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私 : 世界最大の英語辞典、オックスフォード辞典 が昨年の「 時代を最もよく表す言葉」として選んだ言葉 が、「 ポスト真実 」だね。
「客観的事実より、感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を意味する」 という。
事実をゆがめ、巧みなプロパガンダで台頭した全体主義の時代 と重ねて警鐘を鳴らす声もあるという。
これが問題になったのは トランプ氏の登場 からで、「 漏れた情報は完全に本物だ。でも(報じた)そのニュースは『うそ』。なぜなら偽ニュースだらけだから 」と、ロシア側と接触していたことなどを米メディアに暴露されると、 トランプ氏は記者会見 でそう言い放った。
A 氏 : ソーシャルメディアの発達 などで 現実世界での公的な場と 居酒屋 的な場所の区別 があいまいになり、 感情を刺激する技術に人間が追いつけておらず 、 コミュニケーション環境の劇的な変化がその区別を破壊しているのが特徴 だという。
私 :「 ポスト真実 」が 昨年のその年を代表する言葉 に選ばれ、 米国で改めてベストセラーになったのが、英作家ジョージ・オーウェルの『一九八四年』 で、 1949年に出版されたこの小説は日本でも再び売り上げを伸ばしている という。
この小説は、 個人の自由が奪われた全体主義 国家 を描き、 徹底的な監視、都合の悪い事実を消して権力者側の意向で「真実」が決められていく様を描いた描写 が、 トランプ政権誕生後の米国社会など「ポスト真実」時代の社会と似ている 、と注目されたという。
A 氏 :だが、 政治理論専門の山崎望・駒沢大准教授 は、「 『ポスト真実』の時代 とは、 『うそ』がはびこるというより、『私の真実』に居直る時代 」だという。
オーウェル が描いたのは、 旧ソ連のような国家が上から真実を押しつける全体主義 社会 だが、今はむしろ、 それぞれの人が下から「自分の真実」を勝手に主張し始めている と 教授 はいう。
教授 は、 全体主義とは異質な危険をはらむ とみて、「 ポスト真実」時代に人気を博す政治家 は、 自分こそが「本当の民衆」の代弁者だと主張 し、だから 私が言うことが「真実」と語る 。
「 ポスト真実」の時代 は、 逆説的 だが、 「本当の真実」の存在は疑わない、「私の真実」の時代だという。
教授 は「 本来は政治の場で語られる意見の違い は、妥協なしに白黒つける話ではなく、 対話を通じて折り合っていくもの で、 自分と相手との違いを、相手の『間違い』にすり替えて多様な現実を切り捨て 、 自分の立場に居直るから、社会の分断が深まってしまう 」という。
私 : ドイツ思想に詳しい三島憲一・大阪大名誉教授 は、 「私の真実」に居直ることの危険性 はほかにもあり、 政治を可能にする人間の根本的な思考が破壊されてしまう可能性を指摘 する。
三島 教授は、「『うそ』は 政治の世界 でも珍しくはないが、 ばれたら非難されるのが前提 。 それが失われ、『正しさ』について他人と共有することを放棄してしまう のが、 『うそ』に覆われた世界 だ」と指摘。
A 氏 : 日本のネット右翼 を見てもわかるように、 そんな社会では他者との論争は不可能 になり、 自分と立場が異なる人と、公共の議論を通じて、社会を営むことができなくなる の
ではないかと 三島教授 はいう。
私 : 連日の報道 で、我々が、「 ポスト真実 」 な現代 に慣れてきているとしたら、 かなり危うい と記者は書いているが、 この記事が出た翌日のマスコミ報道 での国 会で証人喚問された森友学園理事長の 籠池氏が語った「私の真実」 と 安倍首相の「私の真実」 とがもろにぶつかり、どうやら、そのまま、終わりそうだね。
まさに 日本政治も「ポスト真実」時代 だね。