放浪の達人ブログ

独りにさせて



今年の年末はスリランカ北部に金環日食を見に行く。
先回スリランカに行った時は中央部の山と南部の海に行ったので
インド文化が混じった北部に行くのは初めてである。
ちょいと調べたところによるとヒンドゥー寺院が多く建っていて
内戦終結からまだ10年も経っていない北部はかなり廃墟も多いらしい。

俺は毎週必ず岡崎在住のスリランカ人達と行動を共にしている。
年末にスリランカに行くよ、と話をしたところスリランカ人の友人達は
「俺の家族を空港まで迎えに行かせる」とか「私の実家に泊って下さい」とか
「北部まで行くのですか、じゃあ私の息子を同行させます」とか
とにかく俺が安全に旅を出来るように配慮してくれるのだ。

しかし俺は独りで自由気ままに行動したいのである。
空港に到着して夜の町で3輪タクシーに乗って宿に行きたいのだ。
数年前にコロンボに着いた時は空港までお迎えに来てくれてて
ホテルもキープしててくれてお金も払ってくれてあった。
翌日もホテルまでお迎えが来てくれて観光地の入場料も払ってくれたりで
ほとんど自由行動が出来なかったのである。

今回も彼らは「空港から直接私の家に行きましょう」「いや、私の家に!」と
まるで俺の取り合いのようになっている状態なので、遂に俺は宣言した。
「俺は独りで旅をしたいんだ。海辺の安いコテージで波の音を聞きながら眠りたい」
「では現地の親戚に頼んでそういうコテージを探しておきます」
「う~ん、俺自分で探したいんだけど、じゃあお願いするかな」
「予算はどれぐらいで?」
「1泊2000円ぐらいのコテージがいい。窓の下がすぐ海って感じのやつで」
「翌日はあなた達の家に寄らせてもらって、それからは独りで北部まで電車で...」
「いや、危険です。同行者を付けて車で行った方が...」

一体俺を何だと思っているのだろうか?俺は皇族でもなければ偉いさんでもない、
ただの旅好きな一般貧乏人である。そこまでしてもらう必要もないし価値もない。
独りで電車に揺られてフラリと降りて安宿を探して屋台でメシを食って過ごしたいのだ。
地図もスマホも持たずにその土地に着いた時点でサイコロを振って行動を決めたいのだ。
お願いだから独りにさせてくれ。

切実な願いを彼らはやっと受け入れてくれて、俺は金環日食を見るために独りで旅が出来る。
スリランカ北部の村でそこの子供達と日食を見よう。
その後は中央部のジャングルの中の山に独りで登って朝陽を眺めよう。
ワイルドな旅がしたいのだ。

しかし最も重要なのは天候である。現地はちょうど雨季なのだ。
せっかく往復チケット7万円を出してスリランカまで行ったはいいものの
日食当日は雨という懸念もある。ジャングル登山も雨で行けない場合もある。
そしてそれ以前に、悪名高き中国東方航空がちゃんと飛ぶのかという心配もある。
スリランカ人達に「チャイナ・イースタンで行く」と言うと必ず失笑される。
何しろフライトキャンセルになって「次便までの滞在ホテルを紹介します」と言って
ホテルまで連れて行ってくれるが「紹介はしたが宿泊費を払うとは言ってない」と
逆ギレをするほどの航空会社なのだ。
今度の俺のフライトスケジュールも2転3転しており(正確には4転してる)
本当に飛ぶのかは出発直前にならないと分からないというのが中国東方航空の醍醐味である。(笑)


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