア「市役所所定の苦情書には、このようにチェックリストがあってどの個所が、どのように問題があるか、チェックする欄があるのですが、空白なんです。チェックリスト外の問題には筆記で書きこむ欄があるのですが、これも空白。」わたしとおっと「。。。?」M建築エンジニア「しかし、市役所の認印だけはしっかり押されているんです。これは市役所にて口答で述べた為、許可されたか、あるいは。。。」あるいは、市役所の役人にお金を掴ませて虚偽の苦情書をつくったのか?しかし、何のために?おっと「。。。家の値段を下げる為の工作ですか?」M建築エンジニアは意味ありげにおっとを見つめ、答えなかった。おっとの考えが本当なら、いちゃもんをつけて安く家を買い、わたしたちに高く売ったことになる。つくづくずるい奴らだ。M建築エンジニア「それとですね、市役所で登録されているこの家の間取りは売り出した当初のままの間取りです。あなたがたで変更した間取りは違法なんですよ。」わたし「そんな!間取りの変更に700ユーロも払ったんですよ!?わたしたちも契約時に気がついて不動産屋に言ったら『これは関係ない』って。。。」M建築エンジニア「そこなんです。間取りの変更、その他のオプション、彼らは契約前にOKのサインをすることを急がせたでしょう?実際、オプションのOKのサインの日付は家の契約日の前日となっている。その他のオプションは荒い仕事であろうと、完了しているが、間取りの変更だけは、市役所に登録されていない。これは、非常にまずい。なぜなら間取りの変更を市役所に登録しなかった責任は今は家の持ち主であるあなたたちにかかっているんです。そして間取りの変更代700ユーロは宙に浮いて彼らのポケットの中。」OOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!?????????????いったいどこまで吸血鬼なんだ、やつらは!!!!!M弁護士「しかし、これを逆手に取れば違法建築としてではなく、詐欺罪として起訴する事も可能です。」え、そうなの!?M弁護士「この件についてはおそらく彼らは気が付かないでしょう。わたしたちの予想では彼らは出来るだけ穏便に事を運びたいようなので裁判までには至らないかとは思います。なぜなら彼らには隠したいボロがたくさんあって、わたしたちはまだまだ攻撃の矢をたくさん持ってますからね、なあ。」弁護士は二ヤリとして、建築エンジニアにウインクした。わたしは不安でいっぱいだった。た、楽しんでいる。。。。。わたしたちにとっては、実際住む家にかかる問題だから悲壮だが、彼らにとってはただの他人の請負戦争。彼ら2人がこの戦争を楽しんでいるのを見て、わたしはちょっとゾッとしたのだが、おっとはこの2人を頼もしく見たようである。2人が帰っておっとは「ああ、だいぶぼく、安心してきたよ。早く我が家に平和が来るといいね。」と言って仕事に戻っていった。ああ平和。。。。。。本当に平和が我が家に来る日があるんだろうか?
2006.03.24
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昨日も当然一日中、家の中に監禁状態だった。だというのに、おっとが夜、郵便受けに入っていた不在表を持ってきた。汗絶対インターネットのインストールセットに違いない!わたしは今朝「絶対、なんとしてでも今日郵便局に寄って受け取ってね!」とその不在表をおっとの手に握らせたのであった。午後3時。玄関のチャイムが鳴る。おっとがインストールセットを持って来たに違いない!!と扉を開けると、真面目そうな弁護士と、更に真面目そうなエンジニアが立っていたのである。そうだった、そうだった。今日は彼らが家の状態を検分に来る日だった。しかしまだおっとは来ない。わたしがうろたえていると、2人はさっさとコートを脱いで「旦那さんはもうすぐ来られるんですよね?先に2階にあがって被害状況を見たいんですが。」と階段を上がっていった。階段があがれないわたしが階段の下で「外に出る鍵は扉のそばの棚の上で。。。」と大声で叫んでいるとおっとが息を切らせて帰って来てあっという間に彼も2階に上がったのだった。ああ、そういえばトイレのドアが開きっぱなしだ。閉めないと。。と松葉杖をつきながら洗面所に行くと、洗濯機の上にインストールセットが置いてあるではないか!?すっかり舞い上がってしまった。わたしは弁護士たちのことをすぐ忘れ、松葉杖もどうやってついたか覚えてないぐらい夢中でPCの前に座って箱をバリバリ開け、説明書を読んでいると、階段をドヤドヤと降りてくる音がして我に返ったのである。わたし「どうですか?」エンジニア「なかなか素晴らしい仕事だよ。」わたし「は?」エンジニア「冗談、冗談。素晴らしく手抜き工事だよ。屋根だけじゃない、2階の基礎もね、土台をきちんと組んでやらなきゃいけないのに、素材をただ組み合わせてあるだけだし。。。ひどいね。階段もステップが割れているだけじゃない、組み方が悪いね。写真に撮らないと。」とカシャカシャ写真を撮っていく。エンジニア「屋根はね、ドタキャンしたっていうマルコの出した3000ユーロなんて見積もりもまるでダメさ。彼も表面しか見ていないんだよ。やっぱり基礎に問題がある。瓦と中の柱を全部はずしてやりなおさないと。。。少なくとも工事に12000ユーロはかかるよ。」わたしとおっと「12000ユーロですって!?」弁護士が「話し合いだけでかたがつけばいいけど、裁判となると。。。」とエンジニアと訳のわからない話をしているのを呆然と聞いていた。エンジニアは市役所の土木課に行ってどうとか、不動産屋にこうして、ああしてとか、2人で水をガブガブ飲みながら話しているのが、わたしたちの問題なのに大きすぎて、よその世界のことを話しているようである。ただわたしたちは家がちゃんと治りさえすればいいのだ。何も裁判なんて。。。。法廷に出席してちんぷんかんぷんな問いかけに、ちんぷんかんぷんな口答をしているアホな自分が目に浮かんだ。というより、そんなに問題が複雑で大きくなったら、時間もお金もかかるだろう。そんなの、どこから捻出するんだ!?こんな家を買っってしまったことを少し悔やんだ。しかし、買うことを決めた時点ではこの家は、まだ改築工事にかかってなかったのだ。どうやって、こんな未来を予知出来ただろうか?日本的な感覚からすれば「改築=前の状態より、ちゃんときれいに。」になるはずではないのか?いくらルイジな国だからって、こっちがちゃんと生活まで切り詰めて大枚を払っているのだから、ちゃんと工事してくれて当たり前じゃないのか??やっと2人の間で話し合いがまとまったようで、彼らは「来週中には書類をまとめますので、来週金曜日、不動産屋とこの家で話し合いましょう。実物を見ながら話し合った方が絶対いい。」と、1、5リットルの水のボトルから最後の一滴までコップについで飲み干した後、言った。そしてわたしに別れを告げてから、すでに鍵を借りているお向かいの家(留守だから、と親切に貸してくれたのだ)からの撮影へとおっとと3人で出ていった。しばらくしておっとが戻ってきた。おっと「君、数日前、家の屋根から音がする、って言ってたよね?」わたし「うん。」おっと「どうもルイジがこっそり屋根の修理に来たみたいなんだよ。お向かいから見たら、落ちた瓦が全部元通りに戻っていた。でも、弁護士がいうにはこれで彼らにとってますます不利になったんだって。だって、瓦が落ちた直後の証拠写真があるからね。」ああ、なるほど。証拠写真というのはこう言う時に役に立つものなのか。おっとはそれだけ言うと「あ、そうだ。君にいいものがある!」と言って洗面所に行って「ああ?ない!?」と叫んだ。そう、すでにインストールセットはPCの前で開封されていたのだ。おっとは呆れた顔をして、仕事に戻っていった。イヤなことはさっさと忘れて頭を切り替えよう。と、さっそく添付のモデムをセットし、CDを挿入した。しかし。まったくインストールできないのだ。最初のページが開いてもすぐに閉じてしまう。わたしのおんぼろPCのせいかと何度か再起動を試みても、ダメである。お手上げ状態になり、テレコ◎に電話した。何度電話しても「こちらの一般の番号ではなく、テクニックの番号に電話してください。」と同じ電話番号を告げられる。このテクニックの番号に電話して、一般に繋がってるんだろうが~!!毎回「あと5分で繋がります。」と録音された声で言っておいて15分も待たせて~~!!!とムカムカしながらも待望のインターネット開通を目の前に辛抱強くかけていると、やっと4回目でテクニックに繋がった。今までの怒りを押さえながら、状態を説明する。答えは簡単だった。テクニック「ああ、それはお宅にまだADSL線が開通されてないからインストールできないんです。あと1週間ほどで開通すると思うので、それまでお待ち下さい。」OOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!なんで電話線はもう繋がったのに、ADSLは繋がらないんだよ!?だいたい電話工事の時に全部が繋がるのが普通じゃないのか??入院中に申し込んでもう、1ヶ月近く経つんですけど!?Saicuccioさん「いくきとちゃん、あんたもまだまだ甘いわね。このルイジな国でそんなにてきぱき物事が動くと思っているの?」。。。。。。おっしゃるとおりでございます。こんなことでいちいち怒って日記に書くようでは、わたしもまだまだ修行が足りない、と実感した。
2006.03.19
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昨朝、テレ◎ムに苦情の電話をしたおかげで、昨日の夜から電話が使えるようになった。しかしインターネット。工事のおっさんは「電話が使えると同時に使えるようになるはずだよ。」と言ったのだ。だが、そんなはずはない。何かPCにインストールするものがあるはずである。だって現在は他の会社のADSL線のCMをやっているバレンティ-ノ ロッシが以前はインストールセットの箱をプレゼントのように抱えて、とある美女のお宅を訪ねる、というテ◎コムのADSL線のCMをやっていたのだ。疑問に思って問い合わせたらやっぱり「インストールセットは来週中に郵便で届くはずです。」という回答だった。インターネットがしたいから、電話回線を付けたのに、気の長い話である。怒 というか、本当に来週に届くんだろうか??*****話は変わるが、この夜はおっとは弁護士とお向かいの建築業者マルコと共に悪徳不動産屋にバトルに出かけたのだ。部外者マルコを連れて行くのは、訳がある。今までの弁護士を挟んでの不動産屋との話し合いで、どうしても不動産屋がルイジに最後まで責任を持って工事をやらせたいというので(余分な経費をかけない、というのが最大の理由だろうけど。)それが信用できないわたしたちは、技能のある工事監督の監視下で工事をさせる、という条件でOKしたのである。その工事監督には唯一我々が知っているマルコに白羽の矢が立った。今まで何度かおっとと弁護士の間で話し合いが行なわれたのだが、わたしはくしくも弁護士との最初の対面の日に事故って以来、話を聞くだけで、いつも留守番となった。この日も気を揉みながら遅くまで帰ってこないおっとを待っていた。10時ごろになってやっと帰宅する。いつもは「ただいま~。」とまずわたしに挨拶に来るのだが、この日は無言で真っ先にトイレに入ってしまった。OOOOOOOHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOO.......?話し合いがうまくいかなかったのか?ハラハラしながら小部屋のPCの前で待っていても、おっとはこの後TVをつけ、キッチンで水を飲んでこっちに来ようとしない。わたしはしびれを切らして松葉杖をついて立ちあがり、なにげなく「おかえり。」とおっとの顔を見てびっくりした。目が真っ赤である。何があったの!泣いたのか?!おっと「。。。ただいま。」息が酒臭い。わたし「ど。。どうだったの?」心臓がドキドキした。おっと「何が?」←すでに酔っ払いモードわたし「今日の不動産屋とのバトルだよ。」おっと「。。。行かなかったよ~~~~ん。」えええええええええええええ?????どうしてっ!!??わたしが蒼白になって問い詰めると、やっとちょっと目にしらふが戻った。おっと「実は今朝になって、マルコのやつがこんなデリケートな問題に関わりたくない、って放棄したんだ。気持ちはわかるよ、ぼくだってそんなこと頼まれたらイヤだもんね。だから、努めて冷静に他に腕が確かな建築業者の知り合いを紹介してもらったんだけど、彼にも拒否された。で、弁護士に相談したら、要の工事監督がいないと、行っても意味が無いからってことで話し合いが延期になったんだ。話し合いが延期になったのもショックだけど、マルコに今更断られたのもショックで。仕方が無いから仕事仲間と今まで飲んでた。」OOOOOOOOHHHHHHHHHHHHH, NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!???????????マルコはぽっちゃりとして色白で、いかにもひとの良さそう田舎の青年、というイメージなのだが、それと同時に気が弱そうなのも顔つきから見て取れたのだが。。。。。しかしドタキャン??。。。。あああああああ、考えもつかなかった。わたし「。。。そう。で、工事監督はどうするの。もう他に知っているひとはいないじゃない?」おっと「それは弁護士が探す、ということになったよ。待つしかない。それから弁護士料金の話になった。近日中に見積もりを出すって。」うぐ。ほんの数日で多額の金銭の話がこうも次々出てくると、胸が悪くなってきた。昨年末「来年は極貧から脱出できそう。」と大きな夢を書いたような気がするが、これで極貧人生 今年もほぼ継続決定、となりそうである。涙PS.暗い1日の中にも、明るい出来事はあった。今日、まだ一歩も踏み出せないが、ようやく2本足で立てるようになったのだ!!わたし「立てた、立てたわ おじいさん!!」←このとき「アルプスの少女ハイジ」のクララになった気持ちであった。TVを観ていたおっとはちっとも感動せず、冷めた目でわたしのガクガク震えながらも床を踏みしめる2本の足を見て「調子に乗って転ぶなよ。」と再びTVに視線を戻したのだった。涙
2006.03.17
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この日を退院直後からずっと待っていた。というのは、いつ脱出できるかわからない家の中の監禁生活を入院中から憂いて、おっとに幾度となく「家に電話線を引こう。」と訴えていたのが、やっと承諾されたのだ。今日は電話の配線工事に来る日なのである。わたしはうれしくて、前日の夜からあまり眠れなかった。やっと気がねなしに長電話も出来る。なによりうれしいのは、24時間フリーのメニューを申し込んだので、好きなだけネットサーフィンが出来る事。最初の入院以来、約1ヶ月メールも、楽天日記もチェックしていないから、すごいことになっているだろうな。。。工事業者は9時半に来るというのに、おっとと共に6時半から起き出して、夕べの汚れた皿を洗ったり、落ち着かなく過ごした。約10分遅れて工事業者は我が家にやってきた。松葉杖の足取りも軽く玄関を開けると、立っていたのはイタリアの3人組の喜劇俳優のアルドにちょっと似た人のよさそうなおっさんである。おっさん「さて、電話のラインはどこですかな?」わたしはよくわからずに電話線の差込口を指す。おっさん「違うよ、違う。元線!」そんなこと、まったく知らない。おろおろと困ってるとおっさんは「OK,OK。ぼくが探すから。」と電話線の差込口から渦を巻いたコードを差し込んでいって、まずはソファの後ろの壁の後ろにふたをされた配線の塊を発見した。おっさん「ここはまだ元線じゃないな。」とまたコードを差し込んで、あらゆる壁の後ろに隠された配線の塊を発見していき、やっと玄関のそばで元線にたどり着いたのである。おっさんは「じゃあ、外部の接続を見てくるから。」としばらくの間、外に出た後戻ってきて、「もうすぐ終わるからね。」とウインクしたのを見て、わたしは喜んだ。そしておっさんは最終的に電圧の検査器のようなものを持って、電話の差込口が機能するかどうか確かめる。おっさん「。。。あれ?機能しない。おかしいな。」と3つある電話の差込口全部を確かめるが、検査器は反応しない。「外部の接続をもう一度見てくるわ。」と出ていった。わたしはだんだん心配になってきた。そういえば、引越し当初、電気のコンセントの差込口も機能せず、しばらく冷蔵庫も使えなかった。。。汗おっさんが難しい顔で戻ってきた。「外部はね、つまり玄関のそばの元線までは正常なのさ。」わたし「はあ。。。」おっさん「家の中の配線がどこかだめなんだよ。これは、家を建てたときの配線工事業者を呼んで、修理してもらうしかないな。」な。。。。なんだって!!!!!!???????家を建てたときの配線工事業者とは我が家の場合、あの懐かしのルイジなのである!ルイジは建築業者であり、配線工事業者であり、配管工事業者であり。。つまり全てやつが手がけたのだ。今我々はやつとは、弁護士を挟んで戦争中である。おいそれと簡単に修理に呼べないのだ!!(←呼んだところで簡単に駆けつけるやつでもないが。怒)わたしはすっかり取り乱し「あ、あのう。。。その配線工事業者、もういないんですよ。なんとかなりませんか?」と藁をもすがる思いで聞いてみる。おっさんは気の毒そうな顔をしながらも「これは、うちの管轄外だからどうにもならないよ。。。どうにかしてその配線工事業者を見つけるこった。」わたし「つまり、修理しないと電話は使えないってことですね?」おっさん「いや、電話はもう使えるんだよ。ただ、家の中の配線がダメなだけで。」OOOOOHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOO。。。。これでは押し問答である。汗わたしはがっかりしながらサインをし、おっさんは出ていった。独り残されて、あまりのショックにソファにへたりこむ。そしてショックが怒りに変わるのにそうは時間がかからなかった。ル、ルイジの野郎~~~~~~~~っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!わたしはすぐさまおっとに携帯で電話し、お友達に(誰とは言わないが)メッセージで怒りをぶつける。八つ当たりもいいところである。夜になっておっとが帰宅した。「まだ怒ってるの?」と愚問をするのでわたしは黙ってうなずく。おっとは鼻歌を歌いながら「お手軽工具箱」を取り出した。ちなみに我が家の2階の外にはエルトンが引っ越す時にもらったお古のキッチンの家具の1部の2段式の幅90cm奥行き60cmの大きな引出しがあって、ここにのこぎりや、電動ドライバーなどのおっとの工具がぎっしりつまっている。これは大作業するときの為のものばかりだが、結構使用頻度は高い。「お手軽工具箱」は釘や金槌、小さなドライバーセットが入っていて、ちょっとした修理に頻繁に登場する。おっとはその小さなドライバーセットを取りだし、電話線の差込口をあっという間に開けて、カチャカチャしていたかと思うと「もう大丈夫、電話が使えるよ!」と笑った。すごい。。。ルイジなんかにこの家を工事させたのが悔やまれる。惚れた弱みではないが誉めさせてもらうと、我がおっとはお金と暇さえあれば、車はもちろんのこと、家一軒もきっと独りで組み立てられるであろう「工事マニア」なのだ。エクアドルなどはルイジなイタリアよりちゃらんぽらんな国だから「自己防衛術」として、全国民がこれぐらいのことは出来て当たり前なのだろうか?ハラハラしたが、やっと電話が使えるようになった!わたしもおっとに感謝を込めて「ありがとう!!」と満面の笑みで笑い返した。しかし。おっと「あれ?電話はツーツーって音がするけど、番号を押すと『テ◎コムです。残念ながらこの電話は使用できません。』ってアナウンスが流れる。。。」なんだって!?そんなはずはない。あのおっさんは「今、本部に工事終了の連絡をするからこの後約30分後から電話が使用できるようになるからね。」と出ていったのだ。工事をしたのは朝だから、何時間も経過したこの時点でとっくに使えていいわけである。となると:おっさんが本部に連絡をし忘れたか、テ◎コムが起動しわすれたか。。。。。。???????とにかく。くっそ~~~~~~~っ、テ◎コムの野郎~~~~~~~~っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
2006.03.16
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体力はだいぶ回復してきた。まだ出血は止まらないが、月曜日からは出社も出来るだろう。話を金曜日に戻して、この日は朝から乾いた粉雪が激しく降りつづけ、あっという間に50~60cmは積もり、我が田舎町の交通は麻痺状態になった。近年にない大雪である。おっともまったく仕事にならずにとりあえず出かけたがすぐに帰宅、しかし懲りずにもんで男くんにチェーンをつけて「今日は仕事にならないから、買い物に行こうよ!」と言う。まだ早いな、と思いつつも外出訓練を兼ねて一緒に近所のショッピングセンターに出かけた。この大雪でいつもは満員のショッピングセンターはガラガラである。しかし予想通り、まだ立って歩き続ける事が辛くて何も買う事もなく、早々に引き上げる羽目となってしまったのだった。そんな大雪も土曜日には止んで、日曜日にはウソのような暖かい小春日和が訪れたのである。そこで事件が発生した。朝遅めの朝食を採っていると玄関のチャイムが鳴る。出てみると同じ並びに住むカルラとシモーネのカップルである。カルラ「お宅の屋根が大変なことになっているよ!」慌てて外廊下から見上げると1つの瓦がずり落ちてきていて雪解けの雪と一緒に今にも落下しそうになっている。おっとは急いで、階下の家のチャイムを鳴らしてすぐ下に停めてあった彼らの車を移動させてもらった。そこの旦那も車から降り、心配そうに見上げている。それからおっとはモップを持って2階にあがり、窓からシモーネの「もうちょっと右!そうそう!!」という指示のもと瓦を突ついて下に突き落としたのであった。ふ~、やれやれ。。。「危ない、他にも何か落ちかけてる!!」と向かいの家の2階から様子を見ていたご近所さんの声で慌ててみんなで一斉に見守る中、なだれのごとく他の2つの瓦と煙突の屋根がドサリガチャンッと雪と共に落ちてきて、誰もが通る道路の上で割れたのであった。こ、こわい。。。。。わたしたちは戦慄した。今までも屋根のことではかなり苦汁をなめてきたが、それは我が家だけでの問題だった。しかし今回は違う。まだ屋根の上に雪はたっぷり残っている。この後また瓦が、しかもちょうど誰かが下を通りかかった時に落ちてきたらどうするの!?もう、これは我が家だけの問題ではなくなった。わらわらとご近所の野次馬が集まってきた。皆が口々に「弁護士を呼びなさい!」「証拠写真を撮りなさい!」と叫ぶ。向かいの家のひとが「うちの2階から屋根の様子を見るといいよ。」と言ってくれたのでお邪魔させてもらい、我が家の屋根を見て息を呑んだ。この並びの中で一番新しい屋根のはずなのにガタガタになっていて、他の瓦もすぐにでも落ちていきそうな感じである。すでに落ちた瓦の部分は、歯の抜けた婆さんのようでみっともない。と、いうかこれで雨が降ったらどうするの!?情けない思いでいっぱいになりながら、証拠写真を何枚か撮って気が付いた。さっき落ちた瓦は3つ。しかし、ざっと見ただけで5つ以上の瓦が屋根から無くなっているのだ。きっと豪雪に埋まっているが夜中のうちに落ちたに違いない。とうとう決意を固めた。これ以上は本当に洒落にならない!極貧のわたしたちだが、弁護士に払う代金と、我が家の下を歩いたひとが事故に遭った場合の保険金を天秤にかけると、よほど弁護士に払った方がマシである。さっそく以前から家の問題に関して事の始終を語っていた同僚シルビアに電話した。なぜなら彼女の旦那さんのお姉さんはこういった問題専門の弁護士なのであった。
2006.03.04
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前々回の家の雨のダダ漏れ写真。あのずさん工事をやった親方の名前をルイジ(←名前が可愛いんでこの名で呼びたくなかった)という。我が家にこんなことをされて以来、どこかでずさんな工事を見つけると「ルイジな仕事をしてるな。」と言うのがおっととの合言葉になってきた。汗ちなみに我が最寄の国鉄駅がエンドレスの大工事をしているのはちょっと前に書いたと思うが、どうも我が沿線の主要駅全部を(うちの田舎駅もとりあえず特急停車駅だ!えっへん!!)同時進行で大工事しているようである。おかげで終着駅ミラノのポルタガリバルディ駅は大きいため、あちこち工事封鎖のおかげで迷路の中を走り回ることになり、今まで1度ならず電車に乗り遅れた。話は戻しておととい我が最寄り駅はとうとう3つ増設工事中のホームのうちのひとつを完成させたのである!開放初日。この日は大雨だった。電車に乗るには地下道を通ってホームに上がらなければならないのだが、この新しいホームに上がる階段の入り口はまさに「ルイジな仕事」だった!!ダダ漏れである。汗例えていうなら市民プールの水着に着替えてプールに行くまでの道に冷たい水シャワーが真上にある門をくぐって入らなければならないでしょ?まさにあれ。なんで真新しい屋根つきの地下道で傘をさして階段をあがらなければならんのやっ!?とぶつぶつ言いながらホームに上がって電車に乗った。電車の中で思い出した。まだイタリア、ミラノに来てまもないころ知り合ったばかりの日本人オタクなイタリア人のお兄ちゃん(実名を出すと、ミラノの日本人の間では結構有名なオタクのようなのでヤバイ)と地下鉄に乗ったことがある。電車を待つその駅も雨でもないのにあらゆる壁から、天井から水がしたたっていた。わたし「どうしてこんなに水がしたたるの?」←この頃わたしははイタリアの工事の裏事情などまったく知らないウブである。お兄ちゃんは物知り顔で「それはね、ミラノは昔、海底だったんだよ。それを埋めて都市にしたから未だに海水が沁みだしてくるのさ。それが証拠に見て、水が沁みだしている隙間が白く盛り上がってるだろ?あれは塩だよ。」わたし「。。。。へえ。」この頃、イタリアの地図にさえうとかったわたしは関空島のように最近、つまり100年そこらで海を埋め、ミラノを造ったのだと信じたのだった。だからその後一緒にミラノのセンピオーネ公園にあるへぼへぼな市立水族館に行ったとき、「ああ、これは昔海だったからその名残りなんだな。」とちょっと違和感を感じつつも思ったのである。しかし、イタリアの地形を見れば、ミラノが海だった頃っていったい何万年前やねん?!(←すぐに気付けよ。)水が沁みだしている隙間が白く盛り上がってるのは相当長い間、修理もせずに放置して、雨水に含まれる石灰分が溜まったってことじゃないか!!??街中が「ルイジな仕事」だらけな上、普通な顔していい加減なことを言う「ルイジな野郎」だらけだ!!(ちなみにこの「ルイジな」兄ちゃんは近年念願の日本人とめでたく日本で結婚し、ミラノに暮らしてはいるが、お嫁様の教育がいいのか、だいぶまともになってきてちょっとホッとしているこの頃。)いい加減なのにずる賢い。だいぶ前に保険会社に被害の申請したこと覚えてる?あまりのショックに日記にも書く元気を失ってしまっていたのだが、やっとこの間、おっとのしつこいコールに負けたのか、しぶしぶ保険会社の男が我が家の被害状況を査定に来た。しかも、予告なしに平日の昼間にいきなり来たものだから、おっとのみが慌てて家に駆けつけたのである。(仕事場が近所でよかった。汗)ちなみに保険の審査対象は「激しい風雨による損傷」。おっとは家の中と外から被害状況を見せ、雨が降ったときの状況を写真に撮ってプリントしたものを見せたそうだ。男はわたしたちにとったらこんなにむごい状況を顔色も変えずに見て、ピピッと電卓を叩いてこう言ったらしい。「200ユーロ(1ユーロ≒137円)ですね。」おっと「は?」男「お宅の屋根は風雨で瓦がずれて雨が室内に流れ込む被害となったわけですね? では、業者に頼んで瓦を元の位置に戻すのは、1時間とかかりません。あと、この壁のしみはペンキ代と、それを塗るペンキ塗り職人の仕事1時間分と計算して200ユーロ。本当はもっと安くて済むでしょうけど大サービスですよ。」おっと「そんな!安すぎます!!かびはペンキで隠してもまた出てくるんですよ!?」男「だから大サービスなんです。ただペンキを塗るだけなら1時間でしょうが、そんなカビの除去作業を計算してさらに1時間分を加えたから200ユーロ。これ以上は出せません。」わたしがこの話を聞いて激怒したのは当然だ。しかしおっと「。。。保険会社がいうことはもっともだよ。」わたし「どうしてよ!?お向かいのマルコも言ってたじゃない!基礎から替える必要があるって!!」おっと「でもね、考えてご覧よ。その原因はルイジ親方の工事がずさんだったからであって、「激しい風雨による損傷」じゃないんだ。」わたし「あ。。。。!」おっと「そりゃあ、ぼくも一瞬かっとなったさ。でもね、原因を思ったら、それ以上は言い返せなかった。正直に言ったら詐称になるからね。」わたし「ぐぐぐぐぐ。。。」おっと「アンドレア(不動産屋)は屋根の修理代を出す、って言ってるし、これ以上ルイジ親方が工事を続けるわけじゃないし、もういいじゃないか。あとはマルコに任せよう。」こうして保険会社からお金をせしめよう、というわたしの腹黒い計略は失敗に終わったのであった。そうそう、マルコといえば。おとといの大雨のとき、あの写真の壁はあいかわらずひどい状態となったのだが、それよりもっとひどい壁が外側(だけど屋根の下)にあって、屋根の木と木の間からも雨水がダダ漏れで、今までは雨が降るたびに床中びっしょりになっていたのである。そこの雨漏りがピタリとしなくなっていた。うれしいけど、いったいどういうこと?と思っていたら、「見積もりを出すから。」といってそのまま「今すっごく忙しいからちょっと待って。」と音沙汰のなかったマルコの仕業だった。とうとう待ちくたびれたおっとが見積もりをせっつくために電話すると「この間、時間があったからあの部分の屋根は修理しといたからね。どうせ早かれ遅かれやらなきゃいけないし。」だって。普通は見積もりとって、クライアント(うちの場合は不動産屋)のOK取ってから始めるよな。。。?順序が思いっきり逆だけど、まあうちの場合は不動産屋は否が応でもこの屋根の修理代を出さなきゃいけないし、こんなのもありか?もし修理が終わった後で不動産屋が支払いを渋ったらどうする気なんだろう??マルコ、とにかくありがとう。でも。先に家の中に被害が響く箇所をやって欲しかった。。。。こんな「ルイジな」国で生きていくには相当な不条理に打ち勝つ忍耐力が必要なのである。
