ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

2015/07/07
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テーマ: 京都。(6076)
 第4回1級 第6問の問題です。

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【問題6】次の文章は京都に関連した文学作品の一節です。「作者名」と「作品名」を答えなさい。
                                 (5問×2点=10点)

(1)春はあけほの。やうやうすしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲の
  ほそくたなびきたる。
   夏はよる、月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただひ
  とつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くもをかし。雨など降るもをかし。

(2)若しうらゝかなれば、峰によぢのぼりて、はるかにふるさとの空を望み、木幡山、伏見の
  里、鳥羽、羽束師を見る。勝地は主なけれぱ、心を慰むにさはりなし。歩み煩ひなく、心
  遠くいたる時は、これより峰つゞき、炭山を越え、笠取を過ぎて、或は石間にまうで、或は
  石山を拝む。

(3)振り廻した杖の先の尽くる、遥か向うには、自銀の一筋に眼を射る高野川を閃めかして、
  左右は燃え崩るるまでに濃く咲いた菜の花をべっとりと擦り着けた背景には薄紫の遠山を縹
  渺のあなたに描き出してある。
   「なる程好い景色だJと甲野さんは例の長身を捩じ向けて、際どく六十度の勾配に擦り落
  ちもせず立ち留っている。
   「いつの間に、こんなに高く登ったんだろう。早いものだな」と宗近君が云う。
(4)「夕立どすな。」と、苗子はこ言った。雨は杉の木末の葉にたまって、大粒のしずくとなって
  落ちて来た。
   そして、はげしい雷鳴がともな、た.
   「こわい、こわい。」と、千重子は青ざめて、苗子の手を握った。
   「千恵子さん、膝を折って、小そうおなりやす。」と、苗子は言うと、千重子の上に重なっ
  て、ほとんど完全に、抱きかぷさってくれた。

(5)孤峯庵には、山門のわきに鉄鎖のついた耳門かあった。里子が草履の音をさせて入ってく
  ると、この鉄鎖はキリキリと音をたててあたりの静寂を破った。応対に出たのは、里子には
  初対面の慈念である。鉢頭の大きな、眼のひっこんだ小坊主は、少し長目の青無地の袷をき
  て板の間に膝をついていた。それが庫裡の煤けた柱を背にしていやに大人っぽくみえる。里
  子はちょっと途惑った。




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最終更新日  2018/08/19 07:56:33 AM
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