GWも 月火 定休日で変わりありません、月火以外は通常営業しています。
緊急事態宣言が出て、蔓延防止重点措置の千葉市ですが・・・さかもとこーひーのある郊外は静かな毎日です。まぁ、買い物に出かけない、食事会も延期、ライブは配信とコロナ暮らしです。
千葉市からワクチン予約のお知らせが来ました・・・65才ですので優先ですが、それでも予約開始が5月末頃ですので、実際に打つ日はまだわかりません。
店としては、コロナで常連さんの暮らしが変わっていますし、ご近所の新しいお客さまもいらっしゃいます・・・もう元の暮らしに戻ることはないと思って、コロナが収束した後の暮らしを色々とイメージしています。昭和30年代40年代から繁盛しているお店を見るようにしています。そのエッセンスに学んで、令和の暮らしを心地よくできないかと考えています。
ある意味、敗戦後の暮らしの大きな変化と同じような状況になるのでは無いかと思っています。
そんなこんなで・・・前回のプロのつぶやき1104「スペシャルティコーヒーの焙煎で一番大切なこと」で焙煎をするには、まずカッピングが一番大切だと書きました。
では、さかもとこーひーのカッピング、焙煎のカッピングについて書いてみます。
まず。スペシャルティコーヒーのカッピングの落とし穴を感じています。スペシャルティコーヒーのカッピングと言うと、フローラルとかベリーとか香りの表現が強調されています。
確かに20年くらい前にスペシャルティコーヒーに出会って、カッピングの基本を学んだ時に、それまでのコーヒーとは違った様々な香りを感じて感動しました・・・フローラル、シトリック、ベリー、アップル、チョコ、紅茶、ナッツ・・・。
カッピング会でもそのような言葉が飛び交っています。
しかし、スペシャルティコーヒーはカスタマーオリエンテッドですから、お客さんのわからない、戸惑うような微妙な香りの表現はあまり強調しないようにしています。同じ香りを感じていても、表現で出てくる言葉は様々ですし。
で、さかもとこーひーのカッピングで特に息子二人に注意したことは(最初の頃のことで、今は二人ともにトレーニング重ねています。)香りは後回しにと・・・香りにフォーカスすると他の要素がおろそかになってしまうのをたくさんみてきました。
基本はクリーンカップで雑味なくきれいな味わいであることです。インポーターの担当者が何人もいましたが・・・色々と情報をいただくので、一人一人のカッピングスキルや得意不得意、傾向を把握するようにしています。
その際、クリーンカップにブレが無い担当者は安心できます。ある産地のカッピング会で、素晴らしい香りのサンプルばかりだったのですが・・・少し未熟や過熟の豆が混入しているロットがありました。香りにフォーカスしていると、どれも素晴らしい香りがするので、微妙なレスクリーンを見逃します。カッピング会の参加者でそのような人が何人もいました。
クリーンカップにフォーカスしていると、それらを見逃すことがありません。
次は、マウスフィール口当たりや余韻の心地よさ、甘さにフォーカスします。
で、慣れて来たら酸の質とボリュームになります、酸の理解がとっても重要ですが、そのレベルになるにはトレーニングをある程度積まないと難しいと思います。お客さんは酸味を感じないのに、実はクオリティの高い酸味が隠れて活躍していることもあります。
そこまでいくと自ずと香りは色々と感じて来ます・・・なので、最初は香りを意識しないようにさかもとこーひーではアドバイスしています。
そうしてカッピングの基礎ができて来たら・・・焙煎のカッピングです。
さかもとこーひーの焙煎の注意点は・・・焙煎初期のカロリーオーバー、水分抜き工程、ロースティング工程、ロースティングポイントと大きく分けています。まぁ、その他書けない細かいポイントがいくつかありますが、それぞれが的確かどうかをカッピングで判断します。
焙煎のデータ、温度と時間、排気とカッピングで・・・どこに原因があるか検証の繰り返しです。サポートしているお店からは10gの豆を送ってもらい、それをカッピングして焙煎のどこに問題があって、どう調整するかをアドバイスしています。
焙煎自体は難しい操作があるわけでは無いので、温度管理、時間管理、排気の管理をするだけです・・・あとは焙煎機のメンテナンスですね。
難しいのは焙煎で味がぶれた時にそれがどこにあるかをカッピングで判断することです。そのために20年間仮説検証を繰り返してきました。国外国内色々な店の豆をカッピングしますが、カッピングすれば素材や焙煎のことが伝わってきます。素晴らしいコーヒーに感動したり、素材や焙煎の問題を感じたりしています。
自分の店の焙煎ならシンプルなんですが・・・サポートしている店の焙煎だと、煙突の状態だったり、焙煎機のコンデションだったり知らないところでの変化があったりするので、複雑になります。まぁ、自分の店だったら30分で解決することが、よその店だと数日かかることがあります、それは距離があるハンデですね。
そこまでいくと・・・美味しいかどうかになります。美味しい美味しく無いはお好みもありますので・・・同じコーヒーを飲んで常連さんがどう感じるのかを意識します。すると感じ方の色々が見えてきますので、品揃えに反映します。
さかもとこーひーはアイテムが多くて選びづらいと言われることがありますが・・・それぞれにリピートする常連さんがいるので、増えてしまいます。
新しいこーひー発売するときは、どういうお好みのお客さんに喜んでもらいたいかを明確にしています。スペシャルティコーヒーはカスタマーオリエンテッドなので・・・誰にでも美味しいよりも、誰にとって美味しいかを大切にしています。不特定多数のマスマーケット相手では無いので、大きな商売には向きませんね(笑)
今回もこれから焙煎をしたいというカフェのスタッフさんのある若者に向けて書いてみました。
さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。
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