その彼女が日本帰国当初、驚いたことをEメールに書いてよこした。
130円の缶ジュースを買おうとしたが、あいにく小銭が無く、
おそるおそる1万円札を出す
彼女。
そう、イタリアに住んでいた人なら分かるはず。
少額の買い物をする際、紙幣は常に おそるおそる
出すものなのだ。
「釣りなんかねーよ」と言われるかと思いきや、
ニッポンの店員さんは、笑顔で 「1万円入りま~す」
とか言いながら、
お釣りを丁寧に両手で渡し、深々とお辞儀をして、
「ありがとうございました」と客に感謝するのだ。
ひとみちゃんはローマ在住時代、アルジェンティーナ広場近くの文房具屋で
2ユーロの油性マジックを買おうと20ユーロ札を出して、断られた、
つまり買い物ができなかったという経験をしている。
金はあるのに買わせてもらえない
という状況がイタリアでは時々起こるのだ。
新鮮な驚きをもってイタリア生活をエンジョイしていた
ひとみちゃんの納得できないことはまだまだある。
バスで降り口(ローマの市バスは真ん中)に立っていると、
必ず 「シェンデ?(降ります?)」と聞かれる
ことである。
日本の満員電車ならばドア付近の乗客は、
その駅で降りなくとも、ドアが開けばいったん電車から降り、
奥にいる降車すべき人たちを降ろすのが普通であろう。
しかしイタリアではそれが普通ではないのだ。
満員のバスではバス停近くになると、「シェンデ?」が連呼される。
降りる人がいるっつーのにドア付近に陣取って出口をふさいでいる輩もいるからなのだ。
買い物に行ってみよう。
スーパーでは店内でガキが 商品である菓子を食べている
光景をよく見かける。
この間はオバサンが袋を開けて会計前のポテトチップをバリバリ食べていた。
どうせ購入するのだからいいのだろうが、
日本では、代金を支払うまでは商品は店の物、という意識がある。
だからわたしたちにとっては納得のいかないことだ。
レジの人は当然のように口の空いた菓子袋をピッとレジに通して会計する。
パジャマ売り場を見に行こう。
かわいいデザインのパジャマはひとっつもない
。
なんでこうもダサいデザインのものばかりなのであろうか。
これもイタリアに住んでいた人なら分かってくれるだろう。
そのくせイタリアにはファッション最先端の国、っていうイメージがあるのには納得がいかない。
そんな話は こちら
でもしているのでよろしかったらどうぞ。
ベビーカーが通る。
乗っているのは乳母車からはみ出しそうな4~5歳のガキ、ってことが多々ある。
追い出してやりたくなる。
ただしこれに関してはローマの街中の場合、
車からの危険を避けるために
無理矢理子供をベビーカーに乗せている、ということもあるので、
まあよしとしよう。
イタリアに PINKO
というブランドがある。
TBSの取材で泉ピン子が来た時にはここで買い物をしていったそうだ。
このブランドのPINKO BAGというトートバッグが流行した時、
PINK
BAGと書かれたバッグが街中あちこちで堂々と売られていた。
そしてその PINK BAG
は街中の女の子が堂々と持ち歩いていた。
納得いかない…。
ひとみちゃんとわたしの共通の友人かすみにも納得できないことがあった。
イタリアでは(ローマだけか?)感じの悪い女性店員に当たることがよくある。
靴を見て試し履き、“Mi stanno bene?”(どう?)と聞いたら、
“Che ne so io!”( 知るか
)と言われたらしい。
アンタ売り子じゃないの?
ひとみちゃんの家に遊びにいった帰り、バスに乗ってテルミニ駅へ行こうとした。
910番のバスに乗るために停留所で待つ。
やってきた910番のバスにはPIAZZA MANCINIと書いてある。
行き先ではなくて 出発地点のバス停名が表示されている
のだ。
観光客やこのバスに乗りなれていない人は、
逆方面のバス停に来てしまったか、と思うであろう。
ローマの市バスには必ずしも行き先が表示されているとは限らない。
とても便利なのに、このこともあって、観光客には残念ながら分かりにくくなってしまっている。
ひとみちゃんじゃなくても納得いかないことだらけだな。
(2009年4月)