放浪の達人ブログ

成績の良し悪し



俺には妹が3人いるが2番目の妹は相当のアホである。
子供の頃から学業の成績が非常に悪く特に国語がヤバかった。
それに対して俺は毎月かなりの本を読んでいたこともあり
読書感想文は得意だったので友人の分も書いていたりした。
いわゆるゴーストライターっちゅうやつである。
その代わりに他の科目の課題をやってもらうというトレードをして
夏休みの課題はそこそこにして旅に出たり遊び回っていた。
ある夏休みに妹の読書感想文を代わりに書いてやったら
市だか県のコンクールで大きな賞を獲ってしまい、
全校生徒の前で表彰されてバツの悪い気がしたことがあるそうだ。

その妹も玉の輿で結婚して中小企業の会社の社長夫人となり
今では大学生の子供を持つ3児の母となったが相変わらずアホである。
常にポジティヴだし社員やパートさん達とも仲良くしているので
頭の悪さと世渡りの上手さは比例するものではない。
学校の成績が良いからといって友人がいなかったら寂しいものだし、
得てして学生時代は落ちこぼれだったヤツが社会に出てみれば
体育系のノリで社長になることはよくある話だ。
成績を悲観することなんかないのである。

だいぶ前に俺が「ネパールに行ってきた」と言ったら
妹は「ネパールってインドネシア?」という返事をしてきた。
彼女の苦手分野は国語だけではなかったのだ。
俺達兄妹は親父も含めてLINEで連絡のやり取りをしているんだが、
ある時親父が妹の文を読んで「文章が巧いな」とコメントをした。
そうしたら妹は「私の文章のどこが汚いの!?」と反論した。
巧と汚はまあ確かに似てるけどな...。

その親父もいよいよ85歳になり大阪の姉の家に引き取られているが、
最近親父が「エアコン通風口から鳥が出てくる」「カーテンが踊る」
「死んだ妻が横に座っている」などの幻覚が見え始めたらしく
病院で脳検査したらパーキンソン病だという診断を受けた。
といっても未だにスマホで写真付きの近況を送って来るぐらいなので
深刻な状態というわけではないのだが家族全員にその連絡が来た。

妹は「お父さん、キーパーソンなんだって」
直訳すると鍵となる人物、主に介護における最優先連絡人として使われる単語だ。
パーキンソンとキーパーソンを間違って覚えたようだ。
てか、むしろキーパーソンって言葉をよく覚えたなと感心したわ。
時々会う度に失敗談を笑ってしてくる妹を兄はこれからも楽しみにしてるぞ。


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