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私 :このブログでは早くから 博士を持った人たち に関心があり、関連して以下のものがある。
「ホームレス博士」 、 「博士離れ、止まらない:少ない研究職・企業は敬遠」
今週の「波聞風問」 ではその 博士問題 にふれている。
修士から博士へ進む人の割合 は 2001年度の15%台 から、 16年度の9・3%に減っている という。
90年代、政府が進めた大学院改革 で、 定員を2倍 にしたが、 就職先の教員数は増えず 、 大学に残れても多くは任期付きポストでしかないというのが背景 にあり、「 将来の見通せない博士課程に進んでも……」という不安が大学院生の間で定着してしまっているからだ という。
A 氏 : 企業の採用枠 も限られていて、 文科省の関連団体が研究開発型企業1825社(資本金1億円以上)を対象にした16年の調査 では、 新卒の修士の採用企業は3割弱、博士は6%台しかない という。
私 : 多賀谷克彦 氏は、「 手持ちの技術の改良、改善で生き残れる企業はどれだけあるか。『ダイバーシティー』を掲げながら、横並びで学士や修士を一括採用する。企業に、博士人材の高度な専門知識を生かす経験、蓄積がないからではないか 」と 厳しく指摘 している。
一方、欧米や韓国では博士人材は増えてい て、 研究領域の拡大が背景 にあるという。
私 :このブログの 「イノベーションへの道」 でもふれたが、 昨年のイノベーションのランキングで日本は16位 で、 07年の日本は4位 だったので、 この10年低迷 は明らか。
安倍政権の第3本目の矢 はとんでいない。
背景の一つに日本は博士の活用が下手 なことがあげられる。
独NRWジャパンのゲオルグ・ロエル社長 は 日独の産学連携 を手がけるが、 日独の博士人材の活用の違いを指摘 し、「 ドイツは社会として、彼らの専門知識を高く評価している。企業と大学の交流人事も頻繁だし、活躍の場も大学、企業に限らない 」という。
A 氏 : 多賀谷 氏は、 日本の博士人材は本当に使えないのか といことで、 少し救われる例 をあげている。
それは、 北海道大学で聞いた話 で、 12年前から博士課程の学生に年間50~60社との交流会を開き、採用に結びつけており、東北大、名古屋大、お茶の水女子大など6校と連携している という。
担当の 樋口直樹・特任教授 は「 一度、博士人材を採用すると、継続して採用する企業が多い。新規事業関連の博士を採る例も目立つ 」という。
私 : 博士人材は自ら課題を見つけ、解決策を探った経験 をもつ。
そうした人材が 異なる分野の人材と化学反応 を起こして 新たなものが生まれる。
追いつけ追い越せの時代とは異なる人材が必要ではないか と 多賀谷 氏はいう 。
6月中旬、関西の企業と大学のトップが産学連携の将来を探る研究会の場 で、 座長の小林傳司・大阪大副学長からの大学の現状報告 は「 日本は人が資源。人材力が低下することは大学にも、産業界にも危機的だ 」と 厳しいものだった という。
山口栄一氏〈著〉『イノベーションはなぜ途絶えたか 科学立国日本の危機』 で、 著者 は 日本で企業家精神が育たないのはリスクを避ける国民性ではなく、制度設計に問題があり、これを修正すれば、産業競争力は復活する というが、まだ、先が見えていないね。