2005.10.05
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「あれ~、ステキじゃない?わたし、日記からはまさかこんなおうちとは想像してなかったわ。」昨日、目目さんが我が家に来たときの第一声がこうであった。新居に引っ越してきて以来、お招きしたお客様第一号である。(正確に言うとカルラの次だけど、彼女は同じ屋根の下のひとだし。)カルラのとき以上に、この前日は大騒動だった。放っておけばすぐに張られるくもの巣を払い、なんとなく積もった砂ぼこりだらけの家中を大掃除したのは言うまでもない。その後は、ちょっと遠くの大型スーパーにはわたしの運転で出かけて(命がけだった。汗)大量の食料品とサッポロビールを買い込んだ。わたしが運転すると大幅な時間のロスになる、という理由で(怒)その後おっとの運転でIKEAに出かけて食器や鍋を買い込み(←それまで鍋1個、フライパン1つ、お皿4枚、グラス3個の生活であった。)、なんとかお客様を迎える体制を整えたのであった。日曜日の朝はまるで遠足当日の朝のように興奮して目覚ましが鳴るより早く起き出したわたしたち。もうご存知の方も多いとは思うが、目目さん夫婦は料理上手なのである!なので迎え撃つには同等かそれ以上、もしくは異色の食べ物で対抗しなければならない!!悩みに悩んだ末。。。。。。。元シェフ見習いの料理上手なおっとに全てを任せることにしたのであった。(だってわたし、料理苦手だし。)おっとは当初、エクアドル料理を披露したかったらしいのだが、これに関しては経験値が低いのでわたしが却下した。(実家ではマンマがいつも作ってたので自分が作ることがなかったため。)おうちの昼食にご招待、ということで家庭的な味を重視して考えることにより、メニューはこう相成ったのである:プリモピアット(第一のお皿):自家製バジリコをふんだんに使ったスパゲッティ ジェノベーゼセコンドピアット(メインディッシュ):これも自家製トマトソースで煮込んだTボーンステーキ ポテトと香草のオーブン焼き添えデザート:目目さん手作りの栗のロールケーキとよもぎケーキ飲み物:ビール各種、スーパーの絞りたてオレンジジュース、ロンドンの老舗デパート ハロッズブレンドの紅茶、煎茶など昔取った杵柄、おっとの手際は非常にいい。わたしが外廊でバジリコやローズマリーを摘んでいる間に着々とトマトとセロリ、人参、玉ねぎなどを煮込んでトマトソースを作る。バジリコが到着するとさっそく松の実、グラノパダーノチーズ、エクストラバージンオリーブオイル、塩コショウと一緒にミキサーにかけてあっという間にペーストジェノベーゼを作る。ローズマリー、セージ、にんにくを目にも留まらない速さでみじん切りにしてゆでてオーブン皿に用意してあるポテトに振りかけたころに目目さん一家が到着したのであった。わたしははじめてのお客様に興奮した。何をしていいかわからない。やっとわたしは気が着いてスパゲッティ用のお湯を沸かすために鍋を火にかけ、肉を焼きはじめたおっとをキッチンに残して一家に家を案内する。近いうちに家を購入したい目目さん夫婦は興味深々である。しかも目目さんは日記で我が家の現状をよく知っているので目目夫さんとは見方が違うな。。。恥ずかしい。目目さんは田舎作りの窓が好きになってくれたようだ。目目夫さんは家の立地条件と、家の広さと値段を総合していろいろと考えていたようである。2階の寝室は雨漏りする点を除き、バレエを習い始めた目目娘ちゃんがかなりお気に召したようであった。まだまだ家具の揃ってないガランとしたフローリングの床は格好の彼女のお稽古場になったようで、ひとりでフンフン、リズムをつけて踊りを披露してくれた。気になっていた急傾斜の階段も来週4歳になる目目娘ちゃんは慎重ながらも無事に下りてくれたのでホッとする。1階に降りるとおっとが最後の仕上げに肉をトマトソースで煮込んでいた。興奮状態から醒めないわたしがぼーっと突っ立っている横で目目さんがかいがいしくおっとの手伝いをしながら目をキラキラさせてレシピを聞いている。わたしは同じく手持ち無沙汰の目目夫さんとサッポロビールを飲むことにした。あああ、うちら夫婦ってなんか違うな、きっと。。。。やっぱりキッチンって女が立つほうが馴染むのだろうか?と考えさせられた。ようやく昼食の用意が整ってみんなで席に着く。まずはプリモピアット(第一のお皿):自家製バジリコをふんだんに使ったスパゲッティ ジェノベーゼ。我がおっとながら、うまい!!スパゲッティの湯で加減も絶妙なアルデンテ、普通ペーストにはペコリーノチーズ(ヤギのチーズ)をいれるところをグラノパダーノチーズ(パルメザンチーズの北イタリア版?)を使ったことによって酸味がなくてまろやかな味わいとなっている。にんにくをふんだんに入れたのも韓国人の目目さん一家には大うけだ。目目娘ちゃんはあっというまに平らげ「おかわり!!」と連発していたのだが、残念ながらきっちり人数分しか作ってなかった。。。スマヌそしてセコンドピアット(メインディッシュ):これも自家製トマトソースで煮込んだTボーンステーキ ポテトと香草のオーブン焼き添えおっとがいつも自家製トマトソースを作るときってキッチンがめちゃくちゃに汚れるけど、今回は許すわ。目目娘ちゃん、これはお皿まで舐めてくれた。おっとは大感激である。「大人はまずくてもお世辞でおいしいってとりあえず言うでしょ?でも子供にこんなにおいしそうに食べてもらうって事は本当においしいものが作れたんだなあって、ぼくとっても幸せだよ!!」仕上げはデザート:目目さん手作りの栗のロールケーキとよもぎケーキ!!日本じゃ当たり前のケーキかもしれないけれど、このイタリアでしっとりとしたデリケートな味わいのロールケーキが食べれるとは思わなかった。そしてよもぎ。この味がイタリアにて味わえるとは。。。。。感激の一言につきました。おいしかった、本当においしかった!!!このあと、お茶をすすりながらテーブルを囲んでおしゃべりする幸せ。。。。ああ、なんか日本の食卓みたいだ。お茶なんてイタリアに来てからよっぽど寒いとき以外、飲まなくなっちゃったもんね。その間、目目娘ちゃんはソファに寝転がっておとなしくDVDを観たり、金魚の水槽を覗き込んだりしてたから、落ち着いて起業の話も進めることが出来たし。。。。充実した1日となった。****夕方5時にはお開きとなって、目目さん一家が帰って行った後に考えた・どうもわたしは物事を大げさに表現してしまうところがあるようだ。この日も「うちは田舎だから、こ~んな大きな蜘蛛や(両手をひろげて)、こ~んな大きなハエ(手をぐーにして)が出るんだよね!」と言ったために目目夫さまからクールに指摘され、気がついたのである。そうなのよ!!我が家はステキなのよ!!!ただ問題が多すぎるだけで。。。。汗で、誤解をとくために(←誰の?)ちょっとだけ我が家の写真を紹介!夜に撮ったから写りがあんまりよくないけど。。。まずは玄関。早く裸電球から脱出したいわ。涙おっとが丹精を込めて手入れをしているキッチン。おっとが選んだ手作り家具屋のオーダーメード。おっといわく「一生物なんだから上質のものを。」おかげで、これの毎月のローンの支払いが我が家の家計を圧迫している、といっても過言ではない。階段のそばのソファでうたた寝するおっと。(もちろん肖像権などの許可は取っておりません。)手の届くところにTVがあって、マジンガーコレクションがあって。。。おっとの根が生えているスペースである。その階段を上がって問題の2階。ステキな屋根裏部屋なんだ。でもね、でも見て!これ階段上がりきったところ!ダダ漏れでしょ!? ステキな部屋だけにこれがむかつく~~!!!!!!我が書斎もご披露しようと思って写真に撮ったんだけどこれは狭くて全部が撮れなかったんでやめた。マンガがあって、クマちゃんがいて、金魚の水槽があるから、目目娘ちゃんが一番気に入ってくれた部屋。ちなみに工事前の写真はこう。
2005.10.03
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職場が家に近い、ということはうらやましい。そりゃあ、わたしたち一緒にこの家を見に来て、一緒に決めましたよ。でもさ、わたしがミラノの中心の職場までスクーターと電車と徒歩で小1時間、おっとが隣町の職場までクルマでたったの5分って。。。。。不公平すぎる!!!(←といっても、わたしの職場近くの家は高すぎてとても手は出せないけどさ。。。)しかしわたしはこの恩恵に預かっているところもある。今までわたしは自営業のおっと「秘書」兼「ぱしり」で、銀行から、税務署から、市役所から、会計士から、何から何まで貴重な有給を使い倒して「おつかい」にミラノ中を駆け回っていたのだが、今ではミラノの中心にある我々の銀行に行く以外は、仕事の途中におっとがちょいちょいと寄り道をし、ほぼ全部、自分でするようになったことだ。おかげで今までわたしに任せっきりで自分のしていることの把握すら出来ていなかったおっとが、だいぶしっかりしてきたので、まさに「一石二鳥」である。それが成せる技で、昨日おっとは仕事の昼休みにあわせて、自宅にて、不動産屋とお向かいの建築業者マルコに、集合をかけたのだった。中庭を隔てた向かいのマルコの家は、古くから1棟まるまる彼の一族のものである。わたしたちの家を工事始めた同じ頃から彼の家も改築を始めたのだ。なんせ1棟まるまるなので、今もなお工事は続いているが、何が美しいかって、わたしたちが入居する前にはすでに出来上がっていたオレンジ色に輝くきっちり並んだ瓦屋根。わたしたちの家の屋根を親方たちがへっぽこに工事している時点から、「いいなあ、あんな屋根。」とため息をつかせていたものだった。こうして工事責任者の親方を差し置いて、マルコを呼んだのは他でもない。最後にこの日記でも書いた「階段戦争」の翌日、おっとが親方に電話したところ「今週土曜日には本格的に足場を組んで大修復しますわ。」と言って置きながら、あっさりすっぽかされたのである。その土曜日は待ちに待って何度も親方の携帯に電話したが、電源が切られていた。しかしそれにもめげずその日から何度も電話をしたら、やっとつながって先週の「土曜日」にやっと約束を取り付けたのに、またもやすっぽかされてしまったからである!保険会社はあいかわらず何度電話をかけても「こちらからそちらに査定にお伺いする日をお知らせします。」と繰り返すだけで、一向に来る気配が無い。我が家の壁の四隅はすっかり湿った状態で何ヶ月も放置されたおかげで、1つの隅にはクロカビのようなものが目立ち始めたのである!!!ちなみにイタリアの雨季は冬。この夏も異常気象で雨ばかり続いていたが、このまま雨季に突入すれば、もっとひどいことになる。ここでおっとはおっとなりの計略を立てた。不動産屋とは直接話をせず、レダおばさんをまず家に呼んで状況を見てもらったのだ。今までの親方軍団の悪行をちょっと怒りを込めながらも、冷静に語って、「もうぼくは彼らを信用しません。でもこれからどうしていいかわからないんです。いいアドバイスはありませんか?」と、あらゆるゲイ、妻までがいちころなウルウル攻撃で相談したのであった。この家を紹介したのはレダおばさんだ。レダおばさんは個人で「ローンスタジオ」を開いている。彼女はあらゆる不動産屋と契約していて、お客の予算、ニーズにあわせて不動産屋のごとく売家を紹介し、お客が家を買うと決めた時点で問題なくローンが組める銀行を探し、銀行とお客の仲介に入ってややこしい手続きは全部代行する。そして本契約の際にお客と不動産屋から何パーセントかの手数料をもらう、という仕組みだ。レダおばさんはずいぶん昔に書いたのだが、おっとの友達のとお~い、遠い親戚なのである。おかげで全てのお客にそうなのかもしれないが、ずいぶんフレンドリーにお世話になった。今回の波乱万丈家購入までの道のりで、一番まともに、普通に働いてくれたのは彼女だけだったといっても過言はないだろう。レダおばさんは被害状況を見て、「ひどいわ。。。信じられない。これはアンドレア(不動産屋)のところのアルベルティーニ(親方の苗字)がやったっていうの?実はね、このちょっと前にも下水管がちゃんと工事されてなかったから汚水が道路の排水溝からあふれ出した家があったのよ。これもアルベルティーニがした仕事なの。こんなことが続くようなら家を紹介したわたしの信用まで台無しになる前にアンドレアのところと契約を切ることを考えないと。。。。」わたしはこの言葉を聞いて、こういうクールな考え方もあるんだな、と妙に感心したのである。そんなレダおばさんにクールな攻撃をされたのが効いたのか、昨日の昼には不動産屋はレダおばさんと一緒におとなしくマルコと同席したらしい。マルコが実際に屋根を見ながら丁寧に細かいところまでどこがダメでどこをこう修理しなければいけない、と説明したところ、不動産屋はショックを隠しきれないまま、「修理代は責任を持って全部ぼくが出すから見積もりしてください。」とお願いしたそうである。そりゃそうだ、思いっきりレベルが上の彼の作品がお向かいに見えるのだから。おっといわく、「瓦や使ってる材料は結構いいんだよ。ただ工事の仕方が悪かったんだ。」とマルコはなぐさめにもならないような言葉を不動産屋にかけたらしかった。しかし階段は、というと:不動産屋は階段業者の出した見積もりに仰天し、「こ、こんなの高すぎる!!たとえ半分でも絶対払えないよ!!!(前回はダイヤモンドでもいい、と言ったような気がするんですが?)」とどれだけ、今ついている階段が美しく、しかも丈夫である、ということを懇々とおっととレダおばさんに大熱弁を振るって、説明したそうである。レダおばさんも「見た目は結構ふつうよね。。」と不動産屋側に付いたため、おっとの形勢は非常に不利!結局、おっとは不動産屋に「落ち着いて考え直してよ。」とまたもや先延ばしにさせられたのであった!!くしょ~!!!!!!まあいいや、屋根のことだけでも一歩前進。。。この一部始終を聞いてわたしはおっとに提案してみた。「不動産屋に全部修理代は出させて、保険会社からも二重にもらえないのかな?」(←悪徳小市民)おっと「あ、考えなかった。どうなんだろ?」もらえたら新しい階段つけれるのにな。。。
2005.09.21
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過激発言だが、わたしはイタリア人以上にある国の人々が我慢ならない。だって、その国出身のわが社の倉庫のチプリアンは若いくせにセクハラ兄ちゃんだし、祖国から時々来る女友達をミラノ中央駅まで無断で社長のベンツ(←社長のお抱え運転手としてもこき使われている)で迎えに行って、その辺に違法駐車して、キップを当然切られて、それを黙っていて、あとから罰金の通知が会社に来て、大目玉を喰らうことを常習犯にしている「どあほう」だ。わが社はイタリアで人を雇うより安く済むので、外注でその国に2人のプログラマーを雇っていたのだが、先日我が社のまだ未発表のプロジェクトをドイツのどこかの会社に横流ししていたことが発覚、国際警察を巻き込んで騒いでいる最中である。チプリアンいわく、その国が発信源となっているジプシーにも一度ならず何度もひどい目に遭わされた。そして我が家を建てた親方の弟子たちも全員この国の出身者だ。ここにいつも来てくださるお友達ならこれ以上の説明はいらないだろう。そりゃあ、ひとそれぞれだし「偏見だ。」と言われたらそうかもしれないが、こうも↑特定の人種からひどい目にばっかり遭わされると信用を失くすのも、誰が責められよう?****昨日は帰宅すると2人、おっとの他にお客が来ていてびっくりした。ひとりはおとといの夜も来てくれたカルラの幼なじみの建築業者のマルコで、もうひとりは生気のない「荒くれ系ガイジン」だった。うちの納屋は口の字になっていてわたしたちが口の_の部分に住んでいるなら彼は中庭を隔てた-の部分に住んでいる。こんな近くに建築業者が住んでいるとは知らなかった。。。汗おとといは外はもう真っ暗だったので家の中だけ点検してくれたのだ。あのふざけた階段を上がりきった壁には大きな茶色いしみが広がっているのだが、彼はそれを見て「ああ、これはお隣の暖炉のススが雨で染み出したんだね、間違いないよ。」と言う。そしてまだ先日の豪雨の後、乾ききってない壁の雨のしみを見て、「う~ん、これは単なる瓦の並べ方が悪いのか、屋根の基礎自体が悪いのか、屋根に上がって見てみないとわからないね。。。マルちゃん、あした仕事から帰ってきたら僕の家に寄ってよ。一緒に屋根に上って見てみよう。」カルラはうちのひどいさまを見て興奮して「絶対これは裁判ものよ!弁護士を立てて闘うべきだわ!!」とひたすら主張していた。しかしこの話はもう階下のパンク家族とさんざんした話題だ。わたしたちとしてはもう疲れきってしまって、こちらの財布にこれ以上の被害を出さずに穏便に屋根がちゃんとなればいいんだ。と、ちょっと引いてうなずいていたのであった。そして昨日は彼らがちょうど屋根から降りてきたところにわたしが帰宅したのである。わたし「どうだった?」マルコ「。。。僕は君たちがカルラの友達だから正直に言うけど、これは「屋根」とは言えないね。」わたし「ええええええ!?」マルコ「お宅を工事してるときからハラハラして見てたんだけど、この納屋は古いから屋根の基礎がかなり歪んでるんだよ。本来ならそれを全部やりかえなきゃいけないところを奴ら(悪徳親方軍団)、それをせずに直接新しい瓦を載せたのさ。だから外から見て、屋根が歪んで見えるわけ。こんなの、雨漏りのたびにいくら瓦だけいじったって、なんの解決にもならないよ。基礎をまっすぐの新しいのに替えないと。」わたし「ってことは、工事になったら2階にある家具とか全部どけなきゃいけないの?フローリングの床は新しく貼ったばかりなのに!!」おっと「工事になっても家具はどけなくて大丈夫なんだって。天井はそのままで外側だけ工事するから。」わたしは怒り「もう我慢できない!やっぱり裁判するしかないかな?!」と叫んだ。マルコ「昨日はカルラが興奮してたから黙ってたけど、騒がずに保険代で屋根をやり直したほうが懸命だと思う。確かに裁判となったら、明らかに不動産屋が負けるのは見えているけど、それにかかる費用と時間、大きなストレスを考えたらしないほうがいいと思うんだ。」おっと「でも、保険代がもしも出なかったら?」マルコ「これは外から見ても中から見ても明らかに被害状況がわかるから、保険代が出ない、ってことはないと思うよ。」わたしたちはこの言葉に少し安心し、保険会社が被害状況を見に来るのを待つ期間にマルコに見積もりを出してもらう算段をして話が終わった。わたし「今日はどうもありがとう。どう、ちょっとビールでも飲んでいかない?」マルコ「お誘いはうれしいけど、母ちゃんが夕ご飯の支度をして待ってるから帰るよ。」とひとりで家から出て行ったのだ。あれれれれ?わたしは今まで座って無言でわたしたちの話を聞いていた「荒くれ系ガイジン」はマルコの弟子だと思ってたよ。おっと「あ、紹介するね。このひとは◎◎さん(名前忘れた。)◎◎人(←わたしの我慢のならない国)だよ。」わたしは「ああ、よろしく。」ととりあえず社交辞令でにこやかに挨拶をする。おっと「ぼくね、このひとを雇うことにしたんだ。で、今日彼に1日運転させてみたんだけど、まあ安全運転だし。」はあ~~~~~~~?????(長くなったんで続く。)
2005.09.15
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昨日の夕方、近所の階段業者が来た。先日の不動産屋が言った「費用の折半」がどれぐらいなのか、そして今現在ついている階段はプロから見て正しいのか、そしてもっと良い方法がないのか、実際の我が家の階段を見て、見積もってもらうためであった。待ち合わせの時間ぎりぎりにスクーターで家に着き、いつもの階段の下の空間に停めようとすると、すでに見慣れない自転車が置いてある。それをよけながら狭い空間にスクーターを押し込んで階段をあがるとアフリカ人であろう男性が降りてきた。あ。。。え~と、このひと確かカリモリさんちの上の屋根裏部屋の持ち主だっけ?カラフルなTシャツにジーンズの姿だ。以前は汚れて灰色になった白いTシャツを着ていたのでそれに目を奪われていて顔なんか覚えていない。とりあえず「チャオ。」と挨拶する。しかし彼は無言で降りていった。感じわり~。。。家に入るとすでに階段業者のおばさんと、おっとが階段を見ながら話をしているところだった。あ~あ、出遅れちゃったよ。おばさんはてきぱきと階段や2階に上がるオープンになったスペースを計る。おっと「どんなものでしょう?」おばさん「う~ん、やっぱり階段の長さのスペースがかなり狭いですね。でもこの完成された状態から壁や床を壊して長さを伸ばすのは一騒動なので、この状態で階段だけを替える事を考えないと。。。」おっと「やっぱりこの階段はまずいですよね?」おばさん「このステップの木がね。。パイン材は階段には不向きなんですよ。何年も使うとどんどん木の裂け目が広がります。毎日全体重をかけて使うものですからね。あと、段数が足りません。だから実際以上に階段が急傾斜であることを感じるんです。それと、たぶん長さが足りないからこうしたんでしょうが、ステップの幅が狭いのと、段と段の高さがバラバラなので、それが不安定さを感じさせるんです。」ああ~、すごい納得。わたし「じゃあ、階段はL字型にする方向で考えなければいけないですか?」おばさん「L字型にしてしまうとこの壁に埋め込み式になっている棚にかぶさって棚が使えなくなりますよ。だから今のI字型で考えないと。。。」とピッピと電卓で計算し始めた。おばさん「ステップの幅は。。今のよりは広くしますけど、狭くなければ収まりませんね。あと、段数を1段増やしますが、我々のプロの職人が段と段の高さを均一に、そして低くしますので見ため的には今とそんなに変わらなくなります。」ほうほう。そして気になるお値段は?おばさん「事務所に帰ってきちんと階段のプロジェクトをしてからでしか正確なお値段は出せませんが、だいたい4000ユーロぐらいでしょうか?」OOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!実はもう一軒の階段屋に行ったときにも、店頭で我が家の設計図を見せて出された見積もりはそんなものだったのだ。予想はしていたが、やっぱりだった。不動産屋に半分出させたとしても2000ユーロ。これが来年だったらまだゆとりが出来そうだが、今年はきつい。というか、どこからもそんな大金は出て来ない。というか、不動産屋がホームセンターで買って取り付けた階段のキットは1270ユーロ。完全にやられた、というか、いかに不動産屋は不透明だと思って家を安く仕上げたかがわかる。おばさんが出て行った後、わたしたちは頭を抱えた。おっと「じゃ、こうしよう!」また給料の前借りなんて情けないアイデアを持ち出すなよ。おっと「ステップの木だけ買うんだよ。それをぼくが自分でつける。」わたし「前にホームセンターで見積もってもらったら階段のキットより、ステップ全段だけのほうが高くついたじゃない?」おっと「あああ、そうだったよね。。。」とちょっとがっかりしたが、めげずに「一番最初のキットについていた木をつける?(捨てずに2階の外の部分に積んである。)そうしたら1段買い足すだけで済むじゃない?間違えて開けられた穴は漆くいで埋めて上からうまくペンキを塗るの。」わたし「え~。。。それだったらこんなに長期間、揉めに揉めてやり直させた意味がないじゃん!!」もうなんだか考えるのが疲れてきて、わたしたちはフラフラと外廊下に出た。見れば珍しく2階に電気が点いて明るくなっていて、肌の黒いちりちり毛を2つに結んだ小さい少女がこちらを外階段の柵越しに見下ろしている。わたしたちを見て「ママー!」とあの今まで空き家のようだった屋根裏部屋に飛び込んでいった。ちょうどカルラが植木に水をやりに出てきた。カルラ「カリモリさんの上、誰か引っ越してきたの?」わたし「うん、アフリカ人の家族みたい。」カルラ「ああ、じゃあきっと誰かに貸したんだね。え~と、名前忘れちゃった。あのカラーのひと。」わたし「ああ、え~とさっき見たよ。誰だっけ?あの黒いひと。でも、貸したんじゃなくて売りたがってたから売ったんだと思う、あの黒い家族に。」カルラ「へえ、そうなんだ。」それからわたしたちはちょっと立ち話をした。別れ際にカルラが「そうそう、新しいDVDを買ったの!すごく良かったから、観てみて。」と「フライド グリーン トマト」というDVDを貸してくれたのだった。夕食が済んでさっそく見た。(まだ半分しか見てないけど。)夫との倦怠期に悩む奥さんがひょんなきっかけで知り合ったおばあさんの語る昔話で元気を取り戻していく、という話なのだが、そのおばあさんの話の中に主人公の店の使用人の黒人がKKK団だっけ?黒人差別をするグループの男のひとりを殺害した容疑にかけられるというくだりがある。それを見ておっとが「カルラの前で「黒いひと」って発言はまずかったね。」とささやいた。わたしはびっくりした。だってカルラだって「カラーのひと」って言ったじゃない?「黒」と「カラー」はどう違うんだろう?わたしのまわりには黒い肌の知り合いは今のところいない。でも誰か知らない人のことを説明するときって白人にでも「え~と、丸い赤ら顔で。。。」とか「痩せた青白いひとで。。」とか言うじゃないか?わたしたち日本人の説明なんてイタリア人は目をつりあげる真似をする。特にアフリカでひとを探すならともかく、こんな黒い肌の人が周りにそうそう居ない環境では、肌が黒いことが一番の特徴だ。説明のときは「カラーのひと」より「黒いひと」のほうがわかりやすいじゃないのか?だって「カラーのひと」にはわたしたちのような黄色人種もスリランカのような茶色い人種も含まれるわけだし。。。もしかしてこのDVDはカルラが直接は注意が出来ないけど、やんわりわたしの発した言葉を注意する意味で貸してくれたのだろうか?それからはなんだか悶々としてしまったのであった。皆さんはどう思う?
