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2024.05.28
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)
第7話

近頃とみに忙しくなった撫遠(ブエン)将軍・蕭寒声(シャオハンシォン)。
その夜、沈沁(シェンチン)は夜更けまで将軍の帰りを待っていたが、侍女・茯苓(フーリン)から諌められて先に休んだ。
しかしふと寝返りをうって目を覚ますと、隣に将軍の顔がある。
「いつお帰りに?」
「君が寝ついた頃だ」
すると蕭寒声は愛しい沈沁を腕に抱いて眠った。



一方、泥酔した寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は酷い二日酔いで目を覚ました。
「お目覚めですか?」
十七(シーチー)は酔い覚ましを持って来たが、子衡はもはや十七に見向きもしない。
「まだいたのか?…好きにしろ、適当な部屋を使えばいい」
すると子衡はさっさと出かけてしまう。
「子衡があなたを愛するなんて…」
十七は沈沁に激しく嫉妬し、ある報復を思いついた。
「蕭寒声はどれほどあなたを愛しているかしら?」

沈沁は顔の交換術を調べるため、街で古書を手に入れた。
すると偶然、妹を見つけた沈沅(シェンユェン)が沈沁を捕まえ、無理やり寧王の元へ連れて行ってしまう。
子衡は自分が命じたわけではないと言い訳したが、少し話がしたいと頼んだ。
「子供の心音を聞かせてくれないか、少しだけ…」
「王爺、この子は…」
沈沁は誤解を解こうとしたが、結局、きっかけを逸して慌てて帰ってしまう。

相国府から将軍府に絵が届いた。
蕭寒声は訝しみながら巻物を開いたが、その絵を見て驚愕する。
その時、ちょうど沈沁が差し入れを持って書斎に入って来た。
まさか将軍がかつて自分が脅されて描いた寧王と沈沁の情事の絵を見ているとも知らず…。
「何しに来た?」
「毎日お忙しそうなので安神湯(アンシントウ)を作りました」
すると蕭寒声は沈沁の顔をまじまじと眺め、やはり本当の沈沁ではないと気づく。
「どうかしましたか?」
「急用ができた」

蕭寒声は軍師・雲諾(ユンヌオ)に絵を渡し、作者を探すよう頼んだ。
絵を見た雲諾は目を疑ったが、蕭寒声はむしろこの絵のお陰で確信が深まったという。
「妻は沈沁ではない」
雲諾はその意味に気づき、すぐ調べに出かけた。

蕭寒声は圓宝(ユァンバオ)の手習いに付き添いながら考え事をしていた。
…彼女に素性を明かさせる良い方法はないものか…
すると圓宝は上の空の父に気づき、心配事かと聞いた。
「阿爹はお前の阿娘の気持ちが分からないんだ」
「阿娘が阿爹を好きかどうか知りたいのね?」
ませた圓宝は急に席を立つと、沈沁の部屋から化粧箱に入った絵を持って来た。
「阿娘が描いた阿爹の絵よ…初めて阿爹に会った時だって
 阿娘が言ってた、ずっと前から阿爹のことが好きだったのよって」
その絵はあの晩、山林で蕭寒声が娘を救うため弓を引いている姿だった。

情事の絵の作者は鎏金(リュウキン)坊にいる絵師の十七だと分かった。
すると蕭寒声の絵姿と情事の絵にはどちらも同じ手筆の句と落款がある。
「″朝花夕拾(チョウカセキシュウ)心有戚柒(シンユウセキシチ)″、どちらも同じ作者だ」
蕭寒声は早速、鎏金坊に盈袖(インシウ)を訪ねた。
「君は十七の親友だとか…」
動揺した盈袖は思わず酒をこぼし、慌てて机を拭いた。
「この落款は十七という絵師のものか?」
盈袖は将軍の絵に押された落款を見て正直に答えた。
「…同じです」

蕭寒声が屋敷に戻ると、ちょうど沈沁があずま屋で絵を描いていた。
「十七?」
「はい」
沈沁は思わず返事をして筆を置いたが、蕭寒声の姿に気づいて困惑した。
「将軍?今、何と?」
「何でもない」
すると蕭寒声はなぜか嬉しそうに書斎へ向かった。

