Tapestry

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オレゴン旅行記[2]


結局、セーラムの町に滞在していたのは1ヶ月ほどだったと思う。毎週週末になると、従姉妹の家に遊びに行ったりしていたが、一度だけビーチにも行った。10月のビーチはとても風が強くて寒いほどだったけど、ゴミひとつ落ちていない、どこまでも続く海岸線は、とても奇麗だった。かもめと遊んだり、海草や貝殻を拾ったりして遊んだ。


モーテルに滞在している間、平日は大体何かを買ってきて食べたりたまに外食したりもしたが、毎週金曜日の夜になると、ポパイの仕事仲間と一緒に、美味しい中華料理を食べに行った。後にも先にも、アメリカに来てから、あんなに美味しい中華のレストランに行ったことがない、と言うくらい美味しかった。

そんな訳で金曜日がとっても楽しみだったワタシ。またいつか、セーラムに行くチャンスがあれば、是非ともあのレストランに行ってみたいとおもっている。

ポパイの仕事が終わってから、ポートランドに行くことになった。
当時シアトルに住んでいたポパイの友達が、私達に会いにポートランドまで来てくれた。ポートランドの日本食スーパーで待ち合わせ、(もちろん日本食買い込み!^^)一緒に焼き肉を食べ、ダウンタウンに行って本屋などを見てまわり夜はシーフードレストランで食事をした。

ポートランドでは、日本食レストランにも入ってみた。久々に食べるお寿司は、とっても美味しかったけど、お値段もとっても立派で、貧乏なワタシ達は、もちろん満腹になるまで食べられるわけもなく、腹4分めくらいでお店を後にした。(ToT)

オレゴン最後の2日間は、ポートランドの叔母さんの家に行き、泊めてもらった。これまた美味しいスパゲティのお店に連れていって貰いゆっくり過ごした次の日、いよいよ帰路に向けて出発。


予定では大体1週間ほどかけて、オレゴンを東に抜け、アイダホをちらっと見て、それからユタを南下し、ユタの自然を満喫してからアリゾナに帰るつもりだった。しかし、その後、予想もしないハプニングが次々に起こったのだった・・・・。


問題は我が家の超オンボロカー、「ボロボ」であった。(一応「ボルボ」なんだけど、余りにもオンボロだったため、「ボロボ」と呼ぶのがピッタリだった。^^;)

ポパイはオレゴンに行くとき、そのボロボでカリフォルニアの義姉のところに寄り、そこからオレゴンまで北上したのだが、今考えると、よくあのボロボで問題無くオレゴンまで行けたもんだ~、と感心するくらい、帰りは色々あったのだ。(;_;)


まずはオレゴンの何という山か忘れちゃったけど(^^;)スキー場にある、古いホテルを見に行った。景色もホテルもとてもキレイ。寒かったけど、感動した。(とにかく5年前なので、詳しい事は覚えていない、すみません。^^;)


それからこれまた名前は忘れたけど、小奇麗な観光地に寄った。そこでお昼ご飯を食べ、さあ、出発!と言う段になって車が故障した。第一回めだ。その時は確か、オイル漏れかなにかだったとおもう。

普通なら故障しても自分で直そうとするポパイだが、その時は
確か道具もなかったし、原因もよく分からなかったと記憶している。なので、イエローページで修理屋さんを探し、持っていき、直るまで2、3時間待った。

何とか修理も終わって、やっと出発。それからも、車の前のところから何故か蒸気が出てきて車中全部が曇ってしまったり(寒い中、窓を開けるしかなかった)時々オーバーヒートしそうになったりしたが、何とかオレゴンとアイダホの州境辺りまでいって、そこで1泊した。


次の日はアイダホ州を少し走り、まずは「アイダホシティ」という町に行ってみる事にした。「シティ」なんて名前がついてるけど、地図で見た感じでは、大きな町には見えない。でもほんの少しは期待して、行ってみた。が、行けども行けどもドンドン山奥に入っていく。
結局たどり着いたところは、ちょっと昔の開拓時代の雰囲気漂う
とっても小さなさびれた町(ともいえない)だった。そこのカフェで朝食を摂り、ブラブラと散歩。本当にさびれた町、と言う感じだったがなんとなくアメリカっぽい風情があって、面白かった。