2005.09.13
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古いネタを引っ張り起こすが、月曜日はおっとが午後から半日仕事を休んでキッチンの業者を待っていた。古くなるのも当たり前だ。ここイタリアは8月中、まったくどこの業者も動かなかったのだから。本来なら自営業のおっとより、有給休暇の利く会社員のわたしのほうが待つのが筋なのだが家のことに関しては、特にキッチンに関しては、ルーズな南米人にしてはめちゃめちゃ細かいおっとの目を持って作業を監視せざるおえなかったのである。ところで、ずいぶん前に日記では尻切れトンボで終わらせてしまったキッチンの配線と配管。覚えておいでの方もいらっしゃるとは思うが、あれは親方が壊れた階段の1段分をわたしたちに立て替えさせた145ユーロを「これはキッチンの配線と配管分、ということでチャラにしようや。」と、まるでだますかのように、ぶんだくるだけぶんだくっておいてガス管と水道管のみ荒々しく取り付けて、換気扇の配管配線とキッチンの照明の配線をしっかり残したまま8月休みに突入したのであった。(←結局おっとがガス管と水道管を全部後からやり直したのだけど。)怒わたしは怒って誰となくわめき散らし、そして疲れて諦めていたのだが、キッチンに関しては熱の入りようが違うおっとが、次はいつ来るかわからない親方を待ってじっとしているはずがない。あのジェノバから帰ってきてからすぐ、おっとはホームセンターでパイプ管やら、つなぎの金具やらいろいろ買い込んで、2時間ほど、はしごにあがってカチャカチャして親方なんかより見えないところまでよっぽど美しく完成させたのであった。なので月曜日はキッチン業者の必要はなさそうなのだが、ボイラーを覆い隠すための戸棚を前にせり出しすぎる、という理由で5cmほど薄く切ってもらったものと、何個か開けにくい引き出しがある、それの調整と、間違えて持ってきたまったく色の違うテーブル(実際注文したのはキッチンと同じ色)の交換と、に来たのだ。わたしがその夜、家に帰るとおっとが作業で汚れたキッチンを磨き終わって、それはそれは完璧な、まるでショールームのようなキッチンに変身していた。しかし。テーブルだけがそのままだった。涙。。。ふう。もういい加減、怒る気も失せてきたよ。こんなに何度も何度もミスばかり犯して、こっちの胃が痛くなるのは確実だが、やつらにだって何度もそんな小さいミスのカバーに来るのは労力の無駄だと思う。なんで一度で完璧に出来ないのか、不思議でしかたがない。しかも今回に関しては、すっかり夏前の悶着も忘れ、「実際ご注文のテーブルを覚えてませんので、キッチンとテーブルの写真を撮って土曜日にもう一度店にお越しください。」と言うのである!?(←笑い話じゃないよ。)今がデジカメで簡単に写真を撮ってプリントアウト出来る時代でよかったよ!これが昭和とかだったら、最低でも12枚撮りのフィルムをたったこれだけのために無駄にするところだ!!はあはあはあ。。。。←結局怒っている。怒りついでに話は先週土曜日まで遡るが、8月の休戦が終わり、土曜の朝には不動産屋、建築士、親方のトリプル悪者が大集合したのである!階段を囲むその様子は、まさに「マジンカイザーVS暗黒大将軍とその軍団」のカバー絵のようだった。何事も間を空けるというのはまったく良くない。夏前の低姿勢だった不動産屋は打って変わって高飛車に「。。これはぼくらを困らせようとしているわけ?」おっととわたし「は?」不動産屋「だってそうじゃないか?僕の目にはこの階段は完璧だよ!こんなに美しく仕上がっているのにまたもややり直しさせようなんて、ひどいじゃないか!!」おっと「どこが完璧なんですか!?ここを見てよ!!やり直したばかりでまた1段壊れたんですよ?」と壊れた木の裂け目を見せる。不動産屋「じゃあ、そこだけまた替えれば済む話だろ?」わたし「わたしたちが言いたいのは、この木の質自体が悪いのだから、そこだけ替えたところでまたすぐ壊れるっていうことです!」おっと「それに傾斜が急すぎて、妻は2度も転がり落ちかけたんです!(←どんくさいけど実話)設計図では階段部分はもうちょっと長くなるはずだったじゃないですか?そうしたら傾斜がゆるくなるでしょ?!」親方「階段部分の長さは1階の梁が邪魔をしてこれ以上延ばせなかったんだよ。」そんなの、理由になるか!!不動産屋「ぼくたちは最初のミスは仕方がないから新しく全部木をやりかえるのに625ユーロも払ったんだ。これをまた替えろ、って言うならそれはそっちの問題だ。君たちで払ってもらうよ!」わたし「625ユーロですって!?」怒りで頭がクラクラした。「わたしたち、この間、壊れた1段をホームセンターに受け取りに行った時、全段の見積もりをしてもらったら1400ユーロだったんですよ!?それをそんな安い木で代用したんですか!!??それの領収書、もちろんいただけますよね?」不動産屋はちょっと不利になってきたことを悟ったようである。「う。。。しかしね、これは代用の木を親方が持ってきたときに君たちは拒否を出来たはずだよ?それを全部組み立ててからやり直しさせようなんて。。。」不動産屋の陰で親方と建築士がうんうん、とうなずく。わたし「実際組み立てて、使って、壊れてから、木の質が悪いことが発覚したんでしょ?値段の事だってそんなに安かっただなんて今まで知らなかったし、わたしたち木材屋じゃないんだから、木だけ見て、そんなのわからないわよ!!」不動産屋「わかった~!!!」と叫んだ。やけくそな口ぶりで「OK,じゃあ、こうしようなじゃいか?ぼくたちの仕事にそんなに不満があるなら、よその業者に木なり、ダイヤモンドなり、君たちのいいように階段をつけてもらってよ!支払いは僕ときみたちとで半々だ!!それで文句ないだろっ!?」顔が真っ赤になって肩で息をしている。確かにそのほうがよっぽど確実だ。しかし、普通に木の階段をいちからつけるとなれば4000ユーロ(1ユーロ≒137円)ぐらいする。その半分の2000ユーロとしても、今の赤貧のわたしたちにはどこからも出て来はしない。不動産屋はちょっと乱れたジャケットの襟を正しながら「。。。ぼくたち、ちょっと熱くなりすぎたみたいだ。ぼくは一度口にしたことは絶対守るつもりだから、君たちにとって最善の方法をよく考えて返事して。」こうして、不動産屋以外は階段のことに関しては一言も発さず(あ、親方一言のみ)出て行ったのであった。そしてもうひとつ、大きな問題の屋根。わたしたちが夏前になんどもしつこく電話をしたおかげで親方が何度も修理に来たので、少なくとも家の中には1箇所を除き、雨漏りがしなくなった。(2階の外部分はまだすごいけど。)ところでわたしたちと同じような問題を抱えている階下のパンク家族を覚えておいでだろうか?彼らはこれ以上揉めるより、弁護士を呼ぶほうが早い、と決断。再来週には不動産屋のところに弁護士からの脅迫レターを贈りつける予定である。(漢字変換でこんなのが出てきたけど、うれしくない贈り物だなあ。)しかし、うちらはよく考えた末、保険会社に損害保険を請求することにした。(契約書に書いてある「激しい風雨による損傷」。まさにそれにも当てはまる事柄だったからだ。)階下のパンク家族にこのことを話すと、そんなことでは不動産屋に実質的な痛い目を遭わす事が出来ない、と言う。だが、階段の顛末を見る限り、痛い目に遭わせてイヤイヤやり直しをさせたところで、というか、もともと親方と弟子たちに才能がないのだから、完璧な仕事をするとは思えない。しかし、なんというかキッチンのことでもそうだが、イタリアってのはどうしてこんなへっぽこな仕事をして、また、やり直しのために足を運ぶ、っていう2度手間ならぬ、3度、4度手間ばっかりかけるのかねえ?集中力がないんだろうか?それとも脳を使わず下半身だけで動く人種だからだろうか??←イタリア人と結婚している方々から袋叩きに遭いそうな発言、スミマセン。イタリアで家の買い替え?冗談じゃない。2度とごめんだよ。
2005.09.07
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ずいぶん過去の日記を書くことになったが、気になる終わり方をしてしまったので、日付を正しく追っていったほうがいいと思って。(ラストアップデートじゃなくて、日付を見てみて。)前日金曜日はホームセンターの閉店前ぎりぎりに飛び込み(このホームセンターはうちから1時間近くも車でかかるのだ。)、ようやく階段の1片をゲットした。箱は馬鹿でかいくせに中身は意外に軽かったのでワゴン車で来ずに、車でくればよかった、と後悔した。そして土曜日。約束した朝の8時半きっかりに親方はブスッとした表情の娘さんと2人のルーマニア人の弟子を連れて現れた。わたしは親方を見てしまっては、首を絞めかねない勢いで怒っていたので、おっとにまるで獰猛な犬にそうするように、小部屋に押し込められて待機することとなった。(さすがに今回は鍵まではかけなかったが。)おっとは少しの笑顔も見せずに玄関を開けたのである。やつらが階段の木のステップをどんどん家の中に運び入れているのがわかった。が、わたしはマットレスと荷物で埋まった小部屋で身動きも出来ず、寝転がってTVを観ていた。やがて親方が弟子たちに階段の組み方を大声で説明し始めるのが壁越しに聞こえた。?なんだよ。。。ってことは初回はやつら、知らずに組んでたって事??また怒りが頭をもたげるが、わたしは監禁された身なので噛み付くことが出来ない。2人の弟子はしばらくは親方の指示に従って階段を注意深く組んでいたようである。おっとも「そこはもうちょっと右!」などと指示をしていた。そのうちわたしは聞き耳をたてているのに疲れ、ちょっとウトウトしていた。気がつくとあたりはずいぶん静かになっていて、おっとが小部屋に入ってきた。おっと「もう、出てきていいよ。」わたしが部屋から出ると弟子2人のみが階段を組んでいる。わたし「あれ?親方は?」おっと「弟子たちに指示だけして帰っちゃった。」わたし「なんだとう!!!!???」わたしは家の中を見渡した。換気扇はまだそのままだ。屋根は。。。?おっと「屋根はまた次回に修理に来るってさ。」わたし「?? ちょっと!次回っていつよ?!それまでにまた雨が降ったらいったいどうなるのよ!!??」おっと「。。。次回までに雨が降らないことを祈るしかないな。」わたし「え。。。あ、それから階段のお金、ちゃんと返してもらった?!」おっと「。。。キッチンの配管代(換気扇も含む)と相殺にしようってさ。」 OOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!まるで絵に描いたような舐められ方ではないか!まだ済んでない、しかもおっとが後から全てやりなおしたキッチンのずさんな工事に前払いさせられてどうするよ!アホや、アホ~~~!アホ~~~!!!!!それからはわたしは怒りで顔を真っ赤にして仁王のように2人の弟子の仕事振りを見守っていたのだが、どう見ていてもプロの仕事に見えない。見るに見かねておっとが平行機や、物差しを持ち出してあちこち測り、ずれたところを直したり、木にネジを留めたりしはじめた。この様子はまるで友達同士で助け合いながら手作りの家を作っているかのようである。どうみたって、この中で一番プロっぽく仕事をしているのはおっと。。。。。こんな奴らに大枚を払って工事をさせなければならないのがはがゆい。午後4時になった。わたしはこの時点、外で洗濯物を干していたので2人が出て行くのを見て「ああ、少なくとも階段は登れるようになったんだ。」と安堵の息をついて家の中に入ったのであった。そして見たものは:ほとんど出来ているのにまだ完成していない階段と不安げに1つのステップの上で足踏みしているおっとの姿だった。わたし「。。。どういうこと?まだ完成してないじゃん。」おっと「土曜は仕事が4時までなんだって。それと、取り付け最中にまた1段ステップを壊したから持って帰った。」。。。。。唖然。おっと「次回、ステップを持ってきたらぼく、全部自分でやりなおすよ。だって、このステップ、グラグラしている。」と、言った瞬間におっとの足元で「バキッ」という小さな音がした。見れば、おっとの重みでステップに大きな割れ目が出来ていた。人間が何年も昇り降りする階段が1回目で「これ」である。親方は自分たちで壊したオリジナルのステップの替わりに、こうも簡単に壊れる安物の木を使ったステップを持ってきたのであった。これだけでも腹が立つのに、この日もひどい夕立が降ったのである。まだ、手もつけていない我が家の屋根、どうなったかは皆さんの想像にお任せ。。。。。。。。。大泣
2005.07.02
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昨日の夕方。おっとが近所の車工場の場所が知りたい、というので(おっとは修理好き)家のそばのBARにコーヒーを飲みに行った。BARとはいろんなお客を扱い、地元に根付いているので、何かちょっと聞くにはいいところだ。わたしたちはカウンターでアイスコーヒーを頼んで、ふと奥のソファを見やった。え?奥に座ってる、あの背の低い痩せたおっさん、どこかで見た。。。あ!わたしの大好きだったいつの間にか終わってしまった長寿番組「ストリッシャ ラ ノティッツィア」の司会エンゾ ヤケッティだ!?(日本で例えるなら「笑っていいとも!」のタモリのような存在だ。)なんで、彼がこんな田舎の果てのしがないBARでパニーノ食べてるんだ!?おっとがBARのセクシーな奥さんと話し終わるのを待って「見て!エンゾ ヤケッティだよね?」とささやく。おっと「あ。。ほんとだ。」わたしたちは、大阪でうっかり出会ってしまった吉本芸人の前でするのと同じように、すごく気になりながらも知らんふりをしてBARを出たのだった。。。。おかしい。こんなに楽しいことばかり続いては、きっと悪いことがまとめて起きる。****わたしの予感はすぐに当たった。昨日の昼間は前回の日記で書いた夕立がまるでウソだったように、あいかわらず暑かった。しかし、今日の早朝未明、大きな雷の音が鳴り、たまげてベッドの上で飛び跳ねる。それと同時にそばで寝ていたおっとのあごに思いっきり頭突きを喰らわせてしまったのだ。おっと「ううぎゃ。。あなたさまはわたしに頭突きを下さったのでイタイデス。」と寝ぼけて敬語でわたしに文句を言う。それと同時に暑いので半開きにしていた部屋のドアが強風でバンッと開いて雨が降り込んできた!わたしたちは慌てて跳ね起きて窓を閉め、おっとは慌ててビショビショになったTV、わたしは床を雑巾で拭く。おっと「あ!2階の窓が開いたまんまだよ。閉めに行かなくちゃ!!」と雑巾片手に外の階段を上がったのだった。この階段、我が家にとっては外の階段なのだが、TOP絵の真ん中あたりにあり、屋根の下である。まだ夜が明けてない真っ暗な階段を上がっていると上から水滴が降ってきた。げ?嫌な予感がする。2階に着いてドアを開け、電気を点けた。そこで見た光景は。。。。。悪夢?そうだよね??きっとわたし、まだ夢を見てるんだ?2階の壁全体が。。。。。。。。滝になってた。涙壁だけじゃない。天井からもまるで廃屋のようにあちこちから雨漏りしているのだ!?買ったばっかりでまだ使ってないベッドの上も水浸し。床の隅には壁から流れ落ちた水が溜まって、作りかけの階段までチョロチョロ小川を作って1階に滴っている。その様子は地獄絵のようであったが、なぜか2人はとても冷静だった。(きっとあまりのショックに現実として受け入れられなかったのだと思う。)まずは窓を閉め、1階に降り、持ってきた小さな雑巾だけでは足りないので大きな雑巾と、バケツ、洗濯桶、料理用のボウル、そしてデジカメを手に再び2階に上がり、証拠写真を撮ってから水の滴るところにバケツ等を置いて、すでにぬれてしまったところを掃除した。わたし「今日は朝一番に不動産屋に電話してね。」おっと「。。。うん。」そして出勤後。わたしは事の一部始終を秘書のアンナマリアおばさんに話した。もう、そのときは弁護士を呼ぶ覚悟を決めていて、どういった形で相談したらいいか聞くためだった。アンナマリア「弁護士を呼ぶ前に、まず家を買ったときの契約書に記載されているこういう災害への保障事項をよく読みなさい。契約内容もわからずただただ怒るのは無意味よ。」その通りだ。わたしは他にも大学で建築の勉強をしたアンナにも相談していると、携帯が鳴った。めずらしくも親方からだった!!親方は火の様に怒っていた。親方「おい!あんたの旦那の携帯の番号を教えな!!それで、旦那に言っとくれ!階段のこと、文句があるならなんでオレ様に直接言わねえんだよって!ここ数日、不動産屋と建築士にガミガミ言われてさっぱり訳わかんなかったんだよ。早く取り掛かって欲しいなら直接言うのが筋だろうっ!??!」ここ数日、わたしはすっかりあの事件から呆けてしまい、おっとに全てを任せていたのだ。おっとは毎日不動産屋と建築士にはっぱをかけていたのだが、親方には何も言わなかったらしい。どうやら、親方は2階のことはまだ知らないようだ。わたしはしし座のO型なので、売られたケンカは簡単に買ってしまう悪癖がある。わたし「あんたに直接言ったところでこの家の工事に関しての責任者は誰なのよ!?誰がお金を廻すのよ!?あんたじゃないでしょ!?それにあんた、いったいどういう工事を我が家にしてくれたのよ!?今朝は豪雨のおかげで家の中まで水浸しよ!!??」親方「え?。。落ち着いてよく聞け、お嬢さん。あんた、今朝のニュースを見なかったのかい?この雨で家の中が水浸しなのはあんたの家だけじゃない。たくさんの家がそうなってるんだ。だから普通のこった!」ふ、普通ですか?この家、たった今、全てを新しく、屋根も葺き替えたばかりなんですけど。。。。?わたし「あんた、気ちがいよ!頭おかしいんじゃないの?!改築したばかりの家が水浸しになって「普通」だって~~~~!!!!!?????」親方「とにかく!!オレは今、ミラノから遠く離れたボルツァーノで仕事してるんでい!仕事が終わってそっちに帰れるのは来週水曜日だ。それ以降に全ての約束をずらして行ってやる。」我がお嬢母は火曜日に来伊する。建築士も不動産屋もおっとから口すっぱくこのことを言われて「わかりました。」と了解しているのだ。そして、また今夜もこんな豪雨が来たら、と思うと水曜日までなんて待ってられるものか!!わたし「あんた、建築士たちに火曜までに仕事を終わらすように、って聞いてるんじゃないの?絶対水曜なんてダメに決まってるでしょ!?」親方「そう言われてもこんな遠いところからそれだけのために弟子たち引き連れて帰れるものか!」「それだけのため」!!!???わたし「あんたが今たとえ地球の裏側に居ようが知ったこっちゃないわよ。火曜までに来ないと許さないわよ!!」親方「あ-、うるさい、うぎゃ~!!うんざりだ!!もう金輪際、お前の家なんかに行くものか!!」わたし「わかった、本気で裁判するから覚悟しなさい!」親方「べ~~~~~~~~っだ!!!!」 がちゃんっ!!!。。。。。子供の喧嘩か。わたしはこの後すぐ動揺を必死で抑えながら、会社の電話から建築士に電話した。わたし「。。。。こういったわけで、親方、うちには工事に来ないそうです。どう責任取ってくれるんですか?」建築士の声がさすがに硬直したのがわかった。「。。そうですか。わたしから彼に電話してみます。」ふ~ふ~息をついてイスの上で溶けているとアンナマリアおばさんが拍手をしながらやってきた。「よく言ったわ。でも、あと一人ぐらい、更に火を噴くひとが必要ね。」がく。しばらく後、おっとから電話が。おっと「さっき、親方から電話があって、明日来るってさ。でも、時間がないから階段受け取りに行って立て替えといてくれ、だって。」わたし「なんだとう~!!!???」おっと「悔しいけど、工事を間に合わすためには仕方ないよ。今日の夕方取りに行こう。」。。。。そういうことになったか、やっぱり。。。。。お嬢母来伊まで あと4日。こういった事情でこの日記がお嬢母のお付き添いまでの最後の日記になるかもしれません。月曜日に更新が出来ないことを予想して、約2週間ほどのお休みをすることを予告しておきます。それでは皆さん、お幸せに~~~~~~~泣
2005.07.01
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最近ずいぶんそれていたが、というかそれていたかった例の階段の話。 とーぜん、まだ付いてませんがな!!!!怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒しかし、最近はそんな1階のみのスーツケース暮らしにも慣れた。涙料理だって換気扇がなくても平気。そしておっとが「電気代と水代がもったいない!!」と言ってせっかく買った食洗機が使えなくても、ソファの上はおっとが散らかした工具類で座れなくても、椅子がなくて段ボールの上に座ってごはんを食べるのも、アイロンがなくて、しわくちゃなシャツを着て出かけるのも、鏡がなくて、家を出てからどこかのウインドウでくちゃくちゃな寝癖だらけの髪のペンギンがいるのにおったまげるのも、。。。。。。。。。だんだん通常の生活と化してきた。しかし、大きな問題がある。こんな我が家にちょうど今日から1週間後、恐怖のお嬢母が来伊するのだ!!わたしたちは向こうからの連絡を待っていたららちがあかないので、先週土曜日は、建築士が階段を注文したミラノの反対側の遠い遠いホームセンターに行って来た。おっとが直接電話で談判をして、やっと階段の欠けていた部分を注文してから2週間目だった。ホームセンターは「今月末になります。」と言っていたが、恐怖の母が来るのにそこまで待ってはいられない。おっとは金曜の夜から夜遊びに行って朝帰りだったが、そんなやつがいつまでも寝ているのを待ってられるほどこの週末は暇ではないのだ!!二日酔いでフラフラのおっとの尻をひっぱたいて、催促をしに行った。階段や扉を売っているコーナーで長い列を並んだ末、やっとわたしたちの番が来て建築士にもらった注文コードを見せる。ホームセンターのお兄ちゃん「。。これは注文コードじゃなくて品番ですね。注文者の名前を教えてください。」わたしたちは建築士の名前や親方の名前、不動産屋の名前を思いつく限り言うが、どこにもインプットされていない。ホームセンターのお兄ちゃん「。。困ったな。そうだ、どんな品を注文したんです?」わたし「階段の1部です。」ホームセンターのお兄ちゃん「ああ!じゃあ、絶対これだ。いやね、3日前に着いたんですけど注文者の名前もないし、誰が担当したかもわからなくてとりあえず売りには出さずに取っといたんですよ。」とすぐそばの大きな箱を指した。箱には我が家と同じ階段のメーカー名が入っているし、そんなに頻繁に階段の1部だけの注文なんて入らないからうちのに間違いがない!!しかし3日も前に着いていたのに、放置されていたことが腹立たしい。まったく直接出かけて行ってよかったよ。わたしたちが来なかったら、注文者がわからなくて返品されていたかもしれないのだっ!?わたし「やった~!!持っていこう、持っていこう!!」ホームセンターのお兄ちゃん「持ってっちゃって下さい!今、請求書を発行しますから。。。」おっと「ちょっと待ってください。まだ料金は支払われていないんですか?」ホームセンターのお兄ちゃん「まだですね。」汗。。。。わたしたちは急いで建築士と親方に電話した。親方は電話に出た。しかし、あの建築士のやろうは、すでにわたしのはおろか、おっとの携帯番号もインプットしているのか、応答しなかった。怒親方「そうか、やっと着いたか!!持って帰ってくれ。そうしたら、すぐに工事に取り掛かれるし。」おっと「お金はどうなるんです?」親方「払っといてくれよ。(←けろっと。)」ちょっと、冗談じゃないよ!?ちなみにこれは145ユーロ。それより以前に、階段には例え、立て替えだとしても、ビタ一文出してたまるか!結局電話で揉めた後、わたしたちは涙を飲んで受け取りを見送り、親方が月曜日(つまり昨日)に取りに行くことで話がまとまった。めちゃくちゃ心配だったが、このお金を払ってしまって、後から揉めるのも怖かったのである。昨日おっとが仕事先から建築士に電話して事情を話したらしい。建築士「わかりました。出来るだけ早く工事してもらうようにします。」出来るだけ早くじゃねえよ!!はっきり日時を決めろっつ~の!!!恐怖のお嬢母来伊まで あと 7日。
