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Ryu-chan6708

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2017.04.16
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著者 は、 明治学院大学 名誉教授(日本精神史 で、「 親鸞」「法然入門 」などの著がある。

1946年1月1日の詔書で現御神(あきつみかみ)(現人神〈あらひとがみ〉)であることを否定した昭和天皇の「人間宣言」 は有名だが、 昨年8月8日に発表された現天皇の「おことば」 は一部で「 第2の人間宣言 」と呼ばれ 、昭和天皇の「人間宣言」を徹底させたものとして、高く評価された という。

A 天皇も老いていくと活動が不自由になるのは、一人の人間として当然 だね。

:しかし、 本書によれば、こうした見方は全く間違っている という。

天皇制を根底で支える国民感情は変わらぬまま、天皇は依然として「生き神」であり続けているからだ という。

その国民感情を説明するために、著者は「自然宗教」という概念 を用いており、 教祖や教義や信者組織のある「創唱宗教」とは異なり、「自然宗教」はそれらがはっきりせず、人が「神」になりやすい。

日本は「自然宗教」の優位が際立った国であり、仏教やキリスト教 のような「創唱宗教」が伝来しても「自然宗教」は温存され、天皇崇拝を支える基盤になってきた

A :だが過去に「 自然宗教」の克服を目指した人物 として、 著者が注目するのが法然 だというね。

法然の仏教 は、誰もが欲望から逃れられない 「凡夫」だという人間観 から出発し、阿弥陀佛の誓願を信じて念仏すれば必ず往生できるとして、 世俗のいかなる価値よりも救済原理を優越させようとした

その背景にあったのは 現世と浄土という二つの世界 であり、 天皇に代表される現世の支配者を相対化する論理であった という。

:しかし、 法然の死後、教団が形成されることで、仏教は再び普遍性 を失い、「自然宗教」の優越が際立つ ようになり、 浄土の超越性は失われ、現世志向が強くなり、いつしかそれが国民感情にまでなってしまう

天皇制 いまなおこうした基盤の上に支えられている という 著者の指摘 は、 きわめて重い 氏はいう。

A :この「 自然宗教 」という言葉を聞くと、 山本七平氏の 「日本人 のうちに無意識に 染み込んでいる宗教 」という意味の 氏の造語 である 日本教 」を思い出すね。

 このブログの 「19日朝日新聞・日曜書評から では、 日本人が信じるのは「人間」だけで、これをイザヤ・ベンダサン(山本七平の筆名)は「日本人とユダヤ人」というベストセラーの中で「日本教」と呼んだ というとある。

神前結婚と仏式葬儀が両立 する のも、 クリスマスの数日後に初詣に行ける のも、 日本人が「無宗教 」だからではなく、われわれ全員が「日本教」という一種のメタ宗教の信者 だから で、 必要なのは 信仰心ではなく、宗教的「空気」だ とあるね。


こないだ マスコミを賑わせた森友学園騒動 で、「 忖度 」という言葉が出て、「 空気 」同様、 英語に正確に訳せなかった がこれも 日本的な特徴 だね。






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Last updated  2017.04.16 15:55:22
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