2005.12.08
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カテゴリ: 娯楽

三丁目の夕日特別編冒険少年ブック 『Allways 三丁目の夕日』を観て来ました。

舗装されていない泥道、キリンジュース・キンチョー・グリコの鉄看板、トタンでできた家、駄菓子や、オート三輪、路地裏で遊ぶ子ら…そのどれもこれも非常に正確に再現されていて、とてつもない懐かしさに浸ってしまいました。

いえ、私は映画の舞台になっていた昭和三十年代ではなく、四十年代に子供時代を送ったのですが、3歳頃まで神奈川県でも比較的古くからある街に育ったので、ある程度三十年代の世界に生きていたと言えます。

薬師丸ひろ子、堤真一演じる夫婦と子供の家族を中心に近所の人達の生き様、人情を浮き彫りにしながらドラマは展開されていきます。

今と比べると、まだ、決して便利とはいえない時代。薬師丸が、木でできた箱の中に塊の氷を入れて置く当時の冷蔵庫に、昨日もらったシュークリームを見つけて「大変!どうしましょう!」と大騒ぎをする。

すると、住み込みで働いている六子(堀北真希)が飛んできて「これ、本当に食べれないですかね?」としつこく食い下がる。やっぱり妙な臭いがするので、捨てておくようにと頼まれる六子だったが、こっそり隠れて食べて食中毒になってしまうシーンは声をあげて笑ってしまいました。

夫の堤は、自宅で小さな自動車修理工場を営む熱血漢の男。曲がったことは大嫌いで、怒ると力ずくで相手に喰って掛かる。時には六子に、そして時には、前に住む吉岡秀隆演じる売れない小説家にその怒りは向けられて…。

でも、情には弱く腹に何も無いから、誰もが彼を慕ってくるという役柄。

吉岡秀隆もすごくいい味を出しているんです。あのうだつの上らなさ、むさ苦しさ…。あれは地なのだろうか?と思うほどでした。踊り子上がりの飲み屋の女(小雪)との切ない恋も素敵でした。

あぁ、彼もこんなに大人になったんだなぁと、別の意味で感動してしまいました。(ちなみに私も彼とは同年代ですよ!)

戦後の復興期。人々は、日本を発展させよう、暮らしを良くしようと、ある意味一つの方向に向かって頑張っていた。

そこにはまわりの協力関係も必須だったし、お互いにお互いの成功を喜び合いながら生きていた。

我が家にテレビが来る!冷蔵庫、洗濯機が来る!今では考えられない程の感動だっただろうと思います。

私もウチに初めて黒い電話が来た時の感動と興奮は、今でも憶えているほどだから。

でも、あまりにもモノに固着してきてしまった功罪もあるわけですね。

モノを欲しがる気持ち、何かを成し遂げる達成感はいい。でも、そのために愛を捨ててしまわないようにというメッセージを受け取ったような気がします。

難しいかもしれないけど、それが私達の世代に託されている課題だなって。

劇場を出て、クリスマスソングが流れている店の中で、再び、涙がこぼれおちました。

過去の自分。今現在の自分。未来に歩いていく自分。振り返って「あの時は美しかったんだなぁ」
と思える自分がいるならば、今を美しいと感じながら生きられるはず。

苦しい事、悲しい事、いろいろあるけど、そんな中にいてもやっぱり美しいんだ。そんな気持ちでいれば、何かの肩代わりに愛を捨てることなんか絶対無いんだと確信しちゃいました。

そして、先に伸びる未来もきっと。

ノスタルジーに浸りたい人、自分を見失いそうになっている人、生き方を探したい人に「これが君のルーツだよ。命は繋がっているんだよ。心配いらないよ。」とやさしく語りかけて、大事なものに目を向けさせてくれる。そんな映画です。







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最終更新日  2005.12.08 12:13:30
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