2005.06.28
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昨日はとうとうミラノは40度を越したようだ。冷房が効く屋内勤めのわたしとしてはあんまり関係ないのだが、この冷房もミラノの気温を上げるのに一役買っているんだろうなあ。夕方、会社から今にも溶けそうなアスファルトの道を急ぎ足で歩き、電車に飛び乗って我がミラノ北部の田舎駅に降りたときにはほんのちょびっとだけ、涼しいようでホッとした。しかし家に帰るとカンカン照りの外廊で、バジリコがひからびかけている。わたしはバジリコと他の植物にも水をやって、廊下にも水撒きをしていた。おっとがクルマで下に着くのが見えた。お隣さんの白いクルマもそれに続いて留まった。わたしは気にせず水撒きの後にほうきを持ってきて掃き掃除をはじめたのだが、どうやらおっととお隣さんは下で何か話しているようだ。笑ってるんだか揉めてるんだかよくわからない。下を覗くとおっとが「ああ~、スミマセン。ぼく新参者でよくわからないし。。。」とクルマを押してちょっとだけ移動させている。お隣さんは「ありがとう、ありがとう。」の連発である。我が家の前の道は公道だ。(しかし前には我が納屋しかないのでほとんど私道化してるが。)誰がどこにクルマを留めても基本的に文句を言われる筋合いはないのだが、どうやらテリトリーがあるらしい。わたしたちより2ヶ月ほど先に入居してきたお隣さんのテリトリーには目印に下水道の蓋があるのだが、どうやらそこまでのところを、おっとは約2cmほど侵入してしまったようである。お隣さんは独り暮らしだ。2階の屋根裏部屋は離婚したばかりで行くところがないという、マンガにでも出て来そうなちょっと禿げ上がってて、生気の無いチビのおっちゃんに貸している。彼はちょっとゲイっぽくて、時々居る怒って怒鳴り散らすイタリア人タイプではなく、真綿で首を絞めるような優しさでこの時気分を害していたようである。そういえば、お隣さん、自分の外廊部分に赤いペンキを塗ってたしな。。。。。。汗わたしの今までの日記からは、なんでもアバウトなイタリア人に思われがちだが、自分の所有物に関しては「あ~、うざったいんだよ!!」というぐらい細かいイタリア人も多い。細かいと言えば、家を最初に見に来たときから予想はしていた斜め下のアントニアおばさんも異常に細かい。この細かさは日本のPTAなんかの集まりに必ずひとりはいるような、悪い人ではないんだけどうざったいおばちゃんのようである。引越しの日に引越し荷物を玄関前の外廊に広げていたところ、このアントニアおばさん、すぐに飛んで来て「ここから先はお隣さんの外廊よ!これ以上広げちゃダメ!」と棒切れでアンダーラインをご丁寧に引いてくれたし(すぐに家の中に運び込むっていうのにさ)、我が家しか通らないわたしたち所有の外廊の隅に前の家からパクって来た木のベンチを置いていると「ここはあなたたちのものだけど、誰でも通れるように障害物を置いてはいけないのよ!!」とベンチの前にはデブでも2人は並んで通れるぐらいのスペースがあるのにおっしゃるのである。わたしは一時期仕事で撮影の後にもらってきた植物が劇的に増えてしまった。新しい家の外側に置いてもやっぱりまとまりのない密林である。このひとつひとつの鉢を置く場所にしてもうるさく言われたのである。。。ふう。そういうアントニアおばさんの扉の前の外廊にはフェンスのそばにその生真面目さを象徴するかのように整然とゼラニウムの四角い鉢を並べて置いている以外は確かに何もなくて閑散としたイメージだ。我が納屋って共益費もないし、だいたい自治会みたいのが無い感じだから楽だけど、そのおかげでひとつ屋根の下の各家庭の外観がバラバラでまとまりがない。(瓦の色もフェンスの色も、各家庭バラバラ)納屋の中心にある外階段なんか誰も掃除なんかしたことないみたいで、すっかり埃で黒くなってしまったクモの巣が無数にぶらさがり、もう巣立ってしまったつばめの巣とその下のフンの山もそのままで、まるで廃屋状態である。うう~~~ん、やっぱり母が来るのがこわい。。。。。。きれいにしたいのは山々だが範囲が広すぎる。そして汚すぎる。そしてそして。。。。。。。なんで誰もやらんのにうちだけがやらなあかんねん??とモンモンと我が所有物の部分だけ掃き続けていたら、おっとがやっとお隣さんと一緒に上がってきた。お隣さんははにかみながら「今更聞くのはなんだけど、君は日本人?中国人?」わたしは手を休めて「日本人です。」と答える。するとお隣さん、急に英語に切り替えて(なんでやねん?)話し出した。わたしはこういうのっけから自分の知性を目いっぱいひけらかすような奴は大いに苦手なのである。彼の言ってることはわかるけど、わたしの頭はイタリア語バージョンのままフリーズしているし、へたに自分のへたくそな英語もひけらかしたくない。そうやってわたしはイタリア語で続けているのに彼は英語をやめない。話題は94年にノーベル賞を獲ったという大江健三郎の話とか関空をデザインしたレンツォピアノの話とか。。。こ、こいつ。。。もしかして変?(というよりわたしの文化レベルが下がったか??)おっとは英語がちっともわからないのでこの間、わたしに代わって掃き掃除を続けていたのであった。やっとお隣さんは我に返った(?)。イタリア語に戻って「ぼくはね、この森林の国、四国のような環境(←この表現も変!!ジタバタ)が気に入ってこの家を買ったんだけどね。。。知ってる?この前の野原に地下を通るマルペンサ国際空港とベルガモ空港をつなぐ高速道路が出来るの?」わたしとおっと「げげ!!ほんとですか!!??」お隣さん「うん、10年ほど前からこのプロジェクトがあるみたいだ。でも未だに何もやってないし出来ないことを祈るよ。じゃあ、お邪魔しました。」と家の中にさっさと引っ込んだのであった。ええええ。。わたしは前にひろがる野原をぼうぜんと眺めた。今のところとりあえず国定公園に指定されているのだが、悪く言えば誰が手入れしてるかもわからない「ただの野原」である。わたしはこの付近の環境から見てきっと住宅街が進出していくものだと踏んでたのにな。そんな近くに地下とはいえ高速道路が出来るのはイヤだなあ。。。そのときはまたきっと大変だけど、ここを売って引っ越さなきゃ。なんてフェンスにもたれてぼんやり考えているとおっとが「ちりとり持ってきて~!」と2階から叫ぶ声で我に返った。見ればおっと、埃まみれでゲホゲホ言いながら外階段を掃除してるではないか!おっとが壁をサーっとほうきでなでるとただの土ぼこりはサラサラと簡単に下に落ちてまるで白いペンキを塗っているようにどんどん壁が白くなっていく。クモの巣はわた飴のようにクルクルとほうきに巻き付ける。そうやってせっせと上から下までおっとはきれいに掃除を終えたのであった。おっと「お義母さんが来るまでにせめて家と家の周りはきれいにしとかないとね。」偉いぞ、おっと!!(←ちょっと感動)
2005.06.23
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おとといは大雨だった。わたしたちは帰宅するなり、さっそく外の階段から2階にあがって中に入った。そう、皆さんは覚えておいでだろうか?以前も大雨の後、雨漏りがして壁に大きなしみが出来たのを→親方に修繕してもらったのを?わたしたちは当然奴の仕事なんて、もう信用してない。以前しみが出来た壁面を中心に触ったり、ドンドン強く叩いたりして確かめた。さすがに大丈夫だったようである。わたしたちはやれやれと1階に降り、外はもう暗いので雨戸を閉めようと窓から身を乗り出した。と。ポツッと大きな雨粒が目の前を落下していった。慌てて屋根を見上げる。樋の隙間から雨がボタボタ漏れていた。壁と樋の間に屋根の最後の部分があり、上の瓦と違って、窓から見上げられる裏側の部分は家の中同様、木で出来ている。そこの木がびっしょり濡れていた。まったく親方は、言われた部分しかタッチしないやつである。。。。。怒****今日は久しぶりに気になる階段について。実を言うと今日の今日まで書く勇気がなかった。結果から話すと、先週土曜日は殴り込みには行けなかったのだ。土曜日の朝、金曜日に言われたとおり、親方に電話して工務店の電話番号と領収書番号を控えた。直接出向きたかったのだが、建築士の野郎は大型チェーンのホームセンターの我が家からはずいぶん遠い支店で階段を買ったようである。とりあえずはおっとが電話をすることにした。はじめてのところにクレームの電話をかける場合は、悔しいけれどどう頑張っても自他共に認める「ピカチュウ」声を持つわたしが甘ったるい声でガミガミ言ったところで、まるでポメラニアンが遠くからけん制してキャンキャンわめいているようで、ちっとも迫力がない。根性はないけど、低いおっさん声を持つおっとが電話をしたほうがずいぶん効き目があるというものである。おっとが電話をかけている間、わたしはおっとにぴったり耳を引っ付けて注意深く聞いていた。そんなわたしのプレッシャーもあってか、とりあえず怒りをこめた声で話すおっと。クレーム内容を言うおっとに「お待ちください。担当の所轄に電話を交換します。」というのが2度ほど続いた後、やっと「クレーム担当」とでも言うべき所につながったようだ。「領収書番号をお願いします。」という声に、番号を読み上げる。コンピューターを打つカチャカチャという音がしばらく聞こえたあと、「おかしいですね。。この階段につきましては完全納品された形になっており、交換品の情報が入っておりません。」おっととわたし「そんなことがあるはずないでしょ?!わたしたちは我が家の建築士にもう1ヶ月以上、工事を半ばで放り出されたまま待っているんですよっ!?」クレーム担当者(?)「本来ならこの所轄の責任者と階段業者にすぐに問い合わせられるのですが、どちらも土曜日で連絡が取れません。月曜日に折り返し、連絡いたします。」おっと「こんな調子でずっと待たされているんです。すみません、あなたのお名前をいただけますか?月曜日にそちらから連絡がない場合はこちらからかけさせていただきますので!(←ナイス!おっと)」こういったわけで土曜日の殴りこみは不発に終わったのであった。月曜日の朝。わたし「おっと、今日は忘れずホームセンターに電話するのよ!!」と電話番号を書いたメモをおっとの胸にバンっと貼り付けた。おっと「任せといて。」こうしてわたしはイライラしながら1日を過ごした。この日の夕方は雨が降りそうだったのでスクーターを使わず、クルマで駅までおっとに迎えに来てもらった。駅に着いて待っていてくれたおっとのクルマに乗り込むなり「階段は?」と聞いた。おっと「ああ、あっちから本当に電話がかかってきたよ。あのね、今まで本当に交換品の情報なんてなかったみたいだ。」うぐっ!!??? この言葉に胸が急に苦しくなった。わたし「。。。ってことは、今まで階段は発注されていなかったってこと?」おっと「。。。うん。そうみたい。でね、ちゃんと納得が行くまでうちの状況を説明したよ。そしたらやっとわかってくれて、すぐさま階段業者に交換品の発注をしてくれたんだよ。でもね、これ。。。今月末にしか届かないらしい。」ちょ、ちょっと待ってよ?じゃあ、今までいったい。。。いったい。。。。建築士と親方は何をやってたのっ!!??それにイタリアで「今月末」などというあいまいな言葉は「来月半ば」にも「3ヵ月後」にも筆答する!しかも今月末って言ったら。。。。7月はじめには、日本からお嬢母が来伊するのである!!現在わたしたちは2階に住めないので1階のいわゆる「客間」用に取っておいた小部屋で寝起きしているのである。母が来たら、どこで寝るのさ??そして、あの親方のことだ。交換品が揃ったからと言って、すぐに次の日に取り付けに来てくれるわけが無いっ!!今の我が家の1階はまるで工事途中の建設中の家状態である。階段の周りには残りの部品や工具が広げられたまま、2ヶ月近くホコリをかぶっているのだ!!この状況を我が母が見たら。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。だからイヤだったんだよ~。わたし「そのころはまだ家が落ち着いてないと思います。」母「なんですって!?あなたたちはどれだけのろまでグズなの!?入居から1ヶ月も待ってあげるのだから、その間にさっさと家を整えなさいっ!」。。。。という会話があったのだ。汗あの完璧主義な母がこの状態の家を見て、卒倒しないだろうか?というより、このあとずっと先まで呪うように毎回電話でこのことを言い続けないだろうか??母にはこういううんざりするような悪癖がある。わたしが小さい頃、九州に家族旅行をしたのだが、未だにずっと「あのときのお父さんの服装は最悪だったのよ。」と怒りをこめながら言うのである。しかしわたしには、この九州の記憶がまったくなく、飛行機に乗ってうれしかったことしか覚えてなかった。最近、やっと父が重い口を開いた。母は、いつもどこに行くのも、ハイソな服装である。(エクアドルの密林にまで)この旅行、父はそのころ流行りのGジャン、ジーンズでカジュアルに決めていったそうだ。しかしこれが母の勘を逆なでした。どうしても父の服装が気に入らなくて、「こんなひとと一緒に歩くのは絶対ごめんです!!!」と九州の空港についたとたん、どこにも行かずにトンボ返りした、ということが明らかになったのだった!!。。。。ああ~、そういえばそうだよ。最近母と出かけてないけど思い出した。一緒にデパートに行くにも家を出る前、ちょっとわたしの服装が気に入らないと、あっという間に上着を脱ぎ捨て「あなたがそんな恥かしい服装でいる限り、わたしはどこにも行きませんわ!!」と座り込むことが70パーセントの確率であったよな。。。そんな母がやってくる。しかも10日間も。クルマの中でそんなえげつない近未来を想像しているとグルグル目が廻り、どんどん気分が悪くなってきた。しかし、おっとは家に直行せず、ちょっと遠目のホームセンターに向ったのである。ホームセンターに着いた頃にはわたしは真っ青になり荒い呼吸をしていた。おっと「ちょっと、冗談でしょ?そりゃあ、ぼくだって怒ってるよ。でも、こんなことぐらいで気分悪くならないでよ。」。。。 「こんなことぐらい」じゃないっ!!!!!!!!!! 他にもいろいろ事情があるんだ、わたしには。 確かに母への恐怖も大きいが、今までのわたしたちの矢のような催促や嫌がらせは親方にも、建築士にもまったく効いていなかったということに多大なショックを受けたのである。やっぱりわたしの怒りなんて、やつらにはちっぽけなポメラニアンの遠吠えだったんだ。わたしたちはお金はすでに全額支払ってしまったので、階段のことも業者に催促している振りをしながら実は何もやっていなかったに違いない。ひとが実際住む家を、こんな状態で金さえもらえば後はどうでもいい、といった感じで途中放棄して平気なやつらなのだ!!こいつらはいったい何で出来てる心臓を持っているんだろう?マジで弁護士に相談したくなったけど、残念ながらうちは「極貧」なのでそんなお金は家中、どこをはたいたって出て来はしない。わたしはこの日、深淵のような敗北感に打ちひしがれた。家に着くなりトイレに駆け込み、嘔吐もかなわず、そのまま便器にもたれるような形で1時間ほど、気を失ってしまったのであった。(←ちなみにこの間、おっとはわたしがトイレで◎◎◎を頑張っているものだと思い込み、心配のカケラもしていなかったのであった。それにもわたしのガラスのハートは更に粉々に砕け。。。。)
2005.06.16
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もう何もかもがイヤだ!!!今朝は不機嫌に目覚ましが鳴るより早く目が覚めてしまった。***昨日はようやくベッドと洋服ダンスが2階に運ばれてきた。しかし、まだ階段がないので使えない。。。。。怒外階段はあるが、毎朝ぼさぼさの髪のまま外から1階に入って顔を洗うなんてまっぴらごめんである。しかも昨日は家具屋から一応直前に遅刻のお知らせはあったけど、2時間も遅れてきて、慌ててバタバタと組み立ててくれたはいいものの、新しいフローリングの床に深いつめ痕。。いや、傷が2箇所も出来たし、洋服ダンスの3枚ある扉の上半分はすりガラスなのだが、そのうちの一枚の端っこが割れていた。もちろんすぐ気が付いて言ったところ、15日以内に交換に来る、と家具屋は言ったのだが、15日以内なんてここイタリアじゃ信用できないし、またもや交換に来る日にあわせて家で待たなければならないのである。キッチンも前回は書き落としたが、モダンな白木のキッチンに思いっきりカントリーな樫の木のテーブルがセットで運ばれてきたので後日交換なのだ。はっきり言って我が家で完璧なものは。。。。TVぐらいしかない。といってもTVだってせっかく衛星放送を観る為にパラボナアンテナを親方に取り付けてもらったのに。。。皆さんのご想像通り、アンテナは機能しないが。(←おっと激怒)まあそれでも段ボールの山の半分を占めていた衣類は収められるので、昨日は家具屋が出て行った後、さっそく作業を開始した。洋服ダンスは幅3mx高さ2m60cm。大きめなタンスを買ったつもりだった。すぐに使える夏物から収めていったのだが、またたくまにタンスはあふれかえってしまったのである。8:2の確率で圧倒的にわたしの衣類が多い。うううう~~~ん。。。まだ冬物もあるのになあ。。。今までこれより小さなタンスでどうやって全部が納められていたのか謎である。仕方なしにもうめったに着ない服を捨てて行くことにした。(本当は引越し前にしたかったんだけど、おっとがやみくもに全部荷物に収めてしまったので)まずは3着ほどの水着。(水着はついつい毎年買っちゃうんだよねえ。。。)そして、スッチー時代の制服(返却しろってか?)気に入ってそればっかり着ていたため色あせてボロボロになったTシャツ5枚ほど。(かなり勇気がいったけど)日本で可愛さにつられてサイズが違うのに無理して買って1度しか着なかったシャツ2枚ほど。以上。でもたったこれだけじゃ、焼け石に水だな。。。ベッド下にも収納があるけど、羽毛布団とベッドカバー類を入れたらもうおしまい。。。。とここまで書いたところでわたしは建築士に今日2回目の電話した。今回、生返事をされるようなら階下の家じゃないが、「弁護士呼ぶでっ!!」と言うつもりだったのである。普通にわたしの携帯から電話したのでは、もう返事もしようとしないので、1回目は朝8時半に自宅に電話。奥さんが出てきて「ただいま取り込み中でして。。。」こんな朝の早くから、イタリア人が取り込み中なわけないだろ!!「わかりました、取り込みが終わりましたらすぐさま連絡するように言ってください。」と電話を切った。そして1時間後。どうせあちらから連絡がないのがわかっていたわたし。会社の電話からやつの携帯に電話した。わたし「わたしが誰だかわかるでしょ?用件もどういうことか、わかってるでしょ?」と怒りに任せてダイレクトに切り込む。建築士「ううう。やっと今朝、工務店から電話があって、階段業者が今日、他の商品と一緒に足りない部品を納品するっていうことがわかったんだよ! わかるのが午後2時。それから親方に電話して明日にでもあんたの家に行くようにしてもらうからさ。」わたし「。。。それって確実な情報なの?」建築士「何ともいえない。とりあえず、わかるのは今日の午後だ。それまで待ってもらわないと。。。。」わたし「。。。わかった。今回までは待つわ。もし、今日階段が来ないんだったら、わたしたち「考え」があるからね!」こうして電話を切った。ちくしょ、「考え」なんて生やさしい言葉を使わずに、もっとダイレクトな言葉を使うべきだったか??とにかく今日の午後、また再び、違う電話から電話して、もしもダメだったら「弁護士呼ぶでっ!!」と叫んでやる!!ああ。。。こうやって書いた内容を見ていると、や◎ざが一般市民を脅してるような気分になってきた。。。。。なんか今日はこういったわけで落ち着かないのでまとまりのない日記になっちゃった。来週にはまた怒りでまとめた日記をご披露することになるかと思いますが。。。。。。。汗****追記:さっき3回目の電話をマッシモの携帯を借りてした。建築士「ぼく、午後は忙しかったから親方に電話してもらったんだ。早く知りたければ、彼に電話するといい。」こういわれるとどうしようもなく、怒り不発のまましぶしぶ親方に電話する。親方「ちゃんとあんたたちの代わりに怒って電話したぜ?!でもよ、やつら来週届くって言いやがるんだ。」わたし「。。。それって確実な情報なの?」親方「そんなこと、わからねえよ!そんなに知りたきゃ明日もう一度オレに電話しな。工務店の電話番号と担当者の名前を教えてやるから自分で聞くといい!!」ちくしょ~!!!!!!!!!!そんなことまでなんでわたしがしなきゃいけないんだっ!?でも明日は土曜日だし、日本刀でも持って(持ってないって。。。)直接工務店に殴りこみに行ったほうが効果がありそうだ。。。。
