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Ryu-chan6708

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2008.03.24
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カテゴリ: 社会問題

A氏 :この「 穀物マネー食卓を襲う 」というタイトルで、 先日の朝日の朝刊は一面トップ だね。

私: 莫大な 国際マネー の動きが早くなって、 俺たちの生活と直結 し出したね。
  それと同じように、 文藝春秋の今月の4月号 で「『 妖怪ファンド』が世界を支配する 」という記事がある。
サブタイトル は「 莫大な資金力を誇る『 政府系ファンド 』は天使か、それとも悪魔か 」とあるね。

A氏 :アメリカの サブプライムローン問題 は、全世界に飛び火し、ついに、日本では 円高、株安 だけでなく、 庶民の食卓まで襲うようになった わけだね。

:欧米の主要金融機関が莫大な損失を出して、 大恐慌 の危機となりそうになったが、 これらの金融機関に資本注入をして、危機を救ったのがいわゆる「政府系ファンド」 だね。
  1年もたたないうちに、 アメリカ金融資本が独占支配 してきた「 地球帝国」が崩壊 してきたね。
アメリカ金融資本の天下は当分継続するだろうという「 新帝国主義論 」の著者の予測 は、見事に外れたね。

A氏 :「 政府系ファンド 」を英語で Sovereign-Wealth Fund ソヴリン・ウェルス・ファンド といい、略して SWF というんだね。
ソヴリン というのは「 主権 」という意味で、 主権を持つ王家、一族、政党指導者の意志を反映したファンド という意味らしい。
 専門家も SWF の定義 には苦慮しているらしい。

:イギリスのエコノミストは、 SWF を評して「 ある年にはヴァイキングのような侵略者、しかし、ある年には、白馬の騎士にもなる 」と言っているという。
 今、 SWF という名の「 妖怪 」が グローバル資本主義の世界を大手を振って徘徊 し始めた。

A氏 :今回は、 世界大恐慌を救った白馬の騎士 だったんだが、 食卓を襲うマネーとしてはヴァイキング だね。

:ところで、実は、「 政府系ファンド 」の「 政府系 」というのは正確ではないんだね。
  例えば、 シンガポールの2つのSWF の「 主権 」者はシンガポール政府や国家というより、 初代首相のリー・クァンユー一族 なんだね。
  同様に、 アラブ諸国の4つのSWFも王族支配 だね。
  国家予算内に計上されているものでなく、 その国の王家や一族、為政者が自由に運用できる金融資産 なんだね。
  だから 透明性が低い。
SWF
の日本訳の「 政府系ファンド 」は誤解を招く言葉だね。
  そして、そのカネのもとは、 石油や天然ガスの売却益をもとにした「 天然資源型 と、貿 易黒字拡大による為替レート高騰を防ぐための「 非資源型(外貨準備金原資型 )」 に大きく2つに分かれるという。
  ここ 数年の間に膨大に膨れ上がった資産 だね。

A氏 :この記事では世界の主な SWF を12あげているが、 9つが中東系 だね。
  世界の SWF 資産総額 3分の2が中東を中心とした「資源型SWF」 だね。

:この中で異質な感じがするのが、 ノルウエーのSWF だね。
 実は、 ノルウエーは世界第5位の石油輸出国 であり、 世界第3位の天然ガス輸出国 だという。
  その 輸出収入を年金ファンドとして運用 しているという。
  この ファンド は、透明性が高く、 国王の意志は介在していないという特殊な SWF だという。

A氏 :これらの SWF がその存在価値を増したのは、 ドルの弱体化 だね。
  今度の サブプライムローン問題でますます加速 される。

:一方で、 SWF は、 国内的な事情 がある。
 「 資源型 」の場合、石油などの資源はもいつまでも出るわけではない。
枯渇した場合 に備えなくてはならない。
  一方、「 非資源型 」は 国内の「高齢化」 だね。
  これは「 老いゆくアジア 」で と6回に分けてふれたね。
  中国では 老齢化 が進むことは明らかだが、 年金制度は現状でも深刻な状態 にある。
  日本も貿易黒字大国だが、年金問題を抱えている。
竹村健一氏 が何故、 SWF のように日本は膨大な黒字のカネを投資運用しないのか、とよくテレビで言っていたが、その点で日本は遅れているようだね。
今年の2月に自民党がプロジェクトチームを発足 させたというが、本来、 投資ファンドはリスキイな仕事だから、投機文化がない日本になじむかだね。
日本版SWF
はどうなるだろうか。

  また、世界の SWF 強大な帝国主義的な ヴァイキング となるのか。
新しい 新帝国主義論 」が必要だね。






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Last updated  2008.03.24 09:04:03
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