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2005年03月26日
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カテゴリ: 映画と原作の間


それで。場合によっては、これまで見た映画の1位
に僕が挙げる作品でもあります。

 バート・ランカスター演じる主人公が、水泳パンツ
一枚で友人の家のプールに現れる。そこから、主人公
は友人の家のプールを次々と訪ねて泳ぎながら家に帰る、
っていうことを試みる。

 ストーリーはそれだけです。

 ランカスターが演じる中年の晩期に差し掛かってい
る男のパンツ一丁の肉体が見所の一つにもなってて…。
この男、映画のラストまで、ついに水泳パンツ姿だけで
貫き通して描かれてます。

 まあ、寓話か怪談と言っていい。でも、郊外のプール
付きの家、つまりアメリカで成功した人の象徴となって
いる住まいを裸の男が訪ねて回る、っていうとんでも
ない発想から、残酷なまでに主人公、そして周りの人物
の真実の姿っていうのをこちらに想像させてくれる映画
になってます。寓話であり、現実でも通じるってところ
がミソで。

 チーバーの原作は、僕は原書(短いので読みやすかった
のです)でしか読んでません。ただ、これは映画の
勝ち、と思った記憶はあります。
 なぜなら、映画のランカスターの50を過ぎても鍛え
抜かれていて、だぶついてない肉体っていうのが、余計
いろんな悲劇的要素を感じさせてくれていたためで、言
うまでもなく、小説ではこの肉体を表現するのは難しい
し、短編では絶望的と言って良かったと思います。

 映画と原作の間、の中に入れましたが、これは
ともに同じテーマで。で、本来、奥行きは映像が
あって想像力が限定される映画よりも小説の方が
深いケースが多いのですが、これは逆でした。




 (下)「泳ぐひと」のレーザーディスクの表紙。
  長い間、私はこの作品をこのディスクか、VHSの
  ダビングテープで繰り返し見てました。ネットで
  調べると、昨年6月にDVD化されてるみたい。
  買いに行こう、と。フランク・ペリー監督の作品、って
  DVD化されにくいみたいで「リサの瞳の中で」と「去年の夏」
  って二本も、僕は見れてません。「去年の夏」は、
  エバン・ハンターの原作が残酷でせつなくて、って青春もの
  で、本当に是非見たいのですが。





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最終更新日  2013年02月11日 00時06分03秒
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