詩集の中の栞のように~裏ブログ~

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2007/02/19
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カテゴリ: 教務(社会)

2007年になった。「バブルの崩壊」による平成不況は終わりを告げたと言われている。しかし、民間レベルでの好況感はと言えば、今のところ実感はない。ただ、現在日本が抱えている最大の問題点が、「平成不況」から「財政赤字と少子高齢化」へシフトしたことは確かであろう。日本の苦悩はまだまだ続きそうである。


ところで「バブル」とは何だったのか。国の経済レベルだけにあてはまる話なのだろうか。いや、国を作っているのは個人である。私個人レベルでも似たような経験がある。

10年ほど前、NIKEが出しているスニーカー「エアマックス」が大ブームとなった。私自身、そのスニーカーをまだ人気の出ていない頃に偶然買ったのであるが、その後彗星のごとく現れたアイドル「広末涼子」がエアマックスを履いていたことから、エアマックスは異常ブームになる。「エアマックス狩り」という犯罪も社会現象になった。

当時、私の履いていたエアマックスは中古で15万円近くの値が付いており、確か15000円程度で購入した「エアマックス」や「エアジョーダン・シリーズ」が中古店に持っていけば10万円近くで売れたような記憶がある。友人にも「5万円で譲って」と頼まれもした。
ジーンズも同様で「リーバイスのXX」というジーンズが復刻版も含め大ブームになった。渋谷や原宿の古着店ではかなりの高値で取り引きされていた。ちなみに火付け役はキムタクである。
キムタクが「レッドウィング社」のブーツを履けば、レッドウィングのブーツの価格が高騰。全く入手困難な状態になる。同じく、キムタクがロレックスのエクスプローラをドラマで着用すれば、日本中でエクスプローラがの人気が沸騰し、世界のロレックス市場に影響を与える始末。
子供たちの中でも、遊戯王カードが流行れば、もともと数百円程度のカードが、たちまち1000円程度に値上がりする。そして、1000円程度で購入した人は、今度は別の人に2000円で売る。そのまた次の人は3000円で購入。まさにバブル期の「土地転がし」と同じ原理である。
2002年日韓ワールドカップサッカーのチケット争奪戦もまた然り。


基本的に我々日本人の中には、周りに流され、「その物が持っている本来の価値」を見失ってしまう人が多いようである。「ヤフオク」の大繁盛を見れば、そのことは一目瞭然であろう。

バブルとはすなわち「泡」である。しかし、その本質は「はじける」ということではない。「泡」の本質は「中身が空っぽ」ということである。

外観は美しく、大きい。空に向かって上昇している。しかし、その中身は空っぽだ。
バブル期の日本。そこに「中身」はあったのだろうか。今振り返ってみると、そのような疑問も浮かんでくる。バブル景気とは、利益や物を追求するあまり、肝心な心を忘れてしまった日本人を象徴しているのではないか。


日本国中を巻き込んで展開される狂想曲は、今後も起こる可能性は十分にある。明日新たなブームが起こっても何ら不思議ではない。しかし、「流行」や「ブーム」の負の側面は、その時代の真っ只中に生きている時はなかなか気づきにくい。「バブル景気」にしても、後から振り返ってみて初めて「これはバブル景気であった」「この期間からこの期間がバブル期だった」「この時期がバブル絶頂だった」と分かるものだ。

これは経済だけでなく、我々の人生にも言えることであろう。今現在調子よく走っていても、それを後から振り返ってみたら「バブルであった」という可能性だってゼロではない。自分ではきちんと行動しているつもりでも、後から振り返ったら、実は「中身がなかった」ということもあるかもしれない。ホリエモンや村上ファンドに欠けていたのは「心」であると言ってしまっては言い過ぎであろうか。

生きているこの瞬間には、見えにくいことも多い。だからこそ人生は楽しいという考え方もあるだろう。確かに未来を怖がっていたら何も出来ないし、今はとにかく走り続けるしかないという面もある。しかし、一方で今現在の自分を冷静に見つめ直す視点も必要なのではないか。身の丈に合ったことをしているか。背伸びしすぎてはいないだろうか。中身は詰まっているだろうか。多忙を極めると、なかなかそこまで考える余裕は出てこないが、ふと立ち止まって自分自身を見つめる時間を作っていくことも大切だと感じている。

「バブル景気とは何だったのか」 終わり






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Last updated  2007/02/19 10:03:39 AM
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