全22件 (22件中 1-22件目)
1
土曜の夜はもうすぐ日本に帰国するミクシ友達とんちゃんと、ちずさん、ありまりちゃんとその3人のお友達とおっととでラテンクラブでひさびさに朝まで踊った。最初に入場した女ばかりにおっとひとりはすんなり入場できたのだが、後から遅れてきた3人のお友達(♂)は「今日はプライベートパーティだから。」と入り口のいかつい黒人のおっちゃんたちに行く手をはばまれたらしいが、ねばりにねばってやっと入場できたらしい。わたしは「ダンスコーチ」と書かれた前掛けをしたワキガ臭いおっさんに入場したとたんから捕まり、汗だらけの身体を密着させた、セクシーな猛特訓を受ける羽目に。汗おっとは、とみれば友達に電話しに行ったり、デレデレと他の女の子たちと踊っていて、まったく助けてくれる様子もなく、結婚4年目にもなるとこうも変るか。。と切なくなった。この日はショーあり、いろいろな音楽ミックスありで輪になって踊ってとても楽しかった。みんなラテンダンス、うまいなあ。これからは「日本人だしヘタでしょうがないじゃん。」なんて言い訳が通用しなくなってきた。*******さてさて、宿題を提出しに行って来た。1回目も遠い、と思ったがやはり2回目も遠い。う~~~ん、やっぱりここに通うとなったら真面目にクルマの運転を練習しなければ。今回も同じ会議室に通され、座ると同時にすぐに女社長が現れた。「じゃあ、さっそく宿題をみせてもらいましょうか。」わたしは宿題のファイルをひろげる。このいきさつは今の会社のグラフィックチームの同僚たちには伝えていたのだが、さすがイタリア、へたにきれいにプリントアウトしたものなどを出すとすぐにコピーするらしい。(そういえば日本で働いていたときも、新製品を出したとたん中国や韓国に光の速さでコピーされていたな。)デジタルの形式で渡すなんてもってのほか、などなどいろいろ忠告を受けたので、かろうじてわかるぐらいの解像度でプリントしたものを持参したのである。なので女社長が老眼鏡をかけなおし、食い入るように作品を見るのがなんだか申し訳なかった。先日の面接ではほんわかしてちょっと頼りなげに感じた社長、宿題を前には鬼に変る。「このパターン柄は生地にプリントするものだからダメよ。ここをこう変えてちょうだい。え~とこれはちょっと色がきついわね。」わたし「あ、はあ。」社長「ちょっと待って。プランナーを呼んでくる。」とプランナーを呼ぶ。彼女たちは最初から打ち合わせていたのか?プランナーが現れたとき、大量の新たな宿題の書類が手にあった。汗社長はにこやかに「最初の宿題は合格よ。あなた、家で働くことは出来るかしら?」ああ、やっぱりそう来たか。答えはすでに用意してある。やっぱり両立は無理だし、今の会社の人員整理に遭ったとしても、これだけを内職に食べていくのは無理だ。わたし「先日も申しましたようにここで働くならば、この仕事に集中したいんです。今週、この宿題を仕事の後、夜にやってみて大変だとわかりました。今の仕事との両立はできません。働くならフルタイム、それ以外は申し訳ないですが出来ません。」社長もわたしのこの答えを予想していたようである。「そう、でもあなた、家も遠いし、フルタイムで雇うとなるとガイジンをそんな簡単に雇えるのかしら?」プランナーが「大丈夫ですよ、ちゃんとした滞在許可証があれば。」と助け舟を出してくれる。わたし「滞在許可証なら問題はないです。来年はいちおう永久滞在許可証を申請する手はずですから。」社長「わたしはあなたにすぐにでも働いて欲しいのよ。でもフルタイムで雇うとなると息子に聞いてみないとわからないわ。」どうやら息子が実質上の社長らしい。社長の母「今息子はバカンスで中国に出かけているから帰ってきてからの返事になるわね。」わたし「息子さんはいつお帰りになるんですかっ!?」社長の母「このパスクワのバカンス明けだから5月はじめ。そのときにはまたあなたに連絡するからもう一度作品を持ってきてね。」わたし「是非、お願いします!ご連絡をお待ちしてます!!」わたしたちは固い握手を交わし、わたしは外に出た。いろんな友人からさんざん脅されておそれていた「デザイン持ち逃げ」もされなかった。信用していいかもしれない。歩きながらにやけてきた。息子しだいだからわからないけど、フルタイムで働ける可能性が出てきた。あまり期待していなかっただけにちょっとうれしい。息子にもOKが出ることを祈ろう。帰宅してさっそくおっとに報告する。「へえ~、いい感じじゃない。でもそれだったら、今の仕事辞めて家で集中してこの仕事をしてもいいんじゃないの?」わたし「そうなるときっと歩合制になって、時間喰う割には収入が少なくて、ばらつきがあるからダメなんだよ。」(←経験者は語る)この夜、ひさびさに最近慢性化していた頭痛が消えうせた。まだ何も決まってないけど「希望」が見出せたおかげだ。そして、これもひさびさに朝4時ごろ、間違いFAXで起こされるまでは熟睡することが出来たのだった。ああ、5月か。まだもうちょっと。。。。。。。。。。。。。って、本当に連絡くれるかなあ?不安だ。
2007.04.23
コメント(22)
またまたごぶさたしてます。最近仕事中の息抜き、というか、ほとんどそれに人生を賭けていた(?)ネットができないので訳もなくイライラする。うつ状態になって気が滅入る。飲みたくもないのに一日に飲むコーヒーの量が増えた。口寂しいので間食ばかりしていたら、体重が増えた。ろくでもないことを日がな一日考えている。などと、あまりよくない効果が出ているようだが眼精疲労がほんのちょっとマシになった。朝起きたときのめまいが少なくなった。同僚と話す機会が増えた。人生の転換期について考え始めた。という面ではよくなっただろうか?なにせ某お友達が以前日記でやった鬱度チェックでは「激うつ」で、やる気がさっぱりでないので、あまり真面目に取り組めないのだが、ここだけの話、我が同僚たちと転職計画をしている。実は我が社は数年前から経営危機にさらされている。社長が名家の出のボンボンで会社の儲けが出なくてもわたしたちの給料はとりあえず支払われているのだが、会社の90パーセントの利益となっていた大型クライアントがアメリカの会社に買収されて経営者が替わってから、というもの、仕事が激減、当然数年に渡って給料UPなし。毎日ほとんど仕事がないのに、就業時間中はずっとPCの前に座って居なければならない。精神的にも経済的にも苦しい。その上、去年おととしと降りかかった裁判2つ(家のほうはいまだ継続中)と2回の流産には完全にノックアウトされた。未だに自殺していないのが不思議だ。はじめは暇つぶしと気分転換にはじめたブログだったのだが、いまや会社でのネットは監視されてしまい、ほとんどない仕事内容までチェックされて、プラステイックの水槽に閉じ込められた実験用マウス「どこまでこの状態で精神の安定が保てるか?」な気分だ。ずいぶん同僚も減った。人員整理と自己退職の両方だ。わたしもここが日本ならさっさと見切りをつけて、転職活動をしていたところなのだが、なんせ万年不景気のイタリア、イタリア人でさえ就職が難しいのに、やはりせっかく就いている仕事、こんな状態になってもしがみついていなければならない自分が情けない。一時期は必死でファインドジョブ系のサイトに登録しまくった。ひとつ自分に合う仕事を見つけて履歴書を送ろうとすると、その日に出た物件なのに300通以上の履歴書がすでに送られていたりする。そういうのを見ると「こんな数からハンディの多いガイジンが採用されるわけないわな。」と凹み、まあとりあえずは送ってみるのだが、やっぱり返事が来たためしがない。_| ̄|○いつ潰れるか、いつ無職になるか??と、ずっと覚悟を決めているのに、普通ならもうとっくに倒産していそうなところ、社長の名家のバックアップのおかげでまだ倒れていないことにも「ああ、やっぱり生まれが違うとこうも違うのだなあ。」と精神的に参らされる。そしてさらにショッキングなことが発覚。社長「6月、会社を移転するぞ!」えええええええ!!!!!?????今のところは官公庁の立ち並ぶオフィス街のど真ん中で、家賃が高いうえ、従業員も激減したのでもっと郊外の小さいオフィスに移転したいらしい。いよいよ危ないか?すでに解約を申し込んできたそうだ。わたし「こ。。郊外ってどの辺りですか?」社長「個人的にはパビア(ミラノから30kmほど南下した街)のほうがいいんだが、みんなの意見も聞かないとな。」わたし「わたしは。。。南は無理です。」わたしはミラノから25km北上した田舎町在住だ。今のオフィスはミラノの中心からちょっと北で、我が家から国鉄1本で行けるのでいい。結局社長は他の従業員からも猛反対に遭って(たいがい勤務地も考慮に入れて就職するものだし。)、南下計画はあきらめたのでホッとした。それから今まで真面目に物件探しをせずにいた社長、ついにこのオフィスに6月から入る別の会社が決まって新たに慌てだした。そしてオフィスの管理会社と話し合いのあげく、同じビル内の住居として使われていた物件を賃貸することに決めたのであった。_| ̄|○場所に移動がない、ということで肩の力は緩まったものの、問題は、新しいオフィスの間取りである。住居用でオフィス用に作られていないので、社長は寝室を社長室として分捕り、会計士と事務は子供部屋、わたしたちグラフィックとプログラマーはもうひとつの寝室にデスクをぎっしり並べ、肩寄せ合って仕事。レセプションもショールームも、技師も、全部真ん中のリビングに集められるそうである。狭い。今のオフィスの1/3の大きさだ。そして。。。。やっぱりそんなのすごくイヤ。6月までに逃げ出さないと。。。と気ばかり焦って行動があまり伴っていなかったのだが、ある昼休み、アンナが「このファインドジョブ系のサイト登録してる?」とそのサイトからのニュースレターを見せてくれた。「あんたにぴったりそうな募集が出てるわよ、見て。」(←昼休みはちょっとはネットが見れる。)見ればなるほど、わたしが日本で経験を積んだ職の募集だ。イタリアはこの手のデザインはドイツやイギリス、中国からの輸入ばかりなので、イタリアに来た当初は必死で探して見つからなくて撃沈して、仕方がないので経験とはあまり関係のない今の会社に就職したのだ。そうか。。やっとイタリアも自国でデザインするようになったか!アンナ「あんたならきっと向こうも興味を持つわ。すぐに履歴書を送りなさい!」わたしはドキドキしながら履歴書を送った。翌日、さっそく連絡があって1週間後に面接、という運びとなったのだった。わたし「バンザイ!!」アンナ「やっぱりね~、すぐに連絡があると思った。でもこの募集内容には契約形態もなにも書かれてないから、あんまり期待しすぎないで行ったほうがいいよ。」わたし「あ。。。そうか。フルタイムじゃないと、生活できないし、今より給料安かったら家のローンも払えないもんね。涙」この1週間、わたしはいろいろな想いをめぐらせながら、古い作品をあちこちから引っ張り出して一冊のポートフォリオになんとかまとめ(今更見ると、恥ずかしくて見せられない作品が多々あった。)、大きく深呼吸をして、会社の扉を叩いたのだった。会社はミラノの南端の工場地帯にあり、決して通勤に快適でない距離である。今の会社より30分以上時間がかかるが、この際これは妥協はしなければならないだろう。この会社は大きな倉庫に併設されたオフィス。がらんとだだっぴろくて、無人の会議室ばかりが並んでいて、その向こうに開け放たれたショールームが見える。わたしはこのひとつの会議室で水の一杯も出されず、ぽつねんと1時間待たされた。「お待たせ。」とやっと白髪の社長と思われる女性が入ってきた。さっそくわたしはポートフォリオを見せて説明しようとしたのだが、彼女はパラパラとめくりながらわたしの応募の動機や、今の会社でいくらもらっているのか、どこに住んでいるのかを聞いてくる。「まあ、遠いわねえ。ここまで来るの、時間がかかったでしょ?」「ええ、遠いですけど慣れですから。日本では通勤に2時間かけてましたし。」「クルマをお持ち?電車じゃなくて、我が社はクルマで来るほうがいいわよ。」「ありますけど、運転練習中でまだまだここまで来るのは。。。」作品、ちゃんと見て欲しいな。。。社長はやがて「ショールームに来て。」と立ち上がった。整頓されたショールームにはサンプルがぎっしりと並んでいて、社長はいろいろと手にとって見せて、手作りのプレゼンテーション用のデザインブックも「どんどんめくって見てちょうだい。」というので、どんどんとめくっていく。。。。これらのデザイン、わたしの画風に合ってるし、この感じ、採用されそう?ちょっと自信が出てきた。やがてプランナーの女の子を紹介される。社長「彼女にこの夏のコレクションでまだ出てないテーマを渡して。」これって、もう仕事をくれるんですかっ!!??プランナーはわたしに4つのテーマを渡した。そしてまた会議室へ。「この宿題を終えたらわたしに連絡ちょうだい。じゃ。」と社長が立ち上がりかけたので、わたしは慌てた。「ちょ、ちょっと待ってください。まだ契約の話も何も聞いてませんし、どういうことでしょう?それにいつまでに仕上げたらいいんですか?」社長「契約の話は次回宿題を持ってきたときにしましょう。期限は。。そうね、1週間後。」わたしはめげずに食い下がる。「えと、わたしは一応フルタイムが希望なんです。ここの仕事をするならそれだけに集中したいので。」社長「。。。そうね、とりあえず宿題をみないとなんとも言えないわ。それにうち、すでに10人デザイナーが働いているのよね。」わたし「わ、わかりました。では1週間後、きちんとしたお話をお願いします。」と引き下がるしかなかった。帰る道々、わたしはどんどん落胆していった。この会社、フルタイムはいらないってことか。それにわたしは遠いし、いいところやっぱりフリーのたまに忙しいときの助っ人扱い?なんだかそんなものに、真面目に宿題をするのも癪にさわるけど、勝手な自己解釈なだけで実際どうなるかもわからないし、とにかくやってみることにした。大昔のスケッチブックを引っ張り出して、ラフスケッチをはじめたのだがひさびさの仕事に腕が鈍っていることを実感する。10年ぐらいこの仕事から離れていたしな。。この日は週末でまたもやヤギたちのBBQにしつこく誘われたのだが、必死で断って家でコリコリ静かに描いていた。あ~、イライラする。思ったように鉛筆が進まない。しかし懐かしさがどんどん溢れてきた。やっぱりこの仕事のほうがやっていて楽しいな。最初は楽しくスタートした宿題、さすがに会社では出来ないので家に帰って毎晩ごはんを作って食べたあとにやっていたら疲れてきた。おっとはそばでTVの音量を大にしてゲハゲハ笑いながら見てるし、ときどきからんでくるのでうっとおしい!やっと昨日の夜中、おっとがすでにいびきをかいて寝ているときにヘトヘトになって全ての宿題をプリントアウトした。これから助っ人でも引き受ける?どうする??やっぱり両立は絶対無理!!いよいよ今日が宿題提出日である。(つづく)
