りゅうちゃんミストラル

りゅうちゃんミストラル

2004.12.29
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この間、テレビで韓国映画「猟奇的な彼女」を放送していた。

私はこの映画を観ようを思っていたわけではない。
偶然テレビを見ていたら、放送していたのだった。
「何をいまさら」と思う人もいるかもしれないが、
私はこの映画を観ていなかったので、私にとっていい機会だった。

タイトルの「猟奇的」というのは、韓国語で「風変わりな」くらいの意味だという。
美人だが、気が強くて酔っ払う若い女性と頼りない大学生キョヌが主人公の、 「斬新な韓国映画」だ。

彼女は地下鉄では老人に席を譲るようにケンカ腰で文句を言い、 
酒場で援助交際らしきカップルに「身分証明書を見せろ!」とすごんでみせる。
考えてみれば韓国特有の儒教精神があるからこそ、こうした彼女の「猟奇さ」が目立つ。

確かに彼女の行動は実際ならとても見ていられない。
(彼女の 「ぶっ殺す!」 という言い方は、タレントのユンソナそのものだ。)
しかし、逆の考え方をするなら「勇気ある行動」にもつながる。
日本で考えても、高校生がタバコを吸っているところや、
援助交際をを注意できる人がどれだけいるだろうか?
そんなことを考えたら、なんだか笑えなくなってしまった。

韓国では、地下鉄で自分よりも年上の人が立っていたら席を譲るのが当たり前だ。

以前、ある韓国人にこのことを質問すると、 「日本では違うのか?」 と逆に質問が飛んできた。
韓国のこうした行動は美徳だがある意味私の目から見ても、
ある種の「親切に対する恐怖観念」があるのではないかと思ってしまう。

この二人が出会った地下鉄の新道林駅は、駅の構内が見たくて以前一度降りたことがある。
ソウルの地下鉄は国鉄と乗り入れをしていて、
一号線は仁川(インチョン)や世界遺産の城がある水原(スウォン)に向かう。
新道林駅はその途中にある大きいターミナル駅だ。
映画のポイントもこの路線と最初に会うことになっていた 「息子を亡くしたおばさん」 にある。
私は最後までこの点に気がつかなかった。

「どうして彼女の家を知っているのに会いに行かないのか?」などという野暮なことはどうでもいい。
彼女の無軌道ぶりに笑って、そして終盤ではしんみりとして高く評価できる映画に仕上がっている。
私には上映時間が長く感じたが、いい映画であることは間違いない。

「死んだ男が忘れられない」というのは「キャンディ・キャンディ」や「冬のソナタ」でも語られた、
古典的だがとても重くて深い永遠のテーマだ。
生きている人はどうしても死んだ人にはかなわない。
生きていた時の思い出だけがどんどん美化されてしまうから。
こうしたことは韓国でも日本でも変わりはない。  


「オクス旅館」が舞台になっているのも笑った。
韓国では、韓式旅館がいたるところにあって、不倫の舞台にもなっている。
それでも私は韓国に行った時には、旅館が一番だと思っている。
便利で、ホテルより料金が安く、庶民的な韓国を味わえるからだ。

ただ、宿泊料金が4万ウォンというのはやや高いような気もする。
その証拠にキョヌが宿帳の記入後に支払う際、「高いよ」という不満が演技で出ていた。

また、映画に出てくる「プデチゲ」は、日本語にすると「部隊鍋」で、
在韓米軍が放出したハムやソーセージを鍋の材料に使ったことからこの名がついた。
安くてお腹いっぱいになるので、韓国では若い人を中心にしてかなり広まっている食べ物だ。
私も韓国人、日本人と何回かプデチゲを食べた。
辛いスープで、ラーメンを入れて食べる。

いくつか情報。
二人がタイムカプセルを埋めたのは江原道。

この映画で使われていたパッヘルベル作曲のカノンは私にとっても思い出深い曲で、
コーネル大学教授のカールセーガン博士が出演していた科学番組の「COSMOS」で、
生物がいかにして進化してきたかをわずか数分で見せる場面で効果的に使われていた。

彼女がカノンを演奏してキョヌがバラの花を持ってくる教室は、亜洲大学。
実は数年前に私はこの亜洲大学の学生寮で夕食を食べたことがある。すごいボリュームだった。
案内してくれた学生からは、
「日本人であることがわかると何言われるかわからないので、何もしゃべるな」 と言われた。
学生以外は利用ができない施設だったらしい。

この映画を観て、韓国に行きたくなった人もいるだろう。
私も妙に韓国が懐かしく感じた。





お知らせ

年末年始でいつ日記を更新できるかわからない。悪しからず。
それでは皆さんよいお年を。


追記

私は疲れました。
少し日記を休むかもしれません。
それでは。




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最終更新日  2004.12.30 10:28:03


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