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私
:図書館に予約しておいたのが俺の順番になった。
読みやすく、1日で読了。
この本の「 主人公
」は、 JR東日本グループ会社の鉄道整備株式会社
、通称" テッセイ
(TESSEI)"の人たちだね。
従業員約 820名
。
テッセイ
はJR東日本が運行する東北・上越などの 新幹線の車両清掃
、東京駅・上野駅の 新幹線駅構内の清掃
などを主な業務としている。
俺は東京駅の新幹線ホームで乗車を待つ間、折り返しの新幹線を掃除をする人々を見ることが多いのだが、その仕事ぶりがテキパキしているだけでなく、笑顔で礼儀正しいことに感心していたんだ。
実は、この本を読んで知ったのだが、この素晴らしさに関心を持った団体やメディアでは、 平成20年
には 国際鉄道連合の分科会メンバー
が視察に訪れたのが最初だという。
同じ年に ドイツ国営テレビ
が取材にきているという。
A氏 :海外の団体やメディアが最初に関心をもつとはね。
私:米国
からは映画俳優で前カリフォルニア州知事の アーノルド・シュワルツェネッガー
や ラフォード運輸長官
が視察に来たという。
それ以降、国内では、 テレビ朝日やテレビ東京の番組
でもとりあげられ、 ビジネス誌
でもとりあげられたという。
平成23年3月
には、「 日経ビジネス
」誌で「 最強のチーム
」として表紙を飾ったという。
A氏 :単 純な清掃作業 の繰り返し業務なのに、なぜ、とりあげられるようになったのかね。
私
:単純ではないんだね。
折り返しの 7分間
の間に、 22名
が 1チーム
となって清掃をするという、かなりきつい作業だね。
しかし、 単なる清掃作業
にすぎないといえばそれまでだがね。
実際、 7年前
には テッセイ
は「 普通」の清掃会社
にすぎなかった。
与えられた仕事は真面目にこなすけれど、それ以上のことはやらない。
「 自分たちは清掃員にすぎない」
という意識に染まり、なるべく目立たないよう、 隠れるように作業
をしていたという。
A氏
: 数年間
で「 普通の清掃会社
」が「 最強のチーム
」に変わったということか。
どう変わったのかね。
私
:それには、現専務の 矢部輝夫
氏の活躍が欠かせないね。
矢部
氏は 平成17年7月1日
、 JR東日本東京支社の運輸車両部指令担当部長
から、それまで縁がなかった テッセイ
に異動。
最初、「あんなところに行くのかーーー」と思ったという。
しかし、どうせやるならと思ったという。
そして、辛抱強い戦いが始まるね。
A氏 :改革は一人で始まり、 全員 で終わるというが、まさにその通りだね。
私 :現場の人たちと話し合い、意識を変え、手間をかけて「 最強のチーム 」を築きあげていくストーリーは、素晴らしいものがあるね。
一言で言うと、 小集団活動
の成果だね。
俺たちの頃には現場でやっていた QCサークル
のようなものだね。
もっとも、形だけで 失敗したQCサークル
も多かったがね。
小集団活動
だけではない。
人事制度
などの 経営システム
も働く人に自主性をもたせるように変えていく。
現在、 テッセイ という会社の輝きを根っこで支えているのは、現場で働く人々に対する「 リスペクト(尊敬) 」と、現場の人々の持っている仕事への「 プライド(誇り) 」だという。
A氏 : JALを 再建した 稲盛和夫 氏も 航空 のことはシロートなのに、似たようなアプローチをして成功しているね。
私 :結局、 良い経営 というのはそこで働く人々に、いかに自主的にやる気をもって仕事ができるように環境を作っていくかだね。