2007.04.20
コメント(16)
もうひとつの写真ばかり載せているいくきーとの旅行記に超ひさびさにこの写真もUPしようと思ったら、出来なかったんで、内容はもう報告済みだし説明抜きで写真だけ載せます!も~なんかね、普通。一応狙いはしたけれど、朦朧とした頭で「お土産用写真」って気持ちでパチパチ。 朝の車窓から。落書きされてるところなんかミラノと変わらない。タクシーはロンドン! ビッグベン。お決まりですなあ。 絵葉書にして売りたいアングル。 逆光で暗い!観覧車好き。 こういうパブで昼食食べたかった。 電話ボックスと警察官。 これもお決まり、バッキンガム宮殿の門。 バッキンガム宮殿の前。 St.ジェームスパークの月。 観覧車マニアじゃなくて。 ロンドンですね。 大阪城パークシティじゃなくて。 これはウエストミンスターカテドラルって奴ですか?わからないで撮った。 夜、帰りのビクトリア駅。あ~疲れた。
2007.02.08
コメント(20)
ガトゥイック空港は格安飛行機が停まるはずれの空港なので中心地までは遠かった。おかげで「おしゃれなロンドン」とは程遠い、片田舎の景色も車窓から楽しめた。家の形を除けば、ミラノ郊外とあんまり変わらない。車内で暑くてコートを脱ぐ。降り立ったときにすでに気がついたのだが、ミラノより遥か北にあるはずのロンドンは、ミラノに比べて格段に暖かい。うちの近所じゃ朝の樹氷は当たり前なのに、ここはもう桃の花らしきものがあちこちでチラホラ咲いている。電車の中のひと、車窓の外を歩く人の服装を見れば、誰もコートなんて着ていない。ジャケットやスエットである。30分ほど電車に乗ってビクトリア駅に着いた。マテオ「あ、ここで3日間だけバイトしてた!!」と駅構内の売店をさす。(←留学経験者)ビクトリア駅はミラノのポルタガリバルデイ駅というか、ローマのテルミニ駅というか、近鉄上本町駅というか、渋谷駅というか、なんだかごちゃごちゃしてホームがたくさんあって、ひとがセカセカ歩いていて。。。のところで、ロンドン人たちが駆け上がっているエスカレーターを横にひろがってキョロキョロあたりを見渡しながら動かない超迷惑なわたしたち。短期留学経験者のマテオのおかげでそんなごちゃごちゃした駅も迷わずに正しい地下鉄に乗り、展示会場のあるアールスコート(?)駅に着いた。わたし「ああ、そういえば!!」走馬灯のごとく思い出した。駅から展示会場までまるでラブホテル状態でホテルがずっと軒を連ねた通りがあるのだが、約9年前、ルミブーとこの1軒に泊まったよ!ホテル街が終った角のところで我が社長がニコニコと待っていた。社長「霧がすごかったんだって?長時間お疲れさん。」とわたしを見る。わたしはアンナマリアのついたウソがばれているのじゃないかと思ってどぎまぎした。社長はみんなが揃ったのを見てさっさと歩き出す。彼はいつもながら、社内でも足早で、わたしたちは小走りで追いかけなければならない。社長は前日も来ているので慣れたものだ。「そこのタッチスクリーンで自分の招待ナンバーをインプットして。」わたしたちはあたふたとかばんからナンバーを取り出し、団子になって見守っていると後から後から人が来て、どこに並ぶかわからず、わたしたちのせいで入り口が大団子状態である。というか、イタリアでよく見かける効率の悪い列の並び方状態である。しかし、イギリス人のガードマンはイタリア人のように「さっさと中に入れ!!」などと叫ぶこともなく、あくまでもジェントルマンに「タッチスクリーンをお待ちでございますか?あちらにももう一台ございますよ?」とうやうやしく背の低いわたしに腰をかがめて言ってきたので(まさか、この田舎ものイタリア人集団のひとりとは思わなかったらしい。)、わたしは「すみません、すみません。」と慌ててインプット済みのカードを見せて中に入った。中に入ると広い展示会場だった。社長はさっそく「青いじゅうたんのところは、お前たちに関係ないから見るな、赤いじゅうたんのところだけみなさい。では10分後にここで落ち合おう。解散。」と消えた。←超せっかちみんなは「え~、10分でなんて何も見れないよ!」と言いながらもとりあえず前進する。お菓子の見本市でもないのに、歩くたびにイベント嬢たちが、さまざまな会社のロゴ入りの景品とか、あめ玉をくれるので気がついたら、何かくれるところばかり探していた。Mic◎osoftでは、キャンデイつかみどりだったので、夢中になってたらたちまち10分など過ぎてしまい、慌てて入り口に駈けて行く。社長がちょっと不機嫌な顔で待っていた。わたしたちの手のキャンデイを見て「なにか収穫があったかね?」と聞くので言葉に詰まっていると「今からある会社がプレゼンテーションをしてくれるからそこに行こう。」とみんなでぞろぞろ、その会社のブースへ。プレゼンは退屈だった。っつーか、わたしたちグラフィックチームにはまったく関係がなかったのだが、社長はこれは十二分にわたしたちのためになるものだと信じ込んでいるようだった。ずっと立って聞いていると暑いし、脱いだコートは邪魔だし、いろんなところでもらった景品やカタログの袋は肩に食い込むし、お腹は空いたし、フラフラしてきたところで終った。社長は「じゃ、コーヒーでも飲もうか。」わたしたちは喜び勇んで会場内の休憩コーナーに直行する。しかし言いだしっぺの社長は消えうせてしまい、我々はとにかく座り込んだ。わたしは出発前に「ロンドンに行ったら絶対紅茶しか飲まないぞ!」と決意していたのだが、あまりの暑さに水(イタリア産_| ̄|○)を買って一気に飲み干す。男性陣は「腹減った。」とサンドイッチとジュース。社長がやってきた。「みんなもう昼食は食べ終えたかね?」ええ、これからみんなで外に英国名物料理を食べに行くんじゃないの!?わたしたちは慌てて売店に直行、各々サンドイッチ(男性は2個目)と水を買って大急ぎでほおばったのだった。(イギリスのサンドって超薄味)社長はわたしたちが食べているにもかまわず「どのブースの何がよかったか、報告してくれないか?」という。上司として当たり前の質問なのだが、たった10分の見学時間と、我々に関係ないハード面の展示会。(←技師のみ関係あり)声をあわせてそのことを言うとたちまち社長の機嫌が悪くなった。「それはお前たちがちゃんと各ブースに立ち止まって説明を請わないからだ!」←だから時間がなかったんだって!英語も出来ないし、違う分野だし!!そして一揉めした後、社長は怒りながらも理解したようで技師代表のルカだけ連れて行ってしまった。わたしたちはやっと暑い会場を脱出して会場出口でぼ~っと「この展示会、全員で来る意味なかったよなあ。」とぼやいていた。アンナマリア「わたしはこのあとバッキンガム宮殿を是非見たいわ。」マッシモとジャンピエロ「え~、やっぱりビッグベン見ないと。」マテオ「ぼくはピカデリーサーカスに行きたい。」わたし「わたしはもう歩きたくない。一人でハロッズでお買い物して午後ティー飲みに行く!」←日本人的発言全員「いくきーと、ダメだよ、別行動しちゃ!飛行機に乗り遅れたらどうするの!?」←イタリア人的発言このあと社長は先ほどの不機嫌もどこへやら、上機嫌でルカと会場から出てきた。そしてわたしたちを地下鉄駅まで送り「わたしも予定を変更して今日みんなと一緒に帰ることにしたから、空港のチェックインカウンターで。」と言い残して消えうせてしまった。←ゲ、社長と最後まで一緒。時計を見れば残り時間3時間。1日って経つのが早い。そこでどうしたかというと、マテオとわたしは完全に無視され、ロンドン在住者ならおわかりになると思うが、地下鉄ウエストミンスター駅で下車、そのあと交通機関を一切使わず、ビッグベン、観覧車を見てからSt.ジェームスパークを大きく外から回りこんで左手に見るような形でバッキンガム宮殿の正面の道をひたすら歩き、ビクトリア駅へ、その間、休憩なし。という地獄のウォーキングルートをたどったのである。朝気持ちよく目覚めて、体力たっぷりなときならいいのだけども。。。St.ジェームスパークの横を歩いていたときのわたしはコートをはだけ、狂人のようにふらふらと定まらない目で足だけ動かしていた。ビクトリア駅に着いたときには日はとっぷり暮れていた。全員「お腹空いたね、あまり時間がないから、軽くどこかで食べる?」わたしは叫んだ。「じゃ、スタバ!ピザハットもある~!!」←どちらもイタリアに存在しない。マテオ「スタバなんて、今朝みたいなコーヒーはごめんだよ。」だからイタリア人同伴はイヤなんだ。アンナマリア「とにかく空港に行きましょ。今時間を気にしながら食べるより、空港で落ち着いて食べたほうがいいわ。」しかたがない。我々は駅構内に向かう。しかしそれは正解だった。ガトゥイック空港行きの電車は鈍行しかなく、着くまでに1時間近くかかった。空港のチェックインカウンターは往きと違ってすごい人ごみ。そこに社長が大荷物で現れ、「荷物は機内持ち込み1つのみ。」だったので、荷物を分解して各々のかばんに詰めさせられ(そのために飛行機を変更したのか?)、化粧品はうろうろしていた空港警備員にビニール袋に入れさせられ、パスポートコントロールでは往きよりひどい荷物チェックがあって、今度は全員靴を脱がせられ、可哀相なアンナマリアは社長の荷物を持たされたおかげでパンパンになったリュックを怪しまれ、全部中をぶちまけさせられて、1本1本の鍵の束まで念入りにチェックさせられる始末で、そこを全員で通過したときにはゲートの搭乗開始時間10分前だった。我々は小走りにレストランの集まるコーナーに行き、慌ててサンドイッチと水を買い、サンドイッチにかぶりつきながら走った。ゲートは遠くて、わたしたちはすでに飛行機に乗り始めている人の列の最後尾になんとかついて入ることが出来たのであった。飛行機は満席。皆バラバラに近い席に座り、最後に入ったわたしは唯一社長のとなりの真ん中の席が空いているのを発見したが、おそろしくて離れた通路側の席にちょこんと座る。社長「いくきーと、ここに来なさい。」わたし「う。。。トイレにすぐ立ちたいのでいいです~。」と笑ってごまかす。この席も往き同様、はずれ席。3つ並んだ2つはイタ公カップルがいちゃいちゃしてるし、通路を挟んだ隣の席のビジネスマンは熱があるらしく顔を真っ赤にして咳が止まらない。やがて飛行機が地上を離れたので、疲れて寝ようとしたら機上会議がはじまった。社長、勘弁してくれ~。精神ぴりぴり状態で離れた席から会議に参加し、ミラノの見慣れた空港に着くと、心からホッとする。しかし。ジャンピエロ「いくきーと、ダッシュだ!!」あ、そうだったそうだった。わたしはパスポートコントロールめがけてダッシュする。しかし、どうやらこんな夜更けには我々の飛行機の乗客しかいなかったようで、EU圏もEU圏外も関係なく列に並び、ロンドンに入ったときがウソのように簡単にミラノに入ることができたのだった。でも、3年前、最後に海外、日本に帰省したときにはマルペンサ空港にはコントロールすらなかったんだけども。我々はやれやれと予約していた貸切バスに乗って夜中の会社へと帰っていったのだった。アンナマリア「今回の出張って、パスポートコントロールがメインだったような気がするわ。」わたしは無言でうんうんとうなずいた。ああ、何もロンドンらしいものは食べれなかったし、紅茶すら飲めなかった。お土産も買ってないどころか、夕ご飯のサンドイッチは食べながら走っている最中に落としてしまったので全部食べてない。足は歩きすぎて、ビッコを引いてるし一応写真も撮ったけど、何撮ったかも覚えてないや。やっぱりこれって、「遠足」じゃなくて「出張」だったんだな。タダより高いものはない。はあ。。。。疲れた。(写真につづく)
