『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第38話「生きてほしいと望んでいるから」
シノは、ヒナタの両肩にそっと手を置く。
「いやぁ! キバくんを助けてぇっ! 誰かキバくんを助けてぇっ……!」
ヒナタは地面に伏し、泣き崩れる。
「ヒナタ様……。お気をしっかり……」
ネジはヒナタのそばにかがみ、そっとその背中をさする。
「キバがどうしたんだってばよ!」
ナルトを初め、キバのことを知らされていなかったサクラやいの、チョウジは騒ぎ始める。サスケは、騒ぎこそしないものの、じっと事の次第を確かめるべく皆を見つめている。
シカマルは、これ以上隠すのはもはや無理だと判断し、真実を告げた。とたんに、ナルトはシカマルの胸ぐらをつかむ。
「そんな大事なこと……なんで言わねーんだってばよ……!」
すごい形相でシカマルを睨み付けたナルトは、荒々しく手を離し、木に飛び移ろうとする。その腕をつかんだのは、シノだった。
「離せシノっ! オレはキバのところへ行くんだ!」
「キバは……それを……望んでいない……」
とぎれとぎれに言うシノに、ナルトは振り向く。
「なんでだってばよっ!」
「キバが……任務を成功させてほしいと……オレたちに生きてほしいと……望んでいるからだ……」
低くか細いシノの声に、ナルトは自由だったほうの手をするりと下ろす。シカマルが、そっとナルトの肩に手を置く。
「こらえてくれナルト。頼むから……。シノの言うとおり、オレたちは任務を成功させなくちゃ……。だろ? この任務にはタイムリミットがあって、オレたちは少しでも早く事を進めなくちゃならねぇ。これからすぐにでも、夢之助には絶対呪印を解かせるし、そーすりゃあ恐らく、それを阻止しようとする敵との戦闘になる。敵の力は未知数だ。オレたちは一人も、欠けるわけにはいかねぇ……」
「……キバ」
ナルトは、目をぎゅっとつむり、辛そうに両のこぶしを握りしめる。
「キバ……。ボクが腹を刺せば良かったんだ……」
チョウジも半べそをかく。シカマルは辛そうに目をつむる。いのは涙を必死でこらえ、ネジは固く目を閉じる。ナルトやリーは、既に目に涙を浮かべ、けれどこぼすまいと懸命にこらえる。サスケは独り、まぶしそうに空を見上げる。サクラは悲しみをこらえながらも、サスケを不安そうに見つめる。
「ヒナタお姉ちゃん……」
皆がいっせいに目を向ける。いつの間に、夢之助はいたのだろう。テンテンがあわてて後を追ってくる。
「ゴメンっ! でもキバくんの話、騒ぎが大きすぎて夢ちゃんに聞こえちゃって……」
テンテンはハァハァと息をする。
「……シカマルお兄ちゃん、絶対に敵に、勝てますか? 誰も、死んだりしない?」
夢之助は、真剣にシカマルを見上げる。
「敵がどれくらい強いかなんて、分かんねーよ。けど、絶対勝って任務成功させてやる。もう犠牲者を出すのはゴメンだ。誰も死なせたりしねぇ」
いつになくシカマルは、強い意志を持って答える。夢之助は、何故か安堵の中に悲しみを含んだ表情をして、ヒナタのそばにペタンと座った。
「ヒナタお姉ちゃん……ボクがキバお兄ちゃんを助けたら、またアメをくれる?」
「えっ……?」
「……ううん」
夢之助はさみしげに笑うと、立ち上がり、キッとシカマルに向き直った。
「今からボク、呪印を解きます。解き方は実は前から知ってます。戦闘準備、始めてもらっていいですか?」
ナルト『次回は……怪しいと踏んでる夢之助の言うことを聞くのか…シカマルの決断は……!』
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