その夜、蕭寒声は沈沁の脇殿に錠をかけた。
締め出された沈沁は将軍の居所を訪ねて理由を聞いたが、蕭寒声は夫婦(メオト)なら同じ部屋で寝るのが当然だという。
「…絵を見たよ、なぜ私の絵を?」
「それは…あなたが好きだから…」
沈沁は将軍の追及から逃れられず正直に告白したが、急にえずいて慌てて逃げてしまう。



翌朝、蕭寒声は荀(シュン)侍医を呼んだ。
荀侍医は約束通り夫人の懐妊を漏らさなかったが、蕭寒声に鎌をかけられ口を滑らせてしまう。
「…私の子に何かあれば責任を問うぞ?」
「ご存知でしたか」
…やはり身ごもっていたのだな…

蕭寒声は夜市へ出かける沈沁に付き添うことにした。
沈沁は蕭寒声が自分に聞きたいことがあると分かったが、蕭寒声は沈沁の心に自分がいれば十分だという。
すると蕭寒声は山査子飴を買い、ひとつの飴を2人で一緒に食べた。
…どんなに困難でも私がいるよ、十七…



沈沁は露店で赤子の長命鎖に目を止めたが、将軍の手前、買えなかった。
そんな幸せそうな夫婦を仮面をつけた子衡が尾行している。
子衡は沈沁が眺めていた長命鎖を密かに買い求めたが、その様子を十七が見つめていた。

蕭寒声はこっそり長命鎖を手に入れ、雲諾に頼んで字を彫ってもらった。
…朝花夕拾 心有戚柒…
今やすっかり雑用係と化した雲諾、しかし信頼できるのは雲諾だけだと持ち上げられ、断ることもできない。
「分かったよ、化粧箱を買ってくる」
実は蕭寒声はそろそろ沈沁に真実を明かしてもらおうと決めていた。

一方、沈沁はこれ以上、将軍に隠し通せないと気づき、芊影(センエイ)山荘に十七を訪ねた。
「顔を戻して、将軍に全て話すわ、寧王もあなたを気にかけてる」
「分かっていないのね、顔を戻しても蕭寒声はあなたの素性を気にしない
 でも子衡は違う…」
すると十七はなぜ子衡を愛しているのか教えた。
「相国府では不遇だった…子供の頃、兄が元宵節に花火に連れて行ってくれたの
 嬉しかったわ、でも実は兄は私が目を火傷するか賭けていたの
 その時、子衡がかばってくれた、あの時が初めてだったわ、誰かに守ってもらえたのが…
 まだ顔は戻せない、最後の任務を果たして、そうしたら顔を戻して姉に会わせてあげる」

街へ戻った沈沁は確かに顔を戻しても将軍にどんな身分で接すればいいのか分からず、悶々としていた。
すると運悪く通りすがりの男が持っていた大きな荷物が腹を直撃、腹痛を起こしてうずくまってしまう。
そこへ沈沁をつけていた子衡が駆けつけた。

子衡は沈沁を将軍府へ送り届けた。
侍衛たちはいきなり夫人を抱いて乗り込んできた寧王に困惑、そこへ報告を聞いた蕭寒声が現れる。
「すぐ侍医を呼べ、皆は下がれ」
すると蕭寒声は沈沁から子衡を引き離し、自分の妻だと釘を刺して沈沁を抱き上げた。
「蕭寒声!腹の子の父親は誰か知っているのか!…私だ!」
沈沁は仕方なく将軍に下ろして欲しいと頼み、ついに真実を明かすことにした。
「将軍…今まで騙していてごめんなさい」
「聞いたか?!」
子衡は勝ち誇ったように笑ったが、沈沁の口から思いがけない告白を聞く。
「王爺、私は沈沁ではありません、実を言うと私は十七という一介の絵師なのです
 …将軍、ごめんなさい、顔を替えられ、あなたに嫁ぎました」
蕭寒声は黙って沈沁を抱きしめたが、子衡はどうしても納得できなかった。
「嘘だ!蕭寒声のために私をだます気か?!」
「沈沁でないと証明しましょう」




つづく


※中国版13話2/3~15話





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最終更新日  2024.05.29 10:11:14
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