2007.02.07
コメント(31)
さて。いよいよロンドン出張当日。前日の夜は、弁護士事務所から帰ってきて、すでに作り置きしてあった夕食をかきこみ、シャワーを浴びて急いでベッドに入りたかったのだが、おっとに邪魔をされた。おっとは郵便受けに入っていたちらしをふりかざし「見て!あの店でぼくらが買ったのと同じPCが「WINDOWS VISTA」バージョンで同じ値段で出てるよ!」そう、「WINDOWS VISTA」は2月1日からいっせいに発売になった。この間ノートを買ったとき、「WINDOWS VISTA」がもうすぐ発売というのはわかっていたけど、発売当初はきっと高いだろうし、値段が下がるのを待つのもイヤだし、おっともせかせかしてるし。。。と悩んだ末の決断だったのに、同じ値段、というのがショックだった。わたしはそのショックを顔に出さないよう「へえ~。。」と軽くちらしをスルーする。だって、もう買ってしまったんだ。よくある現象だ、買ってから更にいいものが見つかるっての。しかしおっとはしつこい。「バッカだなあ、君はPCに詳しいはずなのになんでちょっと待って買わなかったんだよ?」プチッ。いつもはニヒルなわたしはこの言葉に切れて大喧嘩になった。きっと明日に備えて緊張していたのかもしれない。自分もちょっとは後悔しているのに、畳み掛けるように言うな!!わたしは息を荒くしてベッドに入った。しかし腹が立って寝付けない。悶々と寝返りを打って少しでも寝ようと努力しているうちに朝の3時半になり、目覚ましが鳴ってしまった。くっそう!一睡も出来なかった!!わたしはすでに準備済みの服に着替え、無神経にまだ寝ているおっとを蹴り起こし、小さなバッグにパスポートと財布、携帯、ボールペンだけを詰めて肩にかける。今から飛行機に乗ってガイコクだってのに、これだけじゃ、なんか忘れているような気がしてならない。ドアを開けるとあたりは深い霧に覆われていて1m先も見えなかった。まるで「霧のロンドン予告編」みたいだ。いつもは田舎道でも時速100km以上でぶっ飛ばすおっともこればかりはさすがに出来ずにそろそろと動き出す。我々はリスクをさけるためにいつもの普通の市道を避け、車しか通らない高速道路や幹線道路を使ってちょっと回り道もしたおかげで、同僚たちとの待ち合わせのミラノ中央駅に着いたのはぎりぎり空港バス発車3分前。間に合ってホッとする。朝5時始発のバスは予想を裏切って満員。なぜか荒くれ系ガイジンが多くて、彼ら独特の体臭を撒き散らし、CDウオークマンから普通の音量で聞こえてくる異国の音楽にあわせてみなさんでハミングしているので、早朝からハードだ。マルペンサ空港に着くころにはすでに疲れてしまって、まだ来ていない1人の同僚を待つのにぐったりと座り込んでしまった。向かえあわせのベンチにはシチリア人の大家族が耳慣れない方言で朝からどなりあってるし、赤ちゃんは泣き出すし、これからおしゃれなロンドンに行く気があまりしない。チェックイン終了ぎりぎりに1人の同僚が走ってきた。わたしたちはすでにあきらめてチェックインを済ませ、ゲートに向かおうとしていたのだが、彼の登場でさらに遅れ、みんなで小走りでゲートに駈けた。パスポートコントロールは満員だった。最近飛行機を使って旅行していないのだが、テロ対策のためか?厳しくなっている。全員コートを脱ぎ、男性はベルトまではずして金属探知機をくぐる。それでもブザーが鳴ってしまったマッシモは靴までぬがされてX線でコントロールされる物々しさだ。やっと解放されて、男性陣が並んでカチャカチャとズボンをたくしあげながらベルトをはめる姿はなんとも滑稽であった。やっと飛行機内に入ることが出来た。我々の飛行機は「Easyjet」という格安飛行機で、なんと自由席!空港内に反して飛行機はガラガラだったので、みんなははしゃぎながら好きなように座り、わたしも真ん中ぐらいの3列の席にひとりで座っていると、その前列に韓国人のビジネスマン数人が並んで座った。く。。。臭い。。。。。。。。。彼らはこんな早朝からいったい何を食べてきたのだろう?口臭がくさいのだ。世界共通、おっさんって皆一緒。。。。。。。。。席を移動しようかとも思ったが、露骨に失礼かな、という気持ちと、窓の外を見たかったし、うちの会社の衆で他の全部窓側は陣取られているので、しかたなしに口で息をしながら座り続けることにした。濃霧で少し遅れて飛行機は空に飛び立った!あっという間に霧と雲を抜け、青空のひろがる上空を飛行機は進む。マルペンサ空港から北上すぐにスイスのアルプス山脈が眼下に広がったのだが、これを見てショックを受ける。暖冬で雪不足はわかっていたけど、地球規模で危機を感じたのだ。普段は頂上は夏でも真っ白。写真も白いけど、真っ白じゃない。そうして地球の未来を憂えていると飲み物と食べ物を満載したカートを押してにこやかにあんまり可愛くないスッチーたちがまわってきた。(制服がオレンジとグレーのジャージだし)スッチー「COFFE?」マテオ「イエス。」スッチー「ドェーユウロゥ シンカンタ」マテオ「は?」わたし「2ユーロ50って言ってるよ!」←ガイコク訛りイタ語解読に慣れている。マテオ「え~、有料かい!?」←格安飛行機なので機内サービスは全部有料スッチー「ドエエウロゥ?」とわたしに振り向く。わたし「No,ドゥエエウロ。」スッチー「OH,ドゥエエウロ。」とわたしじゃなくてマテオにウインクして舌なめずりをした。マテオは「日本人にイタリア語を教えてもらうイギリス人ってどうよ?」とため息をつきながらお金を払ってスタバのようなカップに入ったコーヒーを受け取った。そして一口飲むなり「いくきーと、コーヒーいる?」とわたしに押し付けてぐったりと背もたれにもたれかかる。わたしは一口コーヒーを飲んでみた。懐かしい日本で飲むようなアメリカンコーヒーの味が広がった。「んま~いっ!!」マテオ「。。。だからガイコクのコーヒーはイヤなんだ。」←だったら頼むな。わたしがこうしておいしい目覚めのコーヒーを飲んでいるうちに飛行機はロンドンガトゥイック空港に到着したのである。同僚たちとわいわい言いながら飛行機を降りたとたんにディズニーランドの人気アトラクションの前のような何重にもなった長い列が目に飛び込んできた。パスポートコントロールである!みんなで呆然と「なんじゃこりゃっ!?」と立ち尽くす。アンナマリア「え。。。ええ!あ、よかった。EU圏人出口は空いてるわ。」とみんながぞろぞろとそっちに向かうときにわたしは小さく叫んだ。「ご、ごめん。。。わたしはこっちなの。待ってもらわないと。。。」一同で「え!」と言う顔になる。ルカ「なんで!?イタリア在住の滞在許可証持ってきたんだろ?」わたしは真っ青になって首を横に振り「関係ないの。わたしEU国籍持ってないから。。。」ジャンピエロ「わかった、説明はもういいからさっさと並べ!」こうしてわたしは他の全員を1時間以上、コントロールの外で待たせるはめとなってしまったのだった。待っている間は、怒りと、わたしはやっぱりいくらイタリアに住んでいてもEU圏外外国人である、という自分の中での再認識での情けなさと、みんなをわたしのために待たせている申し訳なさでいっぱいだった。トイレも我慢していたので、途中、後ろに並んでいた、先ほどとは別の韓国人ビジネスマンに列を見ておいてもらってトイレに駆け込んだ。顔を真っ赤にしてフラフラとコントロールを出て行ったときにはみんなすっかり待ちくたびれていて、そばの売店のマフィンをぱくついていた。みんな「あ~もう、だからExtracomunitaria(EU圏外人)はイヤなんだ。」わたしは恨めしげに後をついていくしかなかった。朝食を食べてないのでお腹も空いていた。誰もマフィンをわたしに残してくれてはいない。涙アンナマリア「社長には、あんたが遅れたわけは、『飛行機が遅れた。』って連絡しておいたから、一言でもそんな話題に振ってはダメよ。」ありがとう、アンナマリア。すでに用意された電車の1日券を渡され、わたしたちはロンドンのビクトリア駅に向かうローカル急行に乗りこんだ。(つづく)
2007.02.06
コメント(19)
我が社のレセプション嬢というのは、わたしが入社してから3人変わったが、全員個性豊かだ。思うに、他の部署から隔離され、入り口(しかも社長室の隣)で独りで働いているゆえん、おかしくなるのではないか、と踏んでいる。一番はじめのラファエラは、目の大きい美人だったがガリガリで、それもそのはず好き嫌いが多すぎていつも昼食時、彼女のおかげで1時間しかない昼休みがたっぷり15分は会社から出遅れる。ラファエラ「昨日のバールで食べたサラダ、しなびていたからもう2度と行きたくないわ。」ラファエラ「あそこのバールは店員の態度が横柄だからイヤ。」ラファエラ「え~、いやだ。あのバール、ちょっと遠すぎるわよ!」当然のごとく毎回のことにみんなヘキエキしてしまって、彼女を無視して好きなところに行くようになった。彼女は一番後ろから文句を言いながら着いてきていた。わたしは彼女と同期なこともあり、なんかちょっと可哀そうでたまに彼女と2人だけで彼女の納得するところに行ったこともあったが、それだけでは彼女のうっぷんは納まらなかったようである日、「この会社、家から遠いし(ちなみにバスで15分。汗)、毎日変なものばかり食べて、胃が不調だから会社を辞めます。」と言って辞めてしまった。それからしばらく、我が社よりも近いところに仕事がなかなか見つからず、苦労していたようだが、やっと家からバスで7分のところの建築事務所の秘書の仕事を見つけて、嬉々として働いている。が、ここも独りでしかも暇らしく、時々我が社に電話してきては「今度みんなで夕食を食べに行こうよ!」と言ってくる。だが最初のころに、あくまで同期のわたしだけが付き合っただけで、誰も一緒に行こうとしない。汗そういえば、もうすぐ彼女のお友達との趣味で毎年恒例の「デコパージュ展」が催されるなあ。。。ここに顔を出そうものなら、イヤでも彼女たちの手作りの花々フリフリの何かを最低ひとつは買わなければ出口はないのだ!彼女の次に入社してきたのは、古いお友達にはおなじみの、雄雄しいセイウチのようなマリーナ。こんな逸話とか。 彼女の二重人格ぶりと、ずる休みするときの大嘘つきぶりには、皆であきれを通り越して、感心していた。しかし週のうち3日ほど、会社にいるときの仕事振りは完璧で、豪快さと、レセプションに必要な人当たりのよさと、誰もが振り回されている気難しい社長の扱いを心得ていた。なので「弟が大怪我をしてわたしが父の仕事(お父さんはがてん系の社長)を手伝うことになったので辞めます。」と本当かどうかはわからないけど言い出したときには、社長は慌ててあれやこれやと、彼女のお得になるような条件を出して引き止めたのだが、彼女の決心は固く、結局辞めてしまった。そして3番目は現在のキアーラである。ジャラジャラとゴージャスなアクセサリーを10個は身につけ、プチダイヤを縁にちりばめたメガネと10cmはあるんじゃないかと思われる針のようなピンヒールの靴の彼女を最初に見たときは、我が社始まって以来のタイプにみんなで引いた。しかし、この日の会議前、きちんと会議室のテーブルの上に人数分のレポート用紙とペンを並べ、会議が始まる10分ほど前に社長に「コーヒーは何時ぐらいにお出ししましょうか?」と聞いているのを見たときにははじめて見る、まるで大会社のような周到ぶりに「すっげ~!プロだプロ!」と大騒ぎをして彼女のおかぶを一気にあげたわたしたち。しかしこの後昼食中に「わたし今まで20社以上、転職したの。」という話を聞いて、おかぶ↓↓↓。そして昼食帰りに、彼女が会社の近くにあるネイルサロンにさっそくパンフレットをもらいにいったときも「うわ~、違うなあ。」と思った。入社2日目、キアーラが「昨日食べたバールで胸焼けがしちゃったから、今日からお弁当を持ってくることにしたわ。」と言ったときには「これはラファエラの再来か?」と構えたがちょっと違うようだ。それまで雑然としていたレセプション、いつのまにか、花の鉢と造花や仔猫ちゃんのポスターに覆い尽くされた甘い甘い、一昔前のラブホテルの入り口のような空間になった。汗掲示板に無造作に貼ってあったお知らせや、各地の絵葉書は整然と並べて貼りだされている。休みの日のカレンダーもひとりひとりのわずかな変更も見逃さず、そのたびにプリントアウトしなおして張り出してある。女子トイレにあった、ずっと枯れそうになりながらもけなげに生きていた古いポトスの鉢も、そっけなく捨てられ、たいしたことじゃないけれど中のゴミ箱の位置とかも変わって、なんか使いづらい。朝一番でトイレに入ろうものなら甘ったるい香水の臭いでクラクラくるし、しかも最近、便器の上に「使用後は便器のふたを閉めてから出ましょう。」なんてどうでもいい張り紙がしてあるし、ある日は便器の上のふたをガムテープで固定してあったので、いい加減、むかついてきてベリベリはがした。彼女は上記の2人と違って、あまり同僚たちと仲良くしよう、というタイプではなく接触は少ない。なので、よく知らないせいもあるかもしれないけどなんとなく冷たい感じがして、なにか頼ろうとすることとかがあると前の2人は頼りになった、というか、ダメでも真心がこもった応対があったのだが、彼女はそっけなさすぎるというか、待っている答えがいつも返ってこないというか。。。なんか今までの中でいちばんしんどいタイプかもしれない。う~ん。なんか今日ってどうでもいい日記だな。
