松尾大生の独り言
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「なぜ、いい歳こいてヨガは分かるが、柔術なんて習うの? そんなに怪我したいのか」と、訊かれた。「...............」クロングレイシーの身長をウィキペディアで調べたら公称174センチ、体重はフェザー級で、体格は私より小さい。これら、観た目通りの普通の身体をした彼等が、実は世界の格闘技界の頂点の一角にいるのだ........。それは、猪木対ウイリー戦や、もっと小さな頃には力道山の記憶でそだった私の年代からすると信じがたいことだ。タイガーマスクの伊達直人にしても、かなり体格はよかったわけである。「柔術を習いはじめた」と89歳の親父に言った。「柔か?」戦前はどうも、柔術を柔とも読んでいたようだ。事実、こないだ時代劇を観ていたら、柔の達人に剣術が破れていた。江戸時代くらいまで、実は『柔』とは、かなり一般的だったのではないかと思っていたら、「おれも柔道の前に、柔をならっていた」親父の場合は、たぶん軍事教練の類いでならっていたのだろう、と推測した。時代的に。黒澤明の『赤ひげ』の中に、赤ひげがクルワのゴロツキ相手に柔で対抗して殲滅するシーンがある。「なぜ、いい歳こいて柔術なんて習うの?」と、訊かれる。「護身と健康のため、と答えるのが正解なんだろうが、違うんだ。もちろん、護身と健康もあるが........。柔の精神は、たぶん様々なジャンルに応用できるから、自分の体の細胞でそれを実感するためなんだよ」テコの原理、柔らかさが剛を凌ぐ交渉術、失敗を最小限のダメージにして勝機にすら変える東洋的発想........。これらは、ピータードラッカーがサッカーに見いだそうとしてもたぶん、あまり見いだせなかった柔ならではの発想ではないのか、と。「松尾さん、そこまで考えてヨガと柔術はじめた癖に、サボったらダメだよ」「...............」そして昨日は、ヨガの道場にダウンドックを極めにいった。私は体がかたすぎてダウンドックは極まらなかった。勉強にはなった。米国アンチエイジング医学会の二本柱は、栄養(サプリを含む)と運動(スポーツ科学)である。私たちは、このアメリカ人の作った粗雑とも言える体系に限界を感じて、栄養面でも運動面でも、東洋的に作りかえてきた過程、........これは、ある。しかしながら、やはり、ヨガは究極の運動法や呼吸法ということは、今は、誰もが認めるところだ。アンチエイジング科学の運動面を担当してきたのはオリンピックの顧問でもあったロバートゴールドマン医師であった。彼の運動は、どうしても、トレーニングジム的な印象が強かった。もちろん、これは、私の誤解かもしれない。どちらにしても、この5年、スポーツクラブ的な運動をやっていた事実はある。ヨガとの出会いで、かなり、運動に関する認識は、変わった。アンチエイジング科学の『運動』は、ぶっちゃけ脳下垂体から成長ホルモンの分泌を促すための運動であるから、無酸素運動が中心になって、筋肉は無駄に膨張し、いつも体調が悪いとも言える日々だった。栄養面やその他のアプローチは、自称日本一を名乗ってきたが、運動面のアプローチでも、日本一、いや、世界一のアンチエイジングを目指そう!アンチエイジングの道は一日にしてならず、ぢゃ!
2018.04.13
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