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私 : 英国では75歳以上の半数以上が独居。
英国には、 高齢者を支援する「ロイヤル・ボランタリー・サービス」 というのがあり、 そこの登録ボランティアのエディー・ジェンキンス 氏は、「 以前は教会やパブで世代を超えた交流があったが、そんな近さは失われつつある」 と 心配 する。
高齢者だけの問題ではなく、全英児童虐待防止協会が運営する無料電話相談「チャイルドライン」でも孤独に関する相談が増え 、 ソーシャルメディアの華やかな投稿記事と自分を比べ、卑下する子が目立つ。
ピーター・ワンレス 代表は 「子どもたちは人間関係や見た目などで、社会が定義する『成功』を収めねばならないというストレスにさらされている」 という。
英国赤十字と生協の調査 では、 900万人以上の成人が「いつも」または「しばしば」孤独を感じていると推計されていて、成人の5人に1人 だ。
別の調査 では、 障害者の半数が常に孤独を感じ、また65歳以上の5人に2人がテレビかペットが「一番の友人」と回答 。
ロンドンの移民・難民の6割弱は孤独や孤立が最大の課題 だという。
A 氏 : 孤独は、健康への悪影響 も心配されていて、 米ブリガムヤング大が2010年、過去の研究を分析 し、世界の30万人以上の生活様式と健康の関係を調べ、 孤独はたばこを1日15本吸うのと同等の健康被害 があり、 肥満よりも健康への悪影響は深刻 だと結論づけた。
英国生協の調査 では、 孤独が原因の体調不良による従業員の欠勤や生産性の低下 で、 英国の雇用主は年25億ポンド(約3700億円)の損失を被っている という。
私 : 対策を求める声が強まり、高齢者や障害者らを支援する官民5団体は11年、「孤独を終わらせるキャンペーン」を始め、行政への働きかけを強めた。
英政府 は、これに対し、 今年、「孤独担当大臣」を置いた。
「孤独担当大臣」のクラウチ 氏は 「ボランティアや活動家、企業、政治家が力を合わせれば、孤独に打ち勝つため前進できる」 という 。
これまで民間主導だった孤独対策を国が指揮する ことになり、 個人の内面に公権力が踏み入る危うさをはらむが、社会の受け止めはおおむね肯定的 だ。
しかし、一方、 保守党政権はこれまで、地方への予算を減らし 、 様々な公的サービスを削減 してきており、 10年以降、貧困地域の就学前児童と家族を支援する各地のセンターが500カ所以上閉鎖 に追い込まれ、 同時期に家庭内暴力の被害者の避難施設も5分の1が閉鎖 された。
私 : こうした施設やサービスは孤独の軽減に役立ってきた可能性があるのに、予算削減で閉鎖 された。
だから、 政府の「孤独担当相」の設置 は、 政府の「偽善だ」(英紙ガーディアン)とする厳しい見方 もある。
A 氏 :どうも、 英国の緊縮財政はいろいろな問題を起こしている ね。
そのため、 英国緊縮財政知的街道 ができているね。
「緊縮財 政 で 医 療の質低下 命の格差、広がる英国」 では、緊縮財政による寿命の格差拡大 、 「社会主 義 、 共鳴する若者 アメリカでは ― イギリスでは ― 」 では、 授業料の増加による学生の極端な左傾化 、 「緊縮病『失われた10年 』 待 ち わびる、冬の終焉」 では 緊縮財政後の英国のホームレスの急増 、 「治安悪化する ロ ンドン 若者への投資、削減の末」 では、ニューヨークを上回ったロンドンでの殺人事件の急増 など。
私 :そして 今度は、予算削減による「孤独」の増加。
まさに、 英紙ガーディアンの言うように政府の「偽善」の連続 だね。