2006.09.14
コメント(22)
あ~、こわかった。今朝は本当にちびるかと思った。今日からいよいよ会社復帰である。4ヶ月近くも間が空いたというのに、朝起きて、支度をはじめると、この4ヶ月間の空白がウソだったかのように思えてきた。リュックを背負い、ヘルメットをかぶってスクーターのチェーンをはずした。1週間前、おっとが洗車センターできれいに洗ってくれたばかりなのに、シートは砂埃だらけ、あちこちにクモの巣が張っている。慌てて家に戻って雑巾を取って来てざっと拭き、またがった。そして、ミラーが事故で割れてしまったのをおっとが知らない間に替えてくれてたことに気がつく。はっきりいって、またもやスクーターに乗るのはこわかった。ちょうど1週間後、保険が切れるのでわたしは保険を更新するより、そのお金でギアつきの自転車を買って乗りたいとおっとに提案したのだ。そうすれば、保険代もガソリン代もかからないし、今のわたしにはリハビリも兼ねて好都合ではないか?おっと「この季節は寒くも暑くもないからいいけど、夏とか冬はど~するの?」うむむむむ。。。確かに。朝はいいけど、疲れて帰って来た夏の夕方に、駅前の「心臓破りの坂」を上がるのは酷かも。そこでとりあえず保険が有効な1週間の間、こわいがちょっと乗って考えることにしたのだった。スクーターのエンジンをかけた。エンジンも先週おっとが全て点検してくれて問題がなかったはず。4ヶ月近くの休息の後、彼のエンジンは最初、にぶくかかったが、何度かかけるうちに快調なモーター音となった。さあ、出発!げげげっ!!!すぐに異常に気がついた。ハンドルが右に右に向く~!!!????こんな重要な問題、おっとは一言も言わなかったよ!?ノロノロと走りながら一生懸命ハンドルを左に向ける。かろうじてまっすぐ走るが、右手の力をゆるめると、すぐに右に傾く。あ、あかんやん!やがて駅前の「心臓破りの坂」の上に着いた。わたしはここで滑って骨折したのだ。ただでさえこわいのに、この状態、どうするよ!?バックミラーを見れば、わたしの後ろでは後続車がどんどん集まってきて、引き返すわけにも行かない。覚悟を決めて、クラクションの嵐を浴びながらノロノロと坂を下りたときには冷や汗でびっしょりになっていた。今日、また帰りにこのスクーターに乗るのがこわい。やっぱり、自転車を買おう。でも、週末まで買い物に行けないから、今週いったいどうしよう???++++++とにかく往きは無事にたどり着けたので、いつもの場所にスクーターを停めて電車に乗った。ミラノの終点で電車を降り、地上に上がると、いつもの景色が広がったのだが、排気ガスと、いろいろなものが混ざった臭いに「う!」と顔をしかめる。ミラノの街って、以前は慣れていたから感じなかったけど、やっぱりくさい。先週リハビリ師に出された指示通り、びっこを引かないように注意しながらゆっくりゆっくり歩いて会社に向った。いつもはあっという間に走り渡っていた横断歩道も、なかなかクルマの切れ目の間が掴めず、渡る事ができない。誰かが渡るのを待って、慌てて後ろから引っついて渡る。やっと会社に着いた。今朝は初日(?)ということもあって、早めに出勤したら案の定、まだ誰もいなかった。電気をつけて、窓を開けて、懐かしの自分のデスクに行くと、PCがないではないか!?OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH,NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!わ、わたし。。こんなに長いこと休んでたから、もしかしてクビになった!!??真っ青になって、呆然と立ち尽くしていると、あのマリーナの後釜の新しいレセプションのキアーラがやってきた。キアーラ「あら、久しぶり。やっと復活したの!?」わたし「うん。。でも、わたしのPCがない。クビにされちゃったのかな?えへへ。苦笑&涙」キアーラ「え~、知らない。」とさっさとレセプションに行ってしまった。新しいキアーラは前任のマリーナに比べて優秀肌なのだが、なんだか人間味に欠けるな。もっとこう、一緒にPCを探してくれるとか、慰めの言葉をかけてくれよ!絶望の淵に立たされ、オリの中の熊のようにウロウロしていたら、次々に社員が出勤してきてやっとプログラマーのロンギが「ごめん、ごめん。君のPC,ちょっとの間、拝借していた。」と抱えて現れたので、ふ~と息がつけたのだった。やれやれコーヒーでも飲むか。。。と久しぶりに再会した同僚たちと休憩コーナーの自販機で今までの朝と変わりなくカプチーノを選ぶ。一口飲んで「げ!?」と吐き出した。コーヒー豆の賞味期限の過ぎたすっぱい味がする!!わたし「まずいよこれっ!」同僚たち「え、いつもと変わらない味だけど?」わたし「。。。。。」我が家にはイタリア人はひとりもいないので(当たり前だけど)、「大阪人の一家に一台たこやき機」のような存在の「イタリア人の一家に一台エスプレッソマシーン」はない。日本でもわたしはほとんどお茶か、たまにアメリカンコーヒーしか飲んでいなかった。ここではイタリアンコーヒーが飲みたければ、ちょっとその辺のBARで100円程度で飲める。そうやってここ4ヶ月、ほとんどコーヒーなしの生活を送っていたのだが。。。自販機のコーヒーがこんなにまずかったとは。再認識してショック。やがて昼休みになった。(仕事いつしてるんだよって?)マリーナが会社を辞めてから、というか、レセプションがキアーラに替わった後、わたしはすぐに事故を起こして出社しなくなったのだが、今までは、女性陣全員でお昼は会社の周りのBARをあちこち巡り歩いていたというのに、今はみんな適当にパニーノなんかを買ってきて、会社で食べているという。「そんなの、つまらないよ~。」わたしは久々に田舎町の家ではなく、会社という「監獄」の中で午前中いっぱいを過ごしたおかげで、外に出たくてたまらない。ひとり、男性陣と公園のベンチに座ってパニーノをほうばった。いつの間にか新しいプログラマーがひとり増えていて、なんと彼の弟が日本人と結婚して青森県に住んでいるというので、その話題で盛り上がり、なんとか退屈せずにすんだのであった。そして今。まだ退社まであと4時間。耐えれるかな、ふう。。。と、こんな日記が余裕で書けてしまうぐらい、会社は4ヶ月近く前とほとんど一緒の状態だ。
2006.05.22
コメント(8)
1週間ぶりの出社である。あれだけ積もった雪も舗道に残るのみとなった。やや暖かくなった外の空気を吸い込みながらおそるおそる出勤した。電車の中で、先週1週間のうそっこインフルエンザの模様を、どのように同僚たちに語ろうかとぼんやり考えた。出社するなり唯一わたしの病欠の正当な理由を知るアンナが「おかえり!」とウルウル抱きしめてくれた。あとはヤレヤレなことに次の日のプレゼンテーションの為、同僚たちは忙殺されていてあれこれ詮索されることなく済んだので助かったのである。わたしもそういったわけでバタバタとして、久しぶりの楽天日記もロクにチェックも出来ずにあっという間に一日が終わったのだった。
2006.03.03
コメント(0)
今日はひさびさに会社ネタ。最近ミラノの天気が雨続きで寒かったり、急にぽかぽか暖かくなったりするものだから、周りに風邪を引いているひとが増えてきた。そういうわたしもいつもランチを一緒に食べる同僚たちから先週しっかり伝染されたけど。ちょっと前にしょっちゅう夜遊びをして、朝そのまま会社に直行してくるラケーレが、ある日声をガラガラにして会社に風邪ウイルスを持ち込んだことから始まる。それを皮切りに、わたしの後ろの席のアンナも高熱を出して2日ほど自宅でダウン。続けて同僚たちがバタバタと倒れていった。ラケーレとアンナの2人が同時に休んだ日には レセプションの雄雄しいセイウチのような雰囲気を持つマリーナとわたしだけで寂しくBARで昼食を取ることになったのだ。わたし「今日もなんだかどんよりした天気でイヤになるね。」マリーナ「天気だけじゃないわ、わたしも昨日の夜から調子が悪いのよ!」大声わたし「え~、あの2人に風邪伝染されたんじゃないの?」マリーナ「体が熱いの。きっと熱があるわ!今日アンナマリア(秘書兼レセプション)有給取って休んでなかったら、わたしは絶対来なかったわよ!!」と具合が悪そう、というより不満そうであった。この言葉からわたしは次の日マリーナは絶対病欠を取る、と確信した。そうなのである。彼女は「病欠女王さま」なのだ!彼女のお父さんはお祖父さんから代々のしゃちょ~さんである。ミラノでは超珍しい庭付き1戸建ての豪邸に住んでいるお嬢さまなのだ。(ちょっと郊外だけど)なので、お金の心配などまったくない結構なご身分なのだが、年齢が年齢な上に暇つぶしに働いている感じがする。で、会社に来るのは気まぐれで1週間のうち2日休むこともざらなのだ。入社当初は朝に会社に具合が悪そうに電話をかけてきて「ゲホゲホッ。今日は休みます。」とちゃんと言って休んでいたのだが、休む日が増えるにつれ、その理由は「父が突然倒れたので。」とか、「弟がクレーン車の下敷きになったので病院に付き添わないと!」とか「昨日の嵐で庭の木が家に向かって倒れてきたので修理しなければ!!」とか、だんだん嘘か本当かわからないようなものになっていった。去年「マムシに噛まれたので数日休みます。」とアンナマリアの携帯にメッセージが送られてきたときにはもうわたしたちは目が点になったのである。最近そんな彼女に慣れて来たわたしたちもちょっと前まで「明日は彼女、きっと休むよ。コーヒー賭ける?」と遊んでいたが、それにすらだんだん飽きてきたし。。。汗こんな有様なので社長が相当頭に来るのは当然のことである。ある日、彼女は呼び出されて月給から日給に変えさせられてしまった。社長はこれで彼女が懲りる、と思ったようだが、彼女はこれで激怒してしまい、ますます会社に来なくなったのだった。(←そんなに会社に来たくないなら、なんで自己退職しないかも、今までクビにならないかも、不思議)***話は戻して次の日。彼女はわたしの予測どおりしっかり会社を休んだのである。しかも今回はなんとご丁寧に医師の証明書をFAXで送ってきたのだった!!いつものごとく会社の野次馬一同がぞろぞろと集まった。イタリアの医師の証明書は2枚必要なのである。1枚は赤い枠取りがなされたA5サイズほどの紙に診断を受けたことが書かれているもの。もう1枚はその医師によって書かれた証明書である。証明書には解読が不可能に近い殴り書きでこう書かれてあった。(ちなみにイタリアの医師の診断書はたいがいこうである。お医者は字を学ばないんだろうか?)「マリーナ メローニは病気です。よって8日間の自宅休養が必要であるとする。」びょ、病気です???普通、インフルエンザとか、肝炎とか、なにか病名を書かないか??説得力が無さ過ぎる!!アンナマリア「めちゃくちゃ怪しいけれど。。。医師が患者のプライバシーを守って病名を記述しないってのも考えられるわ。」そうかなあ?(←一同の声)会社にその日から復帰し、しげしげと2枚の紙を見比べていたラケーレが顔を上げた。「これは偽物よ、賭けてもいい!」ええ!どうして?「よく見て。」とラケーレはホワイトボードに2枚の紙を貼り付けた。「筆跡は見比べたところ、同一人物の手によって書かれたものよ。そして、スタンプされている病院名も住所、電話番号も同じ。」ふんふん、と一同でうなづく。「でも、2枚の紙の担当医師の名前が違う!そして日付が違うわ!!同一人物によって同じ日時に書かれなければならないのに、どうして違う名前で日付も違うのよ?!」あああああ!!!!一同はラケーレの推理力に感嘆したのであった。(←というか、間違い探しクイズ)しかし、そこでどうしてマリーナに「謎は解き明かされた!観念しろ!!」と誰が言えるだろう?なすすべもなく、この余興が済んだところで一同ゾロゾロと仕事に戻ったのであった。ちなみにこの日は9月20日だった。***そして昨日、9月28日。診断書どおりならば、いつもは朝一番に来るマリーナが会社の鍵を開けてレセプションにいるはずである。。。マリーナが来ている日なら2番目に来るわたしはドアを開けようとしたら、閉まっていた。。。。汗仕方なく門番のところに鍵を取りに行って会社を開け、電気をつける。