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A氏
:最近、子供に殺される老人がニュースでときどき報じられるね。
老人を大事にするという文化的な伝統が消滅
しつつあるのかね。
これから、こういうニュースは増えるだろうね。
私
:それとやはり、 寿命が延びてきたことが関係
しているのではないかと思うよ。
日本は 急激に高齢者社会
になっているので社会的、文化的に適応がうまくできないんだろうね。
子どもが老人の面倒を見なくてはいけないからね。
老人が90歳台になってくると子供も60歳台、70歳台になるから、大変だろうね。
A氏
:最近、 老人の孤独死
も増えているようだね。
老人の一人暮らし
も増えている。
都会だけでなく、 過疎地も大きな屋敷に老人一人という家
が増えているというね。
私:過疎地
では、 問題は足
だね。
自家用車が不可欠になっているのが、年をとると運転ができなくなる。
そうすると、移動する範囲が限られて、 孤独化
が進むね。
都会でも俺の近所では 一戸建てでも、老夫婦二人という家が増加
している。
夫婦どちらかが死ぬと孤独になる。
俺の隣の家は細君がガンで先に亡くなったので、70歳代の男のほうが孤独の生活だね。
子どもは 少子化
で、仕事の都合で別に独立しているので、家にはたまにしか来ない。
私
:こないだスポーツクラブで、ヨガの常連のおばさん数人が、大声でしゃべっているのを聞いていた。
皆、どこか、膝が痛くて水を抜いているとか、腰が痛いので医者通いだとか、手首が痛いとか、問題があるんだね。
一人のおばさんは若いときにスキーをしていたのだそうだが、そのときに腰を痛めたのが今になって苦痛になっているという。
「 もう、あまり長生きしたくない。早く死にたい
」と言っていたね。
A氏: それに ボケ になるとますます、やっかいだね。
私
:昨年秋に 同窓会
を温泉地で泊まりで開いたときに、幹事が 5年後にこの会を解散
することを決めたいと提案した。
理由は、後、5 年くらいたつと体力が低下して、温泉地にまでくるのが大変
だからだと言う。
その幹事は、最近、内臓の手術をして、寄る年波に健康に自信を失ったのだろうね。
自然に任せておけばいいのではないかという反対意見もあったがね。
先日、ある地方の小さな工場を訪問したとき、となりに農家があり、人が住んでいないようで荒れていた。
工場が狭いので買い取ってはどうかといったら、その農家はおばあさんが一人で住んでいて、あまり、家族を寄せ付けなかったらしい。
死が近づいて時に、あらゆる書類を焼却
したので、家族が土地を売るにもいろいろな手続きに困っていると言っていたね。
一切の記録を残さないという、そういう死に方
もあるんだね。
A氏
:君が 日野原氏
の言葉で「 老いるには忍耐・辛抱が必要だ
」とあるのを引用していたけれど、 長寿は必ずしも祝うべきものでないね。
団塊の世代が、80歳代を迎える頃、その問題は大きくなるだろうね。
私 :やはり、できれば長生きしても、生きがいを持って、 最低の健康体 で、 ポックリ死ぬのが理想 だね。
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