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塾チラシが連日折り込まれている。
その塾チラシには、キャッチコピーや塾の特徴が必ず書かれている。
今年のキーワードで多いのは、ズバリ「指導要領改訂」である。
多くの塾チラシで「指導要領改訂」という言葉が書かれ、その対策が書かれているのを目にする。
とりわけ、個別指導塾のチラシでは、
「指導要領改訂の対策もばっちり」
という趣旨のキャッチコピーが並ぶ。
これって、逆に自信がないのだろうなと感じる。
この4月から、大学1年生から大学4年生まで、全ての学生がいわゆる「ゆとり世代」に突入する。
つまり、学生講師の多くは、中学時代にイオン、仕事、力の合成、球、標本調査、ヒストグラムなどを学んでいない世代になるのだ。
今回の指導要領改訂を最も嫌がったのは、当の生徒たちではなく、実は講師力に悩まされているFC系個別指導塾なのかもしれない。
(もちろん、研修態勢がしっかり整っている個別指導塾、近くに有名大学があり講師供給に困っていない塾、教室長に教務力や熱意のある個別指導塾は例外です)
以前いた会社の会議でも、この「指導要領改訂」の話題は随分話されたらしい。
「指導要領が改訂されると、果たしてうちの学生講師は、その内容を指導できるのか」
という議論が何度か上がったということである。
当然
「うちは学生講師主体なので、同じ心配を消費者もするだろうから、チラシでも、
うちは大丈夫ですよ
とアピールしておいた方がいいですね。」
という話に展開していったそうだ。
多くの塾で、このような会議がなされたのではないだろうか。
塾チラシの話に戻る。
改めて、この1月から折り込まれた塾チラシを見ると、
ほとんどの個別指導塾が「指導要領改訂の対策」についてアピールしている。
「うちは大丈夫ですよ」
「対策はバッチリですよ」
と。
でも、指導要領改訂の対策をするのは、塾として当然なわけであり、
そんなことは、あえてアピールするほどのことでもない。
それなのに、指導要領改訂の対策について書いてある塾というのは、
もちろん「地域に情報提供する」「地域の教育熱を高める」という意図も多少はあるのだろうが、
実際のところは、真っ先に自分たちが驚き、不安になったのだろうと推測する。
「指導要領が改訂された。どうしよう。うちの講師は指導できるかな。教材はどうしよう・・・」
それと同じ不安を、保護者も抱く可能性がある。
そうであれば、最初からチラシで予防線を張っておこう。
そんな流れで出来上がったのが、あれらのチラシなのだと思う。
そういう観点で見ると、
「塾チラシでアピールしてあること」=「実はその塾の弱点、あるいは弱点であったこと」
という図式が多いことに気づく。そういう観点でチラシをみると面白い。
自塾とはちがう形態の他塾批判を延々と書いてある塾チラシがあるが、
それは、ある意味、他塾システムに対するコンプレックスの現れであるように思う。
よくよく見ると塾チラシというものは、自分にとって都合の良いことしか書いていない。
だから、他塾チラシと見比べてみて、「裏読みする」のも面白さの一つかもしれない。
しかし、うちのチラシはダメだな。
「一人ひとりにあわせません」
「楽しくない塾です」
「きびしいです」
「宿題やテストが多いです」
そんな否定的なストロークが書いてある。
入塾前は、「この塾、怖い」と家庭で話していた子もいる。
でも、ここまでブログを読むとお分かになると思うが、
じつはこれらの表現も、私自身の弱点を表しているのだ。
私の性格上、どうしてもできない子がいると、その子に合わせてしまったり、
いつまでも横について補習したりする面が若干ある。
ちょっと生徒が辛そうな顔をすると、優しく接してしまう面も多々ある。
生来はガンガン怒るタイプでもない。
それに、今回の入会者の多くに言われたことがある。
「チラシをみたら、すごい怖い塾長がいると思ってましたが、 とにかく優しそうなので安心しました」と。
「最初の電話の段階で、チラシの印象とあまりにも違う声なので、びっくりしました。」とも言われた。
昨日も、「チラシと実際の塾長のギャップがありすぎます」と笑われた。
私自身も、自分の性格や外見分析をきちんとしている。
その上で、そんな私がやっている自塾に「甘~い考え」の保護者や生徒が入塾してきたら
それこそ「なあなあ」になってしまう。
だから、あえて厳しいチラシにして、予防線を張っている面があるのだと思う。
自分自身を作っている面もある。
生徒には「鬼」「悪魔」「厳しい」「この塾、重い・・・」「先生、こわい・・・」と言われているが
実は、それは私自身のコンプレックスの現れであったりもする。
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