マリーナ、どうしたんだろう?しばらくして全社員が入ってきた。アンナマリア「マリーナは?」わたし「いない。たぶん日にちの計算間違いをしてるんじゃないかな?」(←ちょっと嫌味)マッシモ「え~、もうこのまま会社に来ないんじゃないの?」ラケーレ「いやまだ調子が悪いのかも。」(←もちろん冗談)そのあとまたしばらく野次馬一同でわいわい言い合っていたが、飽きて仕事に戻った。マリーナの直接の上司であるアンナマリアはしばらくマリーナからの連絡を待っていたが、何も無いので思い切って電話をした。わたしたちはそのやりとりは聞けなかったのだが、電話の後アンナマリアが困ったような、泣きそうな表情をしていたので「どうしたの?」と慌てて聞いた。アンナマリア「マリーナにね、もう8日経ったのにどうして出社しないの?って聞いたのよ。」うんうん。アンナマリア「そうしたらね、ひどく怒った声で「あの8日間のI GIORNI LAVORATIVI (月曜日から金曜日の通常の会社営業日) のことです!だから計算したら今週の木曜日までが自宅休養でしょ!?」って噛みつかれちゃった。その声があんまり元気なものだから「そんなに元気ならば会社に来なさい!」って言い返したんだけど。。。」。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。大汗 本当ですか?病欠って具合の悪い日数を計算するんだよね?それにはもちろん土日も含まれてるはず? いや、土日は気分的に元気になるから計算しないか??有給日の計算じゃないよねえ~。。。ここはバルゼレッタ(イタリアのバカバカしい小話)だらけで有名なナ◎リやロー◎ではない。マリーナは普通のレセプションでカラビニエリ(軍警察。ば◎で有名。)でもない。イタリアNo.1の商業都市ミラノで起こったこんな実話に触れることが出来たのである!なんだかちょっとうれしかったような。。。。ゲホゲホッ。こんなことを書いていたら胸が苦しくなってきた。明日は頭痛で会社を休むか。。。。あ、ちなみに今日もマリーナは休み。
2005.09.29
コメント(28)
7月17日(日)この日わたしたちは名残惜しかったが、リミニから旅立たなければならなかった。おっとは月曜日から出勤であることをひどく気にして「早朝に立とう。」という。えええええ~~~。。。。だったら、結婚式が終わって自腹でもう1泊した意味がないじゃん。夏になると毎週末はミラノ⇔リミニの道が混雑する。金曜の夜は都会から海に行くクルマで溢れ返り、日曜は帰るクルマの波というわけだ。わたしは日曜日は夜遅くまでリミニに居て、渋滞が減ったのを見計らってミラノに深夜に帰りたかった。そうすればこの日はまるまる夢のようなリミニで過ごせる。しかし、唯一の運転手のおっとは渋滞が始まる前にさっさとミラノに帰って家で次の日までに休憩を取りたかったらしい。こういう場合は悔しいが、運転手の意見が重視されるのだ。わたしはしぶしぶ、おっとは早く出発したい一心でアセアセしながら、チェックアウトをしたのだった。チェックアウトカウンターでキャッシュカードを出す。チェックアウトカウンター「すみません、うちは現金のみになります。」(←ちなみに3つ星ホテル)げ?なけなしの現金を財布をはたいて払った。これで手持ちの現金はなくなった。で、しかたなしに銀行にお金を出金しにいくはめになったのであった。まだ日差しのきつくない商店街を歩くと、前日結婚式で一緒になったアンナの親戚たちが優雅に道路沿いのカフェの外のテーブルで朝食をとっている。彼らはここからさらに2週間リミニに滞在するのだ。いいなあ。。。挨拶を交わして、さらに歩くとやっと1つ銀行が見つかった。キャッシュコーナーに並んでいると「いくきーと!」とミリアム家族がやってきた。彼女は我々とは別のホテルに泊まっていた。実を明かすと彼女は「招かれざる客」だったのである!去年のあの事件以来、わたしたちと彼女の距離は平常を装いつつも、やっぱりかなり離れてしまった。しかも彼女が産休に入る直前にはペアを組んでいたアンナと仕事の引継ぎでかなり揉めたらしい。それでアンナは結婚式前に「産後で大変だろうし、来れたら来てね。」と取り合えず社交辞令だけして正式に彼女を招待しなかった。なので当日突然教会に現れた彼女を見て、アンナとラケーレとわたしでかなり驚いたのである。(彼女は式の前日の金曜日にミラノの会社を訪れて式場の情報をゲットしたらしい。この日はすでに旅立っていたわたしたちは知る由もなかった。)ミリアム「偶然ね!ちょっと聞いて、ひどいのよ。わたしたちが泊まったホテルったらキャッシュカードもクレジットカードも駄目で現金しか受け付けないのよ。まったくイタリアって不便よねえ。」同じだ。どうやらリミニのホテルはみんな現金払いばっかりらしい。ミリアム「これからどうするの?わたしたち、誰かと一緒に海に行こうと思ってさっきラケーレに電話したんだけどまだ寝てるみたいなのよ。ねえ、一緒に行かない?」おっと「。。。悪いけど、もうミラノに帰らないと明日仕事だし。」ミリアム「大変ねえ。うちはジョルジョ(旦那の名前)が2ヶ月休暇を取ったからこのあと、トスカーナの別荘に行くつもりなんだけどね。」はああ、結構なことでございますなあ。わたしたち庶民はそんなことが出来ないんざますの。わたしたちはそういうミリアムに少しの悪気もないことは百も承知なのだが(←彼女はドイツ貴族の末裔)、ちょっとムッとしながら彼らと別れたのであった。ここからわたしはどうしてもすんなりミラノに帰りたくない。そこで、「ガイコクに行こう!ガイコク!!」とおっとに提案する。おっと「ガイコク~~ぅ?」そうなのである。リミニからわずか15kmほどのところにイタリア半島にありながら、イタリアではない「サンマリノ共和国」があるのだ!サンマリノはローマのバチカンに次ぐ小さな共和国だ。ここの中心は大きな城壁に囲まれた要塞である。国境には税関とかもあるし、タックスフリーの電気屋さんなんかもある。サンマリノのクルマのバックナンバーは国旗同様、水色に冠と3つの塔のデザインが入っていてとても可愛い。おっとは「じゃ、さっと見るだけね。」と言って、国の中心の観光地化された要塞に向かったのだった。城門をくぐる。要塞のてっぺんには3つの塔がそびえたっている。わたしたちはこれを目指してひたすら坂を登った。おもしろいのはこんなおもちゃのような国なのに、ちゃんとパスポートにハンコを押してくれたりするところだ。ここはパスポートなしでも入国できるのだが、観光客向けにこんなサービスもしているらしい。サンマリノの名産は色とりどりの切手である。こんな絵葉書みたいな切手もある。切手コレクターには楽しい国だろう。わたしも数枚買って、家に帰ってからはがきに貼って日本の友達に送ろうとした。だが、イタリア国内からじゃ、送れないことにこの時はじめて気がついたのだった。アホである。「さっと見るだけ」が、写真を撮ったり、お土産物屋を物色しているうちに時間があっという間に過ぎた。わたしたちは急いでクルマに向かう。。。。「いくきーと!!」誰かが呼ぶ声にびっくりして振り返るとそこにはまたもやミリアム家族が立っていたのであった。ミリアム「もう、なんて偶然なの!?わたしたちリミニで誰も一緒に海に行く人がいないからここに来たのよ!あなたたち、とっくにミラノに帰っちゃったと思ったわ。」ふう、やれやれ。。。まったく偶然だ。日本人とドイツ人はメンタリティが似ているとよく言われる。どうやら、思考回路までが一緒だったようである。おっと「。。。今度こそミラノに帰らなくちゃ。」とみんなで記念写真だけ撮って、(ミリアムはずっと一緒に行動したかったみたいだけど)早々に立ち去ったのであった。こんな寄り道をしてもまだ午前だったので、ちっとも渋滞どころかクルマがまったく走っていない高速道路をリミニからボローニャへと駆け抜ける。「あ~あ、こんなに渋滞がないならもうちょっとゆっくり出来たのに。。。」とブツブツいうわたしにおかまいなくおっとはさらにボローニャからミラノへの高速に入った。ボローニャからはさすがに各地からのクルマが集まってくるだけあって少しクルマが増えてきた。おっとはガソリン代の節約と、少しでも早く走るためにかんかん照りだというのに冷房のスイッチを切ったので2人で汗だくである。わたし「ちょっと一回休憩しない?トイレに行きたいよう。」おっとはため息をついてサービスエリアに進入する。おっとは何がいったいそうさせるのか、がむしゃらに早く帰りたくてたまらないらしい。わたしが用を済ませ、冷たいジュースを買ってクルマに戻るとうちのもんで男くんのそばには立派なシャコタンのBMWのオープンカーが留まっていた。わたし「ステキねえ。。。誰かあんなオープンカーでデートしてくれないだろうか?」とおっとにボケてみる。さすがに南米人のおっとは関西人のように突っ込んではくれず、チッと舌打ちして「何言ってるんだよ、早く行こう!」とクルマに乗り込んだ。関西人をおっとに持たない妻は物足りなさを感じるひとときであった。再びクルマがスタートした。ボローニャ、ミラノ間の高速道は広く3車線あり、わたしたちは一番速い車線を時速150kmほどでひたすらまっすぐ駆けていた。と、後ろの真ん中の車線から近づく影に気がついた。あ、あのサービスエリアにいたBMWだ!と思ったときにはすでに遅し!!ガガガガガガガガガガガガガガガガギギギギギギギギギギーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!完全な自殺行為である。まるでわたしたちが見えないかのようにわたしたちの車線に、わたしたちのクルマに、すごいスピードで突っ込んできたのである!!!そのときのビジョンはまるでBMWがコマ送りにゆっくりとわたしの肩にしなだれかかってきたような感覚だった。そしてゴムの焦げるすごい臭いですぐに我に返ったのだ。おっと「だ、大丈夫、いくきーと!!??」速度を落として、というより速度が急に落ちてもんで男くんとBMWが道路わきに留まった。あのBMWからはサングラスをかけたどこぞの坊ちゃん風のおっさんが颯爽と降りてきた。おっともすぐにクルマから降りる。わたしは降りようとしたが、助手席のドアがへこんで開かない。バンッ!と思いっきり蹴ると「ゴギッ」と大きな音がしてやっとドアが開いた。おっさん「。。。あんたら、ぼくのクルマにいったい何をするんだよ?!」はあ?おっさん、熱射病かい!?どう見てもあんたから勝手に突っ込んできたんだろうが!!??わたしとおっと「あなたこそ、どこ見て運転してるんですか?いったいわたしたちを殺す気だったんですかっ!?」おっさんはどうやら、ガイジンの若造カップルだと見て試したらしいが、わたしたちが口から炎を出しているのを見て簡単に観念した。おっと「。。。示談にしましょう。」おっさんはため息をついて胸のポケットから立派なモンブランの万年筆を取り出して書類に書き込み始めた。おっとは鬼のような目で見守っている。ヘタすると我々が加害者のように書かれるかもしれないからだ。おっさんが書き終わって「もう行ってもいいだろう?」と聞くのだが、「ちょっと書類をコントロールする間、待ってください。」と目を皿のようにしてチェックするおっと。その間、自分のBMWの傷を確かめるおっさん。おっさんのBMWの車体も派手にへこんでいた。わたしは真昼間に高速道路のど真ん中で汗をだらだらかきながら見守るだけである。おっと「。。。いいでしょう。行ってください。」おっさんはうやうやしく我々と握手を交わし、クルマに乗り込んだかと思うとあっという間にすごいスピードで走り去ったのであった。懲りないやつである。おっとは傷の具合をチェックする。そして哀しそうにクルマをスタートさせたのだった。いろいろ走りながらどこか他にも壊れてないか試したのだが、幸いにもおっさんがぶつかってきた助手席のドアだけで被害が済んだようである。わたし「もちろん、これっておっさんの保険でカバーされるんでしょ?」おっと「。。。。わからない。」ええ?どういうこと??おっと「たぶん大丈夫だと思うんだけど、書類に記載されてることでよくわからない項目が何個かあるんだよね。。。」あああ~、そうなんだよ、そうなんだよ!!いくらイタリア語が上手になっても普段使わないボキャブラリーが出てくるとお手上げ、ってことがどうしたってあるのが、ガイコク暮らしの外国人の哀しいさだめだ。せっかく今までうまく行っていたリミニ旅行のるんるん気分が一気に害された帰宅となったのであった。いやしかし、あのとき、わたしたちの後ろに後続車がいなかっただけでも連発事故が防げて「不幸中の幸い」だったか??とんだハプニングで幕を閉じたリミニ旅行だった。
2005.08.02
コメント(16)
またもやお久しぶりです。ここのところ、浮き沈みの激しい日記が続いてスミマセン。週末はTOPを工事中で投げ出したしなぁ。。。今日はめでたい日記。写真がすごく多いので別のHPに写真日記をまとめてみました。先週土曜日の同僚マッシモの結婚式を見たい方はこちらを→クリックしてね!!
