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私 : 北海道庁 は 土地売買の事前届け出を義務 づけ、 登記簿上の土地所有者4千人余に通知したが、その45%が宛先不明で戻ってくる 。
こうした土地の「所有者不明化」問題 はいまや 全国に広がり、面積にして九州を上回る という。
背後 には、 土地の相続登記が任意だという事情 があり、 登記手続きは煩雑で、費用もかかり、しかも、登記しなくても不都合はないという。
これでは、 放置され 、 世代交代が進めば法定相続人 がねずみ算的に増え 、 所有者の関心は低下 し、 自分の森林の場所や境界すら分からなくなる。
A 氏 :これは今、 林業の現場でも大問題となっている 。
荒れた森林 に手を入れたくとも、 所有者が不明で手が付けられない。
また、 震災復興事業をはじめ全国で様々な事業 が、 土地の権利関係の確定に膨大な時間と労力を要するため、遅れたり暗礁に乗り上げたりしている。
まずは 所有者の確定 を、次に、 基盤となる土地情報システムの整備が急務 、と 著者は強調する。
私 : 根底には、人口減少 で土地需要が縮小し、大都市圏を除いて、もはや地価が上がらないという構造要因 があり、 土地は有利な資産ではなくなり、登記の必要性は低下 。
にもかかわらず、 所有者不明で有効活用できない土地・不動産は、今後さらに拡大する見込み。
A
氏
:俺も十数年ほど前に 風光明媚な田舎に空き地
を買ったが、 どんどん値段が下がり、今は買い手がつかず、安いとは言え固定資産税を払ったり、除草費用がかかったりなどで、マイナス資産
だよ。
登記などせず、放置すればよかったのかね。
私 : 所有者不明 となれば、 農林業の集約化や空き家活用によるまちづくり などが、 所有権の壁にぶつかって進まなくなる。
本書 は「 強すぎる所有権 」ゆえ、 土地・不動産の有効利用が進まない実態 を浮かび上がらせた。
これは 究極的 に、「 所有権と利用権の分離」というラディカルな思考 にもつながっていく 重要な問題提起 だと 評者は指摘 する。
A 氏:俺は空き地の所有権も放棄し、自治体に寄付 でもしたいね。
もっとも、 寄付された自治体も使いみちがなければ、負担増 だね。
私 : 高度成長時には土地神話があった が、今は、 地方 の 人口減少で崩壊 しているね。
特に 地方 がそうだね。
それが 山林 まで及ぶと、 治水まで影響 し、 災害に弱い国土 になるね。
少子化に対応 した 根本的な土地、山林対策 が必要だね。