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以前、中3国語の授業で入試問題を解いた際、
「本文中と同じ用法の「けれども」を使って短文を作りなさい」という問があった。
ちなみに、本文中の「けれども」とは、
1 接続詞ではなく、接続助詞として使用されていた。
2 逆接の意味で使われていた。
以上2点。
つまり、接続助詞であるので、「けれども」の直前で「。」(句点)を打ってはダメで、1つの文で繋げないといけない。
また、用法が「逆接」になっていないとダメ、ということである。
さすがに前者の条件は守られていた。
しかし、2つめの条件を守っていた生徒は1名だけ。
すなわち、ほとんどの生徒の答案が、「けれども」を「逆接」としてではなく、「対比」として使用していた。
・私はバドミントン部だけれども、妹はバレーボール部だ。
・私は中学生だけれども、姉は高校生だ。
・マグロは好きだけれども、タコは好きではない。
上記の3つの例は、すべて単なる「対比」。逆接ではない。
2つのものを比較対照しているだけだ。
問題の条件は、「逆接」。
逆接の基本は「おかしいな~」「変だな~」である。
・私は一生懸命勉強したけれども、成績が上がらなかった。おかしいな~。
・待ち合わせ場所に行ったけれども、誰とも会うことができなかった。おかしいな~。
・図書館で調べたけれども、結局答えは分からなかった。おかしいな~。
この「おかしいな~」という気持ちが根底にないと「逆接」にならない。
もちろん、広義の「逆接」の中に「対比」を含む考え方もあるが、出題者の意図はそこではない。
おそらく、ほとんどの中学生が間違ったものと思われる。
ただ、ほぼ全ての高校で、対比の用法も含め、正解にしたことも予想される。
出題は、数年前の都立入試である。
おまけ
・私は中トロは好きだけれども、大トロは好きではない。
これは一見「対比」と取れる。中トロと大トロの両者を対比しているわけだ。
しかし、同じ種類の魚なのに、中トロは食べられる「のに」大トロは食べられない。おかしいな~。
と考えれば、逆接とも取れる。
微妙な例文である。
なお、「なのに」「のに」は逆接の中でも、特に「矛盾」を示す言葉。
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