Tapestry

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サンタフェ・キャンプの旅<2>

極寒のハイキング 7/24/2004


昨夜もまた雨が降った。

日本にいる間は、どこへ行くときも晴天に恵まれ、
自分の晴れ女ぶりに喜んでいたワタシなのに、
アリゾナの砂漠に戻ってきてからというもの、必ず毎日一回は雨が降る。
(一回は、と言うのは、こちらの雨は大抵ドバッと一気に降って
すぐにやむからだ。)

キャンプに来てまで、雨に見舞われるとは・・・。(TT)

テントを張ってキャンプした事のある方なら、解ってもらえると思うが、
雨の中のキャンプは、そうでない時の倍以上に大変でつまらない。
もちろん、しっかりしたタープやキャンピングチェアなど、
つまり雨宿りをしながら楽しめる場所の確保がしっかりしていれば、
楽しめるのかもしれない。

しかし、よく言えばシンプル志向、悪く言えば適当、
のワタシ達のキャンプは、そんな恵まれたものではなかった。

夕食を食べ、さあやっとゆっくりのんびり過ごそう、と言う時に
雨が降ってきたので、もうテントに入って寝るしかなかった。(T_T)

それでも、熊が出なかっただけラッキー♪と思う事にした。

朝は一応晴れたり曇ったりの天気。
幾ら山沿いのキャンプ場といえども、砂漠にしては運が悪い。
昨日は結局、ドライブ以外に何もできなかったので、
今日はとりあえずハイキングに行くことにした。

「JEMEZ FALLS」と言う名の通り、近くに滝がある、と言う。
その滝までどれくらいなのかわからなかったが、


「すぐ近くだとおもうよ~。(^^)」


というポパイの言葉を信じて、疲れていた身体に鞭打って、出かける事にした。
(この安易な信頼が、後で大きく崩れる事になるとは、
この時は思いもしなかった・・・・・。--;)


キャンプサイトから歩いて15分くらいのところに、
駐車場があり、大抵の人は、そこに車を停めて、
滝の方まで歩くようだった。
(15分間、人よりたくさん歩いて損したぞ・・・。
とここでポパイへの信頼度ー5点。)

駐車場にあった案内板によると、滝へはとても近いように見えた。が、反対側にもう少し足を延ばすと、温泉があるという。
滝よりかは、温泉の方が魅力的にみえたワタシ達、
とりあえず、温泉に先に行く事にした。

しかし、行けども行けども、温泉どころか、川らしき物もない。
ワタシが勝手に考えていたところでは、30分も歩けば、
温泉が見付かるはずであったのに、
結局たどり着いたのは2時間近く歩いてからだった。
予想以上に時間がかかったため、食べ物も持っていないし、
段々お腹も空いて、腹が立ってきたワタシであったが
(お腹が空くと、不機嫌になってしまうワタシ)
一応、温泉に入れたので、気分は良くなった。
何といっても、暑い中、子供達もがんばって歩いているというのに、
ワタシがブツブツ文句を言うわけにもいかない。
(しかし、ここでまたポパイへの信頼度ー10点)

ちなみに、温泉といっても、川の水がほんの少し温かいくらいで、
と言うか、「冷たくない」と言うくらいで(^^;)
熱~~~いお風呂好き日本人であるワタシには、
ゼンゼン物足りない温度ではあった。
それでも、前日お風呂もシャワーも入れなかった事もあり(汚)
水浴びのつもりで、じゃぶじゃぶと泳いだりして、楽しかった。


しかし、その帰り道、案の定疲れたピグレットがブツブツ言い出し、
その上お中を空かしたプーが、
「はちみつ~くれ~」と言い出し(チガウって)
みんなが疲れて不機嫌になりはじめた頃、
空がとっても怪しくなってきた。
真っ黒な雲に覆われ、遠くからは雷鳴が・・・。

さっきも書いたように、ほんの近くまでの散歩程度にしか
考えてなかったワタシ達、食べるものもキャンディだけ、
着るものも一応、フリースのセーターは持ってきたものの、
雨具は一切ないし・・・。

「どうか雨が降りません様に・・・・。」
と懸命に祈っては見たものの、
その祈りは空しく打ち砕かれ、すぐに大雨が降ってきた。
(ここで更に信頼度ー15点)

その時すでに、疲れて歩けなくなったピグレットを、
ポパイが肩車をして歩いていたが、大雨のために全員がびしょ濡れで、
歩いていたワタシ達はまだマシなものの、
歩いていないピグレットは段々身体が冷えて寒くなってきた。
トレイルは小川の様になっていったし
雨も雷も一向に終わる気配がなかった。

唇が紫色に変色し、ガタガタと震えが止まらなくなったピグレットに、
ワタシのフリースのセーターと、ポパイのウィンドブレーカーを着せたが、
それでも震えが止まらない。
まだまだ道のりは遠そうで、しかも道が3つに分かれている!!!
行きは一本道に見えたのに!!!(TT)
ポパイに聞いて見ても、わからない、こっちに行くしかない、と言う。(涙)
確信がないまま、思い付いた方向に歩くしかなかった。
(ここでー30点!)

ワタシもプーも段々と寒くなってきて
(ワタシは温泉に入った時のまま、水着の上にTシャツと言う軽装だった。涙)
滑りそうになる道を2人でしっかりと手を繋いで歩いていた。
終いには泣き出すプー。そんな奴の泣き声を聞いて、
ワタシもついでに泣いてしまったよ・・・。
あんなに辛くて不安なハイキングは、実に久しぶりだった・・・。

幸い、ワタシ達が選んだ道は合っていたようで、
ようやく駐車場が見えてきた。
その駐車場にあったピクニックエリアには、大きな屋根があったので、
とりあえずそこで雨宿りし、ポパイに車を取りに言ってもらう事にした。
そこでは、どこかの教会か何かの団体が、
雨の中ポットラック・ピクニックをしていて、
ワタシ達を哀れに思った男性がひとり、
傘を持って助けに来てくれたときには、
思わずまた泣いてしまった・・・。

たくさんの人達が親切にしてくれ、タオルやブランケット、
着替えなども貸してくれたりした。食べ物も分けてくれた。
他人の親切が、あんなに身に染みたのは、久しぶりであった。(号泣)

しばらくして、ポパイが迎えに来てくれて、
ようやく着替える事が出来、その頃には雨も止んで、
やっと一息つく事が出来た。
(信頼度+20点)

それからはもう、雨と泥でドロドロになった服や帽子を洗う為に、
最寄りの町に出かけ、コインランドリーで洗ったりして、
それで日が暮れてしまった・・・。

一番心配だったのは、ピグレットかプーが風邪を引かないか、
と言う事だったが、幸い、その後しばらくして
元気を取り戻してくれ、本当に良かった。

結局、その日の夜もまた、大雨が降って、
夕食後すぐにテントにこもって、子供達は影絵遊びをし、
ワタシとポパイはすぐに寝てしまったのであった。

(つづく・・・・・・・・。)


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