朝日新聞「患者を生きる」の記事を引用し、私の意見・感想・気づきなどを述べさせていただいています。
≪2015年8月18日の記事≫
2012年の10月、奈良県のAKさん(41)は経営する設備関係の会社で外のやぶを何とはなしに眺めながら用を足していた。
「わーっ。なんや、これー」。下を向くと、尿が真っ赤に染まっていた。すぐに従業員を呼ぶ。「ただごとじゃない。すぐ病院に行った方がいい」と言われた。
翌日、自宅近くの総合病院を受診した。膀胱(ぼうこう)鏡とCT、MRIの検査を受けた。痛みも自覚症状もない。有川さんは知らなかったが、突然、血尿が出るのが膀胱がんの特徴だ。
「仕事先とかいろいろなところに迷惑をかけたくない」。検査結果が出る前から目の前が真っ暗になった。
妻のAUさん(42)も呼ばれ、膀胱がんと宣告された。それもリンパ節に転移があるステージ4の進行したがん。覚悟はしていたが、衝撃だった。AUさんは「まだ30代の夫が、まさかがんになるなんて」と激しく動揺した。
転移がないステージ2、3では膀胱を取る全摘手術が標準治療だ。通常は手術をしないステージ4でも、化学療法がよく効く患者の場合は「全摘」を検討する。
AKさんには化学療法を試した後に全摘という方針が伝えられた。全摘しても治るかどうかは半々との説明だった。化学療法を受けるため、11月に入院した。病室にはAUさんのママ友たちが折ってくれた千羽鶴が飾られた。
「まだ、38なのに膀胱がなくなるのか」。膀胱がなくなると、代わりの袋をつけることになる。「昔ほど不便ではない」と医師から説明を受けたが抵抗はあった。
病室で「パパはどうしたいの?」とたずねるAUさんに「膀胱を取りたくない」と訴えた。
AUさんや親族たちは全摘手術を受けてほしいと思っていた。だが、AKさんの意思は固かった。AUさんは元看護師の友人から「そういうときは、セカンドオピニオンをきくという手段がある」と助言された。
AUさんが友人とネットなどを調べているうちに大阪医科大の東治人(あずまはるひと)教授(52)らが膀胱の温存治療をしていることを知った。入院中のAKさんに代わり、AUさんらが会いに行くことになった。
尿管や腎臓を調べるために、後日検査入院をしました。尿道からカテーテルを入れてカメラで見てもらうのですが、1回目では、途中までしか入らず途中までしか確認できませんでした。その場所までは異常なしです。
カテーテルを入れたままにしておくと、奥に入れやすくなるので一旦退院して、日を改めて再度入院検査。腎臓の入り口部分に腫瘍が見つかり、検体をとってもらって調べてもらったところ悪性であることがわかりました。腎盂癌でした。
腎臓は2個あり、1個でも十分に機能するので、腎臓ごとの切除が提案され、迷うことなく切除手術を受けました。恐らくセカンドオピニオンを聞きにいっても、どこの医療機関も、腎臓ごとの手術を提案したと思いますが、今から思えばセカンドオピニオンは聞きにいくべきでした。
ひょっとして温存する方法が何か提案されたかもしれないし、それがなくても後々これしかなかったのだと納得できるからです。
これで1個の腎臓になってしいました。
その後の生活は普通にできたし、経過観察でも2年強異常ありませんでしたが、2014年7月、運が悪いことに、残っている腎臓の後ろに悪性後腹膜腫瘍ができてしまいました。
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