2005.06.10
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すっかり報告が遅くなったが、この季節、先週届いたスクーターでの最寄り駅までの通勤は快適である。朝の空気はすがすがしいし、緑あふれる住宅街をつきぬけていくのは気持ちがいい。予想していた通勤時の渋滞もちっともなくて、トロトロとゆっくり走っても、後ろからクラクションでせっつかれないのがいい。しかし、このスクーター、修理代はタイヤを2つとも新しく、バッテリーも新しくしなければならなかったので結構かかった。こんなことならもうちょっと頑張って新車を買ったほうがよかったかも?(まあ、見かけがぼろい方が盗難の心配はないけれど。。。)****先週木曜日。つまり前回の日記の次の日。この日は祭日だったのだが、おっとは朝早くに起きてキッチンの再組み立てにかかったのである。わたしはすっかり忘れていたが、おっとはイタリアに到着したばかりの頃、闇で家具屋の組み立て職人として働いていた。なので、こんなにあっさり「気に入らない。」というだけでキッチンを解体したのである。しかしそんな腕があるなら、工費も運送代も全て料金に含まれるバカ高いオーダー家具屋で家具を買わなくっても、IK◎Aの家具を買って自分で組み立てればよかったじゃないか!?おっと「オーダー家具の方が質がいいし、そんな時間も、道具もないんだもん。」IK◎Aの家具を買って、仕事を1、2日休んで道具を揃えても、単純計算したら安上がりだよな。しかし、質に関しては確かにそうなので何も言えない。わたしは一緒に朝早くからたたき起こされてブツブツ言いながらおっとが組み立てるのを見ていた。おっとがキッチンを終わらせないことにはタンスも届いてないし、段ボールを開ける作業も出来ない。おっとが「あ~、コレ見て!」とか「ここ!足が1本足りないよ!?」と言うたびに一緒にチェックすると、家具屋も家具屋で、見えないところはパーツが足りなかったり、意味不明のドリル穴が開いていたりして仕事が荒い。。。。。。。でも、わたしとしては見えるところさえちゃんとしてたらいいんだ。そうやっておっとは、キッチンをきっちり隙間なく、隠れたところまで美しく組み立てた上、IK◎Aで買った洗面所の戸棚も小1時間でお茶の子さいさいで組み立てたのであった。わたしはおっとが作業の終わったところから、どんどん段ボール箱を開け、お皿や洗剤を戸棚に収めて行く。こうやって、2人が仕事をほとんど終わりかかったところで夕食の時間となった。わたしは冷凍庫からフライパンで炒めるだけのインスタントパスタを取り出してコンロにフライパンを乗せ、火をつける。ああ、うれしい。やっとまともなものが食べられる。。。。。そしてコンロの上の換気扇のスイッチを押した。OOOHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!まただよ、また!機能しないよっ!!わたしは換気扇の中を見るために、はしごを使って上に上がった。ダクト穴の上部から中をのぞく。この内側の壁には排気口が開いていて、パイプを使って外に煙が出るようになっているのだが、パイプがないっ!しかも電気なのに、階下の窓同様、配線がとぐろを巻いて取り付け説明書と一緒に中に納まっている。フラフラしてあたりを見渡した。キッチンの上の戸棚の下側に隠し照明を2つ、つけてもらったのだが、それの配線もきっちり2本とも戸棚の上で渦を巻いて横たわっている。。。。。。親方、背が低いから、高いところにある電気配線に気が付かなかったか??ひとつの仕事もまともに出来ないようじゃ、あんたもう、引退した方がいいよ。わたし「おっと。。。。あんた、これに気が付いてた?」おっと「えええ!?下の戸棚ばかりに気を取られてわからなかったよ。」わたし「。。。。。もういい。今日はもう遅いし、どうしようもない。」結局換気扇はないが、調理は出来たので久しぶりにまともなものを食べ、サッサと寝たのであった。****次の日、金曜日。わたしは会社から怒りを通り越して疲れ果てた声で親方に電話する。親方「なんだって?気付いてたに決まってるじゃないか?!でも、部品が足りねえし、取り付け説明書もないからきっとキッチン業者から届くのを待たなきゃいけねえ、と思って手をつけなかったんだ。」わたし「部品は。。。きのうおっとがチェックして、全て揃ってました。取り付け説明書は換気扇の管の中にあります。次回はいつ、来ていただけるんですか?」親方「あああ?そうかい?? 来週、階下の家の修理にも行かなきゃならねえから、そのとき一緒にやるわ。それまで別に換気扇がなくたって調理出来るだろ?」。。。。。。もう、怒り続けるのもバカバカしくなってきた。親方の言うとおりだ。別に換気扇がなくたって冷蔵庫は機能するから生ものが買えるし、調理も出来るし、ガスはちゃんとなったからシャワーも好きなときに浴びられるし、ずいぶんマシになった。まだ窓の壁が壊れていたからつけられなかった窓のセーフテイも、玄関のドアのぐるりの大きな隙間も、たいした問題じゃない。階下の家は寝室のあの窓が夜中に落ちてきたそうだが、ベッドは反対側の壁につけていたから助かったそうである。うちも窓が落ちたら危険なところにマットレスは置いてないから大丈夫だ。階下の家は本当に裁判に持って行くみたいだけど。。。。。全部、たいした問題じゃないんだ、きっと。。。。。。。。。。。。。。そう、思わないとやっていけない。
2005.06.06
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今日は飛び石連休の中日。しかし、電車はいつもよりちょっと乗客が少ないぐらいだ。しかし目に付くのは大きなリュックや旅行カバンを持ったひとたちばかり。みんなやっぱり働きには行かないわな。。。涙しかし、ここのところのドタバタで有給をフルに使い続けているわたしは休むわけにはいかない。が、会社に来てもマリーナとマッシモとグラツェラしかいない。社長ももちろんバカンスだ。来週会社の命運がかかったプレゼンテーションがあるっていうのに、こんなにのんきでいいんだろうか??社長のスケジュールにあわせて主な仕事も水曜日までに終えてしまったので今日は会社の留守番に来たようなものだ。まあ、やっとゆっくり日記が書けるからいいんだけどさ。****前回の日記の段ボールの山の中からおっとが真っ先に家の中に運び入れたのはTVとTV台である。2階はみなさんご存知のように階段がないから上がれないので、1階の小部屋に全部荷物を運び入れることとなった。わたしとしては、一番大事なPCのタワーを早く家の中に運び入れたかったのだが、お嬢育ちでお箸より重いものを持ったことがないわたしは、もとい、去年日本でぎっくり腰になって以来、重いものが持てなくなってしまったわたしは、軽い衣装ケースぐらいしか運べない。わたしがせっせとそばで軽いものを選んで運び込んでいっているというのに、おっとはTVのインストールを始めるではないか!?わたし「何やってるのよ?さっさと他の段ボールを運んでよ!!」おっと「う~ん、これが終わってから。。。」前々からわかってはいたが、おっとにとってTVは何よりも大事な宝物なのであった。。。。。あほ~~@!****火曜日。有給をとってキッチンが来るのを待った。この日はそれにあわせて親方が全ての修正をしに来ることになっている、と建築士。と、いうのはキッチンのガスと水道管はキッチン業者は触ってはいけないことになっている。うちのお抱えの配管工、つまり親方(←ものすご~~くイヤだけど)でなければ開けれないのだ。朝の9時。時間通りに到着した30歳ぐらいのイタリア人2人組を見てちょっとホッとするわたし。(だって今まで親方の弟子か、おっととエルトン関係の荒くれ系ガイジンの荒い作業しか見ていないんだもの)彼らはチャキチャキと材料を玄関先まで運んできた。何度も書くが、我が家は昔の納屋なので玄関前の外廊が広いのだ。そこにあっというまに作業台を組み立て、作業をはじめた。わたしはそれを外廊の端の元我が家からぱくってきた木のベンチに腰掛け、しばらくながめていたが、あまりに暇なのでメモ用紙に落書きをはじめた。(唯一まともに紹介できる1枚。我が家の前の景色。大草原?) やがておっとが仕事の合間をぬって様子を見に来た。「おおお、きれいきれい。でも。。。」と細かい注文と質問をはじめるおっと。そういえば、階段の時もこうだったな。わたしもこれぐらい気をつけて見ないと。。。。と、いうのは彼らは上の棚の位置を付け間違えていた。汗わたしはおっとが言い出すまでちっとも気が付かなかった。大汗おっと「ところで親方はどうなってるの?」そうなのである。建築士がいうには親方は朝から来て全ての作業をはじめていなければならないはずなのに昼近くになっても来ない。わたしは朝から彼の携帯に何度も電話をしているのだが、恐れをなしてか、応えようとしない。怒り狂って建築士に彼から電話するよう、電話したところやっと親方から電話がかかってきた。親方「今日なんて行ってもムダだ。キッチンはどうせ夕方まで作業するんだろ?そのあとガスと水道のためだけに夕方から働くなんてまっぴらごめんだ。」くううううううううう~~~~!!!!!!???????わたし「あんた、この家の問題はキッチンだけじゃないでしょっ!?階段はいったいどうなるのよっ!!他にも窓の壁の修理と洗濯機の排水溝の水漏れ(←引っ越した日の夜に洗濯機を廻して発見!!)、ガス漏れの修理があるはずでしょ!?わたしはそうそう毎日、会社を休んで鍵を開けて待ってられないのよ!!今日来ないでいったいいつ来るつもり!!??」あたふたする親方「階段は建築士の野郎が支払いを渋ってるからまだ届かないんだよ。他の問題は今日は作業道具がないしな。。わかった、すぐに下見に行くから待ってろ。」ふ~ふ~ふ~。電話を切って肩で息をしていると「奥さ~ん、ちょっと来てくださいよ。」とキッチン業者がわたしを呼んだ。わたし「はい、なんでしょう?」見ればキッチン業者のひとりが冷蔵庫とオーブンを取り付けていた。キッチン業者「奥さん、ここの壁のコンセントの差込口、全部機能しないんですけど。。。。。?」OOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!??????????この冷蔵庫とオーブン側の壁は親方が差込口を付け忘れたのにわたしたちが気が付いて後からつけさせたものなのである。形だけはコンセントの差込口のかたちをしているが、これはオブジェかいっ!!??それにきっと親方がうっかり放ってしまったんだろう「階段は建築士の野郎が支払いを渋ってるからまだ届かないんだよ。」という言葉、支払い責任のなすりつけ合いでこんなに遅くなっているんかいっ!!??この家で普通に機能するものは 無いんかっ!!!!!!??????わたしは血管が切れて倒れそうになったが、親方がもうすぐ来る、というさっきの言葉でなんとか持ちこたえた。イライラと待っていると親方がやってきた。階段を上がってくる親方に飛び掛ってむなぐらを掴もうとする寸出のところでわたしは固まってしまった。偶然なのか、計画したのか?親方は同じようなコロコロの優しそうな奥さんと娘を連れて現れたのである。わたしも鬼ではない。家族で来られた日には怒ることが出来なくなってしまったのだった。わたしは黙っておっとが穏やかに親方に問題箇所を見せて廻る後ろをついてまわるしかなかったのである。きっと何も知らないであろう奥さんと娘さんは「うちの父ちゃんが仕事した立派な家だよ。」といった風に家中を興味深くしげしげとながめていた。キッチンの家具は夕方には美しく仕上がった。親方には結局、次の日鍵をあるところに隠して勝手に家に入って修理してもらうことになったのであった。****次の日(水曜日)。おっとが親方が来てちゃんと仕事をしているか、仕事の合間に見に行く手はずとなっている。昼休みになるのを待って、わたしは会社からおっとに電話した。おっと「さっき、見に行ったら親方、窓の壁も、洗濯機の排水溝も、ガスもちゃんと修理した後で、キッチンにかかってたよ。さすがに今回は大丈夫そうだな。」わたし「でもでも、信用できないからもうちょっと後でキッチンも見に行ってちょうだい。」おっと「わかった、行けたら行くよ。」夕方。ミラノの中心の歯医者の待合室にいると、おっとから携帯が鳴った。わたし「どうなった?」おっと「キッチン、機能的には問題なくなったよ。ただ、せっかくキッチン業者がきっちり組み立てたものを雑に仕舞い込まれたんだ。あのさ君、今日は歯医者だから遅くなるんでしょ?ぼく、冷蔵庫がやっと使えるようになったから買い物に行って来るよ。」わたし「あ。。。そうだね、ありがとう。」なんだか、やけに気の付くおっとに少々不気味さを感じながら電話を切ったのだった。夜。歯医者が終わってわたしは帰宅した。治療にずいぶん時間がかかったからおっとはとっくに帰ってるかな?と思いきや、鍵を開けて家に入ると中は真っ暗である。電気をつけた。そして固まってしまった。目前に広がったのはバラバラに解体されたキッチンと床に散乱した工具だった!!!どどどどどっどういうこと~~~~!!!????慌てておっとに電話をする。電波の届かないところにいるのか、返事が無い。ぐ~っとおなかが鳴った。時計を見ると21時半。こんな時間、わたしはてっきりおっとが届いたばかりのキッチンで夕食をつくって待っててくれてると思ったよ?!なのに、なのに。。。。。。。。。。。。OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!ムカムカして、シャワーを浴びたかったが、まだ安心かどうかわからないガスを使うことはためらわれた。(それまではシャワーを浴びるときだけおっとに外のガス管を開けてもらっていた。)イライラしながら唯一機能するTVを上の空で観ていると22時半におっとが両手にたくさんの荷物を抱えて帰ってきたのである。わたし「いったいどういうことよ!!このキッチンは何? どこに行ってたの!?どうしてこんなに遅いの!!??」質問攻めである。おっと「言っただろ?親方が雑にはめこんだのが気に入らなかったからやり直そうとして解体してたんだ。見て。ここなんか、0,3mmほど隙間がある。そして後ろの配線も雑だったのを見つけたんだ。コレ見てよ?信じられない!このコンセントの形、気に入らないし、配線と配線のつなぎ目がむき出しで危険だし、きれいじゃないんだ。だからホームセンターで配線とコンセント、買ってきた。」あんたは。。。。あんたは。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。家具職人アンド電気工かい!?言われてみれば確かに雑だけど、特に配線なんて家具の後ろに隠れて誰が、コンセントの形まで見るよ?怒りを押さえながら、わたし「おなかが空いて死にそうだよ。何か、買ってきた?」おっと「もちろん!だからこんなに遅くなったんだ。」見れば、魚の切り身、鶏肉、冷凍食品の数々。わたし「。。。。。あんたが冷蔵庫まで解体したおかげで使えないし、調理も出来ないのにどうするよ?」おっと「。。。。。。あっ!!」あっ!!じゃない~~~~!!!!!!慌てておっとはとりあえず冷蔵庫のスイッチだけ入れて買ってきた生ものを放り込んだのであった。この日の夕食。ドッグフードみたいな肉の缶詰とポテトチップ。(まだまだつづく)PS.今までの日記にみなさんコメントしてくださってありがとうございます。(個人的にメールをくださったお友達も!)このドタバタでお返事を書く時間がないんですが、ちゃんと読んでま~す!!ありがとう!!!
2005.06.03
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やっと引っ越しました!!いままでのマンションでは朝、上の階の住人がいつもわたしたちより早くに起きてドタバタとする音で目が醒めていたのだが、今朝は目覚ましが鳴るまで何の音も聞こえなかった。窓を開けると、朝のおだやかな光と澄んだ空気が部屋に入ってきて思わず深呼吸。ミラノに住んでいたときも、前のミラノの隣町に住んでいたときも、空気が汚すぎて息を止めることはよくあったけど、深呼吸なんて出来なかったもんね。もしかしてイタリアに住みだしてからしたことがなかったんじゃないだろうか?というぐらい久々だった。*****先週木曜日の夜、わたしは泣きべそをかきながら荷造りをしていた。ど~~したって間に合わない。。。。おっとは飲んだくれ友達ホセとスクーターを修理屋に持っていったまま、そのままいつものしつこい彼女に誘われて教会に行ってしまった。わたしは引越し間際まで、教会に通わんでもいいだろうがっ!?と思ったのだが、信仰厚いひとの考えはわからないので、そのまま行かせた。しかし、だんだんわたしがおっとに荷造りをまかせてお寺(ミラノではお目にかかったことはないが)なんぞにお参りに行ったら、やつはどう思うだろうか?と考えると腹が立ってきて、この日は途中で放り出してふて寝してしまったのである。だが、ふて寝をしたからといって、何も解決するわけでなく、結局金曜日は仕事を休んで1日中荷造りするはめとなったのであった。その甲斐があって深夜には90パーセントの荷造りが終わり、残りは土曜の朝に大急ぎで詰めたらいいか、と安心して寝た。(おっとはこの間、手伝いもせずにTVを観ていたが、翌日の重労働を考えると、何も言えなかった優しい妻である。)引越しにはおっとの同僚2人が2台のワゴン車で来てくれる手はずとなっている。おっとのと併せて3台。2人暮らしのたいした家具もないわたしたちには充分すぎるほどだ。わたし「何時にあんたの同僚たちが来るの?」おっと「9時半。だから8時半にスクーターを修理屋に持って行ってワゴン車なしで来るガットを迎えに行って来る。」わたし「ちょ、ちょっと待って? スクーターって。。。あんた、木曜にホセと修理屋に持っていったんじゃないの?」おっと「木曜日にBARのおやじのところにスクーターを取りに行ったら、おやじがいなかったんだよ。で、金曜日取りに行って、修理屋に行ったらもう閉まってたんだ。」あんた。。。だから言ったでしょうが!! さっさと行動しないから引越し当日までバタバタしなきゃいけないんだよ!!!!!いよいよ引越し当日、土曜の朝。わたしは8時に起きて着替えはじめる。おっとはまだ起きない。わたし「あんた!!8時半にスクーター持っていくんだったら、もう起きなきゃダメじゃないの!?」おっと「うう~ん、大丈夫だよ。スクーターを9時までに持って行ってその足でガットを迎えに行って帰ってきたら9時半だ。」わたし「あんたのルーズな友達と、動きののろいイタリアの修理屋が30分で済ませられるわけがないでしょうが!?とっとと出て行け~~!!」と朝っぱらからわめいていると、インターフォンが鳴った。エルトンだった。そう、おっとは9時半と言いながら実は同僚たちの遅れを見込んで8時半に集合にしたのであった。ピエトロやガットならともかく神経質なエルトンが遅れるはずがない。おっとは慌てて着替えて階下に下りていったのであった。(←あほ)そこからわたしはため息をついて残りのこの日の朝使ったタオルや歯磨き粉を詰め始める。しばらくするとやっとおっとが同僚たちとドヤドヤやってきた。あれよあれよとまたたくまに段ボールを持ち出していく。わたしは慌てて部屋の掃除をはじめた。この旧我が家は家具付きなのだが、同僚たちはそれらもどんどん運んでいく。わたし「待って!それは大家のものよ!!持ち出しちゃダメ!!!」同僚たち「この家、売りに出したんだろ?どうせ大家はこんな古い家具に興味はもうないって。全部持っていきな!」だめだよう!!!わたしの必死の抵抗もむなしく、取り外せないキッチンとつくりつけの棚を除いてベランダの大きな木のベンチから小さな花瓶台に至るまで全部彼らは運び出したのである。そしてあれよあれよと息をつくひまもなく新居に到着、あっという間に玄関脇に荷物を全部ドカドカと置き終わると、同僚のひとりがわたしがちょっとまえサルデーニャの某有名なワイン酒蔵のボンボンにもらって大事に取って置いた赤ワインのケースを見つけてしまったのである。同僚「おお!こいつはいい。これで乾杯しようぜ!!」きゃ~!!それは取って置きの来客用に取って置いたのよ~~~。わたしの必死の願いもむなしく、彼らは器用にナイフでコルク栓を開け、「マルちゃんくんの素晴らしい前途にかんぱ~い!!(なんでわたしの名前が入ってないんだよ?)」と6本あったうちの4本をコップにもつがず、がぶのみ!!であっという間に飲み干した。あんたら、これはビールじゃないのよ、高価なワインなのよ!?ボトルから直接でもいいから、せめてくゆらして味わって飲んでよ~~~!!しかしそんな願いもむなしく、やつらは残りの2本も奪い合うように持って帰ってしまったのである。こうして残ったのは玄関前の段ボールの山とワインの空き瓶。あああ、さっさと家の中にこれらを運び込まないと。。。しかしおっとは同僚たちが帰っていくと家の中に入り「昨日、エルトンの友達にはめてもらった(←性懲りもなくエルトン関係者を雇うやつ)下駄が気に入らないんだよね~。」と雑だがすでに作業の終わっている下駄をメリメリとはがしていくではないか!?わたし「ちょっと!そんなことする前にこの荷物、どうにかしないと!!」おっと「荷物を入れてからじゃこんなこと出来なくなるだろ?先に済ませなきゃ。。。」わたし「まだ、なんの家具もついてないんだから、あとからでも出来るだろうがっ!!!!」こうしてわたしはおっとをせっつき、とにかく家の床を慌てて掃除して、荷物だけはなんとか運び入れたのであった。ふう。まだまだ書かなければならないことがいっぱいあるのだが:今日は「やっと引越しが終わりました。」と書こうとして、実は終わっていないことのご報告。。。。泣(つづく)PS.saicuccioさん、決して無事なフィナーレでは今のところ、ないです。。。(予想済み??)