2005.06.20
コメント(19)
サントドミンゴ共和国に移住したはずの我々の古き同僚、チロが突然年末からミラノに帰ってきた。そして、まるで何事もなかったように朝一番で出社して、今古い彼のポストに座っているロンギの私物を全部移動させて、そこにデンッと構えたのである。我々、平社員は突然帰ってきたチロに騒然となったのはいうまでもない。(ポストを奪われたロンギが一番気の毒だった。)が、秘書のアンナマリアおばさんならびに社長も。。。。。驚いていた。(なんでや、知らんかったん??)彼が言うにはとうとうかのチョコレート色の美人の奥さんと離婚し(され?)、帰国せざるおえなかったらしい。で、我が社に しかたがないので 戻ってきた、というわけである。。。。。しかたがないからって、前触れもなしに元の会社にこんなに偉そうに戻ってくるやつって。汗???そこからどう社長を説得したのか我々は知る良しもない。しかし、やつは何事もなかったようにこの日から毎日再出勤しはじめたのである。(社長の弱みでも掴んでいるんだろうか?)チロが帰ってきてからというもの、いかにも奴ならやりそうな、まことしやかな性犯罪説やら、浮気説の噂があちこちで飛び交ったが、それも収まってきた今、またこんな話を聞いてしまった。古いお友達は去年の夏の巨乳のお姉さん、ラケ-レの話は覚えておいでだろうか?すっかり記憶の彼方に逝ってしまったこの話が、被害者?チロの口からきのう再現されたのである!(読んでない方はご足労ですが、比較のため読んできて欲しいデス。)去年の夏、一時帰国したチロは新しい社員のラケ-レに毎日「ねえ、うちにこない?」というお色気たっぷりな熱い告白を受けて参っていたそうだ。で、チロは「何言ってんだよ、ぼくは妻帯者で子供もいるんだ!悪いけどそんなこと出来ないよ。」と断り続けていたのだが、ラケーレがとにかくしつこい。そのうちラケ-レ「じゃあ、せめて外で軽いアペルティーボ(夕食前にBARなんかで軽く飲むこと)ぐらいおごってよ。」と言うのでしぶしぶOKをした。その夜。アペルティーボというので普段着で行くと、高級レストランに連れて行かされて困ってしまったという。しかも、レストランの店員の態度は悪いし、料理はまずい上、法外な値段を払わされてさんざんだったそうだ。もうすっかり気分を害し、彼女にクルマでおくってもらって帰ろうとするチロ。と、ラケ-レ「ねえ、今日は両親が湖に出かけていて、わたしひとりで寂しいの。あなたの家、誰もいないんでしょ?ベッドの上で一緒に朝までマリファナやりましょうよ。」とお色気たっぷりに誘ってきた。チロ「いい加減にしておくれよ!それはダメだって言っただろ!!」と怒って唖然とするラケ-レをクルマに残して家に入って行ったそうである。。。。。どっちの話が本当なんだろう?仲良し度からいうと断然ラケーレの方が上だから彼女の味方をしたいんだけど。でも、どっちもいい勝負でポルコーニ(すけべ野朗)だしなあ。。。。ラケーレの方が実話っぽいか?だってチロなんて、ちっともいい男じゃないし、そっちが強そうでもないし。。。。?18禁な妄想に悩んだわたしたち。**************ここで皆さんにお断りです。今週はじめにいただいた「楽天オブザイヤー2004 審査員特別賞」。毎日のアクセス数を見ていると3日天下となりつつあるのですが。。。。涙。でも、これをきっかけにたくさんの新しくリンクしてくださったお友達ができて感激です!今までわたしのHPは右側の「Bookmarks」で、外部リンクのお友達、楽天内で相互リンクしていただいているお友達、リンクしていただいているお友達を 1.自分が遊びに行きやすい2.感謝謝謝!!!!!のつもりでセッセと載せていたんですが、我が家の中も、会社のデスクの上も、グチャグチャなわたしには、新しいリンクの数に頭がグルグル(イタリアに永く住みすぎて10以上は数がちゃんと数えられなくなりました!ハトの脳みそ)、これ以上載せて行くと、間違い、記載忘れ、スクロールのし過ぎによる指の痙攣を起こしかねません。そこで申し訳ないのですが、外部リンクの方のみを残して楽天のお友達のお名前は一覧は削除することにしました。その代わり、皆さんに楽しんでもらったり、役に立つような外部サイトを見つけた折には徐々にリンク、紹介させていただこうと思っています。ちなみにリンクはするのも、はずすのも、フリーです。この旨、ご理解いただき、今後ともよろしくお願いします!いくきーと
2005.02.04
コメント(21)
昨日の日記を読んでくださった方々にはご心配をおかけして、すみませんでした。追記をする、なんて言っときながら、いろいろあって出来ませんでした。(マッシモコジモが昨日納期の仕事を昼食後まですっかり忘れてたとか(ナポリ人だし)、で残業になったとか、それが2週間も前にもらった仕事だったなんて社長には言えない。)我が社は通常は昼の1時から1時間の昼休みである。しかし、社長からは一向に連絡は来ず。。。。1時10分前にもなると、わたしたちの間で「あきらめムード」が漂っていた。みんなでどこに昼ごはんを食べに行こうか話し出す。1時5分前。電話が鳴った。秘書のアンナマリアが取る。やっと社長だ!!社長せかせかした口調で「わたしはちょっとミラノに着くのが遅くなりそうだ、だからトラットリアで集合ってことで。」と電話を切ろうとする。アンナマリアは慌てて「ま、待ってください!わたしたちどこのトラットリアかも、何時に予約かも知らないんですよっ!」社長「あれ、言ってなかったか?予約は1時だ。トラットリアは。。。ラゴスタ広場のところのある通りと同じ名前だ。説明がややこしいなあ。このあいだ、グラッツエラ(会計士のおばさん)とそこの話をしたから彼女が知ってるよ。じゃ。」と電話を切ってしまった。アンナマリアのまわりに集まってダンボ耳になっていたわたしたちはいっせいに時計を見る。1時3分前である。ラゴスタ広場はちと遠い。「みんな~ぁ!急いで!!」アンナマリアが金切り声をあげ、社員全員いっせいにドアの前に集合する。アンナマリア「あら、フェデリカは?」マテオ「トイレに行ったよ。」この急いでいる時に!!フェデリカがトイレから出てくるのを待って全員避難訓練のように列をつくって会社から出た。「たぶん、あそこのことだと思うのよ・・?」と自信のないグラッツエラを先頭にわたしたちは進む。彼女しかトラットリアを知らないのだ。グラッツエラ「あ、ちょっと待って。」とタバコ屋さんの中に入った。え?まさかタバコ屋の中じゃ食べれないでしょ?社員全員でタバコ屋の前でたむろすること数分、グラッツエラが出てきた。「ごめん、ごめん。タバコを買う列がすごかったから。。。」。。。。ってこんなときにタバコを買ってる暇ないでしょ!こうやってだらだらわたしたちは進み、やっと社長が予約した(らしい)トラットリアではなく、オステリアの前に着いたのだった。みればミラノで有名なジャズ専門のコンサート会場「ブルーノート」の隣。めちゃくちゃわかりやすいところやん!ここでちょっと解説:リストランテ:たいがい4つ星以上のホテルの中なんかになるいわゆる「高級レストラン」。うまいが高い。トラットリア:郷土料理とか家庭料理をつくるこだわりレストラン。感じはいいところが多いけどちとお高め。オステリア:本来は「居酒屋」。でも、日本のそれとはすご~く異なる。たくさんの種類のワインがあって、それらにあわせた料理を食べさせる。田舎に行くと地下ワイン貯蔵庫を持っているオステリアも多し。ピザレストラン:庶民の利用度が一番高いレストラン。ピザやパスタが気軽に気軽なお値段で食べられる。お味は。。。ピザなら電気オーブンより、薪を使ったかまどを持つところのほうがおいしいし、パスタやソースの味はコックの腕次第。BAR:いわゆる喫茶店。でも日本みたいに時間つぶしにゆっくりするのはよっぽどの常連にならないと難しい。コーヒー、ちょっとしたアルコール、パニーノなど。中華、ファーストフード:ジャンクフード好きなうちら貧乏人はこの辺の利用率が大いに高し。特にファーストフードは南米では高いのでここは彼らの憩いの場である。おそるおそる中に入るなり「待ってたんですよ!?もうリサーブしていた席をキャンセルしようかと思ってたんです!」と店の主人に怒られてしまった。だって、わたしたちが到着したのは1時半近く。くそ~、社長め!なかなか雰囲気のいいオステリアである。さすがオステリアだけあって、まずはワインを選ぶ。赤、白、赤発泡、白発泡の中からおまかせで赤を選ぶ。もちろんエミリア産。左はミラノのあるロンバルデイア州の下のエミリア州、ピアチェンツァからパルマにかけての名物、ニョッキフリット。巨大ラビオリです。この中に右の(ほぼ食べつくしてますが。。(汗))サラミやハム、野菜の酢漬けをはさんでサンドイッチのようにして食べます。マッシモコジモが手にしてるプリモのお皿はきのこのタリアテッレ。エミリア州はパスタがおいしいんです。写真はUPしませんでしたが、わたしは洋ナシとくるみ、パルマチーズ(パルメザンチーズ)のリゾットをいただきました。どっちもおいしかった!セコンドには肉やソーセージのグリルてんこ盛り。写真はないけどボリュームたっぷり。社長もプリモが始まる前に着き、午前中、産婦人科に行っていたミリアムも遅れて着いた。ここで、みんなの素顔を初公開!当然、今までのストーリーの中の登場人物たちが写ってますが、誰が誰なんて皆さんの妄想をだいなしにするようなことは書きませんよ! いつも思うのはこいつらヨーロッパ人っていくら飲んでも酔わないなってこと。同じ肢体を持つ人間なのに、ここまで体組織が違うの?わたしは飲むとじっとしてることが我慢できなくなる。あんまりみんながしらふなんでお皿とグラスをナイフとフォークでたたいてクリスマスソングを日本語で歌っちゃったよ。そしたら、まわりのテーブルも歌い始めた。やっぱり忘年会、いや、クリスマス会はこうでなきゃ!!社長「いや、君は毎年クリスマスは笑わしてくれるよな。」ありがとう、社長。あなたの言葉を励みに来年も芸に磨きをかけます!!この日記を読んでくださっている皆さんにも乾杯!メリークリスマス!!++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++今日の日記がおもしろかった方、愛のクリックお願いします!人気blogランキング今日はちなみに70位ぐらいをウロウロしてます。
2004.12.23
コメント(21)
今日は会社のクリスマス昼食会。会社近くのエミリア料理専門のトラットリアだそうだ。そんな店、あったかなあ?ちなみに社長が予約した(らしい)。しかし、当の社長はまだ会社に現れず。。。。(汗)わたしたちは予約した時間も、どこにレストランがあるかも知らない。昼休みまであと30分。どうなるんだろう?社長へのプレゼントのワインはルカが今朝から慌てて実家近くのバレーゼの山の農家に行って買ってきた。(そんな遠くまで行かなくても。。。。)そしてわたしはさっき言われて慌ててカードつくりをしている最中。(わかってるのに、なんで昨日のうちに言わない!?)まったく何でも土壇場だよな、うちの会社って。食後、時間があり、無事、エミリア料理専門のトラットリアに行けてたらその状況を後ほど追記します。あ、カードつくりに戻らなきゃ。
2004.12.22
コメント(5)
昨日はとうとう同僚たちにばれてしまった。ときどき楽天にて会社の日常をえげつなく書いていることを。なんてね。言えるわけないじゃん。日記のことは言ったけど、「どんなこと書いてるの?」なんて聞かれて「う~ん、買った家のこととか(ウソじゃない)、ミラノに住んでて思ったこととか(ウソじゃないでしょ?)。。。写真もときどき載せてみたり。」ここで、彼らが日本語がわからないのが幸いした(汗)。昨日はわたしのデスクを取り囲み、TOPの写真の話題に花が咲く。同僚たち「うわ~、きれいに撮れてるねえ。」(きっとみんなわたしの日記がミラノの観光地紹介のページぐらいにしか思ってないに違いない。。。)わたし「へへへ。でもね、ミラノ在住の楽天友達のページを見たら、みんな同じような写真を載せてるんだよねぇ。もうちょっと変わった写真を載せたいな。」この後、夜はみんなで久しぶりに会社の近くのBARにアペルティーボ(日本の飲み会の夕方版。夕食前にカクテルと軽いスナックでだらだら喋るやつ)に出かけた。この時期、わたしたちは決して申し合わせたわけじゃなく、ほぼ全員が家の購入劇とか、妊娠なんかで(わたしはしてないけど)バタバタ忙しかったんで、「クリスマス休暇前に是非!」と集まったのだ。ああ、でもみんな家庭人ね。。。。話題は家や家具のこと、産婦人科の話ばかり。わたしも最近、日記でこんな話しかしないけどさ。。。。わたし「もうちょっとこういうことを忘れてさ、区別してさ、楽しいこと喋らない?」同僚「楽しいこと。。。。??ってないじゃん?いくきーとはなんかある?」一生懸命、考える。うう~~ん、確かに何もない。世の中不景気なのだ。哀しい。マッシモ「あ、はい!(手を挙げる)あるある。うちさあ、プレゼッペ完成したよ!!」解説しよう。プレゼッペとは:主に南イタリアの風習なんだけど、クリスマスツリーのかわりに聖書物語のジオラマをつくるもの。この時期になるとナポリにはプレゼッペ用のキリストやマリアなどの人形を売る青空市がたつ。ジオラマには別に規制はないので、各々の家庭で好きなプレゼッペをつくって家に飾るのだ。マッシモは実家がナポリである。。。。マッシモ「いい楽天日記の材料が見つかったじゃないか!明日、写真に撮って持ってきてあげるから載せるといいよ!!」てなわけで今日はマッシモ コジモ(本人が苗字も載せろ、と言うので(汗))お手製のプレゼッペの写真紹介!TOPのようなきらびやかさはないですが、素朴でいいです、はい。人形たち(聖人の他にも酔っ払いや農家の女がいたりしてバリエーションに富んでます)以外は全部手作りです。この荒地のような地面も包装紙で、コケをつけたりして。。。納屋のわらぶき屋根や、橋はつまようじ。右にはほら、ちゃんとキリストが納屋でねてるでしょ?左の果物や野菜は紙粘土に着色。芸が細かすぎ!!今年は作ってないけどわたしも何年か前、マッシモのプレゼッペ作りを手伝ったことがある。工作好きなひとははまります。楽しいです。うちも今年は家が小さすぎて何も飾れないけど(あ、でもとりあえずミニミニツリーは飾った。)来年はプレゼッペかな?みなさんのところもいつものツリーのかわりに気分転換にプレゼッペもいいかもね!PS.マッシモ コジモは皆さんからのファンレターをお待ちしてるそうです(-_-;)。Gabbyaさんのリクエストで本人の了解を取り、載せて見ました。。。。日本デビューに喜ぶマッシモ。************************追記:ミラノにオープンしたばかりの「無印良品」に昼休み、行って来た。日本より高いけど、こちらの物価にしたら普通。ユーロめ、強気になったよな(怒)。
2004.12.16
コメント(19)
先週金曜の朝、おっと秘書のわたしは、おっとの所用を終えてからの出勤だったので昼休みもなく、ぶっ続けで働くはめになった。我が社は「なんちゃってフレックス」なので、とにかく1日8時間働けばいいのだ。で、昼休みになり、みんなが外に食事に出たのを見計らってカバンの中から持参のパニーノを取り出す。あ、水を取ってこなきゃ。立ち上がって入り口近くの休憩室に向かうと入り口の外が騒がしい。出てみると秘書のおばさんと、ドイツ人のミリアム、いったいいつ来たのか、あの変態だんなが立っていた。みればミリアムが泣いている。(彼女のことを知りたい方は過去の日記http://plaza.rakuten.co.jp/piccolaitalia/diary/200411080000/を読んでね。)「ど、どうしたの?」変態だんな「今日はこの近くをたまたま通ったから一緒に昼食をとろうと思ってきたんだけど、ミリアムの具合がおかしいんだ。」秘書のおばさん「下腹部が痛くて歩けないんですって。もしかしたら流産の危険性があるかも。。。」わたし「え!そりゃ大変だ。早くお医者さんに連れて行かないと!!」変態だんな「もう、知り合いの私立の産婦人科医に電話したんだよ。そしたら予約は12月22日だって。」わたし / 秘書のおばさん「何、悠長なこと言ってるの!こんなときはすぐ救急車でしょ!!」変態だんな「わ、わかった。じゃあ、クルマで救急病院に連れて行くよ。」そして変態だんなはミリアムの抱えて、わたしたちはミリアムのコートとバックを持って駐車場に降り、クルマに乗せた。そして2人を見送ってから秘書のおばさんと「大事にならなきゃいいけどねえ。。。」とため息をついた。1時間後、外に食事に出た同僚たちがゾロゾロと帰ってきた。わたしはこのことをさっそく皆に話す。話し終わったと同時ぐらいにミリアムから電話があった。ラケーレが取った。弱々しい声で「救急病院に行ってきたわ。すぐに内診してもらってお医者さんの話も聞いた。5日間の休養が必要ですって。」ラケーレ「まあ、大変。それって入院?」ミリアム「ううん、今はもう家に帰ってきてベッドの上よ。ヘタして大変なことになりたくないから来週は休みたいの。」ラケ-レ「そうなの?くれぐれもお大事に。」この時点までみんなびっくりして心配すると思っていた。が、ラケーレ「彼ら、やるわねえ。なかなかの芝居よ。」わたし「え?」アンナ「わからない?再来週は連休続きでしょ?つまり来週1週間休みを取ったらそれにちょっと有給付け足すだけで2週間も休めるじゃない!」わたし「え~?でもあんだけ泣いて具合悪そうだったのに。」アンナ「何言ってんのよ、今朝なんかピンピンして昼休みちょっと前まで普通にしてたんだから!」ラケーレ「そうよ、それになんで都合よく、今日に限って変態だんなが会社までミリアムを迎えに来るのよ!?」わたし「う。。。。?」そういえばたった1時間以内で、病院まで行って、診察して、内診して、郊外にある家までたどり。。。着けないよな、絶対。。。。。。。またしてもミリアムにやられてしまった?****************************前回の日記ではみなさま、いろいろとアドバイスをありがとうございました!シャロンローズさんのアイデアからヒントを得て、教えてもらったあのアグリトゥーリズモ(ちょっとお高いけど、ぴっぴぃさんのお墨付きだし)か、これからヒントに探したボローニャからちょっと南に下ったところのエステコースのアグリトゥーリズモ(予算にぴったり)の間で決めかねている時点です。いや。。。しかし。。。。エステコースなんて冗談でおっとにプレゼンしたのに、大喜びで乗ってきた!こういうことって好きな男もいることは知っていたけど(日本のエステのCMをキムタクがやってたのをみたことあるし。)、やっぱりおっともそうだったか。。。。でも、ひとにバカンス計画を考えさせておきながら、昨日はローマに滞在しているわたしの日本人友達(女)からの電話を受けたときには「クリスマスから年末にかけてうちに泊まりにおいでよ!」とデレデレと誘っていた。そのあと、ジェノバに住むいとこたちに電話をかけて「クリスマスから年末にかけて、そっちに泊まりに行くから!」と言ってるし、どうしたらこの全部のことを(しかも予算内で)出来ると思ってるわけ、おっとよ!!??
