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Ryu-chan6708

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2017.04.10
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「見田宗介氏著『まなざしの地獄』・差別社会、若者を絶望させた」22日朝日新聞夕刊「時代のしるし」文芸・批評欄 で、図書館から「まなざしの地獄」を借りたが、主題となっている 永田則夫 (この本では N N となっている)はすでにこのブログで詳細にふれたので、あまり興味はなかったが、この本には「 新しい望郷の歌 」という 別の評論が掲載 されており、これに興味を持った。

 この本は、 1965年(昭和45年)の出版 で、 その頃の社会の変化 を描き出しているのに興味を持ったね。

A 高度成長期は1955年から1973年まで と言われるから、まさにその時期の 社会の変化 を扱っていることになるね。

大正15年5月29日、北海道の農場で5人の子供を殺した一家心中 があった。

同じ年 のうちに、 名古屋の古物商、長野の銀行頭取の遺族とたちまち全国に共鳴者を生み、まもなく神戸市では、何件かの「流行」となる

見田 氏は、 北海道の農場で発生 し、 次いで全国の大都市に飛び火していることは象徴的である という。

 それらは すべて古くからの人と人とのきずな がいったん、 近代化の過程のなかで、見失なわれた地点を追うように分布 しており、 親子心中一般は古くからあったが飛躍的に増大するのはこの頃からだ という。

A 近代化以前にも子があるばかりに死ぬにも死なれない母親 があったが、 そういう不幸な者の孤児でも、村では成長し、また再び家を興すことがあり、残された子供を村の中で育てていこうとする気風があった

:このブログの 「道徳の教科化 教えがたい社会生活の基本」京大名誉教授・佐伯啓思氏筆・7日朝日新聞・「異論のススメ」欄 で、子どもたちに「 道徳教育」を科そう としている問題で 佐伯 氏は 戦前と戦後の「道徳の断絶 」にふれているが、 昔は、村社会で教えていた ね。

 「 恥の文化」が自然と社会的に定着し、「お天道様が見ている」と子どもに教えていた。

その 自然村秩序と大家族制の解体 において、 道徳社会も解体する とともに、 一家心中の悲劇の連鎖が生まれた といえる。

同時に 佐伯 氏の言う 「道徳の断絶 」が始まるわけで、 戦前と戦後の違いでない と思う。。

高度成長が始まる頃、農村では「出稼ぎ」が始まる

村の「家郷」が生活の拠点としての機能をうしないつつあった

60年代に入って以来 毎日、多くの家族が先祖伝来の住みなれた土地を見捨てて、帰るべき家郷のない人々の群れに流れ込んでいき、無人部落ができる

「家郷」への「退路を断たれた」日本人の労働者、ホワイトカラーの群れの多くは「群化社会」のただ中に、ささやかな「第二の家郷」を築く途を選ぶ

A マイホーム社会 核家族社会 だね。

見田 氏はこれを「 家庭化時代 」と言っているね。

考えてみれば、 高度成長期で都市化、マイホームが盛んになるのは、最初の「家郷 」を 失った わけだ。 

マイホームで育った子どもたち は下記の「 故郷の歌」の意味は理解できない だろうし、 都会にマーホームを築いた我々世代も 、何か、 別世界の感じがする ね。

兎追いし かの山
小鮒釣りし かの川
夢は今も めぐりて、
忘れがたき 故郷

如何にいます 父母
つつがなしや 友がき
雨に風に つけても
思い出ずる 故郷

志を はたして
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷

 この本の題名のように「 新しい望郷の歌 」はできるだろうか。

 「 第二の家郷 」の マイホーム は今は、 一人暮らしの家 空き家 が増加している。






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Last updated  2017.04.10 08:32:04
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