2005.05.30
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またもや、お久しぶりです!留守の間、いろいろな励ましのコメントや、メールをいただいてありがとうございました!!出来るだけ日記を書く時間をつくれるようにしたいと思います。***うちの電話はイタリアでは誰でも聞いたことのあるFASTWEBである。2ヶ月前に契約解約の申し込みをしなければならなかったので「5月末日まで」と申請したのに、先週の金曜に電話線を切られてしまったらしい。(最初は訳がわからなくて、買って1年しか経ってない電話機が壊れたと思ってバシバシ叩いたり、投げつけたりしてたら、ジリリリリリリリ。。。という音が止まらなくなって、本当に壊れてしまったようだ。。。。汗)先週土曜日はおっとが新居をいじりに行き、わたしはちょっとの衣類を残して最後の荷造りをしようとしていたらまたたくまに段ボールが足りなくなり、作業を中断せざる終えなくなった。ちなみに新居は階段も、窓の壁の壊れも、結局は親方の責任だった水漏れも、そのずいぶん前に調整してあるはずのガス漏れも、なんにも進んでいなくて、わたしは親方の言葉を信じて再び呼びつけたボイラー会社と、ずいぶん前に「すぐに修理しときます。」と言った兄弟の言葉を信じたガス会社のおっちゃんたちからお叱りを受けたのである。昨日、日曜日は洗面所の鏡やらシャワーのチューブやら、郵便箱を買いに行って取り付けるだけで1日が終わった。最近交流が増えた、最初はパンクに見えた階下のファミリーも、実は夫婦揃って丸刈りなだけで、フレンドリーなファミリーだ。昨日は彼らが入居してからはじめて家の中を見せてもらった。家具が入るだけですっかり「箱」から「家」になるので不思議だ。うちも早くそうなって欲しいが:キッチンは5月末納品、ということだったのに、未だ連絡がなし。寝具は6月はじめ、と言われたがまったくアテに出来ない。階下の家は天井の高いところに窓がある。手が届かないので開閉を電動にしたというのに、取り付けられた窓は手動。。。しかも横には電動である証拠の配線が渦を巻いてぶら下がっている。窓業者は取り付ける前にコレを見て、疑問を感じなかったんだろうか?そして風呂場にはコンセントがあるべきところにでかい穴が開いてそのままになっている。奥さんは非常に怒っていて「月曜日、建築士に電話して、生返事されるようなら弁護士を呼んでやる!!」と言っていた。(ちなみに3歳になるここの子供もママと一緒に「べんごしをよんでやる!」と何度も叫んでいた。ちなみにわたしたちは今週末引越し予定。それまでにキッチンが届かなかったら、電子レンジで熱湯を沸かしてカップラーメン生活だな。あ、炊飯器も使えるからラーメンライスか。。。。。寝具は届くまで日本家屋のように、床にマットをじかに引いて寝るとして、きっと階段も今週中に出来るなんて思えない。唯一鍵のかかる4畳半ほどの小部屋に全部、荷物もマットも詰め込んでしばらく生活しなきゃダメだろうから地震が来て、荷物の下敷きにならないことを祈ろう。おっとがスクーターの保険代を払ってくれないし、さっさと修理にも出してくれないから(バッテリーがあがりかけ)いつまでたっても運転が出来ないよ(怒)!→通勤どうするのさっ!?今から波乱が予想される引越し。覚悟を決めつつあります。(何の?)
2005.05.23
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今朝は例の階段バトルに行く前にミラノの銀行とすでに通いなれてしまった病院に行って来たのだが、小さな発見をしてウキウキしている。ミラノのひとにしかわからない地元ネタだが、我が社は地下鉄ジョイア駅とポルタガリバルディ駅のちょっとジョイア駅寄り中間にあり、今まではジョイア駅から通勤していた。官公庁しか立ち並んでない無機質なジョイア駅は、以前、何回も日記で書いたようにどこからともなくジプシーに攻撃されるし、毎朝階段を上がるたびに「また今日も仕事だよ。。。」とうんざりしていたのだが、我が田舎からの国鉄が到着するポルタガリバルディ駅はちょっと違う。我々の銀行も、通いなれた病院にもほんの2,3駅トラムで乗り込つぐだけで便利。最近移転した「日本屋」もポルタガリバルディ駅近くだし、日本からミラノに来るおしゃれな観光客に人気のスポット「コルソコモ」も駅前なので、会社の帰りにおしゃれなカフェでおコーヒーしたり(こっちではあまりお茶を飲まない)、ショッピングが楽しめる。しかも会社までの通り道には毎火曜日大きな市場が立つので、朝、出勤ついでに食料も買える。ああ、うれしいな!***さて、こうしてミラノで用事を済ませたわたしはここから国鉄に乗り、我が新居に向った。おっとと新居の駅前で待ち合わせ、固く握手を交わす。おっと「頑張ろうね!」わたし「何があってもぜったい階段を交換させるのよ!」おっと「いろいろ言われるだろうなあ。」わたし「親方が切れて怒鳴る、ってのは予想済みよ。でもあんた、これでびびって絶対引かないでよっ!?」おっと「。。。なるべく頑張る。」(←頼りない)新居に着くと鍵は開いて、窓も開放されていたが誰もいなかった。大方親方たちが先に着いてコーヒーを飲みにいったんだろう。家中の欠陥箇所をひとつひとつ確かめていると、親方がひとりでおずおずと姿を現した。「なんだ?建築士はまだなのかい?」わかりやすい男である。緊張しているのがひと目でわかった。この時点でわたしは猫、おっとは猫蚤、親方はねずみ、の情勢となったのを感じた。ねずみ男親方は、それでも肩を張り、「あ~、どこだね?家の欠陥箇所は?」とまったく何も知らされてない振りをして威張ってみせる。ここで建築士もアンドレアもまだ到着してないのにバトルに持ち込みたくなかったわたしたちは、まずはボイラーの水漏れを見せる。ねずみ男親方「こりゃあ、おれたちの責任じゃねえよ!ボイラー会社に文句を言いな!!」ううう、これは判断がつきにくいセリフである。ボイラー業者は先週土曜日、機械部分だけ操作して去っていき、わたしたちがその後試験運転して、管から水漏れがしているのを発覚したのである。ボイラーのガス漏れもガス業者に「配管工の配管ミス」と言われたので、水漏れもそうだと思ったのだが、素人ではわからない。とりあえず、日を改めてボイラー業者に再度問い合わせをする、ということになった。次に窓部分の壁の損壊部を見せる。親方はそれを見て、頭を抱えて叫んだ。「まったくもうっ!窓屋はいったいどういう仕事をしやがるんだ!?せっかくきれいにした壁をこんなに壊しやがって!!」おっと「で、でも窓屋は壁がちゃんとしてないからって。。。。」(←すでにびびっている。)親方「こういう壁にはな、◎号のドリルで穴を開けなきゃいけねえんだよ、それをそれよりでかい▲号ドリルで穴を開けやがったからこういうことになったんだ!!」わたし「。。。。そんなことはわたしたちにはどうでもいいです、ちゃんと仕上げてさえくれれば。」わたしのこの冷ややかな口調に熱い親方はちょっと引いたようである。親方「。。。で、他の問題は?」まだ、他のメンツが誰も揃っていない。だが、しかたがないので階段を見せた。これは親方やっぱり覚悟していたようである。しかし、予想していた風雲はなく、いかにも「自分を抑えてるぞ~!」というのがヒシヒシと伝わってくる口調で「あんたら見てないからわからないと思うけどな、ビデオにはこういう風につけるようになってたんだよ。なんなら、そのビデオ、もうわしらには必要がないからあげるから、家で観るといい。」わたし「是非、そのビデオ下さい。さっそく今夜観てみます。」親方「。。。それが、絶対あると思うんだが、どこに行ったか見つからないのよ。見つけ次第やるよ。」うそつき。証拠を隠滅したのは予想済みである。やっと建築士だけが来た。「今日はアンドレアと階段業者、来れないってさ。」彼のいつものポーカーフェイスの顔から少しだけ狼狽が見えた。やつら、気まずいから逃げたな。わたしは最初に送ってきたここでも公開した写真と、プリントアウトした階段のメーカーのサイトの写真と組み立て方のページを見せた。わたし「ここには手すりのポールが全部、ステップの下で打ち付けるようになってますよね?これにわたしはOKしたんです。」親方「奥さん、今から階段をやりなおすっていったら、取り寄せと工事の日数がどれだけかかるか知ってるかい?うちの兄弟たちはもう他の仕事で手一杯なんだ。こんなことに時間はさけないよ。」わたし「最初からちゃんとやってくれていたら、そんなことに時間をさく必要もなかったですよね?」親方は気まずそうに口をつぐむ。建築士「ほら、親方のやりかた、案外間違えてないよ?ぼくが持ってる同じメーカの別の階段は上下につけるようになっている。」とカタログを出してきた。わたしはパラパラとめくって「別の階段はそうかもしれませんけど、この階段は違うでしょ!?あんたらにはちょっとの間違いで済むかも知れないけど、わたしたちはずっとここに住むのよ!?それにこれ、掃除する身にもなってよ!?ビスが上に付いていた日にはいちいち掃除が大変なのよっ!? あんたたち、外で仕事だけして家ではなにもしない男たちにはわからないのよ~~~っ!!!!」とカタログを建築士に叩き返したのであった。ふ~ふ~ふ~。おっとを含め、3人の男たちはすっかり縮み上がってしまったのである。親方「じゃあ、そうだな階段業者に全部ステップを換えるように言っとくれよ。。」とつぶやくように建築士を見る。建築士「あの階段業者、せっついてるのにもう2週間も代わりの階段持ってこないんだ。そうだ!いっそ、◎◎(木材業者らしい)のところに頼んだら?」親方「ああ、そりゃあいいや。やつのところなら3,4日でつくってくれるわ。しかもこんな角材の組み合わせじゃなくて、1枚板で。そうするか。」ここからは訳がわからないうちに別のところで代用品を作ることが決まったのである。どこのでもいい、ちゃんとした階段に仕上げてさえくれれば。しかし、ここで手放しで喜んではいけない。別のところでつくる、ということはまったく別のものを勘違いして作ってくる可能性も大いにあるのだ!?とりあえず、今日のところは1:0でわたしたちの勝利となったが、まだまだ油断は出来ない。Ps.どうでもいいけど、ワードがなんか変。開かないよ~。(今日は日本語で保存の出来ないメモパッドでしのいだ。)明日から日記が書けなくなるかも?
2005.05.12
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今朝、月曜の朝から嫌だったけど、頭の中の怒り度をUPさせて、バカンスから帰ってきたばかりのアンドレア(不動産屋)にさっそく階段のことに着いて電話した。アンドレア「昨日の夜、帰ってきたばかりだから、どういう状況か飲み込めないよ。とりあえず建築士と話すね。」と電話を切られた。怒りモードを持続させながら待つ、いや仕事するのはつらい。早く解決したいぞ!!―――わたしはこの週末はもう身体も精神も疲れ果てて休みたかった。わたしたちは4月から毎週末重労働をしている。わたしはときどき上手に家に残って楽な仕事もしていたが、基本的に働き詰めである。わたし「いいかげん、終わりも見えてきたし、この辺で休もうよ?じゃないとこの先動けなくなるよ。」おっと「わかった、じゃあ土曜日の午前中、外廊の壁とフェンスだけペンキを塗って終わりにしよう。」と軽く返事した。わたしとしては、この2日丸々休みたかったのだが、この日朝の8時から12時の間にボイラー業者とボイラーのインストールのアポを取ってしまったので(電話したとき、テレフォンオペレーターのお姉さんに「土曜日はわたしたち、働きたくないんで別の日にして下さい。」とふざけたことを言われたが。)、それのためにも行かなければならない。新居に8時に着いて、来るかどうかすら心配だったボイラー業者も8時半に来てくれたのでわたしの中の用事は済んだ。(ボイラーはまたもや親方の配管ミスで水漏れが発覚したけど。。。怒)おっとはこのあと外窓の防犯フェンスをはずし、「ペンキを塗る前にやすりをかけないと。」と家の中に持ち込んで朝っぱらから電動ドリルにやすりをつけてガガガガガと騒音を立て始めるではないか!?家中がたちまち古いペンキの粉で灰緑の膜に覆われた。わたしは慌てて防塵マスクをつける。あああ。。。ここに来る前はいとも簡単な作業のように言っといて、大工事だよ!!いやいやおっとの介助をしているとエルトンと、エルトンのいとこがやってきた。エルトン「すごいこと、してるな。」わたしはなんだか気まずくてエルトンのいとことは顔を合わせられなかったのだが、エルトンが「今日はキッチンを終わりにしたいからいとこに来てもらったんだ。」と言ったのでちょっと救われた。少ししゃべっていると窓と扉を取り付けた業者が来たのである。(みんな土曜日も朝早くから働くのね。)業者に気を取られていると、電動ドリルはエルトンからの借り物だったので、彼がさっさと持って帰ってしまったのであった。業者「この間、窓の最終取り付けに来たんですけどね。。。」と窓のところに我々を連れて行って、窓枠の外側の壁を見せる。業者「古い壁に薄くセメントが塗られてるだけだったから、金具をつけようとドリルで穴を開けたら壁が壊れたんですよ!! これじゃ、最後の取り付けが出来ない。親方に言って、強化してもらってくださいよ。」あああああ、いったい幾つ問題が発生したら気が済むんだよ~~~。(もうOHHH,NOOO!と叫ぶ気力もない。)とにかくこの日はどうしようも出来ない。そして、我々の仕事も電動ドリルなしでは仕事が出来ない。わたし「ね?今日は働いちゃいけないって、暗示が出たんだよ。家にかえろ。。。」おっと「ちょっとでも前に進めたいんだ。電動ドリル、買いに行こう。フェンス用のペンキも買わなきゃならないし。」ああああああああ、どうしてそうなるんだよ~~~~~~?!結局わたしたちは電動ドリルを買いに行き、そのあと休憩もなくぶっ続けで20時まで働いた。おかげでフェンスはきれいに塗れた。家の中じゅうに張り巡らせていたペンキ汚れ防止のビニールも全部取り去って、レンガやコンクリート片をほうきで掃くと、ちょっとは家らしくなったのである。次の日、日曜日も「今日は家の中の掃除だけね。」というおっとの言葉を信じて連れて行かれると地獄の外廊の大理石の大掃除が待っていた。130年もの汚れ、洗剤だけでは取り去れない。やすりと金属のパレットでガシガシ手が痙攣するまで磨いていたらあっというまにこの日も休憩なく夜になった。も、もうこれ以上、家のことを続けていたら身体が持たない。。。。まるで馬車馬をこき使う、馬車馬のようなおっとなのである。
2005.05.09
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一晩経って、少し落ち着いたが、わたしの今の気持ちをサイヤ人の悟空さんに替わって表現してもらうならこう、だろう。月曜日、おっとは親方に、わたしは建築士にさっそく電話した。そして火曜日、つまり昨日の朝、おっととこの2人で階段を見る事になったのだった。わたしはハラハラしながら会社で午前が過ぎるのを待った。昼休みになったとたんに急いでおっとに電話したのである。電話をかけたときは、わたしはいつものBARへと同僚たちと歩いていた。わたし「どうなった?」おっと「うん。。。このまま行くことにした。」わたし「ハ? どういうこと??」おっと「説明書も写真も、ポールはステップの下で留めるようになってるんだけどね、親方がいうには付け方のビデオが付いていて、彼らはそれを見たらしいんだよ。それにはステップの上に付くようになってたんだって。」わたし「。。。あんたと建築士、それを見たわけ?」おっと「ううん、見てないけど、返品は出来ないんだって。だからこれでも悪くないからこのまま行こうって。。。。。」わたしがこのあと噴火したのはちょうどBARの前に着いた時だ。わたし「あんた、何考えてるのよ!! 日曜日にわたしが言ったとおり、まんまとやつらの思う壺にはまってるじゃないのっ!!わたし、あいつらは絶対ビデオなんか見てないと思うし、ビデオも説明書どおりで当然でしょ!!!やつらには100件ある家のうちのたかが1件の家かもしれないけれど、わたしたちはこれからずっと住むのよ?!返品交換させて当然でしょ~~!!!」売り言葉に買い言葉である。おっと「きみはのうのうと会社でぼくが話すのを待っていただけだからいいよっ! ぼくは喧嘩は嫌なんだ。もう、家もほとんど出来上がって早く引っ越したいのに、この時点で揉めたくないんだよ!!」わたし「今、揉めなきゃ、あんた一生後悔することになるのよ!!」おっと「そんなに言うんだったら、きみが奴らと揉めてくれっ!ぼくはもう嫌だ~~!!!!」ガチャンッと電話を切られてしまった。わたしはフ~フ~息をついて我に返った。ウエーターのお兄ちゃんが「大丈夫?」と通り過ぎた。同僚たちはすでに席に着いてわたしを心配そうに見ていた。ラケーレ「。。。いくきーとがこんなに切れるの、はじめて見たよ。」そうなのである。この日記ではしょっちゅう切れているわたしも会社ではおとなしい、いい子ちゃんなのである。うっかり同僚の前で切れてしまったことに普段なら真っ赤になってうつむくところだが、まだ、わたしの中では業火がごうごうと燃えていたのである!何を食べたか覚えてないぐらい、わたしはBARにいる間、建築士に言う言葉を考えていた。昼休みが終わって会社に戻るなり、わたしはさっそく建築士に電話をした。わたし「今、おっとから一部始終を聞きました。」建築士「そうですか。マルちゃんさんはステップの上のビスをはずして下につけ直したかったようですが、そうなると穴が残ってしまうのでわたしが止めたんですよ。」わたし「。。。ステップはどうしても交換できないんですか?」建築士「今更出来ないですよ~。ただ、階段のキッドが届いたときに1つのステップが割れていたのでそれは交換に出してますのでご心配なく。」わたし「。。。わたしが言いたいことと、お宅がおっしゃってることはずれているようです。あなたもご覧になったとおり、ポールの付け方が完璧に間違えてますよね?わたしは当然の責任でお宅がステップ全てを交換するものだと思ってるんですが。」建築士「わたしは見てないんですけど、親方にはビデオではこのつけ方で合っていた、と聞きました。ですから、今から交換、となるとお高くつきますよ。」わたし「あなた!何言ってるんですか!!?? あなたがたが送ってきた写真と取り付け説明書の図が下につけるようになっているのに、ビデオだけが違うはずないでしょ!!??今は2階にフローリングを張っている最中だから上にあがれないんで、あなたがたは見れなかったかもしれませんけど、2階から見下ろしたら不細工もいいところです!これはお宅の責任で、全部交換すべきです!!」建築士は初めて聞くわたしの怒った声にちょっとびびったようであった。建築士「。。。わたしはなんとも言えません。そのうち階段業者が不良品の交換に来ますので、そのときに話し合うってことで。。。」そりゃあそうだ。建築士はお金を管理していない。へたな返事は出来ないよな。しかし。わたし「言いたくありませんでしたが、あなたたちが今までよい仕事をしているとばかり思っていたから、信用して工事が終わる前に最後の5000ユーロを支払ったんですよ?それの報復がこれとはひどすぎやしませんか?!」建築士「何事もなく終わる予定だったんですよ。と、とにかく待ちましょう。」わたし「ええ、待ちますよ、来週にはアンドレア(不動産屋)も帰ってくるんですよね?わたし、是非彼と話さなければなりません!」とにかく待たなければならない、ということで電話が終わった。ああ、でもしまった。このエネルギーはまるまる不動産屋にぶつけたかったのに、小出しにしちゃったよ。と後悔しつつ、帰宅すると、そのあとすぐに帰ってきたおっと「あの後、電話したの?」と聞いてきた。わたしは一部始終をリピートして話す。おっと「きみ。。。まったく強いよ。よくやったと思う。ぼくはその半分のきん◎まも持ってないや。」そう、わたしはおっとの2倍のきん◎まの持ち主だったのである。(ちなみにわたしはれっきとしたオンナだ。。。。たぶん?)