その後、地図で見つけた温泉場にも行ってみた。雪がちらつく寒い中、駐車場から温泉場まで歩いて降りる。もちろん更衣室は駐車場にあるので、水着姿にタオルを巻いただけ。寒かった事しか覚えていないが、さすがに温泉は熱くて気持ちが良かった。


多分その日の夕方だったと思う。アイダホからユタに向かう途中、また車が故障。今度はオーバーヒート。ずっと気をつけて走っていたし途中で水を足していたのに、ドンドン減っていく。多分どこかに穴が開いているのだ。何度かエンスト→復活→エンスト→復活を繰り返し、だましだまし走っていたが(^^;)とうとうそれも出来なくなった。

何もない田舎道でエンスト。けれどもそれまでも、道でエンストなどしたときは、必ずと言っていいほど、親切な誰かが止まってくれていた。
その時も「どうしたんだ?」と止まってくれたオッチャンが、近くのガソリンスタンドまで連れていってくれた。そこからAAA(JAFみたいなところ)に電話をし、車を引っ張ってもらう。
もう日も暮れていて、修理に出すにも、次の日まで待たなければならなかった。

結局、そのガソリンスタンドで紹介してもらった、「Bed & Breakfast」(朝食付きの民宿の様なところ)で泊まる事にした。車がないので、スタンドの従業員が、ホテルまで送ってくれたりした。(アイダホの皆さんは、本当に親切でした。泣)

ポパイは修理屋に電話etcの用事が残っていたので、ワタシと息子だけ先にホテルに着いたのだが、そのホテルというのが、なんとも
不気味にみえた。小さな古~い洋館、とでも言うか。
ホテルに入るとおばあちゃんが出迎えてくれ、部屋まで案内してくれた。もうその時は、真っ暗で他にお客さんもいない様子。照明も暗いし、ロビーにもたくさん古~いアンティークの飾り物や小物なんかが所せましと置いてある。何か出てきそうな雰囲気だ。

部屋に入ると、何ともいえないアンティークの可愛らしいベッドや
ドレッサーなどがあり、ホテルの部屋と言うよりも、

誰かの部屋 という感じ。

部屋には、古い鏡なんかもたくさんあったりしたので、そういう場所に慣れていないワタシは、なんだかとても怖かった。早くポパイが来てくれないかな~、と思いつつ、先にお風呂に入ってみた。

このお風呂が、これまたアンティークで可愛く、

誰かのお風呂みたい。(怖)

白っぽいタイル貼りの大きなバスルームに、これまたアンティークなバスタブが置いてある。バスタブの横には小さなシェルフがありこれまたアンティーク風なバスタオルや石鹸などなどが並ベてある。

お風呂から上がって、ベッドに入るが、まだポパイはやってこない。

もしかしたら、親切そうに見えた人達は全員グルで、ワタシ達を変なところに連れて来たのではないか???

今ごろポパイもひどい目にあっているのではないだろうか?(ーー;)


などなどと怖い事ばかりを考えながら、部屋中を眺めていた。
怖かった。

ウトウトしかけた頃に、やっとポパイがやってきてくれ、心底ホっとしたよ。(^^;)

「なんだかこのホテル、怖くない?」と聴くと
「なんで~?なんかアンティークでかわいいやん?」と答えるポパイ。やっぱり、何かを感じてたのは、ワタシだけか・・・?(汗)


しかし次の朝、明るくなると、昨夜の怖~い雰囲気はほとんど感じられなかった。

ここでは朝ご飯もついてくるので、ダイニングルームに行くと、そこにもまた、年代物のどっしりとしたテーブルと椅子、ランプなんかも置いてある。古い映画に出てきそうな代物ばかりで、タイムスリップしたようだ。

昨夜ワタシ達を迎えてくれたおばあちゃんが、ワタシ達のためだけに美味しい朝ご飯を作ってくれた。オシャベリ好きな、フレンドリーなおばあちゃんだった。やっぱり、ああいうところは明るいうちに行くべきね、と悟ったワタシ。それでも、ホテルを出て出発で来たのは、とっても嬉しかったけど。

修理やさんが、朝早くに見に来てくれて、何とか車が走るようになったのが、何よりも嬉しかった。

そしてここから、ユタ州に向かって出発するのだけどこの先も、色々トラブルが待っていたのだった・・・・・・・。


続く・・・・・。


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