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Ryu-chan6708

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2010.12.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類


:一昨日のブログの「 天国は水割りの味がする 」に触発されて俺が行ったスナックの記憶をシリーズ的に書いておこうと思う。
  今日はその1。

  もう 二十数年前 になるかね。
  東京都内の東はずれにある会社に 3年間 くらいよく出張していたときがあった。
  横浜からでは遠いので、 ホテル に泊まった。
  その会社の 若いスタッフは3名 、俺を交えて 4名 で会社近くのある 私鉄沿線の居酒屋 で月1回くらい夕食をした。
  食後、近くにある名前を忘れたが、 あるスナック カラオケ しに寄ったものだ。
  そのスタッフ3名ともに カラオケ が好きでね。
  一人は美声だった。

A氏 :スナックは大きかったの?

:小さかったね。
カウンター席 5人 くらいでいっぱい。
4人 ほど座れる 小さなボックス席 が1つあり、後は ソフア 1つくらいあったかな。
   われわれは、 4人 だから、ちょうど ボックス席 に収まるね。
50歳代のママ さんが中心で、その姉が 和服 で手伝いに来ていた。
  娘さんもときどき手伝っていたね。

A氏 :遅くまで飲むのかね。

:俺は泊まるホテルが近いから、平気なんだが、スタッフのほうは、終電で家に帰るので 11時 くらいには、終わりだね。
 健康的だよ。スマイル
4人 でこのスナックに行くと、最初の歌はスタッフの一人の 持ち歌 岡晴夫 の「 憧れのハワイ航路 」。
  お開きの トリの歌 は、俺の 伊東ゆかり の「 小指の想い出 」と決まっていた。
  そして、お互いに 拍手はやめというルール にした。

  その スナック に何回か行っているうちに、 夜8時 くらいにカジュアルな服装でふらりと一人でよく来る 大柄な中年の常連客 に気づいた。
  なんとなく 苦労人の風格 があった。
 彼は、来ると カウンター で軽く飲んで、毎回決まった 歌を1つ歌うとそれで帰っていった
  そのうちに、その歌の題名が「 夜の銀狐 」だということを知った。

A氏 :ヒット曲だったのかね。

:どうかね。
  当時、俺の知らない歌だったね。
 しかし、何回も聞いているうちに俺は覚えてしまった。
  覚えたら歌いたくなる。
  そこで、そのスナックに行ったとき、その客が来ないうちに歌ったよ。
  そうしないと 他人の「持ち歌」を奪って失礼 になるからだ。
  あるとき、歌おうとしてカラオケに予約したら、その中年客が来たのであわてて取り消しよ。スマイル

A氏 :どういう人物なのかね。

:ママさんに聞いたら、駅前の パチンコ屋の経営者 だとのことだった。
  ところが、ある時、俺が行っていた会社に 中国の研修生 が2名来たので、このスナックに連れて来た。
  丁度、このとき、この中年の客が来ていた。
  2人が 中国人 であるのを知ると、なつかしがり、「 ママ、この人たちにボトルを提供してくれ 」となった。
  そして、こっちの席に来て簡単な身の上話をした。
  この客は、 中国 で幼いときに暮らしたことがあり、 敗戦 で引き揚げてきたという。
  多少、 韓国系の血 も混じっているという。
  初めて、この中年の客の人生を知った。
  ただ、彼が何故、「 夜の銀狐 」しか歌わないのか、その理由は聞けなかった。

A氏 :そのスナックには、どのくらい通ったの?

3、4年 くらいかね。
スナック は、いつも混んでいて、利益をあげ、その後、 駅前開発 で、駅から少し引っ込んだところに、 数倍ほどの大きな店に移転 した。
  しかし、移転してからすこしたって、その会社に行く仕事が終わって、そのスナックにも自然に足が遠くなったね。

  その後、 バブル がはじけ、 今の不況 で、 スナック業界 はきびしくなったが、今もやっているかね。
  しかし、「 夜の銀狐 」を聞いたり、歌ったりする度に、その中年客とスナックを思い出すね。






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Last updated  2010.12.04 15:04:13
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