2012.01.15
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いよいよ、冷え込みが厳しくなってきましたね、みなさんご自愛ください。車を使う用事の無い日は、朝徒歩通勤してますが、完全防寒で20分位歩いているとけっこうぽかぽかになってきます。で、少し身体が暖まって、頭もはっきりした頃店に着き…焙煎機に火を入れて暖気運転しながら、仕事をスタートしているんです、6時頃ですね。

毎朝、そんな感じで、焙煎からスタートするさかもとこーひーですが…1/17(火)に新しいドイツ製プロバット焙煎機が入ります。開店以来18年半使って来た今の富士ローヤル焙煎機はもうお疲れさまです、よく働いてくれました。もっとも、まだまだ使えますが…。

デジタルな製品と違ったこういったアナログな機械は使い込んでいくうちに肉体化すると言いますか…自分の手足の感覚と同じになるので…まさにクラフトの世界ですが…あまり替えたく無いのが本音なんです。手に馴染んだ包丁みたいな感覚ですね。

焙煎は…焙煎機だけでなく、焙煎機が置かれている環境や…部屋とか店ですね…煙突の状況等全体が焙煎機となってするんです。そのコンデションを整えながら…自分の感覚と一体化して、火力や排気の調整がすっすっとできて、安定した焙煎ができるんです。なので…毎日、同じ時間に、同じ手順で焙煎するのが大切だと思ってます。

特に、スペシャルティコーヒーは素材のポテンシャルが高いので…安定して再現性のある焙煎をしていないと…デリケートな部分に踏み込んでの検証ができないんです。

もっとも、クオリティの高い素材だけに、なんとなくの焙煎でも、クオリティの低い素材を使った場合よりも、なんとなく飲みやすいコーヒーになりますね、それを美味しいと満足している店をみかけます。でも、それはせっかくの素材の魅力を活かしきっていないということで…まぁ、業界を眺めていると…ビギナーからベテラン、有名店まで…そんなレベルばかりなことに愕然としていますが…。生産者のことはたくさん書いていても…写真付きで…実際のコーヒーの魅力についてはふたつみっつよっつのカッピング用語しか書いていない店は要注意です。

すみません、余談でした。

そんなこんなで…新しい焙煎機に替えるんですが…何故?替える事にしたのか。

新しいそのプロバット焙煎機は重いんです。国産、欧米の他の焙煎機よりも同じサイズだと倍くらい重いということです。常連のお客様から、店で何で替えるのか?聞かれた時には…重いんです!って答えています。

まぁ、それだけじゃなんなんで…肉を薄いフライパンで焼くのと、プロ用の分厚い鉄板で焼く違いみたいなもんです…って説明します。蓄熱量とか、熱の伝わり方の違いですね。フレンチで使うプラックというオーブンにも例えられます。 http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201106060000/

メーカーが違ういくつもの焙煎機を並べて検証すると…焙煎が終わった後に冷まさないと機械を止められないのですが…そのプロバット焙煎機だけなかなか冷めないので片付けが最後になってしまうそうです。それだけ、冷めにくいということだと思います。

熱を伝えるには…対流、放射、輻射と接触して伝わる部分もあります。メーカーによって考え方が違いますので…まぁ、どのような焙煎を目指しているかとか、効率とか、生産性とか、コストとか色々とあります。みんながみんな美味しさとかを目指しているわけではありません。

で、大きさは違うのですが…この3年間で、同じ型の焙煎機を4台…火力とか排気とか温度をセッティングしたんです。その後、焙煎豆をメール便で送ってもらい…カッピングして、電話で微調整のフォローのアドバイスをしてきたんです。

そんな経験を重ねて来た結果…その焙煎機のポテンシャルも癖も分かってしまったので…これは使える!と考えました。これなら…素材の持っている魅力をさらに繊細に力強く引き出していけると思います。排気のバランスや熱の伝わり方が気に入ったんです。香りや味わいの表現のポテンシャルを上げられると思います。そうそう、今迄の自分の焙煎メソッドがそのまま使えるというのも大きなポイントでした。

そうでないと…最新式とか日本に何台しかないといった希少性とかでは、怖くて新しいものには替えられないですよね。替えたら、それまでと全く違った味わいになってしまったら、それまでの常連さんはたまったものではないですしね。

別の理由は…寂しいことですが、年々焙煎する体力が落ちて来ているので…一回の焙煎量を少し増やして、焙煎回数を減らせるってこともあります。まぁ、一日当たり2回3回減らすレベルですが…時間にして30-60分ですね。

それと…豆が高騰し、この先下がる期待があまりできないので…今は円高ですが、これが円安に少しでもなるとさらにコストが上がるし…しかし、今の価格は守りたいということもあります。さかもとこーひーは普段の暮らしの中で楽しんでもらうことを大切にしていますから…なんとかできるだけ今のセット価格は維持したいんです。

今以上豆の仕入れ価格が高騰したら…もう少し量を売らないと価格を守れないという現実もあります。焙煎機のサイズを上げて、量にも対応できるようにとも考えました。それは、徐々に、レストランやカフェ向けの卸の対応を進めて行けますし…日曜営業もできますので…2月から日曜営業をはじめます。

「こんな美味しさ」を届けたくて!!…ドイツ製焙煎機に新しくしました。より円やかな美味しさを磨いて行きます、ご期待ください。

「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。





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Last updated  2012.01.15 22:37:32
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