りゅうちゃんミストラル

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2009.11.23
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カテゴリ: 読書
宮部みゆき「名もなき毒」を読んだ。
(この記事はネタばれあり)



「名もなき毒」はこの間読んだ「誰か」の続編。
「誰か」についてはこの記事で書いた。

「誰か」宮部みゆき

私がこの作品を読むのはもっと後になるだろうと勝手に思っていた。
「誰か」が不必要に長く感じたためだ。
ブログの記事も厳しい批判になった。

だが「名もなき毒」は図書館にあった。
偶然目にしたので借りずに館内で読んだ。
自分でハードカバーの本を買うことはないと思う。
「誰か」を読んで後ならなおさらのこと。

逆玉の輿の杉村三郎が今回も事件に巻き込まれる。
人間が持つ「毒」を、シックハウス症候群と重ねて表現している。

青酸カリを使った死亡事件が首都圏で4件が起きる。
無差別殺人の恐れもあるため事件はメディアに大きく取り上げられる。

財閥の社内報を担当している杉村。
編集部内では杉村のアシスタント原田いずみが問題児となっていた。
原田を調べるうちに出会ったのが探偵の北見。

北見の自宅を訪れた杉村は、そこで女子高生と出会う。
青酸カリ事件の被害者が彼女の祖父だった。
杉村はまたも事件に首を突っ込むことになる。

ページ数で言うなら真中あたりで犯人が出てきてしまう。
しかしそれで万事解決ではなかった。

主人公の杉村は鈍い。
病院の問い合わせにどうして気がつかないのか。
相手は何をするかわからないのに。

どれだけの読者があの場面でツッコミを入れたか。
私には読者たちの声が聞こえた(笑)。

にもかかわらず、鈍い杉村の勘で事件は解決する。
大丈夫なのか日本の警察?

杉村の一家3人があの家に戻ってこられるかどうか。
それは続編を読めばわかることだろう。
(どう考えても続編がありそう)

ひとつ警察のために苦言を。

警官だった探偵の北見氏。
彼は警察の至らない点を見て探偵となった。
そのために奥さんや息子に逃げられても。

警察は確かに事件が起きてからでないと動かない。
そのためか後手に回ることがある。

だが、それだけではあるまい。
よく警察幹部や新聞記者はこう言う。

「検挙に勝る防犯なし」

この言葉は捜査員たちに渇を入れるためだけにあるのか。
私は違うと考えている。

事件の早期解決により、模倣犯を防ぐことができる。
社会不安を軽減することも可能だ。

警察は防犯に役立つ。
そのことを北見氏は軽く見すぎなのではないか。

物語の終盤、宮部もこの考えを取り入れている。
このままでは警察が不憫。

北見氏(というより宮部)の考えによるとこうなる。

「警察より探偵に正義あり」

私はすでに述べたことから、この考えを否定してブログ記事を終わりたい。

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最終更新日  2009.11.23 16:34:38


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