2004.11.29
コメント(10)
タイトルのとおりである。今日、ミリアムが出社する。http://plaza.rakuten.co.jp/piccolaitalia/diary/200410270000/(前編を知らない人はこれを読んで!)しかし、中絶、離婚裁判の手続きを終えて、帰ってくるにはちと早すぎ?事の起こりは先週の水曜日。ミリアムから同じチームのわたしたち3人と、以前の日記にも書いた巨乳のお姉さんラケーレ(http://plaza.rakuten.co.jp/piccolaitalia/diary/200409010000/)、そして社長に同じメッセージが携帯に届いた。「今日、産婦人科に行って来ました! わたしの赤ちゃんは体長8MM 、心臓がもう力強く鼓動しています。わたしはこれから赤ちゃんと、愛するおっとと生きることを決心しました。月曜には出社します、よろしく。」このメッセージを受け取った一同。。。。あぜん。子供を産むことに決めた、というのはわかる。しかし、あれだけ泣いて、あれだけ「こんな不潔な男、もう指1本も触れたくない!!」なんて言っておきながら「愛するおっとと」って?瞬く間に社内中にこのニュースはひろまった。「きっとだんながミリアムが内密に離婚裁判に向けて準備していたのに気が付いて自分の敗訴がわかってるから慌ててなだめ落としたんだよ。」「まあ離婚して、新たな生活を始めるより、戻る方が安易だからねえ。」まったくそうだ。だんながミリアムの不穏な動きに気が付いて説得に動いたのは明白である。ミリアムはだんなをまだまだ熱く愛してたし、こんなことが急に起こっても、悪夢だったということで忘れる方が簡単だよね。。。でも、過去のいろんなカップルを見てきた経験上、言わせてもらえば:だんなは1,2年は変な行動を控えるだろうけど、もともとの変態がそうそう簡単に更生するわけはなく、絶対また同じことを繰り返すと思う。そうやってまた泣くのは明白なのに。。。盲目の恋だな。まあ妊娠もしちゃったしねえ。。。子供さえ出来れば、だんなは変わると思ってるんだろうか?夜、帰宅しておっとにもこのメッセージについて語った。おっとも「可哀そうなミリアム、うぶでバカな女だな。」と履き捨てるようにつぶやいた。そして先週金曜日。わたしと巨乳のお姉さんラケーレ、同じチームのアンナは、ドイツに慌てて出発したため、乱雑になっていたミリアムのディスクを片付けていた。散らばった書類をまとめ、並べる。プリンターの上にあった大きなボロボロの封筒をラケーレが取り上げたとき、封筒がやぶれて中身が床に散乱した。「あ、いっけな~い!」とラケーレ、慌てて拾うために身をかがめた。そして硬直。わたしアンナ「ん、どうしたの??」ラケ-レ「。。。。見て。」床に散乱したものは全て写真を現像したときに写真屋でくれる簡易アルバムの束だった。中の写真は。。。。ポルノ。ここでみなさんは以前に書いた「だんなの証拠写真集」と思うだろう。しかし全部。。。。。。。「だんな アンド ミリアムの変態写真集(無修正)」だった。しかもこのアングルといい、連写といい、カラーと白黒の交互の写真といい、3脚で撮った写真ではなく、カメラマンがいる!しかもプロの!!(業界関係者は断言する!)たぶん、ミリアムは自分の留守中にだんなが証拠写真の家捜しをすることを想像し、自分が不利になるこれらの写真を会社に隠したんだろう。しかし、堂々と、しかも分かり易いプリンターの上に封筒の口を開けたまま置いていくって。。。急いでたから? だんなが会社に乗り込んできてたら簡単に見つけられる物件だよな。見つけられたかった??わたしはこういう恋愛ぐちゃぐちゃ話が苦手なのでミリアムが出発前の数日、涙ながらにだんなの変態ぶりをみんなに語るとき、いつも1歩引いて聞いてきたが、親身になって聞いていたアンナとラケーレは相当ショックを受けたようだ。当たり前だ。あの無垢な涙はなんだったんだ?だんなが他の男女と痴態をみせたことが、彼女を泣かせるほど、衝撃的なことだったんだろうか?ミリアムも相当変態ではないか? この写真集にカメラマンがいたということは、彼(彼女?)とも何もなかったとは想像がつきがたい。わたしたちは「似たものカップルじゃないか!戻ってよかった。めでたいね!!」という結論に無理やりたどりつくしかなかった。しかし、とにかくこの週末はプロの知らない男女ならぬ、よ~く知った夫婦のポルノ写真を見たおかげで、気分が悪かったわたしたち。。。。(アンナはあまりのショックで週末は寝込んだらしい。)まだ、プロポーションのいいスノッブな、ミリアムとだんなの痴態でよかった。これが、レセプションのトドのようなマリーナとマリーナよりひとまわり大きい彼氏の痴態だったら。。。。*************ミリアムが出社してきた。幸せなばら色乙女の表情である。あ、ラケーレ、逃げるな!
2004.11.08
コメント(19)
明日木曜日、同じチームのドイツ人ミリアムがドイツに帰国することになった。10日ほど前に急に決まったのだ。ちなみにイタリアに帰ってくる日は未定。彼女は2年ほど前、我が社に来た。背が高い赤毛の美人である。いいこなのだが、来た当時は「イタリアは給料安すぎ!」とか、「デザインレベルが低すぎ!!」とか、さんざん文句を言っていた。わたしたちはさすがにカチンときて、「じゃあ、どうしてイタリアに来たの?」と聞くと、急に彼女のまわりがばら色になり「『愛』のためしかないじゃない!?」とおのろけた。彼の仕事のためにいたしかたなく、ということだ。その当時、彼女には南イタリア、カラブリア人とドイツ人のハーフの背の高い美男子の婚約者がいて、その1年後、ジューンブライトで彼らはめでたく結婚した。双方の家系が貴族の出?らしくトスカーナの彼らの別荘にドイツから大勢の招待客を呼んで、それは豪華なパーティが催されたらしい(会社からは誰も招待されなかったので写真で見ただけだけど。)。余談だが、その3ヵ月後、絵に描いたような庶民的な結婚式を挙げたわたしたち。。。(泣)彼らのハネムーン先もわたしたちと同じくエクアドル、そしてペルーだった。ちなみにヨーロッパ人には中南米は熱い愛の国の象徴のようなものでハネムーン旅行で行くのに人気があるらしい。彼らが旅立つちょっと前から、ミリアムには「行く前にマルちゃんにいろいろ聞きたいからよろしくね。」と言われていた。そして、出発前夜「今夜、お宅に行ってもいい?」と聞くので「うん、是非来て!」とわたしは慌てて家に帰り、おっとと2人でこの夫婦のための夕食をつくって待った。が、来たのはミリアムだけ。「あれ?だんなさんは??」彼女はさびしそうにほほえみ、「まだ、トスカーナにいるのよ。『前日だし、帰ってきて。』って言ったら『ぼくのせっかくの休暇を邪魔するな!』っておこられちゃった。」と。彼女のだんなの仕事はうらやましいもので、年に3~4ヶ月働いたら、あとは遊んで暮らせるのだ。なので結婚式からミリアムが仕事を片付けるまでの1ヶ月間、トスカーナの別荘にいたことは知っていたが。。。。新婚なのに、別居も信じられなかったが、前日ギリギリまで仕事というわけでもないのに、まだトスカーナにいるなんて何考えてるんだ?この時からだ。この夫婦の心配をはじめたのは。それでも、彼らはミラノ郊外の広大な高級新築マンションを買い、彼女は結婚の記念に彼からプレゼントされたスポーツカーを乗り回し、うまく行き始めているようにみえた。でも聞くと、だんなは出張ばかりでほとんど家に帰ってこないという。彼女も夜の暇つぶしにしょっちゅう友達と飲みに出かけたり、習い事をするようになった。わたしたち同僚は、「ドイツ人ってクールなんだな。」とか「自己尊重主義なんだよ。」とか言っていたのだが。。。10日ほど前のある日。出社するといつもは遅いはずのミリアムがもう来ていてしょんぼりとデスクにいた。わたし「おはよう、今朝は早いね?」ミリアム「うん。。。おはよう。」と元気がない。1時間もしてみんなが揃い、コーヒータイムになったとき、彼女の顔が真っ赤になり、大声で泣き出したのだった。夏のある日、ベッドの横のゴミ箱にコンドームが捨てられているのをみて「?」と思ったのがはじまりだったという。そしてこの間は、彼女のパソコン上につくった覚えの無いファイルを見つけ、開けたところ「エロ動画アンド写真」集だったそうだ。これだけではスケベなラテンの血の混ざっただんなのことだし、驚きもしないのだが、男優はだんなと知らない男。女優は知らない女性。撮影場所は彼らのベッド。ありきたり?だけど「だんなの3P浮気発覚。」しかし、だんな何を考えているんだ?こんなわかりやすい、しかも衝撃的証拠を彼女のパソコン上に残すなんて?見せたかったって事?そういえば思い出した。あの楽しかった展示会のあと、接待で遅くなり、深夜にタクシーで家に帰ったときのこと。タクシーの運ちゃんに「君、日本人?」と聞かれた。そうだよ、と応えると「ぼく、日本語をこの間、乗ってきた日本人の女の子から習ったよ。スラングだけど。。。」「へえ、どんな?」「イッパツ ヤラセロ。」わたし「。。。。。」運ちゃん「どんな意味かわかるよね?」わたし「うん。」運ちゃん「君、結婚してるの?だんなはイタリア人?」わたし「ううん、南米人。すごーくやきもち焼きなの!」 このセリフ、危険な目に遭いそうなイタリア在住日本人女性は是非、使っていただきたい。 こういう手合いのポルコはやりたいくせに臆病なので、だんなや彼が「やきもち焼き」という言葉にあとのおそろしい復讐を想像し、たいてい尻込みする。 特に「南米人 イコール やきもち焼き」の公式がイタリア人の間では当たり前?運ちゃん「え~、だんなが南米人なんて最悪だね。他の誰かとやりたくても出来ないじゃない?」わたし「いや、まったく他でやる気はないから。。。汗」運ちゃん「無理してるね、飽きるだろ?一生、同じ男とSEXなんて。食べ物だって同じだ、毎日スパゲッティばかりじゃイヤになるだろ?いろいろなものを食べないと。。。」わたし「あんた、結婚してる?」運ちゃん「もちろん。娘も2人いるよ。」頭が痛くなった。根本から何かが違う。でも、運ちゃんの言うことも一理あり??いやいや。。。。きっとミリアムのだんなもこの運ちゃんと同じ頭の構造なんだ、と想像する。しかし、さすがミリアム、100パーセントドイツ人でクールである。こんな証拠を見つけたからには切り替えが早い。この10日間の間に:実は妊娠をしていたのだが、さっさと中絶の予約をした(こっちは女性の独断で出来る。しかしすごい勇気だ)。100枚はあったであろうエロ写真の中から30枚ほどセレクトし、プリントして(会社でこの作業をしたものだから、しっかりわたしたちは見てしまった。。。汗)さっそく離婚訴訟の材料として昨日、弁護士のところへ持って行った。ただのエロ写真ならともかくだんな出演の写真のセレクト。。。そうとうつらかったと思う。昨日は泣かなかったが、今日は朝から泣いていた。。。。明日はいよいよ、ドイツに向けて、中絶と裁判の手続きETCのために出発である。しかし、こともあろうにだんなが「木曜出発? ぼくもその日は仕事でドイツだ。送って行ってあげるよ。」とのたまったという。何を考えているんだ??あ、ちなみに昨日の日記の契約社員制度、イタリアの旧契約社員だったひとの44,4パーセントはわたしたちと同じくまだ宙に浮いたままらしい。ベルルスコーニ、なんとかしてよ!!↑ ↑投票お願いしま~す!(ボタンをクリックするだけ)
2004.10.27
コメント(30)
