ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

2016/05/05
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テーマ: 京都。(6076)
カテゴリ: 京都歩き
2016年 5月5日(木・祝日)】

 良いお天気でした。あまりにも良いお天気で、家にじっとしているのがもったいないと思い、午後から二人で出かけることにしました。

 新聞の地方版のニュースに載っていた、 蹴上浄水場 の一般公開に行くことにしました。 「ツツジ」の名所 です。

 GWで車が混雑すると思い、最寄りの私鉄駅の近くに駐車して、電車で行こうと最初は考えたのですが、電車も混んでいて、乗り換えでも疲れるだろうし、結局車で行くことに。経路を選んで行ったのがよかったのか、むしろいつもよりスイスイと進みました。南禅寺の駐車場に駐車。1500円くらいするのかと思ったのですが、案外安く1000円でした。2時間少しオーバーしても大丈夫ですよとのこと。

 午後1時半ごろ歩き始め、金地院の横を通って、 インクライン の下の 「ねじりまんぽ」 をくぐりました。

 上からの大きな負荷に耐えられるよう、ねじったように斜めにレンガを積んであります。「まんぽ」は方言で「トンネル」の意味。鉱山の坑道を意味する間府(まぶ)から来たのではないかともいわれています。設計は琵琶湖疎水も設計した 田邊朔郎

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「雄観奇想」、「陽気発所」 と刻まれた扁額がそれぞれ南側、北側の入口上にありますが、これは粟田焼きで、揮毫は 第三代京都府知事・北垣国道 。「雄観奇想」とは「優れた眺めと思いもよらない考え」。「陽気発所」は朱子の「陽気発する処、金石また透る、精神一到 何事も成さざらん」の一節から取られたもので、琵琶湖疏水などの難事業に立ち向かう心意気をしたためたものです。残念ながら北側の「陽気発所」のほうは読みづらくなっています。

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 三条通りを横切り、蹴上の浄水場に入ります。毎年春に一般公開されています。坂道や階段が多く、一番上に上るのにかなり疲れましたが、上から眺める東山、京都市内の景色は最高です。水道についてのイベントなども行われていて、家族連れも楽しむことができます。

 ツツジのほうは、一挙に満開とはならないようで、パッチワークのような咲き方で、残念ながら圧倒されるような美しさではありませんでした。

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ツツジのトンネル
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与謝野晶子 の句碑があるのを下りて来てから案内図を見て気が付いたのですが、また上るのも大変なので、あきらめました。 『御目ざめの鐘は知恩院聖護院 いでて見たまへ紫の水』 の句碑で、今の蹴上浄水場敷地に旅館「辻野」があり、与謝野鉄幹・晶子夫妻が宿泊したときに詠んだ歌だそうです。


 蹴上浄水場第1高区配水池の煉瓦建築。建築年:1912年(明治45年)
 設計は、田邊朔郎(琵琶湖疎水も設計)、日比忠彦。

 現在配水池を工事中で、 「曳家(ひきや)工法」 という方法で、2つの煉瓦建築が移動されていました。



建物が持ち上げられています。

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手前の白いラインがもとあったところで、工事が終わればまたこの場所に戻されるそうです。

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配水池反対側の煉瓦造りの建物。こちらも持ち上げられ移動されています。

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それ以外にも煉瓦造りの建造物

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 東山を眺めます。今の時期、パッチワークのような緑がきれいです。右下の大きな寺院建築は南禅寺三門。

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 蹴上浄水場を出て、「ねじりまんぽ」に戻り、インクラインを少しだけ歩きました。



インクライン

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琵琶湖疏水を設計した 田邊朔郎 の銅像
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蹴上発電所  水圧鉄管
  蹴上発電所は明治24年(1891年)に完成し、 塩小路(現在の京都駅)~伏見駅 へ走る 日本初の市街電気鉄道 に給電しました。
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琵琶湖疏水 に沿って歩きます。
  インクラインから琵琶湖疎水に沿って歩くルートはメジャーではなく、人も多くあり
  ません。お薦めの穴場ルートです。
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南禅寺水路閣
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南禅寺塔頭の天授庵
が特別拝観をしていたので拝観しました。
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 天授庵は南禅寺の開山第一世 大明国師無関普門禅師 を奉祀する南禅寺の開山塔。  

  私は一度拝観したことがありますが、そのときはご朱印をいただいていなかったので、
  ご朱印をいただくことが一つの目的だったのですが、ここはご朱印はしていないとのこと。
  また長谷川等伯筆の方丈襖絵(複製)特別公開もあることになっていましたが、寺院の都合
  により公開されない事となったとのことで、これまた残念。
  でも、新緑のお庭はきれいでした。モミジが多くありましたので、秋にも是非来たいものです。

本堂前庭
 南禅寺三門が見えます。
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 天授庵は 三島由紀夫 「金閣寺」 にも登場することで有名です。南禅寺の山門から天授庵を眺めるというかたちで登場します。でも、ちょっと異様な設定で登場します。

 主人公の溝口は同じ徒弟生活で出会った同学の鶴川と二人、戦争末期のある日、南禅寺の山門を訪問する。二人は見降ろした天授庵の茶室で、一人の美しい女が軍服の若い陸軍士官に茶を供しているのを見る。女は男に促され、自身の乳房から乳を鶯色の茶に注ぐ。溝口はその女に有為子を重ねた。

 厳かな禅寺でこの光景。これぞ三島由紀夫という感じのくだりです。



書院南庭 に続く門
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書院南庭
池泉回遊式庭園。色んな仕掛けがあって飽きることがありません。
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 たっぷりのお日様、ツツジの色、パッチワークの踊るような緑、訪れる人の少ないお寺の静けさ、一方で穏やかな混雑を楽しんだ一日でした。 


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最終更新日  2021/09/12 12:35:58 PM
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