2005.05.04
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昨夜、帰宅するとうれしいものが届いてました。楽天のおりきさんの30000番キリ番記念のハンカチ。おりきさん、ありがと~~~~~~~~~っ!!!!!!!!!!!!!この猫がいい味出してる。なんて書いてあるんだろう?すごく感激してます。だって。。。どういったらいいのか?楽天のお友達って、今までイタリアと日本だし、PCのHP上の活字でのお付き合いだけでは、なんだかバーチャルな感覚がぬぐえなかったんです。それが、このハンカチと直筆手描きのオリキちゃんのイラスト入りの温かい文章の書かれたムーミンの絵はがきが入った封筒が届いた日には、なんかとっても「ああ、現実の友達なんだなあ。」という実感が沸きました。これ、使うのもったいないんで、引っ越したら額に入れて飾ることに決めました。そういえば、去年の夏のおっと連れ帰省には lovelinさんには遭えたけど、超過密スケジュールだったんで aya085さんや、飛鳥山まさひこさんとは電話のみで残念だった。今度はいつになるかわからないけど、日本帰省の折には出来るだけたくさんの楽天のお友達に遭えたらいいな、としみじみ思いました。****先週土曜日は午前中にバタバタと所用を済ませた後、午後からおっととエルトンのいとこが壁塗りと屋根の梁の掃除にでかけた。おっとは珍しく「今日はきみが来てもすることないしね。。。」と1人で出て行ったのである。夜。家に帰ってきたおっとは元気がなかった。「今日、ゴミの中から階段の取り付け説明書を見つけたんだ。そしたら、やっぱり違ってたよ。。。」やっぱり。わかっていたけどショックである。しかしわたしはこの目で確かめるために日曜日に壁塗りにおっとに同行したのだった。そして重ねて気分が悪かったことがある。ずっとわたしはおっとに「うちはお金がないんだから、エルトンのいとこにこれ以上、払い続けられないよ。」と言っているのに「わかった、明日から断るよ。」と言い続けて、この日も迎えに行っているのだ。おっと「屋根の梁がおそろしく汚いんだよ。これの掃除を今日中に終わらせてもらって、これで本当の終わりだ。」わたし「家の中の梁は全部、新しく替えてもらったから外のが汚くても別に問題ないじゃない!?」おっと「今のうちにきれいにして、保護用のペンキを塗っとかないと、痛みが早くなるんだよ。それに今日はもう約束しちゃったし。」。。。そんなの引っ越してからでもわたしたちだけでやれるじゃないか?それにうちぐらいなものだ、外側の屋根の梁まできれいに掃除してるの。。。。エルトンのいとこは高くないけど、もう1週間以上毎日来るので、その額は結構なものである。彼は無職な上、ブラジルに仕送りをしなくてはいけないから家の中のやることをあれこれと提案してきて必死なのである。そして全部「ああ、そうだね。OK,じゃあやってよ。」と承諾してしまうおっと。わかるけど、わたしたちもまだまだ買い揃えなければいけないものがいっぱいあって、おっとのいろいろな支払いもこの時期まとめてかぶってくるのに、この余計な出費はそうとう痛い。だから嫌なんだよ、友達関係者をお金で雇うの。。。この日もご機嫌でエルトンのいとこはやってきた。「今日、屋根の梁の掃除をスマセマショウ。明日ハペンキヌリマス。」わたしは苦笑いしておっとを睨み付ける。おっとは無言で家に入った。さっそく階段のところに行って取り付け説明書をひろげるおっと。以前メールで送ってきた階段はこう。取り付け説明書にも同じ図が描かれている。ポールがステップの木の下で留められている。しかし、目の前にあるのは木の上で留められていて、2階から見下ろすと全部のビスが見えて不細工なのだ!!おっと「さて、どうする?ビスを付け直して、ビスで開いた穴を漆喰で埋めて同色のペンキを塗る?」OOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!わたし「何寝ぼけたこと言ってるのよ?! これは全部返品だよ!!?? 何もわたしたちのせいじゃないじゃない!!!!」おっと「ぼくは最悪の事態のことを言ったまでで。。」わたし「そんな妥協の気持ちがあったら、あいつらずるいから付けこまれるわよ! くっそー、不動産屋、バカンスに行っちゃったからすぐにクレームつけられないじゃない!!」おっと「とにかく月曜に親方に言うよ。君は建築士に言ってよ。」しかしこれ以上、話を続けていてもムダなので、ムカムカしながらも外壁塗りを開始したのだった。新居のいいところは風通しがいいこと。そして日当たりがいいこと。近くで鳴く小鳥や、動物の声を聞きながら気持ちよく仕事をはじめる。しかし、いい風に吹かれてカンカン照りの下で働いているとクラクラしてきた。わたしはアングル塗りを終えるか終えないうちに日陰で伸びてしまったのだった。やがてエルトンと奥さんが教会を終えてやってきた。「調子はどうだい?」と家の中に入る。わたしは2人に階段と取り付け説明書を見せた。2人は呆れて取り付け説明書と階段を見比べながら「まったく。。。よかったよ。まだ5000ユーロ払ってなくてさ。じゃなかったら、このまま放って置かれているところだ。」としみじみわたしを見つめた。わたし「それがさ、きのう不動産屋がバカンスに行くっていうから払っちゃったんだよね。。。。」エルトン「ええええええええええっ!!!???? お前らバカすぎるゥ!!!!!」(麻衣ちゃんの旦那さんそっくりな言い方。)はっきり言うなよ、こんなにはっきり。ええ、ええ。うちらバカですよ。不動産屋はお金を持って長期バカンスにトンズラ。親方と建築士に話したところで総元締めがいないんじゃ、返品も簡単に決められそうにない。不動産屋が帰ってきて、それから返品交換して、それからそれからまたつけなおして。。。いったい何日かかるんだ??わたしは更にエルトンたちの言葉でどん底に突き落とされ、打ちひしがれたのであった。(おっとはその間無言で壁塗りに専念していた。)エルトンの奥さん「でも、でも、階段以外はステキよね?」ありがとう、あんまりフォローになってないけど。。。そのうちエルトンのいとこが埃まみれになって屋根裏から降りてきたのでみんなで外廊に出た。柵にもたれて喋ってると「いよう!そこの?! あんた、ベルルスコの家のひとかい?」と金曜日のパンクのお兄ちゃんがいつの間にか外に出てわたしたちを見上げている。エルトン「ああ!あんた、本契約のときの元我が家の持ち主!!」世間は狭いものである。このパンクのお兄ちゃんはエルトンに家を売って、階下の家を買ったのであった。彼はこの日、家族親族総出で家の壁塗りと工事に来ていたのだ。同じくパンクな奥さんと全体的に背が低い小太りなファミリー全員をこの日、一度に紹介してもらったのだった。彼はこうして住んでた家を売ってしまったので入居を急いでいた。中は見せてもらえなかったが、もう家具も運び入れたそうである。パンク「もう本契約も終わったってのに、家の中をまだ工事してやがるんだ。これじゃ、住めねえよ。不動産屋に月曜日電話して文句言わないと。。。」わたし「不動産屋、バカンスに行っちゃったよ。今週いっぱいは帰ってこないみたい。」パンク「なんだって~~!!あいつ、金だけ巻き上げて逃げやがった!!!」と地団太を踏んだ。。。。。みんな、言うことは同じなのね。涙このあと風邪気味のエルトンは早々に帰っていき、わたしたちも、もといおっとも2日休日ぶっ続けに疲れたようで「もう、疲れた。今日はお開き。」と道具を片付け始めた。エルトンのいとこ「まだ、ワタシハ大丈夫です。」あなたが大丈夫でも、わたしたちの体力も懐も大丈夫じゃない。(ちなみに彼は時給制である。)エルトンのいとこ「明日はペンキヌリマス。」おっと「。。。。。それは来週の土曜日にしよう。」ええええ。。。ど~して、「今日であんたは終わり」って言えないのよ? もうこれ以上、払えないよ!!しかし、これでどうやらいとこは終わりが近づいたことを察知したらしい。帰りのクルマの中で「来週のペンキ塗りが終わったら、引越しテツダウ。」おっと「うちら、家具を何も持ってないから荷物が少ないんだ。大丈夫。」いとこ「じゃ、家具が届いたら組み立てテツダウ。」わたし「それはエルトンの家と違って、全部業者がやってくれるから大丈夫。」いとこ「。。。わたし、仕事ナイね。ブラジルには病気の娘がイル。」わたしとおっと「。。。。。」気の毒だけど、これ以上続けたら、わたしたちもその日、食べるお金にも困ることになるのだ。今までだけの仕事で勘弁して。こうして日曜日はなんだか気まずい気持ちで終わったのだった。
2005.05.03
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今、わたしたちの第一重要事項は何においても新居である。前回の日記の通り、ガス会社が先週金曜の朝に来るというので、迷わず1日有給を取った。本来ならば、新居の隣町で働いているおっとが新居で待つところなのだが、指定してきた時間は「8時半から11時半の間に伺います。」。。。ってアバウトすぎる。これでは自営業で走り回っているおっとは待つことが出来ない。しかもここはイタリアだ。もしかしたら午前中にガス会社は来ないかもしれない。というわけで、念には念を入れての1日有給となったのである。この日は曇り空だった。つい10日前まで雨続きでセーターが脱げないぐらい肌寒かったのに、長袖シャツに皮のジャケットをはおっていったわたしは、駅から新居までの道ですぐに汗だくになり、上着を脱ぐ。はじめての駅からの徒歩である。バスも走っているのだが、ミラノでは見かけない青いバスで(ミラノのバスはオレンジ色)、切符の買い方も乗り方もわからないので、今回は見送った。駅から徒歩15分。まわりは閑静な山の手の住宅街である。よく見りゃ実家の周りの風景とあんまりかわらないな。知らず知らずに育った環境に似たところを選んだか。新居まであともうちょっと、というところで「ENEL」と書かれたワゴン車がわたしを見ながら通り過ぎた。もしかして我が家の?腕時計を見た。8時35分。こんなに早く??慌てて走った。角を曲がった我が家の前にはさっきのワゴン車が留まっていて荷物を出していた。ああ、やっぱりうちのだ!ENEL「いくきーとさんですか?」わたし「はい、そうです。いや驚きました。こんなに時間ぴったりに来て下さるとは。。。」と1日まるまる貴重な有給を使ってしまったことに後悔する。ENEL「? ENEL電気です。メーターをつけに来ました。」ああ、違った。ガスじゃなくて電気だよ。しかしこっちは5月12日まで、という更にアバウトな返事だったのにガスと同じ日に来てくれるのは好都合である。鍵を持って外の階段をあがるともう兄弟のひとりが来ていて中の階段をつけていた。小さな写真のみではあまりよくわからなかった階段もこうやってみると悪くない。このあと、フローリングの床業者や他の兄弟たちが来て家の中がバタバタしだしたのでわたしは邪魔にならないように洗面所に逃げ込む。この日は親方はいなかった。暇つぶしの材料はちゃんと揃えてきた。メジャー、IKEAのカタログ、スケッチブック。わたしはさっそくメジャーで洗面所の隅々まで測って、IKEAの家具選びと完成予想図を描き始める。しばらく無心で描いていると、誰かが「ガス業者が来たよ~。」と教えてくれたので急いで外に出た。外にはメーター箱の前にむっつりとしたひとりのおっさんが立っていた。おっさん「いくきーとさんですか?」わたし「はい、そうです。」おっさん「。。。書類を。」言葉数の異様に少ないおっさんである。わたしは不動産屋に渡された、電気ガス系のいっさいがっさいの書類をまとめたファイルを取り出した。わたし「わたし、どれがどれだかよくわからないんで、この中から取ってください。」おっさんは無言で数枚の書類を選んで取り出す。おっさん「。。。これで全部ですか?」わたし「はい、全部のはずですが?」おっさん「では今日はメーターがつけられません。」わたし「げえええ!? どうしてですかっ!?」おっさん「配管責任者(うちの場合、親方)の資格証明書が足りません。」OOOOHHH,NOOOOO!わたしは慌てて親方に携帯から電話をして、おっさんに替わってもらう。親方とおっさんはしばらく話して、FAXで欠けた書類を直接ガス会社に送ってもらうことになった。やれやれ、ちょっとびびった。おっさんはそのあとまたもや無言でメーターを取り付けにかかった。小さな箱をあっという間に配管につないでガスが出るか点検する。おっさん「。。。今日はメーターがつけられません。」またもやっ?何事??おっさん「配管がなっていないのでどこかからガスが漏れています。これでは危険なのでおつけすることが出来ません。」OOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOO!!わたし「ちょっと待ってください。親方の弟子を呼んできます!!」わたしは慌てて階段をかけあがって、兄弟のひとり(マリアーノ)の袖を引っ張る。マリアーノは「いったい、何事?!」とわたしに着いて来た。おっさん「。。。。あなたは配管工?」マリアーノ「。。。の弟子です。」おっさんは事情を説明する。マリアーノはちっとも動揺もせず、家の中に入り、ボイラーまわりをスプレーのようなものを吹き付けて点検する。すぐにガス漏れ箇所が見つかった。マリアーノ「取り付けなおしておきます。」慣れている。。。。こういうことがしょっちゅうきっとあるに違いない。しかし、めちゃくちゃどきどきしたぞ!!おっさん「あなたの家はこれで完了です。階下の家の方は?」そう言ったとたん、工事業者のひとりのような体中ペンキで真っ白になった別のおっさんがどこからともなく出てきた。別のおっさん「ワシが息子の代わりに来ました。」てっきり何かの工事に来たおっさんだと思ったよ。あんぐりしてると「オレです。今着きました!」とステーションワゴンが我々に突っ込んできたのでわたしたちは慌てて逃げた。日本でいうならパンク?というような髪の逆立ったお兄ちゃんがステーションワゴンから降りてきた。この日、わたしははじめて階下の家の住人に出会ったのであった。恥ずかしがり屋のわたしは軽い会釈だけして慌てて自分の家に逃げ込む。(ちょっとこのお兄ちゃんがこわかったから、とも言う。)そしておっとに電話をした。おっと「ああ、ガスと電気、両方終わったんだ!そりゃ、よかった。ぼく、あと30分ぐらいでそっちに立ち寄れると思うんだけど。。。」時計を見ると10時半。あと30分ならまたお絵かきして待てるな。わたし「わかった、じゃあ待ってるよ。」と電話を切った。。。。。結局おっとが家に着いたのは、エルトンのいとこ同行で12時半であった。(いつものことだよ、何度だまされたら気が済むのやら!?)なんでもいとこがわたしたちから得た収入を病気の娘のためにさっそくブラジルに仕送りたかったのだが、どこでもうまくいかなくてこの時間になったそうである。他人が絡むときつく怒れないよな。。。怒りを抑えておっとに2つのメーターを見せて、まだマリアーノが取り付けている最中の階段も見せた。おっと「ああ!せっかく白く塗った壁が壊されている!!」しかたがないのか、わざとなのか? 階段が寄りかかる壁の一部が壊されて、階段の基礎が埋められていた。この部分は隣の部屋の壁まで打ち破り、そこの壁塗りをやったエルトンのいとこを「せっかくきれいに均一に塗ったのに。。。」とがっかりさせた。そこからしげしげと観察、おっと「。。。なんか、変じゃない?これで取り付け方合ってるの?」そう言われてみればそうである。階段の手すりの柵の鉄棒が長さが揃っていなくてギクシャクしてるし、手すりと木のステップ部分の取り付け方がなんか変だ?マリアーノ「合ってるよ。鉄棒の長さは後から調節するし、心配するな。」しかし、こいつらの「心配するな。」が実は一番心配なのである!おっと「。。。ちゃんと取り付け説明書どうりにやってる?見せてよ。」マリアーノ「そんなもん、なかったよ。大丈夫だから仕事の邪魔をしないでくれ!」こうなると、どうしようもない。おっとはエサを漁る野良犬のようにマリアーノのまわりをうろうろしばらくした後、「仕事に戻らなきゃ。」とこの日も壁塗りのエルトンのいとこを残してわたしと一緒に外に出たのだった。そして、この日の夕方。不動産屋「ぼくは今から1週間のバカンスに出かけるんだ。だからいいかげん残り5000ユーロ(わたしたちが何かあったときのために保険として未払いにしていた分)を払ってくれよ。」と、言ってきたのでおっとはひとりで出かけて行き、小切手にサインをしたのであった。(わたしはまだ早いって、反対したんだけどね。)これをあとからすご~~~~く後悔することになるとは知らずに。。。。
2005.05.02
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もとい、エルトンのいとこが屋根の修理を見ていてくれたのである。火曜日、すぐに親方に壁の状況をみせたところ、慌てて屋根にあがっていったそうだ。しかし、修理時間、約30分。これで、ちゃんと修理されたんだろうか。。。?汗ところで家の工事が終焉に近づくと、工事がずさんになってきてることは以前にも書いた。 実はわたしも同じ。これからがわたしたちが動かなければならないというのに、今まででエネルギーを消耗しきってしまい、だんだん家のことに対して億劫になってきたようである。 3連休最後の月曜日の朝は、いつもは土曜日の朝に行く恒例の1週間分の食料の買出しに、祝日そこしかあいていない、前日とは違う遠い郊外の大型スーパーに向った。朝9時半と、休みの日には早い時間に着いたというのに、広大な駐車場に入るためにどう短く見積もっても500m以上の長蛇の列である。それを並んでやっとひとつ駐車スペースを見つけ、クルマを停めて店内に入ると、朝の御堂筋線へ向う地下道並みのラッシュ。この光景にすっかり嫌気がさしたわたしたちは「明日、仕事のあとに近所のスーパーに買い物に行こう。」とあっさり店を出たのであった。このスーパー、今の家より新居の方がよっぽど近かったのだが、わたしはこの日、すっかり壁塗りの意欲を失っていて家に帰りたかった。だってこの日は前日塗り残した大きな面にロールを転がすぐらいなもので、おっととエルトンのいとこがいたら、充分だ。わたしは付いて行かないことに不満げなおっとを無理やり今の家に向わせ、わたし一人家に帰ったのだった。 前日から続いて天気が悪い。あ~あ、何もしたくない。でも。。。 ベッドに寝転がってしばらくTVを観る。それから段ボールを3箱ほどつくり、洗濯や掃除、ほとんど空の冷蔵庫をさぐって夕食を作っていたらあっという間に一日がたった。湯垢にまみれたバスタブを掃除し終わったときは、まるで大きな仕事をやり遂げた後の様な充実感に見舞われたのである。 これって、普通のことかもしれないけどここのところのわたしたちにしたら、快挙である。いつもいつもイヌおっとに必要なときも、そうじゃないときも週末は外に駆り出されてたもんな。 *** そして、この雨続きの魔の3連休が過ぎ、皮肉なことに仕事始めから太陽が顔を出した。 しかしわたしはあることでずっとブルーであった。というのは、火曜日から昨朝に至るまで気が狂いそうになるほど、電話とバトルしていたのである。 正確に言うと、「電話」とではない。「電気会社」と「ガス会社」である。用件はひとつ。開通のためのメーターの設置の日時のアポ。 まずは「ガス会社」。不動産屋から家の本契約のときに手渡されたこれらの書類に記載されていたナンバーに電話をする。すると録音された声で「ありがとうございます。ENELガス(会社名)です。メーターに関してのご質問には1を、請求書に関してのご質問には2を、故障などに関しましては3を、新契約に関しましては4を。。。。ほにゃららほにゃらら。。。押してください。」 4を押す。 「まったくの新契約に関しましては1を、顧客ナンバーをお持ちの方は2を押してください。」 2を押す。 「契約書に記載されている12桁の顧客ナンバーを押してください。」 ひとつひとつ確かめながら記載された顧客ナンバーを押す。 「あなたが押されたナンバーは11。。。。合っている場合は1を、間違っている場合は2を押してください。」 イライラしながら1を押す。 「ただ今オペレーターにおつなぎします。電話を切らないでそのままお待ちください。」 ちゃらららら~とひたすら音楽が流れる。手に汗をかきながらまだかまだかと待つ。待つこと7分(平均)。 「ただ今、オペレーターは混みあっております。しばらく後、もう一度お掛け直しください。ありがとうございました。ガチャン。ツーツーツー。。。」 OOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOO!!! ここまで手間をかけさせて、つながらないってか~~~っ??!! 信じられないかもしれないが、この繰り返しを火曜日から昨朝まで何度もしてやっとつながったのだ!!!なので、このオペレーターを絶対に逃すわけには行かなかった。 わたしは言葉を選んでゆっくり確かめるようにアポの申し込みをする。 オペレーター「えと。。。お名前をどうぞ。。。かちゃかちゃ(キーボードを叩く音)いくきーと様ですね?。。。かちゃかちゃ。そのような名前では登録がされておりません。」 わたし「そ、そんな!わたし、ちゃんと契約書にサインしてお金も払い込んだんです。無いわけがありません、もっとよく探してください!!」 オペレーター「それでは、ご住所と税務ナンバーをいただけますか?」 わたしは慌てて税務カードを出して住所と一緒に読み上げる。 オペレーター「かちゃかちゃ。税務ナンバーは見当たりませんねえ。。。かちゃかちゃ。住所は。。。ああ、ありました。しかし、ご登録者氏名はビットリア様となっております。」 ビットリアといえば、新居の元持ち主であり、不動産屋の妻の名前である。ど~~~~して不動産屋、それをこの契約書を渡すときに言ってくれないんだ?? 慌てて書類の山をデスクの上にぶちまけ、目を通すとビットリアという名前が記載された1枚の紙を見つけた。 所有者:いくきーと(でかい字)登録者:ビットリア(小さい字) 外国でしかもはじめてメーターの設置を申し込む可哀そうなニホンジンに、これの差を電話をする前に理解しろ、というのは酷ではないか?!まあいい、とにかく見つかったということでわたしは安堵した。 オペレーター「それではこのデーターをお宅の地域の職員に伝えておきますので、職員よりの電話があるまでお待ちください。」 わたし「ちょっと待ってください。それは、いつになるかわからないんですか?」 オペレーター「わかりません。職員の都合のいい日になります。」 わたしはこの電話の前に不動産屋に階下の家には今週金曜日(つまり今日)にメーターがつく、と言われていた。 わたし「同じ家の別の住人の家が金曜日にメーターをつけるんです。同じときにつけたほうがいいんじゃないですか?」 言ってみるものである。オペレータは再度かちゃかちゃしたあと「ああ、そうですね。別の家の方のデータが見つかりました。わかりました。同じ日につけるように手配しておきます。」 わたしはひゅ~っと冷や汗をぬぐって電話を切ったのである。 同時期に電気会社に電話する。同じようなことである。やっと電話がつながってデータを入れてもらうが、これには日時が決められず「5月12日までに伺いますから。」となんともアバウトなアポしか取れなかったのであった。 たかが電気とガスで長い道のり。。。これから起こりうる、未知のエトセトラを予感し、ブルーは拭い去れなかったのであった。
2005.04.29
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今書いてる内容に関係ないからさけてきたけど。。。。尼崎の事故、イタリアでも各新聞のTOPを飾りました!あのあとすぐにメルアドを知っている限りの友人、知人、親戚たちに無事確認のメールを出したんです。ほとんどの人から無事な知らせが届いてホッ。中には1時間前に同じ電車に乗っていた、という友人もいてハラハラしたけど。あれって確か、去年海からの帰りにおっとと乗ったと思うんだよね。。。?(おっとはびびりまくっていた。)お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。まだ、返事をくれてない人、カモ~ン!!早く無事を知らせてくれ!!****日曜日は朝から土砂降りだった。あ~あ、こんな日にまだ、電気もガスも通ってない家で壁塗り。。。。エルトンの家での憂鬱がよみがえる。もうすぐ5月だというのに肌寒かったこの日、わたしたちは思いつく限りの古着を着込んで出かけたのだった。エルトンのいとこは、この間エルトンの引越しで知り合ったばかり。友達とは呼べない。彼はブラジルから来てまだ2ヶ月目なのでイタリア語が出来ない。わたしたちは職探し中の無職の彼をお金を払って雇ったのだった。(というか、そういう状況の人にはそうせざるおえないでしょ?)なぜなら借りを返してもらえるはずのエルトンは日曜日なので信心深く1日教会にお篭りなのである。なので、約束の8時間みっちりエルトンのいとこに働いてもらうためには、日曜日にもかかわらず平日のように早起きするしかなかった。頼みのアドレアーノも娘をおばあちゃんの家に預けに行く、ということで我々が新居に着いたときに一瞬顔を出して、慣れた手つきでペンキを配合したあと家族で出て行ってしまった。フ。。。ラテン人の絆なんて、こんなもんだな。おっとはつくづくお人よしである。前日の午後、我が家はコンクリートをただ塗っただけの「処女壁」なので、おっとといとこで食器を洗うスポンジのようなやすりを使って、1階部分の壁を磨いたらしい。乾いて付着していただけの余分なセメントは簡単に削り落とされ、この日は家中がモウモウとした灰色の砂ぼこりに見舞われたそうである。(行かなくて良かった。。。ふう。)我々はまず3人で作りつけの暖房器具とボイラー、窓やドア枠を古新聞で覆うことから開始した。そしてエルトン家同様、白いペンキでわたしがアングルと下の面を小さな刷毛で塗っていくのを担当、おっとといとこで大きな壁面にゆっくりロールを転がし始める。以前の日記でエルトンの細かいのをぼやいたと思うが、いとこもさすが、血縁である。わたしが、すばやく刷毛でペンキを塗ってるとジェスチャーとつたないイタリア語で「いくきーと、それダメ。あなた、「空手キッド」シッテルカ?」わたし「ああ、知ってる、知ってる。この間、TVで再放映してたね。」いとこ「そう、あなたミヤギにナル。右、左。そう、ゆっくりと。」。。。ミヤギじゃなくて、「ダニエルさん」だよな。(ツッコミ)言われたとおりゆっくりペンキを塗る。をを、確かにまんべんなくきれいに塗れるが、イラチのわたしはついつい焦って手が早くなる。いとこ「落ち着いて、深呼吸しながらユックリト。」ここからはまさに「空手キッド」の世界であった。ミヤギいとこに続いて、ダニエルいくきーとが華麗に太極拳のように刷毛をさばいていく。。。。ああ、「無我」とはこういうことを言うのか。ああ、はるか彼方に宇宙が見える。。。。。そうやって、しばらく暖房まわりを「右、左」とつぶやきながら塗っていると、おっとに「もう!何モタモタやってるんだよっ!?」とせっついた声と同時にパンチを食らわされてハッと我に返った。おっと「君がそこばっかり集中して塗ってるからペンキが足りなくなったじゃないか!キリもいいし、お昼にしよう。昼からはペンキを買いに行くよ!!」ちょうど、雨も土砂降りから小雨に変わってきたところである。わたしたちは傘もささずに近くのBARに向った。前回も書いたと思うがこのBAR,田舎のくせにしゃれている。サロンのようなくつろいだソファに座り、パニーノを注文すると、季節のサラミとハムをふんだんに挟んだでかいクラブサンドイッチ(ミラノでこういうタイプは非常に珍しい)が大きな厚手の長細い皿に季節のチーズを添えて来たのである。