今朝は我が社の巨乳のお姉さんの昨日の体験談を、日本回顧録をお休みして書こうかな?(ちょっと飽きてきたし。)*********************** わたしはうといので気が付かなかったけど、なんと3日前の日記のサントドミンゴのやつ(既婚2人の子持ちガリ勉おたくタイプ)は巨乳のお姉さんラケ-レに「この間は悪かったよ、おわびに夕食をおごるから今夜2人でピザでも食べに行かないか?」と誘ったのである。下心みえみえ。というより、あんなに嫌がられてなおかつ誘う神経がわからない。と、ラケ-レも、わたしもそう思った。でも、あからさまに嫌がってもこんなタイプはしつこくつきまとうだろう。しかし、ここでラケ-レ、「OK。行きましょう。」と快く、返事をしたのである!?そして更に「レストランは私がいいところを知ってるからそこに行きましょう。私のアパートの下に8時に来て。一緒に私のクルマで行きましょう。」とラケ-レ。おいおい、どうするつもり?ここからラケ-レ、どうしたかというと:喜んだやつは昨夜きっかり8時にアパートの下に来たらしい。 でも、ラケ-レはインターフォンのナンバーを教えなかった上、携帯を切って連絡できないようにして、わざと9時まで待たせて降りた。やつは、ちょっと気分を害していやみを言ったらしいが、待たせたことはあやまらないラケ-レ。やつはカジュアルだがさっぱりしたシャツとチノパン。ラケ-レは超カジュアルなスエットの飼い犬の毛がいっぱいついたワンピース。彼女がクルマを運転して、ミラノ郊外の貴族の別荘を改造した超高級レストランへGO!実はここには彼女のいとこが働いている。もちろん事前に連絡済み。だから、こんな服装でも入れたのである。ラケ-レ、席に着くとメニューをみながら、どんどん高い料理を選んで注文していく。フルコースをたいらげ、最後の食後酒のときには「もう食べれない、死にそう。。。」とゲップを出した。そしてお勘定の時に、彼女はさりげなくトイレに立つ。ただでさえせこいヤツは値段をみてびっくり。(最初はピザ屋のつもりだったし。)「た、高すぎる。僕はこんなに食べてないのに、彼女におごらなきゃいけないんだ、負けてくれよ!」と、高級レストランで値引き交渉をしたらしい。このとき、ウエーター(いとこ)は「あなた、これで彼女を釣る気でございましたら、安すぎても、高すぎることはないんじゃないですか?」とすました口調で、でも威圧感たっぷりでのたまわった(笑)!しぶしぶやつが、お勘定を支払い終わったところで彼女は席に帰った。やつ「ねえ、これからどこに行く?」目がギラギラである。ラケ-レ「そうねえ、あなたの家に行かない?」やつは、あっさり希望通りの返答がラケ-レの口から出たことに大喜び。ウハウハで、よだれが出そうな勢いである。やつは奥さんと子供たちはサントドミンゴに残してきたので、家には誰もいない。やつの家に着いた。やつが、クルマから出ると、ラケ-レ「ちょっと、どこに行くのよ。」やつ「家の中に決まってるじゃないか?」ラケ-レ「わたし、駐車場じゃないと、燃えないのよ。」やつ「え。。。?」野原の中の誰もいない駐車場ならいざ知らず、ミラノのど真ん中の街灯が明るく、人通りも多い、しかもやつのアパートの前の駐車場である。やつ「いやあ、ここじゃあ。。。ひとにも見られるし。」ラケ-レ「わたしはみられるのが好きなんだけど?あんた、嫌いなのね?そうなのね?趣味が違いすぎるわ。じゃあ、もう行くわね。今日はどうもありがとう!」と、さわやかに笑ってクルマを出したそう。めでたしめでたし。さすが、イタリア女性は強い!す、すごすぎる!!! 尊敬だ!!!!そういえば、みていると、今朝はやつは元気がなさそうである。これを読んでくださった女性の皆さんも、嫌なやつにつきまとわれる経験がおありでしたら、是非見習って欲しいものです。
2004.09.01
コメント(14)
昨日も引き続き、皆さんの応援と、お祝い、ありがとうございました!あした、おっとの半ドンのお許しが出たので、日本領事館に行ってまいります。と、いうわけでこのことに関しては書くことがないんで。。。。。。。。。。。****************************きゃー!!!蛇が出たーーーー!!!本当かも。たぶん。 昨日はレセプションのマリーナがいなかったんで、私が会社に一番乗り。 そのあとすぐ出社してきた秘書のマリアおばさんと、コーヒーを飲みながらおしゃべりしていると、おばさんの携帯にメッセージが届いた。 それを読んでサッとおばさんの表情が固くなった。わたし「どうしたの?」マリアおばさん「。。。。来ないんだって、マリーナ。」わたし「えー、またァ?今度は何?」というのは、がっしりとプロレスラー並の巨体を持つマリーナは見かけによらず、体が弱い。週に2日は頭痛や腹痛を理由に休む。そのため、社長は対策として、彼女にのみ、月給から日給に換えたのだが、ミラノ郊外の大きなお屋敷に住む、社長令嬢の彼女にはどこ吹く風だ。本当に体が弱いのかな?マリアおばさん「マムシに噛まれたから、病院に行くために休みます、だって。」わたし「はあ?」マリアおばさんは怒っていた。「こんな見え透いたウソ、つくようになったらお終いね!」マリアおばさんは仏の、いやいや聖母マリアのマリアおばさん、と社内で言われるぐらいいいひとで怒ったところを誰もみたことがない。そのひとを怒らせるのは相当だ。でも。そんなばかばかしいウソ、つくかな?私はマリーナの家に行ったことがある。環状道路沿いの工場が立ち並ぶ中に浮いたように立つ、庭付き一戸建て。まわりは、ところどころ空き地があったからマムシはともかくトカゲぐらいは出そうだけど。。。。 もちろん昨日は社内中、その話題で持ちきりになった。「真実派」半分「虚実派」半分。彼女が出勤し、真偽がわかった時点で勝ったほうにアイスをおごることになった! 私はもちろん「真実派」である。 だって、そんなばかばかしい理由、小学生でも学校サボるときに使わないでしょ? 今朝、一番乗りでもう彼女が出勤してきた。あんなに大変なことがあったのに何事もなかったように。 2番乗りだったわたしは早く真偽を確かめたくてうずうずしていたけど、我慢していた。 マリアおばさん、他の何人かが出勤してきた。 マリーナはマリアおばさんを見るなり、堰を切ったように語り始めた。「昨日の朝、庭で洗濯物を取り込んでるときに後ろから足をマムシに噛まれたのよ!父はすぐにシャベルでマムシの頭を叩き潰して市の害獣課に持ってったわ。わたしもすぐに足をきつくしばって病院に行ったけど、噛まれたところが大きな水ぶくれになってて、注射針でつついただけで、すごい水がでたの!痛いなんて感じなくて、しびれた感じだった。」 アイスがかかっている私たちは、もう、そんな話を聞くと、それらしく包帯が巻かれた足首を早くみたくてたまらない。でも、でも、、、。 躊躇していると、やっとプログラマーのひとりがたまらなくなって「蛇の噛み跡なんてみたことないんだ。み、みせてよ。」と言った。 マリーナは「いいよ。」と躊躇することなく包帯を取り始めた。やっぱり、本当だったんだ!じゃなかったら、見せないよねー?「ほら、みて!」いっせいに皆な注目した!??マリーナの足首には前に2つ、後ろに2つ、黒いボールペンで描いたような穴が縦に並んでいた。そう、それだけ。腫れた様子も、彼女の語った水ぶくれを潰したようすもない。昨日の今日なのに。こんな大きな前後に渡って噛んだ跡、アマゾンの大蛇の仕業に違いない!!「。。。。ありがとう、もういいよ。」私たち「真実派」は昼休みに「虚実派」にアイスをおごる。聖母マリアのマリアおばさんは、というとやっぱり聖母だ。密かに私たちに「彼女、家庭に問題ない?」と心配そうに聞いてきた。私たちも心配だ。。。。
2004.07.13
コメント(21)
昨日はネタもなかったけど、社長もいなかったし、仕事もそんなになかった。でも、月曜日にツアーを理由にずる休みした私は元気いっぱい。 まずは一緒に出社したレセプションの女の子にツアーの報告。そして出社してきた秘書のおばさんにもツアーの報告。そして出社してきた会計士のおばさんにもツアーの報告。 と言った具合にひとりずつ、出社してくるひとに 語っていった。みんなに先週末は心配させちゃったし、語るのは義務よね。 ちょっと、大変だったけど、これって最低限の礼儀でしょ。 我が社は9時-6時の基本時間をはさんで1,2時間のずれは自由のフレックスタイム。最後の同僚が出社してくるのを窓からみて、いそいそとその同僚の部署に向かった。 そしてドアを開けようとしたら、「うわー!!」映画だったら、20Mぐらい 後ろに飛ばされて壁にめり込んだに違いない。 そこには、結界のお札が!! 「IO NON POSSO ENTRARE(私は入れません)」と書かれ、その下に禁煙ゾーンのような斜め線の入った赤い円の中に「うる星やつら」に出てくる座敷童子のような顔が描いてある。イタリアにはよく、食材店とか、レストランの入り口なんかにしょんぼりしたイヌの絵入りで貼られている。 (ぴったりのがなかった。こんなかんじ) ぐぐっ、結界が強すぎる。どうして私は入れないんだ?ってことはこの座敷童子のような顔は わたし? ガラス越しにウンウン、とその部署の同僚たちがうなずく。そんなーぁ、どうして?おっとが同じことをしたら、みんなお涙ちょうだいでしょ?それが、わたしにはこんな仕打ち。ひどいわ。 そこにカメラを持ってたら、みなさんに結界のお札の写真を撮って、みせたかった。TOPのぶちいぬとは程遠かったです。おととい、きのうのツアー結果報告、うざかったですか? すみません。。。*****************やっぱりメールからは日記が送れなかった。。。しゅん。
2004.06.23
コメント(13)
大変なことになった。 私はいつも私の近所に住む(つまりミラノの果ての)レセプションの女の子と同じ時間に 誰よりも早く出社する。今朝、会社に着いて玄関のドアを押すと開いていたので、ああ、今日は彼女が先に着いたか、と中に入った。でもすぐに彼女のふくよかな背中にぶつかって後ろにのめった。 みると彼女が呆然と入り口に立ちふさがっている。「どうしたの?」中をみたいが 彼女の面積が大きくてみえない。「みて!」と彼女がどいた。レセプションのシャッターがやぶられ 窓が開いている。全ての棚の戸が全開になり、書類が床に散らばっている。 やがて社長が来た。 「またか!」と言う。そう、実は数ヶ月前もやられたのだ。しかも真っ昼間、レセプションの横の部屋の社長が留守でレセプションの女の子、マリーナが風邪で休んでいたとき。そのときは社長室からめぼしいパーソナルコンピューターなどが盗まれただけだった。 だが今回は違う。会社中の棚や引き出しが全部開けられ、調べてみるとパーソナルコンピューター、撮影用のデジカメ、会計士のおねえさんのめがねに至るまでごっそり盗まれている。 救いといえば、金庫は鍵をわからないところに隠していたので無事だった。でも、開けようと試みたらしく鍵穴に金属の破片が詰まっていて、鍵を使っても開けられなくなっていた。 社長はざっと見渡した後、ため息をついて「警察に電話して、バールでコーヒー飲んでくる。」と出て行った。 こんなときにコーヒーかい!!と2人で残されて 不安になっているとあっと言う間に社長よりも先に警察が来た。 マリーナが状態を警察にみせる。警察は念入りに会社中をみていく。ここで気が着いたのが すぐにわかるところにあった小金庫には手をつけてなく、すぐにでも売れそうな新しいDVD、CDが詰まった箱は無事だった。小物には興味がないのか? でもめがねは盗まれたし。。。それでも、大物の会社中のPCは無事。。。わからない。 やっと社長が来た。そしてぞくぞくと社員が到着して、みんな唖然となっている。 レセプションのやぶられた窓のそばに鍵の束が落ちていた。警察が「これは誰のものですか?」と聞く。みんなが首を振る。なんと、まぬけな泥棒は重要証拠を残していったのだ! 警察が拾い上げて丹念にみる。キーホルダーはベネチアの中古車センターのものだった。つまり、この泥棒は はるばるベネチアから出稼ぎにきたんだろうか? 社員のひとりが「ここから指紋が割り出せるじゃん!」と叫ぶ。警察は首を振って「いやあ、指紋なんてほとんどの場合残らないか、崩れているものなので割り出せないですね。」と。 これには私たち全員は うそだ! と思った。警察はミラノじゃ日常茶飯事な盗難にわざわざ手間ひまかけて、指紋から犯人を割り出すなんてしたくないんだろう。 そのあと警察はいろいろと社長に事情聴取をしたあと、出て行く前に私たち全員にこう言った。「みなさんご存知だと思いますが、ミラノの南で毎日曜日、開かれる市があります。(通称どろぼう市。盗品ばかりが売られているので有名なサンドナート市、というのがある。)今週末からしばらく そこに通って、おたくの会社から盗まれたものが並べられていたら こっそり警察に通報してください。我々はすぐにかけつけます。」と。つまりは自分らで泥棒をみつけろ、ってことね。数ヶ月前に盗難にあったとき、被害品に保険はかけてあったが、すぐに届け出たのに、まったく保険会社からも音沙汰なし。どうやらミラノは盗まれた者損なようだ。ところで、前回の答えを発表します。答えは 2.金魚を買った。でした。と、いうのは 3ユーロと聞いたとたん、あまりにも安すぎて、おっとの中で「どこかから盗んで来た犬?」「もしかして病気持ち??」と迷いが生じたのをみて、すかさず私が話題を変えて おじさんから、金魚1匹 4ユーロを、3匹 5ユーロで売ってもらったからでした。金魚もとても愛嬌があります。その話はまた別の機会に。(覚えてたらね。)
2004.05.27
コメント(14)
全22件 (22件中 1-22件目)
1