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August 21, 2007
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カテゴリ: 特撮映画
 東宝が、ゴジラ、ラドンに次いで、巨大怪獣をタイトルロールに据えた特撮映画。

「大怪獣バラン (1958)」

監督:本多猪四郎
特技監督:円谷英二
出演:野村浩三 園田あゆみ 

 バランは、かつて幻の怪獣でした。
 ゴジラ、アンギラス、ラドン、モスラのほかに、“バラン”という怪獣がいるらしいとわかったのは、吉田君の高校生になったお兄ちゃんの話から。
 お兄ちゃんは、昔話をするじいさんのように優越感をもった口ぶりで言いました。
 「バランはなぁ、ツノがすっごくきれいな怪獣だったぞ」
 それだけ。
 DVDもなければ、怪獣図鑑さえなかった頃のこと。
 ツノがきれいな怪獣って、どんなんだ。想像だけがふくらみます。
 しばらくして、少年雑誌の口絵に怪獣特集が組まれた。そこにバランを発見!正面を向いて二足立ちした全身が描かれていました。しかし、マイナー怪獣の悲しさか、扱いが小さくて、特徴的なものがつかめません。もちろん、ツノの美しさもわからない。
 さらに、そこに付いた説明が「バランは、ゴジラとラドンの中間怪獣」
 はあ?
 幻の怪獣として、神秘のベールに包まれていたバランが、ゴジラとラドンの中間などという明らかな借り物的な、格下扱いの記述に憤慨した。バランの実体も知らなかったのに。
 さらに、何がゴジラとラドンの中間なのかさっぱりわからない。絵からすれば、ゴジラ型の怪獣のようだが、ラドンとの類似点は見あたらないのです。
 バランは、そんないい加減な怪獣なのか!?

 バランについてはほとんどわからなかったけれど、頭の中では、東宝特撮怪獣映画のフィルモグラフィーにしっかり加えていました。
 「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「ゴジラ対アンギラス」「空の大怪獣ラドン」「大怪獣バラン」「モスラ」・・・。
 そう、情報不足から、1本の映画を2本に分けて捉えていた。「ゴジラの逆襲」と「ゴジラ対アンギラス」は同じ映画だ。また「ゴジラ対アンギラス」などという映画はない。
「ゴジラの逆襲」は、題名だけ知っていて、もう一度ゴジラだけが出てくる映画が作られたと思っていた。さらに、ゴジラがアンギラスと闘ったことについても知識があったので、「ゴジラ対アンギラス」なる映画があると考えてしまったのです。
 だからいつも、東宝特撮怪獣映画の本数と、タイトルの数が合わない。不思議だった。
 どうしてまちがったか。「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」のように怪獣映画は、必ず登場する怪獣の名前が題名に付けられると勘違いしていたからなのだ。子供の頃の話だからね。

 そして、ついに幻の映画「大怪獣バラン」とご対面の日が到来。いやあ、人間長生きはするもんじゃ(嬉しさを表現しただけ。大げさ。ホントはまだ若かったのは言うまでもない。言うな!)。
 それは、1980年代、池袋文芸地下の「日本特撮スーパーSF映画大会」だった。

 ちなみに、私はここで30問だか50問の特撮映画クイズ大会で、最高得点をマークし、初代ゴジラのポスター(複製品)をもらいました。全問正解者はいなかったとのこと。

 雨が降る画面(フィルムに傷がついているわけ)の中に見た映画「大怪獣バラン」は、地味でした。でも、ツノは確かに美しかった。全体の造型もじつに怪獣らしい。そして、しなやかな動きが見られます。
 さて、なんでバランが、ゴジラとラドンの中間なのか。それは、バランが普段はゴジラのように歩きながら(ついでにいうと、アンギラスのように四つ足歩行もする)、突如としてムササビのように前足と後足との間に飛膜を広げ、ラドンのように空を飛ぶからなのでありました。
おもしろいんだけどね。怪獣だから許されるんだよ。

 最近、DVDで「大怪獣バラン」を見た。
 この怪獣映画が地味な印象なのは、
 ・カラー作品ではない。
 ・スター俳優が出ていない。
 ・バランが火を吹いたり、光線を出したりしない。
 ・怪獣の都市破壊場面がない。
 と、再確認。

 この映画は、当初アメリカでのテレビ番組用に制作に入ったがキャンセルされたため、劇場公開版に切り替えたとか。
 だから、ほかの怪獣映画とは異なったテイストをもっています。
 アメリカのテレビ用ということで、
 ・俳優の知名度は関係ないからギャラの高いスターはいらない。
 ・アメリカ人は怪獣に、生物としてのリアリティを求めます。
 だから、バランは、火を吹いたり、光線を出したりはしない。
 不死身の怪獣ではなく、飲み込まされた強力爆弾(通常兵器の部類。超兵器ではない)が体内で破裂して、確実に死にます。

 映画会社は、スターを売り出します。東宝であれば、三船敏郎、加山雄三など。人気が出れば、みんながスターを見に映画館に集まる。
 怪獣も、ゴジラ、キングギドラなどスターがいて、その後何本も映画が作られます。
 中には売り出しに失敗した俳優がいるように、バランも、素質をもちながら、運悪くスター怪獣の仲間入りはできませんでした。この後、バランは、「怪獣総進撃(1968)」にちらっと顔を見せるだけ。またもや幻の怪獣になってしまいました。

 けれど、怪獣史の中には、忘れられない存在です。
 私も、本当のじいさんになったら、「ゴジラやモスラのほかにも、“バラン”という怪獣がいてな、ツノが美しく、全身がじつに怪獣らしい姿をしておった」などと遠くを見ながら語ってみたい。けれど、聞いた人間は、興味がわけば、すぐソフトで見るんだろうな。

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lee みんなブルース・リーになりたかった





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Last updated  August 21, 2007 08:52:14 AM
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