詩集の中の栞のように~裏ブログ~

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2008/01/25
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カテゴリ: 教務(国語)

以前、中3国語の授業で入試問題を解いた際、

「本文中と同じ用法の「けれども」を使って短文を作りなさい」という問があった。

ちなみに、本文中の「けれども」とは、

1 接続詞ではなく、接続助詞として使用されていた。

2 逆接の意味で使われていた。

以上2点。

つまり、接続助詞であるので、「けれども」の直前で「。」(句点)を打ってはダメで、1つの文で繋げないといけない。

また、用法が「逆接」になっていないとダメ、ということである。

さすがに前者の条件は守られていた。

しかし、2つめの条件を守っていた生徒は1名だけ。

すなわち、ほとんどの生徒の答案が、「けれども」を「逆接」としてではなく、「対比」として使用していた。

・私はバドミントン部だけれども、妹はバレーボール部だ。

・私は中学生だけれども、姉は高校生だ。

・マグロは好きだけれども、タコは好きではない。

上記の3つの例は、すべて単なる「対比」。逆接ではない。

2つのものを比較対照しているだけだ。

問題の条件は、「逆接」。

逆接の基本は「おかしいな~」「変だな~」である。

・私は一生懸命勉強したけれども、成績が上がらなかった。おかしいな~。

・待ち合わせ場所に行ったけれども、誰とも会うことができなかった。おかしいな~。

・図書館で調べたけれども、結局答えは分からなかった。おかしいな~。

この「おかしいな~」という気持ちが根底にないと「逆接」にならない。

もちろん、広義の「逆接」の中に「対比」を含む考え方もあるが、出題者の意図はそこではない。 

おそらく、ほとんどの中学生が間違ったものと思われる。

ただ、ほぼ全ての高校で、対比の用法も含め、正解にしたことも予想される。

出題は、数年前の都立入試である。

おまけ

・私は中トロは好きだけれども、大トロは好きではない。

これは一見「対比」と取れる。中トロと大トロの両者を対比しているわけだ。

しかし、同じ種類の魚なのに、中トロは食べられる「のに」大トロは食べられない。おかしいな~。

と考えれば、逆接とも取れる。

微妙な例文である。

なお、「なのに」「のに」は逆接の中でも、特に「矛盾」を示す言葉。






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Last updated  2008/01/25 04:53:15 PM


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