よんきゅ部屋

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Sep 10, 2006
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先ほど、N響アワーをちらっと見ると、シューマンの曲が。そういえば、シューマンも今年で没後150年だったなあと。モーツァルトの生誕250年の前ではどうしてもかすんでしまうところがあるのだが...(ショスタコーヴィチも生誕100年だったな)。

N響アワーでは交響曲の第1番をやっていたが、今回はかなり前に書いた3番の話を再掲。まだテーマで投稿したりなどということを全然わかっていなかったころに書いたものだ。時々シューマンは聴いてみたくなる不思議な魅力があるな。

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(以下、再掲部分)

シューマンの交響曲は、オーケストレーションが下手であるとか、構成力に乏しいとかいろいろ言われる。今のようにスコアが読めるようになるとそういうことも分かるのだが、実は私が初めてオケで演奏した曲はこれで、当時そんなことはまったく分からなかった。しかし、この曲は弾いているうちにどんどん好きになっていった。今も自分にとって思い出深い曲なのだ。

第1楽章は3拍子で書かれているのに、いきなり冒頭のメロディーは2拍子のように始まり、しばらくすると3拍子だと分かるようになる。しかもゆっくりとした序奏もなく始まるので、これを指揮するのは慣れないとしんどそうだ。私がこれを弾いたのは高校1年のとき、指揮をしていた3年生の先輩はいったいどんなことを考えて指揮をしていたのだろうか。

実際に演奏会で弾いたのは学校のイベント(音楽会)で、1,4,5楽章だけだった。20分の時間をもらえたのでそういった楽章構成にしたのだろう。このとき私はまだ楽器を持って半年、ボウイングがやっと何とかなりつつあるころだった。もちろん、今に比べればどうしようもない状態ではあったのだが。今でも当時の楽譜を持っているが、すべての音符のそばに指番号が振られている。

まともに音程をとることもままならない状態であってもとにかく演奏会にはのらなければいけないので、とにかく必死で練習したという記憶がある。とにかく必死だった。高校の部活なので当然根性の世界だった。みんなの前で一人弾きして、できなければ居残りなどということもあって、私は常連だった。ただ、指揮者の先輩は厳しかったが、いつも一緒に居残りに付き合ってくれた。それがあったから今自分が何とかやっていけているのだろう。感謝である。

そして、そういう厳しい練習をこなすうちに、だんだん楽器に体がなじむようになっていたことに気づいた。同時に、楽器を弾くことが楽しくなっていった。曲のことも大好きになっていった。学校の帰り道、同期の仲間と一緒に駅まで「ライン」を合唱していたこともある。かなり怪しい集団だな...。

話しを曲に戻そう。この演奏会では2ndVnだったが、この第1楽章はほとんどキザミ(トレモロ)で書かれている。パート譜で言うと2ページ目と3ページ目はほとんどキザミなのだ。右手はケイレン状態、でも左手はとにかくしっかり音をとらなければ迷惑をかける。右手が簡単である分、左手の音程に気持ちを集中させられただけに、耳はかなり鍛えられたように思う。今にして思えば、この曲を最初にやったことがラッキーだったかも知れない。

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第2楽章は民謡風、「ワインの国ライン」を表すものだという。まさにそういう雰囲気の曲だが、実はメロディーが1拍目から始まるようにきこえるのに違うというシューマンによくある曲者の音楽。でも、実はそれに深い意味があることを知ったのは、5年ほど前に市民オケで全曲演奏したときだった。

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第3楽章は子守歌の雰囲気。全部を通して静かな楽章。初めて聴いたときから大好きな楽章だ。冒頭のクラリネットのメロディーがたまらない。この部分にはこの楽器しか当てはまらないだろう。

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第4楽章は、第5楽章の序奏的な位置づけのような、ゆっくりとした音楽。ケルンの大聖堂を見てイメージを膨らませたのだとか。後に旅行に行ったときに実物(たぶんそれ)を見たが、なるほど荘厳な感じがする。トロンボーンが大活躍するところが教会音楽的だが、奏者に言わせると「何て高い音を吹かせるんだ!」ということらしい。また、最初は4分の4拍子の中にいきなり2分の3拍子が出てくる楽譜に面食らったのも思い出(何しろ楽器を始めたときには楽譜が満足に読めなかったので、何で分母が2なのか?などと思っていた)。そのくせ意外と短い音符が出てくるのでリズムをとるのにかなり苦労した。

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第5楽章は、秋の収穫祭を思わせる軽快な音楽。暗い部分はほとんどなく、全体的に明るく軽い。最後の方にあるシンコペーションの連続は、楽器持って半年の身には相当つらかったが、雰囲気で何とか弾ききったと記憶している。また一番最後の速くなる部分がこの曲の中で一番大好きなところだ。

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全体的にホルンが大活躍するのだが、これがけっこう効果的で、初めて聴いたときから印象に残っている。楽器を始めてもう20年ほど、15年目の再演はけっこうジーンと来た(初恋の人に出会ったというほどではないが...)。また、初めてドイツに行ったとき、ライン川の横を走るバスの中でずーっとこの曲を聴いていたのだが、その時にもやっぱり感動した。今でもこの曲は私のオケ生活の原点、たまに聴いてみたくなる大好きな曲だ。





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Last updated  Sep 10, 2006 10:51:46 PM
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