Tapestry

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CLOSER



ロンドンを舞台に、二組のカップルの四角関係を描いた大人のラブ・ストーリー。

オープニングのシーン、ロンドンの雑踏を歩くアリス(ナタリー・ポートマン)と、
反対方向から歩いてくるダン(ジュード・ロウ)が、
スローモーションで、少しずつ少しずつ近づいていき、
お互いの存在に気づく、と言うくだりが、バックに流れる音楽と重なって、
懐かしくせつない気持ちにさせられる。
ありきたりだけど、音楽が良いからだろうな。
あの曲はかなりワタシ好みだ。で、そのちょっとせつな気な気持ちのまま
すーっと映画に入っていけるんだけど、その後は・・・・?

映画全体がスタイリッシュで、都会に生きる4人の男女の愛憎を描いていて、
雰囲気は非常にお洒落でカッコよくて素敵なのだが、
この4人は4人とも決して素敵だとは思えないのだ。
強いて言えばナタリー扮するアリスぐらいだろうか、カッコよく生きてるのは。

フォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)とダンの出会い、
アンナとラリー(クライヴ・オーウェン)の出会いも洒落ていて、
いかにも現代的な恋愛と言う感じがして、その点はいいのだが、全てが嘘くさい。
大人のカップルがやりとりする小洒落たセリフが、ロマンチックでいいらしいのだが、
外面のカッコよさだけで中身を感じないのだ。

本当に愛してるのか?
本当に傷ついてるのか?
相手を傷付けた事を、本当に哀しんでいるのか?

そこらへんの心理がよく表れてないし。
大好きなジュリアも、カッコイイんだけど優柔不断で煮え切らない女。
観ていてイライラしてしまう。
ジュード・ロウだってかなり情けない。
ラリーを演じてたクライヴは結構良い味出してたが、ラリーってのも思いっきり嫌な男だし。
少しは共感できて、観ててもスッキリするのはアリスの生き様くらいか。

ただただお洒落な映画が好きな人には、もってこいだと思う。
でも、これが大人の恋愛と言われてもなぁ・・・。
こんな中途半端な恋愛なんて、したくもないわ、ってのが本音。

でもでも、内容はイマイチだけど、音楽やら全体的な雰囲気やらは、
ホントお洒落でいい感じなので、観て損はないかも。
何しろ、オープニングだけはすっごく良かったから。


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