Tapestry

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オレゴン旅行記[3]




こないだの日記に書くのを忘れていたが、ここまで来るのに出会ったトラブルは、車の故障、だけではなかった。

当時まだ2歳にならなかった長男、車での長旅は始めてだったので、長いドライブで、疲れないか、それが心配だったので、途中で公園を見つけたら止まってしばらく遊んだり、車中でも歌を唄ったりおやつを食べさせたりして、何とか愚図らないように一生懸命やっていた。

その頃、ちょうど「アルファベットソング」(ってタイトル知らないけど。^^;)を覚えたばっかりだった長男、車の中で、何度も何度も

「エービーシィーディー、イ-、エフ、ジィ~~~、マーマー、エービーシィ~~!」

(何故かこう続いていた・・・。^^;)

と大声で機嫌良く唄っていた。お腹が空くと

「アップー、アップー(アップル)!」

と言うので、りんごを食べさせていたりしたのだが、そんなご機嫌な状態が続いたある時、急に静かになった事があった。しばらく静かだったので「???」と思って、後ろを見た途端、

音も立てずに、ゲロを吐き出した息子・・・・・・。(^^;)

車酔いだった。もう、上から下まで、チャイルドシートの座席まで、ゲロだらけになってしまい、何もない山道で停車し、寒い中、ドアを開け放して着替えさせ(換気もして。^^;)チャイルドシートも、お尻拭きとペーパータオルでできるだけ奇麗に拭いて、また出発。

こんなことが2、3度ありました・・・・・・。
どうやら、彼の場合、細かいカーブではなくて、大きなカーブに弱い事が、その時始めてわかった。(ちょうどバイクで走ったら気持ち良さそうな、大きなカーブ)ワタシなんかは、細かいカーブが続くと気持ち悪くなったりするが、奴はそういうのは平気であった。

そういう意味でも何かと大変であったが、そこは小さな子供連れ、仕方ない事だったんだけど。


しかし、あの ボロボ ちゃんの方は、相変わらず調子が悪く、オーバーヒート寸前で、路肩に止まってエンジンを冷やす、と言う事を繰り返しながら、ユタ州プロボまで何とかたどり着いたのであった。

途中、ソルトレイクシティのハイウェイで止まったのは怖かった。何車線もある、狭いハイウェイの路肩で止まっているのは、かなりのスリルである。

ずっとそんな調子であったので、プロボで1泊したあと、車がうんともすんとも言わなくなった時も、驚かなかった。モーテルの駐車場でできる限りの修理を試みたポパイ。しかし、それでもエンジンがかからなくなってしまった。その日は確か土曜日。モルモン教発祥の地であるというプロボでは、土日に開いているお店は少なく、色々探してみたが、結局開いている修理屋は見つからなかった。それで結局、月曜日に修理屋に出せるまで、そこで足止めを食らってしまったのだ。

ワタシ達が泊まったプロボという町は、町のすぐ後ろ手に山があり、木々も色づいていて、とても奇麗な街だったのであるが、カフェのひとつもない。ポパイ曰く、モルモン教の人達は、コーヒーなど飲まないので、カフェなんて行かないのだそうだ。開いているお店もなく、土日の二日間、散歩するくらいしかやる事がなかった。ストローラーを押して、長い長い散歩に出かけ、コーヒーも飲めず、もちろんレストランもなく(あっても閉まっている)見るものもなく、ほんっとにつまらない二日間であった。

モルモン教に対して、別に偏見はないつもりだけど、ユタと言う州には、圧倒的にモルモン教信者が多いらしく、信者以外はとても住みにくく感じる、と聞いた事があるが、たった2日間で、その事を実感したワタシ達であった。(^^;)

ひとつ収穫は、長い散歩のときに見つけた、メキシカンマーケットで買ったタコスが美味しかった事!小さなソフトタコスに肉と玉ねぎと香草とライムジュース、そしてサルサ、というシンプルなモノで、小さかったけど、確かひとつ75セントくらいと、お値段も安かった。近くの公園のベンチで座って食べた、そのタコスが、忘れられないほど美味しかった。

そんな感じで、無駄な(?)2日間を過ごした後、やっと月曜日に修理屋を見つけ、持って行ったのだが(何とかエンジンはかかった)夜までかかるという。なので、後一日その「つまらない」プロボで過ごし、夜7時ごろになってようやく治り、出発できる事になった。

実はこの時、日本から妹が遊びに来る事になっていて、その日まで、あと2日しかなかった。フィニックスの空港まで迎えに行くことになっていたので、大急ぎで帰らねばならず、結局ユタの自然を満喫するのは諦めて(T_T)その夜、ぶっ通しで走り、明け方6時ごろには無事に家に辿り着く事が出来た。長い長~いドライブであった。
もちろん、アリゾナまでの道のりにも、エンスト数多し。
エンストする前に何度も止まっては、水を足すのは忘れてはいけない。忘れなくてもエンストしてしまう事もあった。

御疲れ、ポパイくん。そんな苦労した旅だったけど、今思い出すととてもいい思い出である。本当に無事に帰れた事だけでも、感謝である。(T_T)

驚くのは、その後、故障を度々繰り返しながらも、2年半ほど乗り続けていたボロボ。とうとう今の車を買って、知り合いに600ドルで買ってもらったけど、結局すぐに壊れたらしい。
ボロボよ、最後までよくがんばってくれた。ご冥福を祈ります。(笑)


今は亡きボロボちゃんの凛々しい姿♪
あかる過ぎて影になってるのか、写りが悪いです。(^^;)

Volovo

[完]


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