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日本航空を題材にした山崎豊子のフィクション小説。
ナショナルフラッグの国民航空にエリート入社した恩地(おんち)は、入社八年目に労働組合の委員長を引き受けることになる。
時は高度成長期を迎えつつあった昭和30年代 ...
劣悪な労働環境を是正すべく、労使交渉に奔走した恩地だったが、
報復的な懲罰人事でカラチ支店への転勤が命じられる ...
一方で、同期入社で副委員長を務めた行天(ぎょうてん)は、着々と出世コース登りつつあった ...
映画の予告編で見た同名映画の原作。
昨日、舞台挨拶があったらしい。
主人公の恩地は、 渡辺謙
のイメージがぴったり。
渡辺自らが出演を熱望し、構成や演出を企画したとのことだ。
実際の左遷人事や御巣鷹山の墜落事故などがベースにあるため、
どこまでが真実で、どの部分が創作なのか迷ってしまう。
フィクションにしては、リアリティがありすぎるのだ。
人間ドラマ、社会倫理を扱ったドラマとして、客観的に読む必要がありそうだ。
映画の方も、長引く組合問題や経営再建問題に揺れる
日本航空に対して、リリースのタイミングが
恣意的にとられることはないのだろうか ...
カラチ(パキスタン)懲罰人事の2年後、
更に恩地はテヘラン支店開設委員を命ぜられる。
権力の横暴さやそれに媚びへつらう人間の醜さに対し、恩地の生き方が報われることを期する上巻だった。
満足度 ★★★
★☆☆ 『のぼうの城』 ~ 和田竜 2012/03/18
★★★ 『秋月記』 ~ 葉室麟 2012/02/19
★★★ 『13階段』 ~ 高野和明 2012/02/11