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私 : 日本の「医療の地域格差」 というから、 大都市とへき地という旧来型の図式 の問題 かと思ったら 全然違う んだね。
人口10万人当たりの医師数 で比較すると 埼玉県が全国最低の160・1人で、全国平均の240・1人を大きく下回っている。
47都道府県別 で見ると、 茨城県(下から2位)、千葉県(下から3位)、神奈川県(下から9位) といった 東京のベッドタウンを抱える地域も埼玉県 と同じような状況。
名古屋圏や関西圏でも一部似た地域
がある。
1位は、なんと徳島県。
A 氏 :この問題で、 伊関友伸氏は、なぜ、この格差が生まれたのかを説明 し、 武藤真祐氏はその解決方法を提案 している。
まず、 ベッドタウンに共通するのは昭和の高度経済成長を支えた団塊世代が集中して暮らす地域であること。
俺の住む横浜市 など、 山林や田畑中心の広大な戸塚区 に 一挙に民族移動のように大手デベロッパーによる住宅地が開発 され、 行政も人口増で戸塚区は栄区という新しい区を作って対応したくらい だ。
これから 「2025年問題」と言われ、この世代の高齢化に伴い、医療や介護の需要が爆発的に増えていく時代 に入る。
私 : 医師の視点 から見ると、 医療行為をするには医師免許が必要だが、裏を返せば医師免許があれば、どこに勤務しても、どのような診療科を標榜しても個人の自由。
医師偏在の是正策が検討される際、議論になるのが、憲法の職業選択の自由で、勤務地や診療科を医師個人の意思でなく、強制的に決められることへの抵抗感が強い ことだ。
2004年に導入された新医師臨床研修制度 では、 医師免許取得後の2年間、内科、外科、小児科などで研修 し、 研修する病院は本人の希望で決まるため、大学病院の医局に所属する医師が減り 、 地域への医師供給機能が大幅に低下。
A 氏 : 医師の偏在 は、 地域における医療提供力の格差 を生み、 16年の119番による救急の覚知から、病院などに収容されるまでの平均時間 は、 東京都が50・6分、千葉県が44・1分、埼玉県が43・6分に対し、福岡県は30・7分。
また、 医療機関の病床数 も 西日本は、東日本に比べて多く 、 日本は国民皆保険制度だが、暮らす地域によって格差が生じているのが現実 。
今、 医師の働き方 が問題となっていて、 長時間労働を是正していくと、地域や医療機関によっては、今までのような医療を提供できなくなる可能性 がある。
とはいえ、 無理に若手医師に医師不足 の地域への勤務 を求めても、 医師の士気は下がるだけ で、 伊関氏は、 格差是正には、自治体や住民も変わる必要 があり、 都道府県に策定が義務づけられている地域医療計画を基礎自治体である市区町村でも作るべきだと考えてい る という。
私 :解決策として、 在宅の患者さんを往診するクリニックを、都内4カ所と宮城県石巻市で運営し、またシンガポールでは、在宅医療サービスと、それを支えるためのICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の企業を経営している 武藤真祐 氏は、 医師や看護師、介護スタッフなど、チームで医療を支えるのが大切だ と考えているという。
シンガポール では 政府が国民 に 医療用ID を割り振り、 公立病院 の電子カルテは共有 されていて、 患者が症状に応じて複数の病院を掛け持ちしても、検査や投薬の無駄な重複を防げている から、 日本 でも、 病院間で情報共有した上 で、 地域の病院同士で受け持つ診療科を分担 し、 一つの病院に特定の診療科の医師と患者が集まれば、治療レベルは高くなり、患者にとっても安心で、医師も成長できる と、 武藤 氏はいう。
A 氏 : 限られた医師と病院で地域医療 を回していくには、ICTやAIの利用が不可欠 だね。
日ごろからセンサーなどを使って患者の体の状態をモニタリング できれば、 病院との距離にかかわらず早めに医師や看護師が適切な助言や対応をすることができ 、 重症化を防げ、慢性疾患のほか、脳梗塞や心筋梗塞の予防のために高血圧をコントロールするのにも役立つ。
入院や再入院を減らす取り組みが重要だ と 武藤 氏はいう。
また、 武藤 氏は、 「 高齢者の増加や財政 を踏まえれば、現在のような 低負担で高品質 を求める医療 はいつまでも続きません。 選択と集中の時代 です。 医療に何を期待して、何を我慢するのかは、国民のコンセンサスが必要 です。 医療の地域格差はなくならないとしても、無駄をなくし、少ない医師や病院で対応できるようにしていく ――。そうすれば 格差 は思ったほど問題にならなくなるでしょう。そんな 発想の転換が必要 だと思います」という。
団塊世代の高齢化を迎える2025年問題対策 に、これから 発想の転換 ができるか 勝負 だね。
大きな宿題 だね。