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私の勤務先のお取引先様が書かれたということで、読んでみました。黒い牛乳アトピー対策で牛乳はできるだけ断っている私。私自身は牛乳は飲まなくてもいいと思っていますが、世の中的にはそうはいかない。じゃあどんな牛乳がいいのか?今、水より安く売っている牛乳っていったい何?この本では「牛乳」そのものよりもどちらかというと「畜産」「酪農」の勉強になりました。母親は赤ちゃんに母乳をあげるようになることで、自分の食べ物を考えるようになりますよね。牛乳って牛の母乳。その牛が何を食べているのか、健康なのかって、重要だけど、世の中どれくらい考えられているのだろう。この本の中で一番はっとしたところ。「牛乳パッケージの大嘘」われわれ消費者が牛乳を始めとする乳製品を手に取るとき、必ずといっていいほどパッケージに書かれた牧歌的な「緑の牧場」のイメージを目にすることとなる。しかし、これが大嘘なのだ。現在の日本の酪農では、緑の牧場で青々とした牧草を食べて生きている牛はほぼ皆無だ。自然放牧による酪農は観光牧場などを含めてもごくわずかで、ほとんどは牛がその一生を牛舎で過ごす酪農である。確かに~。私も大学で畜産をちょっとかじっていたのに、これは気付かなかった。そう考えると、ああいうパッケージは優良誤認のような気がしてきた。で、著者の中洞さんは、その珍しい自然放牧をやっています。でも牛乳パッケージにあるようなホルスタイン種(白黒のぶち)ではなく、ジャージー種(茶色い)。自然放牧に至る経緯などもとても面白く読めました。輸入飼料を使って、牛を閉じ込めて、牛乳を生産するためだけの人生(牛生?)の乳牛から搾乳して、高温殺菌した牛乳。でも安い。野シバを自分で歩いて食べにいって、自然交配して自然分娩して、丈夫に生活している乳牛から搾乳して、低温殺菌した牛乳。でも高い。値段を考えるとちょっと躊躇します。ごくごく飲める価格ではありません。でも、両方の牛乳がどうやってできているか、くらいはちゃんと知った上で考えて選択しないといけないし、むしろ「牛乳ってごくごく飲むものか!?」ということも考えていきたいと感じました。あと、個人的に。私の大学の先輩ということが分かりました。しかも同じ学科。びっくり。尊敬するし、光栄です!いいぞ農大拓殖!!
2009.10.21
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農学部出身、食品関係の仕事をしている私としては、やっぱり農業の本は必読。なんでも今年は農業関連の本が当たり年らしく、面白い本が多いです。強い農業をつくるこの本は著者が女性。農業ジャーナリストで女性って少ないと思うのですが、逆に中身はあまり女性ネタに偏らず、ある意味新鮮でした。何と言っても目次が分かりやすい!「安全を常に意識せよ」「積極的に情報発信せよ」「農をブランド化せよ」「流通市場を改革せよ」「農業の仕組みを変えよ」整理されていて、目次を読んだだけで要点がわかる。(勝間さんの本を読むようになり、それまで実はあまり目を通していなかった目次を、ちゃんと読むようになった私)内容もいろいろ面白かったですが、一番は「農産物直売所の光と影」。直売所って今人気みたいですが、理由の一つが価格の安さ。生産者が値付けするにあたり、一般の卸価格で値付けしてるケースが多いから、らしい。また、直売所自体が税金(補助金)でできてることも多いので、そこのコストを上乗せしなくてよい。高齢の生産者がお小遣い程度に出荷しているケースもあり、生計をたてる値付けをしていない。挙げ句、普通の小売店への卸価格の交渉の際に直売所の価格を引き合いにだされ、それ並に安く、と言われることもあるとか。…やっぱり価格設定ってキモなんだよねえ。今世の中なんでも安く安く、だけど、安易に目の前の利益だけじゃダメなんだよねー、本当に。高めの価格ながら人気で、生産者の所得も高いという「みずほの村市場」。茨城県つくば市。今日(10/7)の日経の一面にもでてました。一度行って見たいな~。車がないので難しいのですが。
2009.10.06
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今日は雨の通勤。カッパを着せて自転車に荷物を積み込んで、朝から大騒動です。さて、本2冊。どちらも、幕内さんの本の中で参考文献になっていたものです。「食のクオリア」外で食べるとなぜおいしいのか誰かと一緒に食べるとなぜおいしいのかという私の長年の疑問が解けました。外で食べるとなぜおいしいのか自然のなかで食べ物をおいしいと感じる時、私たちは大げさではなく、人類の長い進化の歴史と向き合っているのである。つまり、自分は体験してないけど、人類が経験して来たことの記憶が「痕跡」として残っているらしいです。なるほどね!なぜ、人と食べるとおいしいのか食事をしているとき、私たちは、お互いの「食べる」という体験のクオリアを知ることは絶対にできない。隣りの人が口にしているキスの天ぷらがどのようなクオリアとして感じられているのか、それを知ることはできない。しかし、食べることがもたらす幸せな気分には、お互いに感応することができる。