Tapestry

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FARGO



地味だけど味のある映画。実話を元に作った話らしいが、どこまで実話なのかは・・・?

舞台は雪に覆われた寒~いミネソタ州。
ミネアポリスに住むジェリーは、多額の借金を返済しようと妻の誘拐を計画していた。
2人組みのチンピラに頼んで妻を誘拐してもらい、
金持ちである妻の父親から、身の代金を巻き上げようと言うのだ。
まともな頭で考えたら、悪党相手にそれほど話が上手く運ぶわけがないとは思うのだが、
よほどせっぱ詰まっていたのだろう。
案の定、そのジェリーの計画は少しずつ狂いはじめ、
ブレイナードと言う町で最初の犠牲者を出してから、次々と犠牲者を出していく・・・。

事件を担当したブレイナードの警察署長、マージ(フランシス・マクドーマンド)が
妊娠8ヶ月のお腹を抱えて事件解決のために奮闘するのだが、
彼女のキャラが実に味があっていいのだ。
ミネソタ訛りでジェリーに尋問する様子も、礼儀正しく優しげだが、
その鋭い観察力でジェリーが怪しいと見抜いてしまう。
そして、たったひとりで、2人組みが隠れていた湖のキャビンに出向き、
犯人逮捕までしてしまう。
マージ夫妻の仲の良さも、ミネソタの人たちのPOLITEな人柄も、とても好感が持てた。

チンピラを演じていた2人(スティーヴ・ブシェミ/ピーター・ストーメア)も良い味。
地味な犯罪モノなのに、こんなに面白くて味のある映画を撮ったコーエン兄弟にも脱帽。
この映画で思い出したのは、同じような雪国で、
ちょっとした思い付きから段々と悲惨な事件に発展していくと言う話「シンプル・プラン」だ。
これも面白かったのだが(映画より原作が良かったのだが)
映画として楽しめるのは、断然ファーゴの方だな。

観たのは2度目か3度目になるんだけど、今回特に面白かった。
確か日本語で一度、英語で一度観たと記憶しているんだけど、
少しは英語も上達したのかな~、ミネソタ訛りがよく判って、聴いてるだけで面白かったよ。

あと、余談になるけど、DVDのスペシャル・フューチャーで
フランシス・マクドーマンドが話してた事。
映画の中で、悪党のひとりカールが、お金に目が眩んで
手に入れた身の代金の大半を、雪の中に埋めるシーンがある。
そこは一体何がある土地なのか解らないけど(湖かな?)
だだっ広くて、一面を雪に覆われた何にもないところで、
ただ鉄線の柵が張り巡らされている様なところだ。
それを埋めた後カールは、相棒に殺されることになるので、
そのお金のありかは誰にも解らないことになる。
春になって、雪が解けて初めて、誰かが見つけるかもしれないが・・・。

で、ここからは実際にあった話らしいのだが、
映画を観た一人の日本人女性が、その埋められたお金を探しに、
はるばるミネソタまで出かけたらしいのだ・・・。
映画と同じく冬場に行ったらしく、凍死してしまったらしい・・・。

やめてくれ、日本人・・・。
宝捜しはいいけど、外国でそんな死に方、してくれるな・・・。
無情にもそんな事を考えてしまったよ。


【追記】

上記の凍死した日本人女性の事だが、亡くなられたのは事実らしいが、
どうやら自殺目的でミネソタまで行ったらしい。
一時は警察に保護されたものの、拘留理由もないので開放され、
その後に自殺してしまったらしい。映画とは直接関係ないそうだ。
う~ん、哀しい話だったようです・・・。


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