Tapestry

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Donnie Brasco




実話を元に描いた物語だそうだが、実にもの悲しい映画だ。

アル・パチーノとジョニー・デップが熱演。

マフィアの世界を描いた話はあまり好みでもないんだけど、これはとても良かった。


マフィアを摘発するため、ドニー・ブラスコという名で単身NYのマフィアに潜入した、

FBI捜査官のジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)。

そこで出会ったレフティ(アル・パチーノ)に気に入られ、

次第にマフィアの世界へどっぷりハマって行くことになる。

しがないチンピラのレフティだが、パチーノが演じる彼は、とてもいい味だしてる。

ボス役の方がハマリそうなパチーノであるのに、このチンピラ役も、

哀愁があってとてもいいのだ。ドニーを実の息子の様に可愛がり、

次第に愛情を持つ様になる姿は、見ていてじ~んと来る。そして、捜査のためとは言え、

レフティを危険にさらしたくないドニーもまた、レフティに親愛の情を抱くようになる。


このふたりの関係に、なんだかとても泣かされるのだ。

ふたりが出会ったのが、マフィアと言う冷たく無情な世界でなかったら、

本当の親子以上の、いい関係を保てたであろうに。

ドニーに騙されていたと知った後もなお、「I love you」とつぶやいたレフティ。

潔い最期のシーンも涙を誘った。


ドニーはいつボスに見つかるのだろう、そんな事したらバレルんじゃないの、

と最後までハラハラし通しだった。相手がマフィアだけに、見つかったら何されるか解らないし、

下手したら家族にまで被害が及ぶかもしれない。

だからこそ、妻にののしられながらも真実を明かせなかったのだろう。


ジョニデもすごくいい演技だったし、良かったのだけれど、

この映画に関してはやっぱりアル・パチーノでしょう。いいオヤジだわぁ。

甘いマスクだけどギャング向きなんだね、彼の持つ雰囲気が。

ガラガラのダミ声も郷愁を誘った。


マフィアの世界だからか、会話のほとんどに「F○○K」が入ってるので、

意味を理解するのにすっごく苦労したよ。

NYが舞台の犯罪モノは、いつもこんな感じで、Fワード満載なんで、

ホント聞き取れないのだ~。(;_;)喋りも速いしね。

よく出てきた言葉に「Forget about it.」ってのがあって、

これは、いろんな意味があるらしい。それをFBIのメンバーがドニーに聞く場面もあったりした。

やくざの合い言葉みたいなものだろうか。

残念ながらこの辺りのニュアンスがよく解らなかったが。

暗くて悲しい内容だけど、もう一度観てもいいと思わせる映画だった。


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