「一緒に食べる」ということは、お互いの幸せな気分が壁をこえて行き交い、感応し、増幅するプロセスである。だからこそ、一緒に食べることで、私たちは一人で食べるのでは決して到達し得ない至福の高みへと昇ることができるのである。なるほど~o(^-^)oだから「会食」をしたり、デートでは食事が定番なのね、と納得。「『おいしい』となぜ食べすぎるのか」これも全体的に面白かったけど、一番は、マヨネーズのおいしさの訳が分かったのが収穫。・ マヨネーズの特徴は、ねっとりと包み込むような触覚と弱い酸味・マヨネーズと一緒に食べることで味がまろやかになり、特に生野菜に対しては、油が染み込んでやわらかくするとともに、苦味成分を油が取り込んでしまう作用もあるため、くせのないマイルドな味に変化させ、食べやすくおいしくする幕内さんは「マヨケソ」と呼んで、マヨネーズ・ケチャップ・ソースで味をつけるのを嫌っている。そりゃそうで、要は油と砂糖まみれ。そういう視点でみると、マヨネーズをやたら使った料理って疑問視してしまう。この間コンビニのおにぎりコーナーをのぞいたら、シーチキンマヨネーズと、鮭マヨネーズだったかな?マヨネーズ味の具が多い~。うーむ。その他料理本なんかでも、マヨネーズ多用してますよね。油食べてるんだよなあ。
2009.09.29
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5連休ということで張り切って本を用意してたのに、読めたのはこの一冊だけ(T_T)通勤がないと読書タイムが確保できないということが実証されました(-.-;)美味しい食事の罠幕内さんの本です。大きな柱は二つ。1、食事の内容や素材よりまずは時間!夜9時過ぎに食べるのは夕食じゃなくて、夜食。でもサラリーマンはなかなか早くは食べられないよ、という方へのアドバイスあり。2、今の日本の食事は油と砂糖まみれ。特に女性の好きなパン食やパスタ類!→で、一日二回はご飯(米食)を食べましょう、と彼のいつもの持論へ。今の「おいしい」って油脂か砂糖か、は本当にそうですね。なんでもかんでもマヨネーズかけるのは正に油脂を求めてるってことね、と再確認。今コンビニのおにぎりで一番売れてるのはツナマヨらしい…大丈夫か、日本人(ToT)その他印象的だったところ。食の格差お金持ちの「旨い」は「鮨」。幕の内弁当とかのイメージ。貧乏な人の「旨い」は「脂」。揚げ物だらけの安い弁当のイメージ。でも、お金がなくても、ご飯、みそ汁、漬物という食事なら格差もでない。確かに~。変わってしまった沖縄の食事。長寿日本一だったのに、アメリカ食文化(肉とか油脂とか)が入って来たため、今50歳以下の男性の死亡率は全国平均を上回ってる(早く亡くなってる)そうです。もともと炒め物が多かったところにアメリカのベーコンやスパム、ハンバーガーなどが入って来て、もはやあんまり健康食じゃないんだとか(^_^;)確かに私大学生のときに沖縄の農家に実習にいきましたが、すごかった。炎天下のサトウキビ畑での差し入れが、スパムの天ぷら...... ( ̄□ ̄;)!!あれはびっくりしました。幕内さんの本を読むと、いつも勉強になります。いつも新しい視点を教えてくれて、でも最後は「主食はご飯!」という持論に帰って行く。水戸黄門か?しかし私には師匠ですo(^-^)o
2009.09.22
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私、仕事上の教祖が昨日あった先輩なら、食生活上の教祖は幕内さんです。そんな幕内さんの(多分)最新刊を読みました。これは今までの本とはだいぶ毛色が変わって、思いっきり女性の生活にフォーカスしています。多分一番いいたかったのは「性の貧困」が「食の快楽」へと偏る大きな要因になっているケースが多いと考えるようになったのである。と思います。「性の貧困」とはセックスの多い少ないだけでなく(それも含まれるけど)、月経、セックス、妊娠、授乳、子育てなどの「女性性」が貧困である、つまりそういうものを無視して仕事などできつい生活を送っている女性が多い、ということに警鐘を鳴らしています。無理する → 食事を取れない(時間的にも気持ち的にも)→夜中にチョコレートを食べてカロリー摂取 → 体が不調忙しくて恋人がいない → チョコレートに依存 → 体が不調チョコレートはあくまで象徴であって本の中でも出てくるのは少しなのですが、ホント、象徴かもしれません。ご本人も言っていますが、私も「管理栄養士の幕内さんがここまで(性の話)書くのか!?」とびっくりしながら読みました。でも確かに切り離せない、と思ったり。あまりにも面白かったので職場の20代後半の女の子に読んでもらったところ「私のことかと思った・・・・とりあえず1日2回はご飯食べます」とのこと。実際、彼氏探しに合コンいって飲み明かしたり、夜チョコレート食べて夕食代わりにしたり、無茶していたみたいです。幕内さんの「子ども」シリーズも面白いですが、女性に焦点をあてたこの本、かなりオススメです。::::::::::::::::::::::::::さて今日は休みをとって、長男の再診に行きます。頭についたままのホッチキスの針を取ってもらう予定。貴重な有休が~今年度の有休、残り32日!
