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May 4, 2008
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カテゴリ: アニメ映画
 「劇場版クレヨンしんちゃん(略して“劇しん”)は、おもしろいよ」と言うと、みんな驚きます。「(大人なのに)そんなの見ているんですか」。見ているんですよ。できれば、封切り時に、映画館で見たい。でも、見に行けなかったときは、DVDを必ず見ます。
 「そんなの」という言葉には、子供のアニメなのに、という意味と下品なアニメなのにという意味の二つが含まれているように思います。それは、テレビ版の話でしょう。
劇場版は、“爆笑と感涙”の映画なのです。

 “劇しん”のファンではありますが、さすがにいい歳をして、小さい子供連れの家族に混じって一人で映画館のシートに座ることには抵抗を感じます。映画館の中で、完全に浮き上がっている。「なんだろ、あの人、大人が一人で子供のアニメなんか見に来て」という目で見られているような気がする(自意識過剰)。
 子供向きであろうと、大人向きであろうと、おもしろいものはおもしろいし、おもしろくないものはおもしろくないのです。おもしろければ、見たいぞぉ。
 ある種の特撮系の映画などは、上映プログラムに夜の回があります。夜の回は、子供が少なくなり、大人が集まります。だから、安心して見ることができるのです。ところが、クレしんは、大人にも大勢ファンがいると言うのに、一日の最終上映回が4時~5時台の開始なのです。完全に子供映画のタイムテーブルですね。だから、どの回に行っても家族連れがいるというわけ。

 毎年、ゴールデンウィークの“劇しん”新作を楽しみにしている身としては、封切りと同時に見たい。見たいけど、一人では恥ずかしくて行けない。そんなとき、だれか一緒に行ってくれる人がいると嬉しい。といっても、「そんなの見るんですか」と言われてしまうのだから、なかなか一緒に行ってくれる人もいないのですが。

 今回は、とてもラッキーなことに、劇しんの話題にふれたら「見たい」と言ってくれる人がいました。やったね。家族連れも、子供だらけもなんのその。喜び勇んで見に行きました。

 いよいよ映画が始まりました。さあ、どうだ。劇しんを見てみろってんだ。おもしれぇだろう。あれれ、なんだかエンジンのかかりが遅い。妙に、日常的な生活場面が続く。朝起きて、ご飯を食べて、会社や幼稚園に行って、風呂に入り、寝る。
 「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード(2003)」なんかは、開始早々食事が貧しいことで一家がもめたかと思うと、突然野原家の塀を突き破り家の中まで車が飛び込んできて、あとはジェットコースター(ホントにデパートの屋上でジェットコースターに乗って振り回されるシーンがありました)のように急激な展開を見せてくれました。それなのに・・・。

 これは、困った。ほかの人と一緒に映画を見るとき、特に、こちらの趣味嗜好が強いものの場合、つきあわせたことを申し訳なく思ってしまいます。

 “劇しん”の魅力は、ひとつにおバカ、ナンセンスがあげられます。「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦(1999)」では、風呂嫌いのアカマミレをボスとするテロ組織YUZAMEが、地球全体を温泉にして風呂好きな人たちを溺死させるという“地球温泉化計画”を決行する。そこに不運な野原家が巻き込まれてしまいます。アカマミレが風呂嫌いになったのは、いつも行く銭湯で、靴箱の「3」の札がなかったからだ。アカマミレは大好きな巨人軍の長島選手の背番号3にちなんで「3」の靴箱を使っていた。それなのに、「3」がない。アカマミレは世の中をうらんでテロ集団を組織した。じつにナンセンス。
 あるいは「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(2000)」では、ジャングルの支配者パラダイス・キングに客船の乗客が拉致されます。みんな手足を縛られ、身動きできない状態なのです。そこで、しんちゃんが得意のおしりを使って動き回る“ケツだけ歩き”を披露します。大人達もそれを真似て“ケツだけ歩き”で集団大脱走。だれもかれも必死なのだけれど、動きは“ケツだけ歩き”。その落差が爆笑もの。

 “劇しん”のもうひとつの魅力は、ググっと感動すること。その感動は、“かすかべ防衛隊”と「野原家ファイアー!」がもたらしてくれます。
 しんのすけの幼稚園仲間、“かすかべ防衛隊”は、しんのすけのわがままや個々の保身などから、何度も分裂の危機を迎えます。しかし、紆余曲折はありながらも、難敵と闘うしんのすけを助けようと、最終的には幼稚園児ながら一致団結し、全力を尽くすところが胸を打つ。
 そして、話の中心になるのは、しんのすけの家族である野原家です。なんの取り柄もない俗物家族でありながら、なぜか悪の組織と闘うハメにおちいる。けれど、家族と世の中の平和を脅かすものには、一致団結して立ち向かう。「野原家ファイアー!」と叫び、家族愛と根性だけで強大な相手に挑んでいくところは、涙なしには見られません。

 いつもなら、そういう“爆笑と感涙”の映画なのですが、今回の「クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者」は、残念ながら、ちょっとおとなしめの映画でした。ナンセンス・おバカ度が低く、“かすかべ防衛隊”の活躍、「野原家ファイアー!」の大奮闘も、物足りなかった。しんちゃんは「のはらしんのすけ、五歳」と自分を奮い立たせて、頑張っていましたが。

 一緒に見た人が「これのどこがおもしろいんですか」などと言ったらどうしようかと焦りました。「時間を返せ!」と怒ったとしたら、平謝りに謝るしかありません。なにせ、わざわざ選んで子供向きのアニメ映画に連れて来たのですから。一般の映画よりも、プレッシャーは強い。
 映画が終わったら、機先を制して「今回の劇しんは、しんちゃんの独り立ちを描いたようだねぇ」などと利いた風なことを言って、煙に巻いてやろうかと考えました。けれど、「前評判通りおもしろかった」と言ってくれたのでほっと一安心。助かりました。と同時に、“劇しん”の底力を見たような気がしました。
 気に入っていただけたら、名作揃いの旧作をぜひ見てください。
 そして、来年の“劇しん”に期待しています。

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Last updated  May 4, 2008 06:38:20 AM
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