ビールも、中ジョッキを頼むとミラノ市内でいう大ジョッキが出てきた。ジョッキもかわいい!わたしはひたすら感動、おっとは何度もいとこに会話を試みるが、言葉が通じないとどうしても無口になる。せっかくのパニーノを無言のままガツガツと食べ、早々にBARを後にしたのだった。家に着くと、アドレアーノももうおばあちゃんの家から帰ってきていてわたしたちを待っていた。さっそくペンキを買いに行くおっととアドレアーノ。家に残されたわたしといとこはしかたがないので無口のままペンキ缶の底のペンキをすくって、アングル塗り作業を再開したのだった。しかしペンキはすぐになくなった。いとこ「ソウダ!2階部分の壁磨きをハジメマショウ。」え~~、この難からせっかく逃れたと思ったのに、2階はまだやってなかったのね。。。いとこが先に脚立を持って2階にあがり、わたしはしぶしぶ前記のスポンジやすりを探してあがった。見ると、いとこが屋根裏部屋の壁の低い部分を見つめて固まっている。わたし「どうしたの?」いとこ「。。大きな問題デス。この壁、濡れていマス。」わたし「ああ、そこね。ここには以前古い朽ちた梁があったから、そこから雨水が壁にしみこんだんだって。でも、親方は梁を新しくして修理したからそのうち乾くって言ってた。」いとこ「違うと思いマス。このシミ、昨日は無かっタ。あっちの隅も濡れてマス。きっとこの雨でしみこんだと思いマス。」そ、そういえば!?わたしは壁にかけよって手で触ってみる。手がびっしょりと濡れた。OOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!やっぱり問題の屋根のせいだ!!!建築士も親方も、不動産屋も寄ってたかって「絶対大丈夫」なんて言っといて、たった1日の雨でこのざまだよ??!!いったい、どうしてくれるのよ~~~~~~っ!!???このときほど、あの保険をつくづくかけといてよかったと思ったことはなかったのである。怒りでぼうぜんとしてると、いとこは「今日は日曜、あしたも祝日だからどうしようもデキナイ。とりあえず、壁磨き、ハジメマショウ。」いとこが壁を磨き、わたしが落ちた砂ぼこりをほうきで掃除しているとおっととアドレアーノが戻ってきたのであった。おっと「日曜だから遠いスーパーしか、開いてなくて。。。」と買ってきたのは最初と違うメーカーのペンキ2缶。まあ、白だからどれも同じか。。。と塗り始める。しかしすぐに違いに気付いた。最初のペンキは一掃けで真っ白に塗れたのだ。これは壁に掃くと、またたくまにスポンジに吸われた水のように壁にしみこむ。わたしはそれでもしかたがないかと黙って塗っていたのだが、いとこからたちまちクレームがあがった。「マルちゃん、これ質の悪いペンキデス!ワタシ、これ以上続けたくナイ。交換シテクダサイ!!」おっと「ええ?でももう結構使っちゃったよ? 未開封の1缶だけなら出来そうだけど。。。」いとこ「1缶だけでもイイ!お金と時間ムダね。最初と同じの買って来てクダサイ!!」アドレアーノ「5ユーロ安かったしね、その差だなきっと。」いとこ「5ユーロでイイ家しますか?悪い家しますか??」。。。そう言われると、ぐうの音も出ない。アドレアーノがこの残った悪いペンキでどうにか天井を塗る、というのでおっとはわたしをお供に連れ、20kmほど先のスーパーに交換に行ったのだった。スーパーに行くと、いいペンキは売ってなかった。仕方なしに返品だけしてスーパーを出る。そして何気に駐車場前方を見やると、大型チェーンのホームセンターが開いている。わたし「ねえ、あっちのホームセンターにも同じペンキなかったの?」おっと「え、ホームセンターって??。。。ああ!!こんなところにホームセンター、あったんだ!?」。。。あんたらどういう視力を持ってるんだよ?わたしたちはすぐさまホームセンターに入ると入り口に「本日の特売品!」として山積みになっている同じペンキがあったのだった。。。汗こんな遠くまで来て1回目に無駄足を踏んだおっとの悔しそうな顔は、いまでも笑い話である。しかしこの時点でもう20時近く。家に着くと、アドレアーノはすでに帰ってしまっていて、いとこだけが電気もまだ通ってない真っ暗な家で待っていたのであった。このあとエルトンの家に彼を送り届けて、またもや夕食をごちそうになる。今回は、普通の時間に普通の状態で食べられて、ヤレヤレだった。(おっとは夕食後、小さい家具の組み立てを手伝わされたけど。汗)PS.新しく出たカンフーハッスルのテンプレートに替えたいけど、わたしのHPには似合わないか。。。。ガク。香港に住みたかった。。。。って(違
2005.04.28
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思い出したけど、前回の日記のおっとの「ウルウル攻撃」、前にも警官相手に使ったんだよね。効力あるなあ、イタ公いや、イタリア男には。***先週土曜日は朝の8時半に新居で不動産屋のアンドレアと待ち合わせ、鍵をもらう。実はこの前に階段のことでひともめしたので、それの解決もかねてである。彼らは本契約以来、本当にいいかげんになった。もし、工事費を全額払ってしまっていたらエルトンの時のように、きっと電話にすら応じなかったに違いない。以前、階段についてはいろいろなサンプルから選べる、と聞いていたのに実際メールで送られてきた写真は本契約の日の夜でたったひとつであった。めちゃくちゃ気に入らないわけではないが、ひとつの写真だけ見せられて「これを来週火曜につけに行きますから。変更はナシです。」と言われて納得が行くだろうか?おっとがアンドレアに電話して話したところ「この階段は2500ユーロだ。気に入らなければこの2500ユーロを君たちに渡すから、君たちでどこか好きなところで階段を買ってつけるといい。」というのである。わたしたちは慌てて先週金曜日にナビして、いろいろな階段を見るが、こんなに「安い」階段となると、もうこの送ってきた写真のものか、もっとちゃちっいのしかないのである。いったいアンドレアは安いドア、安い階段ばかり出してきて、どれだけ儲けてるんだ?先週土曜日、もうこの短時間でしかたがないし、だんだん疲れてきたのでこれで「OK」の返事をしぶしぶアンドレアに出したのであった。この後、小さい部屋のドアの開く位置が逆さまだとか、洗面台の位置が低すぎる、とかいろいろ苦情を言ったのだが全て「親方に直接言ってくれよ。」で逃げられてしまった。しかし、こんなに悠長に不動産屋と揉めている時間は我々にはなかったのである。なぜなら30分後に新居から50km近く離れたサロンノという街の家具屋で寝室セットの最終契約のアポがあったのだ。ああ~、こんなんばっかり!!50kmを土曜日とはいえ、平日の朝の通勤渋滞時間帯に30分で着くなんて絶対無理!!案の定、わたしたちは9時の約束に50分も遅れて着いてしまい、家具屋のクリスティーナに「次のお客さんとのアポが10時からあるのに。。。」とこぼされてしまった。そこからはキッチンのマルチェッロの時と同じで注文確認と必要書類の提出、サイン。しかし、ここでは家具の制作に1ヵ月半かかるという。1ヵ月半、というと6月中旬。わたしたちは5月中には入居を目指しているが、これはキッチンと違って無くても日本のように床にマットレスを引いて寝たらいいか。。。。?書類、というのはすぐに終わりそうで、時間がかかるものである。そんなこんなで1時間半後に店から開放されたときにはフラフラであった。(寝室に関しては、コンセントや配管位置は重要でないのでスムーズにいったが。)だが、これで終わりではないのである。店を出たのが12時近く。この日から始める壁塗りを一緒にすることを頼んだエルトンのいとことの待ち合わせは70km先のエルトン宅で12時半。だから、間に合わんっ!!って言っておろうが!!!むちゃくちゃにスケジュールを詰め込むおっとにわたしはとうとう堪忍袋の尾が切れて、おっとの携帯を引ったくり、エルトンのいとこに1時間の遅滞のお知らせをしたのであった。わたしたちはこれでちょっと一息ついて家に帰り、前の日に作り置きしておいた昼食をかき込む。おっと「さあさ、出かけるよ~!」わたし「行かないよ~!」おっと「ええっ、どうしてさ?!」とウルウル攻撃をするが、これはわたしには通用しない技なのである。我が家はまだ荷造りが終わってないのだ。特にわたし個人の荷物はほとんど手付かずである。平日はわたしは夕食の用意をして、食べて、シャワーを浴びると、もう何も出来ない。おっとはわたしが毎日夕食の用意をしている間に彼の荷物は詰め終わってしまった。ずっとしたいしたい、と気になりながらも毎週末、わたしがいてもいなくてもいいような用事に連れまわされるのでちっともはかどらない!!わたし「日曜日は壁塗りに行くから。」とウルウルし続けるおっとを独りで無理やり追い出したのであった。ホ~。。。。おっとを家から叩き出すと同時に身体中の力が一気に抜けた。わたしはベッドにうつぶせに倒れこんだ。そしてあっという間に眠りの世界に入っていったのであった。(あかんやん。)しかし。3時間も昼寝をすると元気が出るものだ。わたしは慌てて段ボールに次々と私物を放り込んでいった。かさばる冬物衣類がほとんどだったので、短時間の働きにかかわらず、7つの段ボール箱があっという間に出来てしまい、夜、壁塗りから真っ白になって帰ってきたおっとにとりあえず「何かやった。」ことをデモストレーション出来たのである。次の日、日曜日はいよいよ我が家の壁塗りである。うう、しんどい。。。。
2005.04.27
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この間の続きを書かなきゃ前に進まないけど、も~、この週末の3連休いろいろありすぎて日記が追いつかないよ。夢の「ぐ~たら主婦」は一生夢で終わりそうだ。。。***なぜ前回の日記でレダおばさんとかけた保険が正露丸より効き目を速攻に表したかというと。。。「心」で昼食を済ませたあと、おっとはしらふ、わたしは顔が真っ赤の完璧な「酔っ払い」になってキッチンを注文した家具屋に最終的な契約を済ませに行ったのである。この日はキッチンの注文書の確認と、購入契約書にのみサインをして終わりだったはずだった。なので、わたしたちは今の家を見に来る不動産屋にも、3か月分の生命保険代をむしりとりに来る生保のお姉ちゃんにも、電話がかかってきたとき落ち着いて19時と19時半でアポを入れたのである。ところが。家具屋に着くなり、担当のおっちゃんマルチェッロがスタスタとわたしたちに駆け寄ってきた。マルチェッロ「ちょっとちょっと、あんたたち!いったいどういうこと?」と遠くからでかい声で叫ぶ。わたしたち「??」マルチェッロ「ちゃんと親方にぼくが書いた図面を渡してくれたんだろうね?」話はこうである。わたしたちは去年の12月末にキッチンを注文したときはまだ家の工事が始まってなかった。なので、オーダーメイドのこのキッチンはマルチェッロと一緒に好きにデザインをしたのである。そのときマルチェッロに「これがこのキッチンの配管とコンセントの位置だから、工事の親方に工事が始まる前に渡してね。」と図面のコピーを渡されたのであった。わたしたちはさっそくそれを親方に渡し、親方はその通りに工事している手はずであったのである。先週火曜日、キッチンのタイルが張り終わったとき、マルチェッロはその確認に新居に出向いたのだった。マルチェッロ「水道の配管まではよかったんだよ。でも、コンセントの位置がめちゃくちゃだし、換気扇の排気口が低い上、15cmも右にずれているんだ。これじゃ、一からキッチンの設計をやり直さなきゃいけないよ!!親方にすぐにクレームしたかったんだけど、この日はいなかったんだ。」え~。。。これって、これって??エルトン家の出来事をリピートしている!!??おっとはマルチェッロにうながされて慌てて親方に電話する。親方「なに言ってんだ?ちゃんと図面どおりやったよ!電話じゃわからねえからこっちに来な!」親方がすでにカンカンであることが、電話口から響く声でわかった。マルチェッロはため息をついて「これをどうにかしないと前には進めないから今すぐ行かないと。家具作りには最低1ヶ月かかるから、大至急だ!」家具屋から新居までは30kmほどである。時計を見ると16時。わたしたち「わかりました。まだ帰宅ラッシュの渋滞も始まってないし、話をつけて18時までには戻ってきます。」と慌てて飛び出していったのである。しかし、途中ロンバルディア州で2番目に大きな都市モンツァを横断するとき、たちまち渋滞に見舞われてしまった。ひ~こら新居に着いたときは17時。17時半まで仕事の親方たちはもう、片付け始めていた。わたしたちは出来るだけおだやかにどこが、どれだけずれているか説明をする。しかし、カンカンの親方は聞く耳を持っていない。「あんな図面なんてとっくに配管し終わったときに捨ててしまったよ!今更ずれてるのなんの、って言われても遅いっつうの!!」おっと「大丈夫です、ぼくらコピーを持ってきました。さあ、測って見て下さい。」しぶしぶ測る親方。ずれてることを確認して気まずそうに兄弟たちと顔を見合わせる。親方「でもな、もうきれいにセメントで全ての配管を覆ったんだよ、わかるだろ?今更言われても。。。」おっと「でも、でもこれがちゃんとしてないとキッチンが作れないそうです。ぼく、バカだからよくわからないんだけど、これがダメだったらキッチンをまた一からやりなおさなきゃいけないそうです。。ぼく、このキッチンがすごく気に入ってるんです。変更が嫌なんです。どうにかなりませんかねえ?」と打ちひしがれた子犬のように情けない目で親方をうるうる見つめた。親方は男をも惑わせるおっとの「うるうる攻撃」にタジタジになって「うん。。。そうだな。いやね、今朝あんたたちアンドレアに「工事が終わるまでは全額工事費を払わない。」って契約をしたそうじゃないか?うちは兄弟たちに払ってやらなきゃいけねえから、むかついてたところにこの電話でついカッとなっちまったんだよ。。。まあ、たいした変更じゃないからすぐにやってやるよ。」おっと「ありがとう!!でもおかしいなあ、それは親方たちとは関係ない階段やフローリングを貼る作業について契約したんですよ?親方は立派に仕事をしてくださってますもの!本当に感謝してるんです。」それを聞いて胸を張る親方。単純である。わたしは呆れて、というよりこんな技で親方を言いくるめてしまったおっとにただただ驚いたのだった。このあとわたしたちはまたもや渋滞に飲まれて家具屋へ。クルマの中でわたしたちは多少、高かったが、つくづく、DIYのキッチンを買わなかったことが正解だったと噛み締めた。買っていたら素人のわたしたちはちっともそんなずれに気付かないで、エルトンの二の舞いであっただろう。家具屋に着いたのは19時前。18時閉店の家具屋は親切にもわたしたちのために店を閉めずに待っていてくれたのだった。ここから小さな変更や追加に結構時間がかかった。ローンのための必要書類をかばんから出しているとわたしの携帯が鳴った。おっとが取る。19時にアポをしていた不動産屋だった。すっかり忘れていた!!不動産屋「いま、お客様とお宅の前なんですが。。。どこにいらっしゃるんで?」おっと「え?ああ、ううう。スミマセン、渋滞に巻き込まれてしまいまして。。。。もう家のすぐ近くなんですがクルマが動かないんです(ウソばっか。)。」マルチェッロはそばでピノキオの鼻が延びる真似をした。不動産屋「。。。わかりました、もう1軒別の家を見に行って戻ってきます。」おっと「スミマセン、よろしく~。」2人でこのあと大汗をかいて「しまった!生保のお姉ちゃんも来るんだった!!」と更に思い出す。ここからマルチェッロは急いで書類を調えて、「急ぎすぎて事故らないでくださいよ~。」と我々を送り出してくれたのだった。大急ぎで家に着いたのは20時ちょっと前だった。あ~あ、生保のお姉ちゃん、きっと怒って帰ったな。。。と思いながら門に向うと、お姉ちゃんはたばこをプカプカふかしながら待っていたのである。恐るべし。。。いやいや、商売熱心である。実はこの生命保険、解約しようと決めていたのだがお姉ちゃんにまたもや上手に丸め込まれて、一時、我々の経済が復活するまで凍結、という案を持ち出してきたのだった。返事はまだしてないが、まあいい考えかもしれない。この日はこんなわけで、朝から目の廻った、長い長い一日だった。
2005.04.26
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昨日はいろいろなことが凝縮しすぎた。これを今日の日記に全部は書けそうもないので来週と分けて書こうかな。昨日は2人で1日仕事を休んだ。午前中はいよいよIL ROGITO(家の本契約)だったからである。11時からだったのでゆっくり起きればいいものの、哀しいサガで朝早くに目覚めてしまった。なので天気がいいわけでもないのにシーツを洗濯したり、銀行に持っていく書類に目を通しなおしたりして出かけたのだった。ちょっと聞きたいことがあったので病院に寄るといつも以上のすごい数の患者が群れをなしていて窓口のそばにも近寄れない。この日はどうやら、めったにつかまらない大先生の診療日だったようだ。しかし、わたしは長期間通い詰めているので、看護婦たちとはすっかり顔なじみ。さっさと聞きたいことを聞くことが出来て(わたしがやったんじゃないよ、順番抜かし。。。汗)病院を後にした。銀行に着くと、すでにレダおばさんが入り口の中で待っていた。レダおばさん「今日はあなたたち、時間通りね。」←イヤミ銀行の一番奥の、とても応接室とは呼べないが、社長室のようなところに通された。(きっとこのような経験は最初で最後だろう。)そこにはすでに不動産屋とあと、誰だかわからないひとたちが座ってわたしたちを待っていた。全ての人たちが、スーツやフォーマルな姿でビシッと決めているのに(わたしもスーツ)、社長椅子にふんぞり返っているでかいおっさんはジャケットを羽織っているがシャツの襟はだらしなく解放され、汚れの首輪が見える。そしておっとも朝早くから珍しくアイロンまであてて着込んだのはアロハシャツである。おい、そこの2人、場をわきまえろよ!(しかし、おっとの服装には口を挟まない主義)まずは不動産屋が「これはぼくの妻、ビットリアです。」とわたしたちに奥さんを紹介する。こんな場に奥さん連れ?ん?ちょっと待って。ビットリアって。。。。。。。元の我が納屋の持ち主の名前やんっ??!!(どうして最初から言ってくれないんだ?)というわけでのっけから罠にかかった狸のような気分でIL ROGITOが始まったのであった。この社長椅子にふんぞり返っただらしない偉そうなおっさんは実はIL NOTAIO(公証人)だった。目の前の山済みの契約書を頬杖をつきながら、面倒くさそうにしかし光の速さで棒読みに念仏を唱えるかのように読んでいく。わたしがわかったのは自分の名前や生年月日ぐらいなものである。あ、あとはじめて買う家は税金が大幅に控除されることもわかった。aya825さんの家日記を思い出した。時々レダおばさんが口を挟んで、「これはこうなのよ、OK?」とか聞いてきたが、わたしはすっかりあさってな想像の世界に飛んでいて、おっとだけが「はいはい。」とわかってるんだかどうなんだか、うなずく。そして全てが読み終わり、訳がわからないままに手が痙攣するほど無数のサインをした。(これぐらいでへこたれていては人気芸能人にはなれないと思うが。)これが終わると次はスーツ姿のおっさんのひとりが、すでにいろいろな金額と名前が印刷された小切手を不動産屋の奥さんとレダおばさん、公証人に渡す。その光景はまるで「人生ゲーム」の銀行券を配っているかのようである。(わたしたちは負けて、他のゲーマーに手持ちの銀行券を没収される側)小切手を掴むやいなや、奥さんとレダおばさんはすぐに窓口に行って、分厚い札束に替え、「じゃあ、わたしたちは急いでいるのでこれで。」と逃げるように出て行ったのであった。お金さえ掴めばもう用はない、と言わんばかりだ。ゲンキンである。しかし、わたしたちは前夜レダおばさんとある保険をかけた。わたしたちは昨日は家の鍵をもらえなかった。なぜならまだ階段もついてないし、2階部分のフローリングも貼られていない。この間エルトンは「奴らはお金を全部払ってしまったら、工事途中だろうが引き上げて、アフターケアもないから、工事が完璧に終わるまで絶対全額お金を払うな!」と実体験をもとに忠告してくれたし、楽天の皆さんのコメントもそうだったので、それについてレダおばさんに相談したのである。彼女は「。。。まったくその通りよ。わたしから不動産屋に言うわ。」ということで工事代のうちの、5000ユーロは完全に工事が終わり、公証人の前で証人としてレダおばさんが「工事終了」のサインをした後、支払われることに取り決めたのである。だから不動産屋は出て行くときはかなり不服そうであった。(今までのずさん工事からしたら、当たり前のことだよ。怒)この後公証人も同じく分厚い札束を掴んで「2ヵ月後には今日の書類が整うから忘れず電話して取りに来なさい。」と出て行った。。。。銀行にはわたしたちと、残りのスーツ姿の何人かが残された。このひとたちは銀行員であった。ここからは義務的に支払う火災盗難保険とか、なんやかんやのサインをまたもやいっぱいサインさせられ、やっとわたしたちも銀行から出ることが出来たのである。(出る前におっとは、タメと化している他の銀行員たちに「今、ROGITOをしたよ~!これからもよろしくね!!」と嬉しそうに挨拶して廻るので大変だったけど。。。。)銀行を出るとおっとは「やった~!!家を買ったぞ、BANZA~I!!」と飛び跳ねたが、わたしは家が自分たちのものになった実感があまり沸かない。それどころか、当初の予定よりかなり跳ね上がったローンの金額にショックを受け、たった今、サインをしてしまった各種の書類を「これでよかったんだろうか?」と反芻してしまった。特に不動産屋の妻の持ち家を買ってしまったことが気に入らない。だって、わたしが不動産屋だったらおっとの持ち家なら出来る限りの高値をつけ、絶対自分たちが少しでも多く儲けられるように専門分野の知識をフルに生かして動くよ?しかも建築士も彼らの親戚だし。。。そんな想いをよそに、おっとは「お祝いに「心」(今の我が家の近所の日本料理屋)で昼ごはんだ!!」と懐のでかい発言である。そういえば、1年以上は「心」というか、おっとと日本料理屋に行ってないな。。。やっとちょっとウキウキしてきた。(単純)お客はわたしたちだけだった「心」で、わたしはチラシ寿司定食を、おっとは天丼定食を食べ、店の主とおしゃべりをする。彼はイタリア人だが奥さんは東京人。去年の夏、わたしたちが日本にいたとき、彼らも帰省していたようで日本の話で盛り上がった。キリンラガーで乾杯の嵐、食べ終わる頃にはわたしはすっかり出来上がってゲタゲタ笑いながら「心」を出たのであった。このあと、すぐにキッチンを買った店に行って、これも正式契約である。いやしかし、前記の保険がここまで効力を表すとは。。。。。つづく。
2005.04.22
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おひさでございます。最近私事に、仕事に、ちょっと忙しい日々が続いていますので日記がサボりがちになりますが、ご了承のほどを。昨日の夜は不動産屋へ行った。IL ROGITO(?本契約?全ての契約を終えて、家の鍵がもらえる。)を前に最終召集がかかったのである。わたしたちはもっと早くに準備しておけばいいものの、期末テストの1時間前まで何もしなかった女子高生状態である。いや、それよりもっと悪い。19時集合15分前に慌しく家に帰ってきたおっとと一緒にクルマに乗り込んで、とにかく引っ掴んでカバンに押し込んできた契約書を開き、斜め読み(ただでさえ、イタリア語は読みづらいのに)、おっとは瓦のことでああ言われたらこう言い返そう、とか、同じ工事業者が施工したエルトンの家を例に挙げて話を進めようとか、今言われてもすぐには飲み込めないような作戦を15分間クルマを運転しながら言い続けていたのであった。不動産屋に着くと、さっそく建築士が笑顔でドアを開けてくれた。中からレダおばさんと、不動産屋がにこやかに出迎えてくれた。不動産屋「今朝、君たちの新居を見に行ってきたよ!素晴らしいね!!選んだタイルも品がいいし、家の間取りもうまいこと考えたねえ。ちょっとの変更で家の価値があがったよ。これは売るとき、きっと高く売れる!!」レダおばさん「ホントね、屋根裏部屋もきれいになって。ステキな家になってよかったわねえ。」しかし、ここで「そうですかあ?」とにやけてしまってはいけないのである!!おっと「そうなんです、ぼくたちもあの家に大満足してるんです。ただ、瓦を除いては。」とおっとは堰を切ったように不満をぶちまけ始めた。わたしは毎週末にしか家を見にいけないのだが、おっとはここのところ毎日家を見に行っているのでわたしよりもかなり執着が強いし、細かいところまで見ている。不動産屋の笑顔はすぐに消え、建築士は以前わたしに説明したことと同じことを説明しだした。それでも納得がいかないわたしたち。不動産屋「ここ数日の土砂降りで雨漏りしていないのがちゃんとしてる証拠です。それに保障がありますから大丈夫ですよ。」わたし「そりゃ、今は建てたばかりだから下の木の板とかにさえぎられて何も起こらないですよ。だんだん滴り落ちた水滴が溜まって屋根が腐ったらどうするんですか?」ここからは「絶対ありえない!」のリピートである。不動産屋「とにかく、入居後6ヶ月以内になにかあればアフターケアをしますから。」たった6ヶ月?少なすぎる!新しいTVでも1年間は保障付きだぞ!!おっと「実はぼくたちの家の前に工事した家、ぼくの友達エルトンが買ったんです。いろいろ問題があるからお宅に電話したのに、返事がないってこぼしてたんだけど。。。?」不動産屋(大笑いして)「あの家はまったく別問題だよ。ぼくは元の持ち主に工事業者を派遣しただけ。工事が終わってから売ることを頼まれたから家の工事に関してはまったくタッチしていないんだよ。」??よく説明がわからない。そうか、エルトンが不動産屋に払わなかった3パーセントはここに違いがあるのか?でも、なんか納得いかないなあ。。。とにかくおっとが言いたいことがてんこ盛りにあったようなので、わたしはこの辺から口をつぐんで聞いていた。瓦以外は古い梁の問題とか(これは隣の家と屋根と梁がつながっているところにあるので替えられない、という説明だった。)、暖房の位置とか、シャワーの位置が気に入らないとか、あまりたいしたことはなかったのだが。。。結局、全て専門的な説明で説き伏せられ、納得が行くような行かないような感じでバトルが休止したのである。このあと、最終的にエキストラの工事のリストのコピーを配られた。ところどころ??だったが、まあ計算どおりの価格になっていたので取り乱すことなくこの場は終了した。ガス、電気、水道の開設手続きも全てやってくれていたのには驚いた。エルトンは全部自分でやり、ガスに関してはミラノから遠く離れたベルガモまで手続きしにいかなければならなかったって言ってたのにな。。。(ここにも不動産屋に払わなかった3パーセントの違いが。。。)あさってはいよいよ銀行にて、IL ROGITOである。だが、まだ肝心のローンの審査発表はされていないのだ?!これでいいのか??IL ROGITOの日時は銀行から提示されたと言うのに、矛盾している。行ってもし「ダメです。融資出来ません。」なんて言われたらどうするよ???レダおばさんいわく「もし、あさってこちらの提示額100パーセントがダメだったら、わたしへの支払い、少し待ってあげるから。」とは言ってくれたのだが。。。とにかくあさってである。待つしかない。
2005.04.19
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