2009.08.27
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復職と同時に異動になり、今は肉や魚の業務に携わっています。屠畜場は見に行ったことがあるけどはるか昔・・・ということで、面白そうな本を知ったので読んでみました。世界屠畜紀行これ、かなり面白いです。作者ご本人のテーマは「と畜に関わる人たちへの差別を考える」ことなんでしょうが、それは横においておいても(失礼!)かなり面白く読める本です。厳格なベジタリアンじゃない限り、お肉を「全く」食べない人って日本ではかなり少ないと思うのですが、じゃあお肉のでき方を知っている人ってこれもかなり少ないはず。「牛」が「牛肉」になるまでの過程ってどんなものがあるのか・・・。そこに各国の様子が織り交ぜられ、面白い本でした。私は農学部で畜産を少しかじったこともあり、実習で鶏の解体をしたことがあります。ちなみに卵を産み終わったおばあちゃん鶏だったので固くて大変でした~。感想は、おお、さっきまで「鶏」だったのにいつの間にか「もも肉」や「レバー」や「ささみ」になっている!しかも自分の手で!という感動ものでした。あとネパールでみた羊や水牛の解体も同様(これは見ていただけ)。この感動を久々思い出す本です。ネパールはカーストがあり、日本も肉の屠畜に関わる人への歴史的な差別はあり、同和問題などと絡んできます。その辺りは割りとさらっと書かれているのですが、職業に貴賎なし、だと思うんですけどね。ホントそういう差別をする人には、シンプルな疑問「自分だってお肉食べるんでしょ?」と聞いてみたいです。食べるくせに差別するのは、お金を払うことで自分の嫌な仕事をやらせて、さらに見下すってことなんですよね。最低だと思うんだけど。自分にできないことをしてくれる。そういう人への敬意というのは払わないといけないのではないのだろうか。品川の食肉センターに展示などもあるようなので、今度行って見たいと思います。
2009.07.25
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いい本を読みました。今まで「もやっ」としていたものがすっきりしました。「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活ご飯と味噌汁と漬物と野菜と少しの魚、だった(と聞いている)日本人の食生活が、戦後大きく、世界にも類を見ないほど変わった理由はなんだったのか。そこには、日本を穀物の市場にしようとするアメリカの戦略があった。という話です。私は幕内さんの粗食信者なので、彼の本はかなり読んでいます。ちなみにこの本の表紙裏に彼の推薦文もあって感激!「日本人本来の食生活」を送っていれば、添加物も少なく、油脂も砂糖も少なくて済む、という論は本当に気に入っています。でもずっと疑問だったのが、「じゃあ何で日本にはこんなにカタカナ食品と牛乳があふれているのだろうか」ということ。それが、この本を読んですっきり分かりました。分かると同時に悲しくなりました。「米食低脳論」なんて読んでいて電車の中で涙しそうになりましたよ、本当に。詳しくは本を読んでいただきたいのですが、とにかくアメリカの戦略、つまり日本を穀物、とうもろこしの市場にするためにパン食(小麦を使う)と肉食(飼料にとうもろこしを使う)、油脂の多い献立(油脂に大豆を使う)にすっかり乗せられ、積極的に普及させようとするお役人まで現れるわけです。そのために日本の食生活は大きく変わり、食料自給率は下がり、がんやアトピーが比例して増えている。いいのかなあ、このままで、日本は。その他脚気論争、パン食普及運動、牛乳神話、白米信仰など、「こういうことだったのね」という話が満載です。できれば60年で変わったことだから、60年かけてでもいいから戻って欲しい。でも世の中変わるのはムツカシイから、自分でできることだけでも細々とやって行くことにします。自分の家族だけでも守らなくては。もちろん仕事も食べ物関係なので、その方面でも貢献したいですが。ということで、我が家は朝食はご飯、パンはおやつ、という食生活です。本当に、いい本を読みました。「食の検定2級」のテキストに載っていたのですが、この本を知っただけでも勉強した甲斐がありました。
2009.07.06
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