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Ryu-chan6708

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2018.02.01
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上田岳弘 氏は、 15年に三島由紀夫賞を受けた作家 で、この 寄稿 では、 興味ある視点で改憲問題を、9条問題を論じている

連載中の長編小説 では、 「キュー」という単純かつ多義的な音が引き寄せる物語を、九章構成で描こう としている。

「憲法9条」 で、 日本において、「戦争放棄 」「戦力不保持」「交戦権の否認」が明文化されるきっかけとなった《世界大戦》は、人類史におけるメルクマール(指標)。

上田氏の連載中の長編小説の作中 でも、 歴史に倣ってそのように扱っていて 《世界大戦》が、戦後七十年以上経過した時代を生きる我々の精神 に、 いかなる影響を及ぼしているのか、それを分析することが、「キュー」のテーマの一つ。

A 思想家の柄谷行人 氏は、 「憲法9条」の存続は、人々の「無意識の罪悪感」のあらわれである と言う。

全力で取り組んだ戦争に負けた我々日本人 は、 終戦当時、敵国に対してではなく、東アジアにおいて起こした戦闘が侵略行為 であると断じられた ことは、 おそらく我々が罪悪感を抱く一つの理由 となっていて、 西洋における侵略の歴史を繰り返すつもりはなかったにせよ、我々の作ろうとした「満州国」は、理想に遠く及ばず潰えた

「憲法9条」は、理想的かつ非現実的である ことは、 二度も世界大戦を引き起こした人類史の「無意識の罪悪感」を我々に植えつけている から、 「戦争放棄 」を謳おうとする。

「理想」とは、少なくとも誰かが訴え続けなければ実現しない ものだ。

そして「戦争放棄」という遠大な「理想」については、大戦の終着地であるここ日本がそれを掲げる役回りとなった 上田 氏はいう。

A 非現実的にすぎて、他の国には見られないような「憲法9条」を受け入れた のは、 敗戦の疲弊のせいであれ、天皇制 を戦勝国側に認めさせるためであれ、我々は七十年もの間、「戦争放棄 」を掲げてきた。

そして今回、改憲で、我々は現実に即していない条文に対して、どのような判断を下すのか。

再び「無意識の罪悪感」があらわれ、「憲法9条」の改定を拒むのか 上田 氏は問う

:ここで、 上田氏は改憲のための「国民投票」の問題 に論点を移す。

これはすでに 昨日のブログ 「国民投票、経験国からの警鐘 首相退陣に追い込まれた英伊を視察、衆院議員団報告書」 でふれているね。

上田 氏は、 今日、「投票」という手続きによって 憲法 改定を問う場合、我々が本当に望むことが「投票結果」として表れるとは限らないのではないか という。

「憲法改定」自体は「国民投票」に付されるのだとしても、それら手続きの変更 については、通常の国会運営の中で決められていき、 周辺の手続きについては、為政者の意思や都合によって決められる という。

A :この 上田氏の懸念 は、 昨日のブログ 「国民投票、経験国からの警鐘 首相退陣に追い込まれた英伊を視察、衆院議員団報告書」 でふれたように、 与党の敗退に終わることもある ので、 杞憂 にすぎないかもしれない。

無意識 であろうがなかろうが、 最高法規である「憲法」を改定 するのであれば、 国民の意図が正しく反映されるべき で、思い出されるのは、 イギリスのEU離脱の「国民投票」だと上田氏も英国の例 をあげているね。

真偽不明のニュース があまた飛び交う中で行われた投票の末、 「離脱」という結果がもたらされ、果たして国民は本当にそれを望んでいたのかどうか 上田 氏はいう。

これは、 昨日のブログ 「国民投票、経験国からの警鐘 首相退陣に追い込まれた英伊を視察、衆院議員団報告書」 でふれたように 英国の「国民投票」は失敗例 だね。

この寄稿の最後 上田 氏は「 小説『キュー』は、「憲法9条」のみを主題にしているわけではないが、筆を進めつつ、『稀有な文言』がこの国に存続する意味を日々考えている 」という。

まさに、 「稀有な文言」の「憲法9条」の改正に は、 単純な自衛隊の問題 だけでなく、 日本の戦前・戦後の歴史がからんだ 非常に重い課題をかかえている ね。






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Last updated  2018.02.01 23:15:02
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