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June 11, 2017
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カテゴリ: 特撮映画

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 この映画に登場するキングコングや巨大モンスターは、髑髏島の外へ出ることはない。

 このように、特定の島の中だけで、巨大生物や怪獣が跋扈する映画はいくつかある。

 東宝特撮では『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966)』や『怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967)』そして『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣(1970)』がそうだ。

 これら「島限定」の怪獣映画には、怪獣映画につきものの「都市破壊」がない。
 いうまでもなく、これらの「島」には、都市そのものがないからだ。

 そして、怪獣が都市を襲わないのだから、やはり怪獣映画につきものであるはずの防衛隊との攻防戦もないし、群衆が逃げ惑うシーンもない。

当方が特撮映画に求めているもののひとつは、非日常感である。
 怪獣が近代的なビルの谷間に巨大なる異形の姿を見せたときなど、文明社会との対比において、怪獣は圧倒的な存在感を見せつける。
怪獣の巨大さによる迫力だけでも非日常的ではあるのだが、非日常的な存在であることをいっそう際立たせるのが、都市破壊、防衛隊、群衆なのだ。

 なのに、なぜ東宝特撮怪獣映画において、都市破壊や防衛隊、群衆シーンがない「島限定」の特撮怪獣映画が作られたのかといえば、それは予算の節約のためだからだった。
 この時期邦画は、斜陽産業としての傾向が著しく、かつては人気を誇った特撮怪獣映画も、観客動員数及び収益が激減していた。なので、島を舞台にすることで、建物のセットを組むなどなどの予算を削減したというわけだ。 

 「島限定」特撮怪獣映画の嚆矢となった『南海の大決闘』はゴジラ・シリーズでは第7作である。
 『南海の大決闘』では、舞台となったレッチ島に軍事組織「赤イ竹」の秘密基地がある。
 そして、小規模ながら、ゴジラが秘密基地を破壊するシーンや「赤イ竹」の戦闘機がゴジラを攻撃するシーンもある。
 それまで特撮怪獣映画には破壊シーンや近代兵器での攻撃シーンが、当たり前のこととして存在したのだから、完全に削除することはできなかったのだろう。
 『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』と『 決戦! 南海の大怪獣』には、破壊シーン、近代兵器のシーンはない。
 『南海の大決闘』をスモール・ステップとして、それらのシーンをなくしていったのだろう。 

 この『南海の大決闘』は当初は『ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ』として企画されていた。キングコングがメインとなる映画になるはずだったのだ。それが、都合によりゴジラ映画に変更されてしまったのだった。

 もしかしたら、「島限定」の東宝怪獣映画登場したかもしれなかったコングだが、アメリカ版のオリジナル・キングコングは、もともと島生まれ、島育ちであった。
 『キング・コング(1933)』では、髑髏島でコングは恐竜を向こうに回して大暴れするが、人間に捕獲されてしまう。そして、大都市ニューヨークに連れてこられる。
 ニューヨークでは、怒りに任せて鎖を引きちぎって市街地になだれ込んで大暴れし、最後はエンパイア・ステート・ビルに登ったところを複葉機に銃撃される。
 つまり、オリジナル・キングコングは、自身の意思からではないが、島から出て、都市を襲う。人々はパニックになり、近代兵器から攻撃を受けるのだ。
 これは1976年、2005年のリメイク版もこの展開は同じである。

 ただ、『コングの復讐(1933)』は「島限定」だった。
 こちらは、キングコングそのものは登場せず、コングの息子といわれるキコの映画である。
 キングコングは、発音上では「キンコン」である。ピンポン (ping pong)、香港(Hong Kong)と同じだね。
 そして、その息子は、まだ成獣ではないからなのか「キコ」と呼ばれた。
 (映画の中では、「キコ」という名称はでてこない)
 ラスト・シーン、キコは自らの命を呈して人間を救う。そのシーンは、悲しくも強く印象に残った(もちろん、リアルタイムで見たわけではない)。

 なお、この「島限定」『コングの復讐』も、低予算、短期間制作の映画だった。

 さて、今回の『キングコング:髑髏島の巨神』だ。
 この映画が「島限定」となったのは、もちろん予算面の問題からではない。

 それから、この『髑髏島の巨神』のコングは、これまでのアメリカ版コングに比べて、かなりデカくなっている。
 これまでのアメリカ版キングコングは、体長が5m〜7mくらいだった。
 しかし、このたびの巨神コングは、なんと31.6mなのだ。

 そして、映画の中では、巨神コングがまだ成獣になりきってない(キコ状態? キコは4m)ことが示唆されている。
 つまり、まだまだ大きくなって再登場することがありうるのだ。

 いずれにしても、これまでのコングよりも5倍、6倍の大きさだから、迫力も5倍増、6倍増している。同時に敵となる巨大生物もまたコングに見合った大きさで、そららとのバトルも、見応え十分だ。

 だが、やはり「島限定」だ。
 残念ながら現代文明から隔離された島は、もともとが秘境であり、つまりは異世界である。
 そういった非現実的な場所ではなく、身近な文明社会に出現すれば、コングなどがいっそう非現実感を味わわせてくれたのではないだろうか。従来とはデカさが違うコングなのだから、さらなる非現実感を生み出したのではないかと残念に思う。

 その一方で、ノベライズ版の『キングコング:髑髏島の巨神』はおもしろく読むことができた。
 秘境冒険小説として、楽しかった。

 これは、ビジュアルと文章表現の違いだろう。
 巨大生物をビジュアルで感じるときには、密林や山などを背景とするより、ビル街を破壊して回った方が非現実感をより深く味わうことができるというわけだ。

 さてさて、従来のアメリカ版コングより、今回の巨神コングはずいぶんデカくなってしまったわけだが、東宝版のコングの体長は、45m(『キングコング対ゴジラ(1962)』とか、20m(『キングコングの逆襲(1967)』)とかだった。

 巨神コングの体長は、かつての東宝コングの体長に接近しているのがわかる。
 当時の東宝特撮怪獣映画は、ゴジラの体長を50mと設定していた。そして、東宝コングは、そのゴジラの世界観の中に登場したのだから、アメリカ版コングよりもずっと大きかったのだ。

 今回のアメリカ版コングの設定変更は、2020年に公開される予定の『Godzilla vs. Kong』に向けたものだろう。
 巨神コングは、ゴジラと対決するために、これまでにない巨大さに設定されたのだ。

 とすると、「島限定」コングは、オリジナル・キングコング・ストーリーでいえば前半部分(=髑髏島で捕獲されるまで)に相当し、つぎの『Godzilla vs. Kong』では、いよいよ都市に出現することになるのだろうか。
 そう考えると、いやがうえにも期待が高まる。

 くれぐれも、ゴジラが髑髏島を襲って、そこで両怪獣が対決するという「島限定」の『Godzilla vs. Kong』は避けたいぞ。

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Last updated  June 11, 2017 07:21:52 PM
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